そんなわけでアルファも学園にいることがあるという回。
IS学園 アリーナ
どうも、織斑一夏です。
この間の箒の件以降、元剣道部員たちが武術部に入ったおかげでたった五人だった部活が急に賑やかになりました。
箒には悪いことをしたけど。
ちなみに束さんにそのことを報告したらかなり頭を抱えていました。
一方、学園の行事はバンドーラのせいで消えたイベントがある。
それは、クラス対抗戦だ。
簡単に言えばクラス代表同士がISの試合を行って優勝したクラスには特典がもらえるというものだったのだが・・・・・・・スケジュールの都合上消えてしまった。優勝賞品は食堂のデザートパス。
おのれ、バンドーラ!
まあ、そんなことは置いといて今、俺たち(千冬姉も含める)はアリーナで特訓をしている。
何ッて?
パワーレンジャーに変身した状態でISの模擬戦だ。
「しっかし、二世代の『打鉄』での訓練で参考になるのかしらね?」
トリケラレンジャーになっている鈴は瞬時の武装展開の練習をしながら言う。これはそのうち完成すると思われる俺たちパワーレンジャー用ISを早く使いこなすための模擬訓練だ。とは言っても、『第五世代』と言っていたからあまり意味がないかもしれないけど。正直言うとパワーレンジャーとしての姿で飛行とかしたことないからかなり不安定だ。授業で生身は体験済みだったが感覚がかなり違う。
「確かに束がやることだから参考にはなりかねないかもしれん。だが、こういう空中戦になれるにはいい練習だ。」
千冬姉ことマンモスレンジャーは、俺たち四人とは比べ物にならないほどなれるのが早い。流石プロだなぁ・・・・。
「アイヤイヤイヤイヤイヤイ・・・・・・もう少しまじめにやってくださいよ~!私がわざわざこっちに来てデータ取っているんですから!」
下ではアルファが小さめの機器をいじりながらデータを取っている。流石に部員にこの練習まで見せるわけにいかないため活動日がないこういう日にアリーナを利用して練習している。ちなみに山田先生は自分の仕事もあるからこういう関係はアルファが来てデータ収集をしている。アルファは、学園において千冬姉のお手伝いロボット的扱いにされていて外に出歩いても時に怪しまれることはない。
これも束さんが公表したからなんだけど。
「えっと・・・・・今日はこのぐらいでいいかな?アイヤイヤイヤイヤイ・・・・レンジャー、もう終わっていいよ。」
俺たちは下に着地し、ISを解除する。
「アルファ、お疲れ。」
「もう!もうちょっと真面目にやってくれないとこっちが困るんですよ!・・・アイヤイヤイヤイヤイ・・・・回路がショートしちゃいそう。」
陽気に声をかけてくる弾に対してアルファは頭を抱えて言う。俺たちは全員変身を解く。
「それじゃ、今日はこのぐらいにして寮に戻るか。」
「一夏に賛成~、私もう汗ベトベト・・・・シャルも同じよね?」
「うん、ところで織斑先生はこれからどうするんですか?」
「私は寮に行ってから、基地の部屋に戻る。山田君に仕事をいつまでも頼んでおけないからな。それにボーデヴィッヒのこともある。」
「じゃあ、私は機器を片付けてから基地に帰りますので・・・・」
アルファはそう言うと機器を片付け始める。
「アイヤイヤイヤイヤイついでに『打鉄』も閉まって来ますから皆さんはもう戻っていいですよ。」
「えっ?そうか?いつもなら『それぐらい自分で片づけてくださいよ!アイヤイヤイヤイヤイ!』って言ってたのに。」
俺は不思議そうに言う。人間ならともかくアルファはロボットで表情が変わらないから全く何を考えているのかわからない。
「レンジャーたちだって最近バンドーラと激しい戦いをしているんですから。このぐらいは・・・・・」
「そうか?」
「一夏、せっかくアルファも言ってくれているんだしいいんじゃないか?こういう行為は受け取るもんだぜ?」
「・・・・・そうだな。じゃあな、アルファ。」
俺たちはそう言うとアルファと別れてアリーナを出た。
しかし、俺たちはすぐに知ることになった。
アルファの意外な人間関係を。
IS学園 寮
「ア~イ、ヤイヤイヤ~イ~」
アイヤイヤイヤイヤイ、アルファ5です。
えっ?なんでまだ基地に帰んないんだって?
私だって気分転換ぐらいはするんです!
ロボットとは言っても私は意外にデリケートなんですよ!
いつもレンジャーたちのデータを取ったり、束と一緒にゾードの整備・修理をしたり、千冬の仕事を手伝ったり毎日大変なんですよ!
