IS学園 寮
・・・・・・・は、初めまして。更識簪です。
アルファに言われて私と本音と合わせて三人で部屋をくまなく探してみたら・・・・・
「「・・・・・・ナニコレ?」」
アルファと本音は何とも言えない感じで机の上に置かれたボタン電池のような物体が30個ばかり山積みになっている物を見る。これがノイズを起こした正体だそうです。アルファはそのうちの一つを取るとさらに恐れた答えが出る。
「アイヤイヤイヤイヤイ・・・・・・・これは・・・・・・・盗聴器の一種みたいですね。それも極めて隠密性に優れた小型のタイプです。」
どこから見つけたのかと言うと私たちの部屋のあちこちからだ。
それもシャワールームやトイレからも。
「でも、どうしてこんなものが・・・・・・・・・お、お二人ともなんか顔が死んでますよ!?大丈夫ですか!?」
アルファは心配そうに私たちを揺さぶる。これでも本音の方はまだ軽症の方だ。
問題は私だ。
こんな盗聴器を付ける人物と言ったら思い当たる人物は一人しかいない。
この学園の生徒会会長でロシア代表、更識家現当主。
そして、私の実の姉・・・・・・・・・更識楯無しかいない。それにこの盗聴器は家で何度か偶然見たことがあるかなりの高性能の物だ。虚はあり得ないから姉以外考えられない。
元々不思議に思っていたのだ。
本来ならクラスごとに分かれるはずの寮の部屋割りが私だけ別クラスに分けられたことも。
最近姉があまりにも神経質になってストーカーみたいなことをしていたのも。
全ては・・・・・私を赤の他人に接触させないようにするためだったのだ。
『簪さんたち姉妹も何とかなりますよアイヤイヤイヤ・・・・多分。』
さっき言ってくれたアルファの言葉で何とかやっていこうと思った矢先にこれだ。
「・・・・・・・許せない・・・・。」
私は思わず怒りの言葉が口から出た。それを聞いたアルファと本音は一瞬驚いた顔になった。
「かっ、かんちゃん!?」
「簪さん!?」
部屋から飛び出そうとする私を二人は取り押さえる。
「アイヤイヤイヤイヤイ、落ち着いてください!」
「かんちゃん、しんこきゅう~。」
「・・・・・・離して。お姉・・・・・・いや、あの女を一発でも打たないと気が済まない。私を理由に・・・・・本音まで。」
「私は気にしてないよぉ~!?だから、落ち着こう~。」
「アイヤイヤイヤイヤイ、さっき言ったじゃないですか!?関係を見直してみようって!」
「それはさっきまでの話。今の現実を見てもう我慢できない。」
私は二人の制止を振り切ってでも姉の部屋まで行こうと考えた。
翌日なんて生温い。
すぐにでも殴って絶縁を突きつけたい。
「アイヤイヤイヤイヤイ・・・・・・これも私が余計なことさえ言わなければ・・・・・・」
そのとき、私の手が不意にアルファの胸のボタンを押した。
私たちは一瞬で部屋から姿を消した。
パワーレンジャー基地 司令室
「あっ、痛っ!」
アルファと簪たちは基地の中へ電送されてきた。
「あれ~?ここどこ~?」
本音は不意に辺りを見回す。起き上がるやアルファは大慌て状態になる。
「しまった!!不意に電送ボタンを押されちゃった~!!アイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイ!」
「電送?」
「どうしよう~!ただでさえゾードン様に言われているのに~!アイヤイヤイヤイヤイ・・・・」
簪たち以上にアルファは頭を抱えながら歩き回る。
「アルアル~これってどういうことなの~?」
「アルファって、織斑先生のお手伝いロボットなんじゃ・・・・・」
「え、え、えっと・・・・・・・・」
二人の前でアルファは困った様子を見せる。そのとき、司令室のタイムワープのカプセルが光り出す。
「不味い~!ゾードン様だ~!早く二人とも隠れてぇ!!」
「ソーメン様ってだぁれ~?」
「そうめんじゃありません!早く!」
アルファは時間がないため急いで機器の影に隠れさせる。その直後にカプセルからゾードンの姿が映る。
『アルファ、すぐにレンジャーたちに招集をかけてくれ!また、バンドーラがモンスターを送り出した!』
「はっ、はい!すぐに呼び出します。」
アルファはできるだけ怪しまれないようにしながら機器をいじり始める。
「レンジャー、みんな集まって!バンドーラがまたモンスターを繰り出したよ~!」
トレーニングルームにいたのかすぐさま変身した状態の五人が司令室に入ってくる。
「アルファ、場所は?」
「このポイントです!」
「では私たちを早く電送してくれ。」
「了解しました!」
「本当に懲りない奴らね!」
「その分俺たちが退治するだけさ。」
