人間は欲に手足のついたものぞかし   作:もやしの化身

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進まない(笑)


はづかしながら文言葉 おもひは山崎の事 

昨日のあれから太宰の金で社行きつけの店で呑んだ。結果的に太宰ははぐらかし、逃げて国木田が払うことになったんだが。その時の国木田対太宰の戦いは最早恒例行事といってもいい。本当に世に銭程、面白き物はなし(人の金で飲む酒は美味かった)。その後はいつも通りで文句を言う国木田を揶揄い、逃げるように帰った。軽い酩酊状態で帰った社宅の部屋は寂しいもので、殺風景な光景もいつもと変わらない。高級な宿なんて世辞でも言えないが雨風が防げるだけまし、と言うべきか。いつもなら仕事までぐっすりと寝ているはずなのだが、あろうことか不愉快な着信で目が覚めた。発信者は「太宰」。真に不愉快だ。

 

「なんだ。」

『頼みがあるんだ。』

「どうせ死にそうとか言うんだろ。死ね。」

『ちょっ』ブツッ

 

二度寝しよう。幸いにも仕事まであと五時間はある。最低でも3時間は寝られる。寝ようと決心し布団を掛けなおした処でまたもや携帯が鳴る。今度は国木田だ。深くため息をつきながら出る。

 

「なんだ。」

『今日のお前の仕事はキャンセルだ。他の者に回した。』

「はぁ?」

『今日は別件を任せたい。』

「……どうせ社長の命令だろ。」

『そういうことだ。1時間後に集合だ。』

「はいはい。」

 

掛けなおした布団を剥いでベッドを出る。彼が直接出した仕事なんぞ面相臭いに決まっている。今まで面倒臭くなかったことがない。衣装箪笥から適当に服を取る。といっても種類も多くなくいつもと変わらぬ恰好なのだが。……嗚呼。だるい。

 

 

 

――

 

 

 

「うん、君に仕事を斡旋しようと思ってね。」

「本当ですか!!」

 

朝から太宰の自殺未遂の後処理を任された彼―中島敦―と太宰は探偵社のある大きな通りを歩く。先ほどの会話の通り、彼は孤児院を出た直後であり仕事が無い。通称穀潰し(ニート)である。彼にすれば藁にも縋る勢いでまさに渡りに船だろう。

 

「伝手の心当たりがあるから先ずは探偵社に行こう。任せ給えよ。我が名は太宰。社のしんr」

「ここに()ったかァ!!包帯無駄遣い装置!!」

 

太宰の言葉を遮ったのは国木田だ。いつも余裕をもって行動している彼にしては時間に追われているようであり、顔に緊張が見える。

 

「……国木田君、今の呼称はどうかと思う。」

「この非常事態に何をとろとろ歩いているのだ!疾く来い!」

 

国木田の呼称に地味に傷ついた太宰は本当かもわからぬ豆知識を国木田に吹き込む。勿論嘘だ、と種明かしをしてもみ合う。彼らにしてみればここまでが定型句(天丼ネタ)だ。終わらないもみ合いに痺れを切らせた中島が話を切り出す。

 

「あの……非常事態って?」

「そうだった!探偵社に来い!人手が要る!」

「なんで?」

 

首と痛めたらしい太宰が摩りながら国木田に尋ねる。

 

「爆弾魔が……人実を連れて探偵社に引きこもった!」

 

 

――

 

問題の探偵社の引き籠っている部屋まで行けばそこから空気が張り詰めていてそれだけで異常事態だとわかる。軽く観葉植物を衝立代わりにしてゆっくりと覗き込む。一番奥の窓側の机には犯人であろう少年が座っている。その足元には学生(セーラー)服を着た少女が縛られて座っていた。犯人はブツブツと小言を言いながら震えている。

 

「……ぜんぶお前等の所為だ!『武装探偵社』が悪いんだ!!」

 

「社長は何処だ!早く出せ!でないと――――爆弾で皆吹っ飛んで死んじゃうよ!!」

 

 

「あちゃー。」

「怨恨だな。犯人は探偵社に恨みがあって、社長に会わせないと爆破するぞ、と。」

「ウチは色んな処から恨みを買うからねえ。しかもあれ、」

 

太宰によれば使われている爆薬は高性能爆薬(ハイエクスプロオシブ)。C4といった方が簡単にわかるだろう。爆薬の量によっては簡単に部屋が吹き飛ぶ。

 

「爆弾に何か被せて爆風を抑えるって手段もあるけど……この状況じゃなぁ」

「どうする。肝心の社長は出張中だ。」

 

意を決したのか、二人はばっと手を出す。

 




てか主人公空気…

ちょっとした紹介

井原西鶴 26歳(ぐらい)
母親は遊女であり幼いころから性を身近に感じる。
過去に本気で愛した女性がいたが悲劇を迎え、それ以来”恋愛”ができない体質になる。

あとは能力、人間関係ですがネタバレになるので後々出していきます|д゚)
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