気分転換と言えば、基地のご婦人二人の話に混ざったり、後は・・・・・・・
「あっ、アルアル~。今日も来たんだ~。」
私が立った部屋のドアを開けて出迎えてくれたのはくま〇ン・・・・・じゃなくて私の友達のほほんさんです。ちなみにイチカとは若干交流がある方です。
「アイヤイヤイヤイヤイ、今日は帰りだったので寄らせてもらいました。これ差し入れの飲み物です。」
「毎日お疲れだね~。まー入りたまえ~。」
のほほんさんに言われるままに私は部屋に入りました。部屋の奥では彼女の同居人であり、私のもう一人の友達、簪さんがくま〇んならずのふ〇っしーの姿で机に向かっている。キーボードをものすごい速さで打ち込んでいますね・・・・・束ほどではありませんけど。
「簪さんは相変わらず忙しそうですね。アイヤイヤイヤイヤイ。」
「かんちゃんはマジメだからね~。かんちゃ~ん、アルアルが来たよ~。」
「うん、騒がなかったら・・・・・・・・・・えっ?」
簪さんは私を見るや大慌てで衣類を持って行って浴室に入って行きました。あの着ぐるみタイプのパジャマ・・・・似合っていると思うんですけど。私のメモリーに映像も記録していますから写真にしてアルバムに入れよう。しばらくすると簪さんが普通の私服の状態で出てきました。気にしなくてもいいんですけど。
「あ、アルファさん、こんばんわ。」
「前も言ったんですけどアルファでいいです。さん付けされると違和感があるので。」
「そ、そう・・・・」
簪さんも来たところで私は差し入れに持ってきた飲み物を飲んで(私は飲めませんが)今日のことについてやいろんなことを話して楽しんでいます。
私と簪さんが知り合うようになったきっかけは丁度イチカが束の妹さんと勝負した日に遡ります。
その日丁度私は千冬の頼み事で書類を運んでいる最中でした。
「アイヤイヤイヤイヤイ!もう、千冬もまややんさんも人使いが荒い!いくらロボットだからってこんなに仕事させるのはあんまりだ!アイヤイヤイヤイヤイ!」
あんまりにも頼みごとが多いもんだから私はそのときカンカンだったんですよ。それで前を見ていなかったもんで何からか逃げて来た簪さんと激突してしまいました。
「きゃあぁ!?」
「アイヤイヤイヤイヤイ!?」
向こうもぶつかって驚いていたんですけど私はいきなりの出来事過ぎて大混乱状態になってしまいました。恥ずかしながら。
「アイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイ!」
「あっ・・・・・」
「アイヤイヤイヤイヤイヤイヤイ!!」
「あの・・・・・」
「アイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイ!!」
「・・・・・・・どうしよう・・・。」
簪さんは声をかけてくれたんですけど私は気づくことなくその辺を走り回っている始末でした。
結局散らかしてしまった書類は彼女がまとめてくれて、これをきっかけに彼女とは話をする仲になりました。のほほんさんと知り合ったのはそのすぐ後です。
「それでさ、お姉ちゃんとはどうしても打ち解けられないんだよね・・・・・」
簪はアルファが差し入れに持ってきた烏龍茶を飲みながら言う。
「簪さんも大変なんですね。お姉さんは生徒会長でロシア代表、そして、実家の家の当主なんて。」
「でもね~お姉ちゃんの話だとお嬢様ってひどいレベルでかんちゃんに過保護なんだよぉ~。」
のほほんさんこと布仏本音は簪の隣で言う。
「過保護と言うよりも異常。それに自分勝手なところが多くてこっちに入ってからは私のことストーカーの如く監視するし・・・・・・」
「・・・・大変ですね。」
「アルファなら知ってるかもしれないけど織斑君って織斑先生に対してこういうストレスは感じないのかな?」
「アイヤイヤイヤイ・・・・・少なくとも千冬はそこまでストーカーみたいなことはしませんよ。でも、イチカの話だと少しはまともなレベルになったようだし、できなかった家事はある程度ならできるそうです・・・・」
「・・・・・お姉ちゃんに織斑先生の爪の垢を煎じて飲ませたくなってきた。」
簪は頭を抱えながら言う。
「大丈夫ですよ。千冬だって改善できたんですからきっと簪さんたち姉妹も何とかなりますよアイヤイヤイヤ・・・・多分。」
「その日が来るといいけど・・・・・」
「でも、この間見たときおりむーと織斑せんせーって結構仲がいいみたいな感じするよ~。」
本音はそう言うと簪に抱きつく。そんな和やかな雰囲気を漂わせていた場でアルファは思いがけない言葉を言った。
「それにしてもこの部屋なんか変ですね。」
「えっ?どういうこと?」
「千冬のいる部屋と違ってこの部屋はあちこちノイズが入っています。かなり微弱ですけど。」
「え~?どこら辺なのアルアル~?」
「ちょっと調べてみましょう。アイヤイヤイヤイヤイ・・・・・」
三人は部屋のあちこちを調べ始める。
本家の方でもアルファが外に出ている機会って結構あるみたいです。次回はギャグでは済まされない回になりそう。