インフィニット・パワーレンジャー   作:赤バンブル

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取りあえず考えた日常回。

箒ファンの方は引き上げた方がいいです。


変身なし。


「箒の表と裏」

IS学園 放課後

 

 

やっほー!

 

凰鈴音よ。

 

IS学園では、普通の高校同様に部活があるんだけれどパワーレンジャーである私たちはバラバラに入るわけにはいかないというわけで新しい部活動を作ったの!

 

その名も「武術部」。

 

まあ、形式的には空手とかのスポーツをやる部活みたいな感じなんだけど、実際は「パワーレンジャーの訓練所」と言った方が正しいかしらね?

 

ちなみに部長は一夏、副部長はシャル。部員は私と弾、そして、この間助けたセシリアの合わせて五人。顧問は最初は千冬さんにしようかと言う話があったんだけどあまり注目を集めるわけにもいかないから『まややん』こと山田先生に顧問についてもらったの。まあ、千冬さんはその分基地でアルファに仕事を手伝ってもらいながら待機になるけど。ついでにセシリアは力になりたいからっていう理由で加わったんだけどまだまだね・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・って、そこまではいいんだけど入学してからあっという間に一月経ったんだけど誰かが訓練中に覗き見をしていると思って部室の戸を開けたら、何故か同じ時期に入学した剣道部の部員たちとプラス一人が廊下にいた。

 

あっ、ちなみにプラス一人って言うのは四組の更識簪っていう子で今の学園の生徒会長の妹さんで私たちが入学したときからこっそり覗いていたのよ。簪は私を見るや脱兎のごとく逃げて行ってしまった。

 

でも、問題なのはその簪とは比べ物にならない大人数の剣道部員・・・・どういうこと?

 

「あの・・・・・みなさん、剣道部の人たちですよね?どうして別の部活動の様子を見ていたんですか?」

 

まや・・・・じゃなくて、山田先生は剣道部員たちを部室に入れて、優しく声をかける。ちなみに私たちは彼女たちの後ろに立っている。後姿を見ると何かに震えている様だった。

 

「あの・・・・・・・・こちらの部に入れていただけないでしょうか?」

 

「「「「へ?」」」」

 

一人の女子生徒の言葉にセシリアを除く私たち四人は思わずそう思った。

 

「それはどういう事ですか?」

 

山田先生は相変わらず落ち着いて聞く。すると別の生徒が急に泣き出した。いったいどうなってんのよ!?

 

「わ・・・・・・・私たち・・・・・怖くて部活動やめてきたんです!・・・・・うぅ・・・・」

 

「やめた?どうして・・・・・」

 

「みんな・・・・・篠ノ之さんを怖がっているんです・・・・・」

 

「篠ノ之・・・・・・箒が?」

 

一夏が会話に混ざる。

 

「箒が一体何をしたって言うんだ?詳しく聞かせ・・・・・・」

 

「暴力的で参ったと言っても続けて攻撃しようとするし・・・・・」

 

「朝練の時はやたらめったら竹刀を振り回すし・・・・・」

 

「挙句の果てには先輩たちさえ来なくなったと思ったら退部届を・・・・うぅぅ・・・・・うわぁぁぁぁ!!」

 

やっとのことで言い終わると全員泣き出してしまった。

 

簡単に言うとアイツ(箒)が部活でやり過ぎを通り越した行動に手の施しようがないと判断した上級生は匙を投げて退部。残されたメンバーは箒の恐るべき拷問と言う名の練習に恐れて今日逃げてきたというわけだ。

 

って言うかアイツもう退学になってもおかしくない所までいってない?正直言うと。

 

私たちが必死に泣き止ませようとすると案の定、木刀を持った箒が部室へと入ってきた。

 

「貴様ら!これはどういうことだ!」

 

箒は彼女たちが書いたものと思われる退部届を見せる。彼女たちはたちまち私たちの後ろに隠れた。

 

「箒、お前はなんてことをしているんだ?部活はお前の好き勝手やっていい場所じゃないんだぞ?」

 

一夏は庇うように箒に向かって言う。パワーレンジャーになってからアイツなんか男前になってきたように感じる。

 

「黙れ一夏!私は、鍛錬が足りないと思って勝手にやめた先輩たちに変わって指導しているんだ!」

 

・・・・・ダメだ、話がまるで通じてないわコイツ。

 

「そうだとしてもお前のやり方は無理がありすぎる。部員はお前じゃないんだぞ!」

 

「とにかく、そいつらを引き渡せ!その腐った根性を叩きなおしてやる!」

 

箒は後ろにいる元部員たちを睨みつける。元部員たちはあまりの目つきに怯える。一夏はため息をつくと箒の方を見直す。

 

