現想の交差点にて   作:d.nob

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すさまじく久しぶりの投稿です。
誰か見てくれていると嬉しいです。


第11話

 

「それじゃぁ、妖夢。ちょっと人里に行って来てもらえるかしら」

 

 庭師として庭の手入れをしていた妖夢は主人である西行寺幽々子に、話があるから部屋に来なさいと呼びつけられ、調度品の控えめな私室に上がると開口一番にそう言われた。何故という疑問を抱くが先回りされ答えを言い渡される。

 

「今回の異変について、稗田家に顛末を伝えてきてほしいの」

 

 妖夢はいつもと同様の穏やかな口調で言われたことをかみ砕いていく。数瞬の後に幽々子は妖夢が依頼に頷いたことを確認すると、厚めの封書を手渡しする。白い指先から密書を両手を使って受け取り、壊れ物を扱うように胸に抱く。そんな大仰な妖夢の仕草が可笑しかったのか、桜色の扇子の裏で声を漏らして笑う。

 

「そんなに大切にしなくたって壊れる物じゃないわ、もっと気楽に、ね。終わったらついでに人里で遊んでらっしゃい」

 

 そう言うと幽々子は懐から巾着を取り出し、妖夢へと放る。妖夢は慌てて片手を空けて受け取ると硬質な感触が手を伝い、まさかと思い巾着の紐を緩める。中に硬貨に紙幣が所狭しと詰められていて金額の大きさを主張する。貨幣の価値に疎い妖夢にとっても、この金額が一日やそこらで使い切れるものでは無いとわかり、緊張を覚える。

 

「ほら行ってらっしゃい。今日はここの事は気にせず羽を休めてきなさい」

 

 慈愛の込められた言葉には、妖夢への気遣いが多分にあり妖夢もそれを感じ取る。崩れていた背筋をぴんと正すと、深く礼をして一言。

 

「行ってきます」

 

 それを最後に妖夢は支度を始めますと言って部屋を後にする。

 

「さてさて初めてのお使いは上手くできるかしら」

 

 幽々子は一人になった部屋で独り言にしては大きめの言葉を零す。今は妖夢と自分しか白玉楼で話をする者はいないのだから反応が返ってくることは無い、普通であれば。

 

「どうかしらねえ、あの子もまだまだ半人前だから」

 

 一人しかいないはずの部屋に幽々子のものとは別の声が響く。その声は高く澄んでいながらも妖艶で、甘さと妖しさの共存する音は聞くものにささやかな不安を掻き立てる。音源は幽々子の対面、先程まで妖夢がいた場所のすぐ横からだ。

 

 虚空に黒い一閃が奔ると、にわかに広がり幾重もの「瞳」の連なった黒い空間が広がる。不気味を体現したかのような空間から浮き出る様に妙齢の女性が現れる。

 

 まるで初めからそこにいたかのように顕現した女性は紫を基調とした道士服を纏い、扇情的な曲線を描く肢体を包み隠している。相貌は美しく妖艶で、艶のある金髪に知的な印象を与える切れ長の瞳。現れた女性が左腕の袖から覗くしなやかな指で冥界に開いた窓をゆっくりとなぞると、仄暗い空隙は行儀よくその口を閉じる。

 

 一人が二人になったことを除けば先程と何ら変わらない部屋、こんな侵入をされたのならばどのような鍵もその役割を果たすことは無いだろう。幽々子は突如現れた不審者に驚きも恐れもせず、さも当然の事かの様に受け入れている。それどころか呆れを滲ませる表情からは知己の間柄のようだ。

 

「またそんなところから、たまにはちゃんと玄関から来なさいな」

 

 幽々子に呆れられた友人、八雲紫はどこ吹く風といった風で畳の上に腰を据える。勝手知ったる他人の家という事なのか、我が物顔で転がり込んでいる。ぬらりひょんを彷彿させるふてぶてしさだ。

 

「たまにはね、こっちの方が早くていいじゃない」

 

 紫はやんわりと断ると幽々子は頬を膨らませ、子供の様に不満をぶつける。

 