「じゃあ、行ってくるね!お母さんたちによろしく。」
「はい!」
アルファは五人を電送する。幸い、まだ二人の存在には気づいていなかったようだ。
早く全員の目を盗んで元いた場所に戻さなければ。
アルファはそう考えながら様子を見る。
『・・・・・・ところでアルファ。』
「はっ、はいぃ!!」
『そこに隠れている少女二人は何なんだ?』
「えっ、えっ・・・・・・・ええぇ!?」
アルファは機器の方を見る。二人はあまり動かないようにしているため気づかれる心配はないと思っていた。しかし、流石のゾードンの目は誤魔化せない様だった。
「も、もう駄目だぁ・・・・・・何もかもおしまいだぁ・・・・・」
アルファは土下座状態で言う。
一時間後
「・・・・・・・はあ・・・・それで間違えてのほほんさんたちと一緒に電送されてきちゃったわけか。」
戦闘を終え、基地に帰って来たばかりの一夏はティラノレンジャーの姿のままアルファに事情を聴いていた。周りにはマスクを外した千冬たちや束も来ており、アルファは顔が挙げられない状態だった。
「私はどうしようもないポンコツロボットですぅ!秘密にしなくちゃいけないのにどんどんバラしちゃって、ドジこいて!・・・・・・もうスクラップ行きです!アイヤイヤイヤイヤ・・・・・」
「アルアルは悪くないよ~!み~んな、私のせいなんだよ~。だから許してよ~おりむー。」
本音は庇うようにして一夏たちに言うがくま〇ン姿のせいでイマイチ説得力がない。
「あの・・・・本当に私が悪いんです。個人的な感情で動いたばかりに彼の秘密を見てしまって・・・・・」
「まあ・・・・・バレたもんは仕方ないんじゃないか?蘭なんか瑞に遊びに来るほどなんだし。」
「アンタのドジがなかったら私もトリケラレンジャーになっていないんだし。全部が全部悪いわけじゃないわよ。」
弾と鈴が慰めるように言う。
「そうだよ、アルファがいたからこそ僕や母さんも生きているようなもんなんだし。」
「シャルの言う通りよ、アルちゃんのおかげで助かったんだから。」
「あなたのおかげで私も鈴音と毎日会えるもんだし・・・・・それにシャルロットちゃんのお母さんとはいい話友達になれたんだし・・・・」
シャルロット母娘や鈴の母親まで言ってくれるがアルファは何とも言えない状態だった。
そんなアルファにゾードンは落ち着いた口調で言う。
『アルファ。』
「ゾ、ゾードン様・・・・」
『私は別にお前が間違えて彼女たちを連れてきたことに対して怒っているのではない。お前が連れてきたことを隠そうとしたから怒っているんだ。』
「で、ですが・・・・」
『私がこれまでお前がしたミスでスクラップにすると言ったことはあるか?』
「い、いえ・・・・・」
『お前は私に仕えてくれる大事な部下だ。そんなことはしない。だが、隠そうとするのは良くないことだ。』
「アイヤイヤイヤイヤイ・・・・・・」
『だが、パワーレンジャーは飽くまでもISとして公表されているから怪しまれないだけでこの基地の存在は秘密にしなければならない。それはわかっているな?』
「はい。」
ゾードンはそう言うと簪たちの方を見る。
『アルファが迷惑をかけてしまって申し訳ない。』
「い、いえ・・・・こちらこそ勝手に来てしまってすみません。」
簪は頭を下げる。
「・・・・・・・そう言えばさっき聞いていなかったけど、のほほんさんとえっと・・・・・・更識さん。」
「簪でいいわ。」
「そ、そう・・・・・簪はどうして取っ組み合いになっていたんだ?」
一夏の質問に簪は思わずさっきまで忘れていた怒りの感情を思い出す。
「そうだ!急いで戻って・・・・」
「だからかんちゃん落ち着いてよ~。」
数日後 寮 セシリアの部屋
「はい、どうぞ・・・・・って、一夏さん!」
セシリアは一夏の突然の訪問に驚いていた。
「ちょっと頼みたいことがあるんだ。」
「頼み事?私でよろしければ何なりと。」
「悪いな。千冬姉、山田先生、アルファ。」
一夏が言うと後ろから千冬、真耶、アルファ、そして、簪が部屋に入ってきた。大勢出来たことにセシリアは思わず驚く。
「こ、こんな大人数でどうしましたの!?」
「実はちょっと調べ物を・・・・」
「アイヤイヤイヤイヤイ・・・・・・この部屋もそれほどの数ではありませんがやはりあります!」
アルファがベッドの底を手さぐりにいじると例の盗聴器が出てくる。
「これで殆どの代表候補生に仕掛けてあることに・・・・・」
真耶は深刻な顔で何かをメモっている。
「いったい何を・・・・・・」
「プライバシーの侵害を知らない生徒会長のスパイ活動の証拠集めだ。」
本来の予定では楯無はセリフがないまま退場させるはずでした。