「そういう考えで無理やり連れて行くなら俺は許さない。」

 

「だとしたら?」

 

「俺と一本勝負だ。俺が勝ったら彼女たちを自由にしろ。」

 

「負けたら?」

 

「俺たち武術部が代わりに入ってやる。それなら文句ないだろ?」

 

「それならいい。腕が落ちていないか試してやる!」

 

箒はそう言うと部室から出て行った。

 

「一夏、あんた本当に大丈夫なの?」

 

「いくらなんでもあそこまで言っちゃ・・・・」

 

「しかも、アイツって中学の時全国大会で優勝したんだろ?勝てんのかよ?」

 

「弾、俺たちはパワーレンジャーだぞ?こんなに怖がっている子たちを見過ごせるのか?」

 

「それはそうだけどよ・・・・・」

 

一夏の言葉に弾は心配そうに言う。

 

「私は一夏さんを信じますわ。」

 

「・・・・・セシリアの言う通りかもね。僕も信じるよ。」

 

「はあ・・・・・・アンタって奴は・・・・・・しょうがないわね。負けたら食堂のデザート一カ月奢りなさいよ。」

 

私たちは冗談を言いながら剣道部の道場へと向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

剣道道場

 

「え・・・・っとでは・・・・・これより、篠ノ之さんと織斑君の試合を始めます。勝負は一本勝負。先に打ち取った方が勝ちです。」

 

山田先生は少し怖がった様子で審判をする。両サイドでは一夏と箒が防具を付け、面を被る。どちらからもとてつもないオーラを感じさせられたけど一夏に関してはパワーレンジャーに変身したときとは別物の何かを感じさせられた。

 

「勝負は一瞬・・・・・一夏の奴大丈夫かよ・・・・」

 

「僕もあんなことは言ったけど篠ノ之さんは全国大会優勝経験の持ち主・・・・簡単な相手じゃない・・・」

 

「きっと一夏さんは勝ちますわ!」

 

「一夏・・・・」

 

私は不安な顔で一夏のことを見た。一夏は無言のまま箒と向き合い、竹刀を構える。

 

「始め!」

 

山田先生の試合開始の掛け声とともに箒は一夏に一気に接近し、面目掛けて竹刀を打ち込みにかかる。流石は全国大会で優勝経験があることもあって、同年代の中では群を抜いた威力と勢いがある。正直言ってパワーレンジャーになった鈴たちさえも一瞬ビビった。

 

「面!」

 

箒は一夏の面に向かって勢いよく竹刀を振り下ろす。一夏は身動き一つ見せる様子はない。

 

「悪いが一夏!この勝負は私がもらった!」

 

箒は勝利を確信した。

 

だが、その直後身動き一つも見せなかった一夏が突然動き出し、箒の竹刀を打ち返し、箒の真横に移動する。

 

「何っ!?」

 

「胴!」

 

一夏は動揺した箒の隙をついて胴に竹刀を打ち込んだ。

 

「一本!」

 

同時に山田先生の判定の声が上がる。箒は目の前で何が起こったかわからず後ろに移動した一夏を見る。

 

「えっ?」

 

「この勝負、織斑君の勝ちです。」

 

「かっ・・・・・勝った・・・・」

 

「一夏の奴が勝ったぞ!やった~!」

 

「一夏・・・・・よかった・・・」

 

判定が言い渡されると一夏は竹刀を置き、面を脱ぎ始める。

 

「ま、待て!一夏!もう一度私と戦え!」

 

勝負に納得できないのか箒は一夏を呼び止める。

 

「勝負はもう着いたはずだ。」

 

「だ、だが・・・・・」

 

「約束・・・・・・もう忘れたのか?」

 

「うぅ・・・・・」

 

一夏に言われ箒は何も言えなくなる。一夏は元部員たちの方に行く。

 

「これで君たちは自由だ。他の部に行くもよし、俺たちの部に来るもよし。好きにしてくれ。」

 

一夏の後を追って鈴たちも道場を去って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

道場に一人残された箒は跪く。

 

「何故だ・・・・・・何故私ばかり・・・・・」

 

箒は誰にも気づかれないように泣いた。

 

「父さんも・・・・・母さんも・・・・・・姉さんも・・・・・・一夏まで・・・・・どうして・・・・・」

 

そして、思いっきり竹刀を床に叩きつけた。

 

「どうして誰も私から離れて行ってしまうんだあぁぁぁぁぁぁぁ!!うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

箒は一人泣き叫んだ。

 

声が枯れるまで。

 

 

 

 

 

 

 

 




簪ほんのちょっとの登場。

ちなみに本音や生徒会長もそのうち本格的に出るかも。

箒のあの行動は一夏に相手にしてもらえない苛立ちからくるものでもあります。
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