「そうかもしれないけど、これじゃ風情がないじゃない。たまには庭でガールズトークしたいし」

 

 いつもここに直接来られると、ここで座談をして済ませてしまう。お互いに寿命とかけ離れた存在であるが故に、次回こうすればいいかで終わらせてしまうことが多い。長く生きるからこそ無くしてしまった頓着だ。

 

 妖夢が手入れしている庭を見て行け、という意味の含まれている言葉を拗ねた様を見せて零す。大人の気風を纏う幽々子の見せる子供の様な表情は、なかなか見せない表情という事もあり物理的ではない破壊力を伴う。

 

「じ、次回はそうするわ」

 

 大人びた友人が自分にだけ見せた子供の顔でお願いをしてくる。そんなお願いを断ることができる者はいるのだろうか。守勢に回り旗色の悪くなった紫は、話題をすり替える。

 

「それより今日は珍しい御菓子を持ってきたのよ、どうかしら」

 

 鬼の居ぬ間になんとやら、こういうことは口煩い妖夢の居ないときに限る。紫の露骨な話題転換に幽々子は親指を立て乗ることにした。

 

「でかした」

 

 

 

 

 

 妖夢は白玉楼の正門の前でぺこりとお辞儀をして、白玉楼の階段を降り始める。不安が無いと言えば嘘になる。異変中には何度も近くに行ったがそれとはわけが違う。これはいわば事件を起こした犯人に対する取り調べなのだから。白玉楼の使者として遣わされるのだからと気を入れなおし、背筋を伸ばす。遣いがしゃんとしていなければ主人の品格を問われる、一挙手一投足にまで油断はできないと思いを抱き冥界をあとにした。

 

 緊張の余りに手と足が同時に出てしまっていた事を妖夢は知らない。

 

 

 

 

 

 冥界を出ると、直ぐに鮮やかな緑の海が眼下に広がる。春を取り戻した幻想郷は遅れを取り戻すようにそこかしこで淡い緑の萌芽を伸ばす。緩やかな風が僅かに青臭い春を乗せ幻想を吹き抜ける。

 

 幽門から出た妖夢は顕世のうららかな日差しに目を細め、目的地の位置を再確認する。異変前から下調べをしていた人里の位置は忘れる筈もなく、風に身を乗せ進んでいく。

 妖夢の目に映る景色は萌黄色に染まり、ぬるい皐月の風が心地よく頬をなでる。

 

 

 

 

 

 人里が目と鼻の先に迫ると、妖夢は高度を落とし地に足を付ける。

 

 幻想郷たった一つの人里は高い塀で覆われ、その全容を秘している。高い塀は綺麗に整備され堅牢さをうかがわせ、木っ端妖怪程度では破れぬ様に法術を用い補強している。勿論飛ぶことのできる妖怪には何の関係もない事だが、隔意の無いことを示すために人里を訪れる妖怪は人間の開けた塀の穴、正門をくぐることが慣習となっている。一部の天狗などが号外と称して新聞をばら撒き、晴れ時々新聞となることも例外的にあるが。

 

 緊急でもなく襲撃するでもない妖夢は、徒歩にて人里へと進む。大きく開かれた門戸の両脇には武装した男性二人が立ち、隙無く周囲の様子に注意を向けている。勝てる、が一筋縄ではいかなそう、それが妖夢の抱いた印象だ。今日は使者としてきたが機会があれば手合わせをしたいものだな、という思いを胸に抱き門番を横切る。

 

 塀一つで遮られた内側は人や荷物がせわしなく往来を行き来し、一度流れに飲まれてしまえば、脱出するのは容易なことではないだろう。荷車に喧騒、そして人が行き交う大通りは熱気に溢れ、小春日和だというのに、夏を感じてしまいそうになる。

 

 流れに乗せられない様に、通りの外れにある木陰に避難する。そこで妖夢は肩掛けの鞄から地図を取り出し、目的地の詳細を確認する。今回の出立に当たって幽々子が妖夢に持たせたものだ。

