僕の知らない『艦隊少女』のいる世界   作:酔いどれリンクズ

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第1章・2話

「お疲れ様、アーガス。訓練は順調そうだね。」

「はいッ!工廠妖精さんが作ってくれた艦載機はどれも素晴らしい動きを見せてくれます。既存の艦載機より30%性能の違いもあります。」

 

 

・・・僕の後ろの方で工廠妖精がドヤ顔してそう。

艦娘が扱う艤装はデータリンクにより、装備の扱いやある程度の練度を手助けしてくれる。

響ちゃんを例に上げると、R系響は多くの司令官のもとにいるが、戦闘経験や練度は様々バラバラである。

新造艦で何の経験もない子や、僕のとこの響ちゃんのように実践経験がない子、百戦錬磨の猛者と差に開きがある。

それをある一定の位置まで引き上げてくれるのがデータリンクである。簡単に言ってしまえばマニュアルだね。

命中率や回避率などは個人個人の訓練で伸ばしていかなければならないが、海の上に出て、ただ立ってるだけでやられました~、ってことはほぼない(その子の性格により0ではない。)

 

と言うわけで軍でもそんなに多くはないらしいけど、アーガスの艤装データはあるので、すぐに外へ出て訓練することは可能なのである。

今は艦載機の射出や海の上での回避行動を主題に訓練している。

現在、走っている航路は敵もほとんど出ないので順調なのである。

 

って言うか、既存の艦載機より30%性能が違うッ!?

もうそれ別もんじゃねぇかッ!!

あの妖精なにやってんだよッ!?

出すとこに出さないとダメなやつじゃないか、それ?

 

 

「司令官・・・アーガスさんが・・・」

「おっと・・・アーガス、着替え終わったら一緒にご飯食べに行こう?疲れているなら別々でもいいんだけど。」

「司令官からのお誘いです、ご同伴しますッ!艤装を外してきますので待っていていただけますか?」

「うん、待ってるけど急がなくていいからね?整備の人たちと話しているから。」

 

 

笑顔の敬礼と共に艤装を外しに移動していった。

僕は後ろにいる工廠妖精に疑問を投げ掛けた。

 

 

「で?ここまで性能が違うなんて聞いてないんだけど?いろいろ作ってくれるのはありがたいけど、資材の枠もオーバーしてるし、その辺の説明が欲しいなぁ?」

「お、おう・・・きそんのきかいをかいりょうしてるだけですよ?かいりょーあんはしれいかんにていしゅつしてるのです。とくにきゃっかのはなしきいてないのでやったのですよ?こんかいのはじしんさくです。」

 

 

改良案を提出した?

響ちゃんの方を向いても特に大きな反応はなし。

あ、ちょっと首を横に降ってる、知らない、か。

 

 

「あ、何枚か開発部の報告書の中に真っ白な紙が何枚かあった気がする。裏紙用に片付けたな・・・もしかしてそれかな?」

「しょーかんがちゃんとかいたのです。まっしろなはずないです。」

「橘司令官、妖精さんの文字は人には見えないのです。なので、響たち補佐官に渡さないとわからないですよ?」

 

 

え?そうなの?

その辺、どうなってるのかわかんないんだけど・・・?

 

 

「どうやら何かの行き違いがあったみたいですね。響は開発部からの報告は知らないのです。」

「あ~・・・こっちの手違いな訳だ・・・まあ、今回はもうやっちゃた訳だし、改めて改良後のデータ出した報告提出願います。『かってに』やっちゃった件はそれで不問にするよ。性能がいいのはすごいことだし。」

「かんしゃですよ。ふだんもしっかりしてくれるとしょーせいもありがたいですよ~・・・データとりいくのでさらばですぅ。」

「あ、ちょッ!?」

 

 

一瞬で逃げていった妖精である。

資材の件がまだなんですけどッ!?

 

 

「司令官のみが確認する資料については封がしてあるので、それ以外は1度、響に見せてほしいのです。補佐官としての情報周知が必要です。」

「そうだね。あとで開発部の方の資料は確認お願いね?・・・僕だけが知ってる必要ある情報なんてないし、響ちゃんには助けてもらわないといけないから、これからはそっちにも渡すよ。響ちゃんには隠し事はしないよ。」

 

 

情報共有は大事です。

前の世界でいた会社でも仲間が周りに通知しなかった案件のお陰でえらい目に遭ったし・・・報告・連絡・相談、は何処に行っても大事です。

 

響ちゃんに話しかけようと思ったけど、俯いてしまって話しかけれる感じじゃなくなった。

仕方ないので、カタパルトで一生懸命働いている整備班や妖精さんを見ながら、アーガスが帰ってくるのを待つのだった。




Tips:工厰妖精はナニカサレタヨウダ
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