 

 妖夢に人里を訪れたことは無い、先代の庭、師妖夢の祖父が居た頃は彼が全面的に顕世と幽世の間を取り成し、庭師兼剣術指南役が妖夢となってからは楼内の事が十全にできるようになるまでは、と八雲の式が取り繋いでいた。

 

 だからこれは半人前が一人前となるための試験でもあるのだろう。そう解釈した妖夢は取り出した地図を広げて穴が開くほど熱心に見つめる。

 

 地図上には妖怪の山から霧の湖、魔法の森に太陽の畑、果てには無縁塚まである。大きな地図には当然人里も含まれ、赤く丸を付け大きく「ここ」と感嘆符を添えて記されている。

 

 ざっくりしすぎではないだろうか。

 

 地図を持つ手はわなわなと震え、握られた端は皺を深くする。何かの間違いではないかと幻想郷の全図を折りたたみ、鞄をひっくり返す。手入れの行き届いた深緑の鞄からは紙片どころか埃の一つも落ちやしない。再度地図を広げ、人里の印を睨むが、稗田邸の場所は分かりそうにもない。

 

 妖夢は仕方が無いとため息交じりに地図をしまい、道行く町人に道を尋ねることにした。忙しそうにしている人に声を掛けるほど愚昧にはなりたくないので、暇を持て余していそうな者を往来の中から見つけ出し頼むことにする。

 

 鋭い目つきで大通りを睨む妖夢を避ける様に足早に通り過ぎる。上機嫌に暇を持て余していた者も妖夢の前はそそくさと通り抜ける。睨んでいる自覚のない妖夢には道行く人は皆足早で忙しそうに見えていた。

 

 そうしてしばらく過ごしていると人のうねりから離れ、とてとてと妖夢の側に寄るものが一人。簡素な動きやすい山吹色の着物に、短く切りそろえられたおかっぱ、そして栗色の瞳が特徴的な少女だ。少女は妖夢のすぐそばまで近づくと目つきの悪い妖夢へと話しかける。

 

「ねえ、お姉さん何か困っているの」

 

 耳朶が拾った子供らしいあどけなさの残る声は、妖夢がまさに望んでいた助け舟であった。お釈迦様の垂らした蜘蛛の糸を掴むようにかぼそい希望を手繰る。

 

「それが……実は」

 

 

 

 

 

 妖夢の話を聞き終えた少女は大仰にうんうんと頷いて、胸にどんと手を当てる。

 

「そう言う事なら私に任せて」

 

 自信満々といった動作に、上がった口角から覗く綺麗に白い歯が眩しい。少女は妖夢の手を取るとするすると人の濁流をかき分け進んでいく。半人半霊の妖夢にとって、頭一つ分小さな少女の手は暖かかった。

 

 そうして数分進むと大通りの先に大きな屋敷が見えてくる、稗田邸だ。稗田邸は人里のほぼ中心にあり、敷地の周りに水掘り、更には塀が建てられ大名屋敷の様相を呈している。その周辺にも格が高いであろうよく手入れのされた家屋が立ち並びその区画の権力を示す。堀にかけられた橋の前まで着くと少女は妖夢の手を放し、屋敷の大きな門を指差す。

 

「ここが稗田邸だよ、お仕事頑張ってねお姉ちゃん」

 

 妖夢はお礼を言おうとしてはたと気づく。お互いに自己紹介もしていないのだ、お礼をするのにも片手落ちになる。

 

「私は魂魄妖夢と申します、此度は助けていただき誠にありがとうございました。このご恩はいつか必ずお返しします」

 

 妖夢の仰々しいお礼はかみ砕くのに少し時間がかかったもののきちんとうけとられた

 

「私は五十嵐綾音、私が好きでやった事だからお礼なんていいよ。私も寺子屋行くね」

 

「それでも、ありがとうございました。五十嵐様」

 

「綾音でいいよ、妖夢お姉ちゃん」

 

 綾音は、それじゃあお仕事頑張ってね、と一言付けたしまた駆け出し人ごみの中に紛れていく。先程案内していた時よりも早く駆けて行ったことから用事があったのだろう。きちんと謝礼について話そうとした妖夢は出端をくじかれ、引き留めようと伸ばした手は空を掴むばかりだった。用事があったのに時間を取らせて悪い事をしたなと頭の片隅に浮かんだ。

 

 

 

 

 

 気を取り直し、稗田邸の門に向き直る。大きな門は小粋な彫刻が施され、壁の漆喰には染み一つない。ただ豪奢な屋敷であるだけな筈なのに、敷居をまたぎ辛くさせる何かがあるように感じさせる。それがにじみ出る権力の大きさによるものなのか、今回の使命にかかっている重さなのかは分からない。

 

 豪奢な門は締め切られ脇には軽装の門番が直立不動で微動だにせず佇んでいる。一見すると門の一部と錯覚するほど希薄な気配には一切の隙が無く、直感で強いと感じるほどだった。騒ぐ剣士としての血を抑え、門番の壮年の男に声を掛ける。

 

「白玉楼の使者として参りました、魂魄妖夢と申します。異変の件で報告に上がりましたのでご当主へお目通り願います」

 

 淀みなく言い切られた言葉に、門番の男はばつが悪そうに頭を掻く。妖夢は自分の言葉に何か間違いがあったのかと小首を傾げる。

 

「あー、そのなんだ、稗田邸の開邸時間は確か、十時からだった筈だ。内側のやつらが定時になると開ける筈だからおそらくまだ十時前だ」

 

 そう言い切ると男は、ちょっと待っててくれ残し小さな戸を開いて中に入る男が中に入っていった。しばらくすると再び戸が開き男が元の場所に戻ってきた戻ってきた男は、先程と同様の苦笑いで話を切り出した。

 

「駄目だった、規則だから十時まで待っててくれだそうだ。例外があっては他の者に示しがつかないからだと。あと門番が門を離れるなって怒られた」

 

 頭が固いよな、と同意を求める男に妖夢も苦笑いをもって返す。

 

 

 

 

 

 それからしばらくすると沈黙をたもっていた大門は鈍く鳴き始める。閂を抜く音だろうか重く木と擦れる音が続く。不意に音が止むと櫓門は内側に開き、中の様子を外に晒す。中庭は隅々まで手入れが行き届いており、よくよく時間と手間をかけていることがわかる。剪定されていながらも自然を感じる、そういった趣向を凝らしているのだろう。門から屋敷に伸びる石畳は途切れることなく続き、玄関口まで案内する。

 

 白い石畳に枯山水は良く映え庭を見る者の目を楽しませる。稗田邸を目指す妖夢にとっても同様で、中庭に広がる技の結晶に感嘆を隠さない。今日は人に驚かされるばかりだなと思いつつ、水平を保つ道を進む。

 

 玄関を上がると、直ぐ近く設置されている番台の様な箇所にいる女性に声を掛ける。動きやすい簡素な服を身にまとっていることから女中であることが推察され、その横には帳簿と呼び鈴が一個ずつ。洋紙の帳簿には多くの名が連ねられ、多くの人妖がここを足を運んでいることが伺える。用件を伝えると女性は帳簿をインクで汚していく。一通り書き終えると、テーブルベルを指ではじく。

 

 ベルが心地よい金属音を奏でると、近くの襖から別の女中が姿を表す。こちらもやはり簡素な装いで動きやすさに重きを置いたものだ。番台の女中が用件を伝えると、妖夢の近くまで侍り付いてくるようにと先導する。

 

 大きな屋敷の廊下を奥に進み、さらに鴬張りを渡る。奥まった位置にある部屋に辿り着くと襖で仕切られた部屋の前に辿り着いた。その部屋はここまでの道のりにあった部屋よりも飾り気がなく素朴な印象を抱かせる。案内をしていた女中が襖の前に腰を下ろし正座すると失礼します、お客様がお見えですと中の人物に声を掛ける。返事は直ぐにあり、お入りなさいと告げられる。その声は幼く鈴を転がしたような高い声。

 

 返事を受け取ると女中は襖を細かく所作を変え開く、襖を開き一礼すると正面から横に人一人分ずれ妖夢の入室を促す。妖夢は女中に習い正座を作ると開いた襖の前で一礼をし、敷居をまたいだ。

 

 下がりなさいと襖越しでない涼やかな音が聞こえると、妖夢の後ろの襖が閉められる。通された部屋は豪奢な装飾はなく質素にこじんまりとまとまった部屋だった。妖夢の目の前には先程の綾音と同じくらいの年の頃の童女が一人、紙の広げられた座卓に座っている。綾音も年の割にはしっかりしていたが、この童女はそういう程度ではない。凛とした佇まいは様になり、手許で揺れる筆からは芸術的な文字が紡がれる。様になりすぎていると言っても過言ではなく、まるで悠久を生きつつ、老いの無い化生の類とすら思うほどだ。少しばかり気圧されている妖夢に気付いた童女は小さく礼をしつつ自己紹介を始める。

 

「お初にお目にかかります、わたくし稗田家当主の稗田阿求と申します。どうぞよしなにお願いします」

 

 一から十まで慣れきったようなに流れる所作が、童女が只者でないことを教える。妖夢も同様に挨拶を返す。

 

「私は白玉楼の庭師、魂魄妖夢と申します。本日は異変の事でこちらに伺わせていただきました。どうぞよろしくお願いします。」

 

 妖夢は挨拶に合わせて持参した土産を阿求に手渡ししようとする。

 

「それとこれ、つまらないものですが……」

 

「つまらないならいりません」

 

 不意に聞こえた拒絶の言葉に妖夢の思考が空白となる。突き出された小包はむなしく空を泳ぐばかりである。くすくすと言うしのび笑いが聞こえてくると妖夢は頭を上げると、阿求が着物の袖で口元を隠しているのが目に入る。妖夢に見とがめられたのがわかると阿求は佇まいを戻し、にこやかに妖夢に告げる。

 

「ごめんなさい、ちょっと意地が悪かったわね。ありがたく頂戴いたします」

 

 阿求が桜色の小包を受け取り、手から荷物が離れると妖夢はからかわれていただけだと気づく。言葉選びを間違えた自分に対する羞恥心とほんの少しの憤りが胸中に沸き立ち、白い肌に朱が差す。阿求はその様子を微笑ましそうに眺め、広がっていた紙片を片付け、真新しい冊子と筆を構える。

 

「それでは、緊張もほぐれたところで本題に入りましょうか」

 

 

 

 

 

 本題はつつがなく終わった。異変の顛末については事前に持たされていた封書にほぼ全てが記されており、その補足を妖夢がする程度であった。幽々子はこういった公務とでもいう事には、普段からは考えつかないほどまめで要点を漏らすことは無い。だからこそ冥界の管理を任されているのだろう。後から聞いた話では紅魔の主従の場合には謎の単語や曖昧模糊な言葉に苦労したそうだ。

 

 結局書類や必要事項の揃っていたために異変の報告は昼前には終わり、筆を止めると冊子を閉じ、表紙に筆を走らせる。

 

 春雪異変

 

 それが今回の異変の名前になる。阿求が筆をおくと妖夢は肩の力を抜きほっと一息つく、阿求もそうなのか纏う空気が僅かに弛緩している。

 

 妖夢は用件を終えたため退出しようとすると、座卓の上に置かれた真新しい薄い冊子が目に入る。視線をさらに上に向けると、年相応の笑みを浮かべた阿求。妖夢は嫌な予感を感じ取るが、ここは稗田の奥座敷、逃げられない。

 

「それじゃあ仕事は終わり、ここからは私の趣味の範疇です。どうか付き合ってください」

 

 

 

 

 

 妖夢は稗田邸で夕餉も御相伴することとなった。




 妖夢のイメージは真面目で真っ直ぐ。
 阿求は大人で子供です。

 突貫作業でしたので変かもしれないです。
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