ちょっとわからない部分があるかも。
千冬と山田が生徒たちを救出すべくバンドーラの拠点に出発してから十分後・・・・・
一夏たちは瓦礫が散乱している街に現れた。
「ここは・・・・・」
「私たちが住んでいた街・・・・・」
一夏と鈴は破壊された街を見ながら唖然としていた。その一方でシャルロットとアルファはレーダーを確認する。
「アルファ、レンジャーの反応は?」
「えっと・・・・・・・おかしいですね?動いているのと一か所に止まっているのがあります。」
「ここからだと止まっている人の方が近いね。」
「アイヤイヤイヤイヤイ、じゃあ急いで向かいましょう。イチカ、鈴ちゃん!行きますよ!」
五反田食堂
「・・・・・・教官。」
「大丈夫よ、千冬さん強いんだから。」
「蘭ちゃんの言う通りさ。千冬さんは世界最強とも言われたんだから簡単にやられるはずがない。」
千冬の身を案じているラウラを蘭と数馬が励ます。その隣では弾が荷造りをしている。
「数馬、お前も一回家に帰った方がいいんじゃないか?」
「大丈夫だよ。俺の両親仕事で海外に行っていないし、家も破壊された街とは反対だから。」
「それでも念入りの準備をした方がいいぞ。あの魔女、突然こっちに来たほどなんだからよ。」
「そうか?まあ、壊された後じゃ帰れないから俺も一回失礼するか。蘭ちゃん、またな。」
数馬はそう言うと店の外に出ようと店の戸を開ける。ところが戸を開けたらそこには反応を確認していたアルファが立っていた。更にその隣では一夏と鈴、シャルロットがいる。
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
数馬は一回戸を閉める。
「・・・・・どうした数馬?」
「・・・・・・俺の目、どうかしてるのかな?」
「まさか千冬さんたちが戻ってきたのか?」
「いや、一夏と鈴の幻を見たような・・・・」
数馬はもう一度戸を開ける。
「・・・・・・・」
「・・・・・あの・・・・・私の顔に何かついていますか?」
数馬は再び戸を閉める。
「・・・・・・」
「どうしたんだよ?まだ何かいたのか?」
「本物だあぁぁぁぁ!!」
「えっ!?」
弾は数馬に代わって戸を開ける。確かにそこには一夏と鈴がいる。
「・・・・・・一夏、鈴?」
「・・・・・・・よ、よう弾。」
「えっと・・・・・二年ぶりね。」
死んだとばかり思っていた友人たちを目の前に弾は言葉を失った。
「アイヤイヤイヤイヤイ・・・・・・この人です!この人が第四のパワーレンジャーです!」
「何だ?このロボット?」
タワービル バンドーラパレス
縮小されたIS学園の上に吊るされた鉄球は徐々に下がり、ロープはちぎれ始めていた。
『まだ死にたくない!』
『助けてお母さん!!』
『お父さん!もう悪口言わないから助けて!』
学園の中では生徒たちが騒いでいた。その反応をバンドーラは、楽しみながら見ていた。
「いいね~もっともっとお泣き!」
「バンドーラ様、バンドーラ様!!」
そこへトットパットが慌ただしく来る。
「どうしたんだいトットパット?」
「例の女がこちらに向かってきております!」
「なんだって?」
バンドーラは外に出てドーラスコープと呼ばれる望遠鏡をのぞき込む。タワービルの下では千冬と山田が到着して乗り込もうとしていた。
「そうかい~あたしの挑発にわざわざ乗って来てくれたんだね~!お前たち、たっぷりと可愛がっておやり!」
バンドーラは呪文を唱え、粘土から複数のゴーレム兵を作り出す。
「それ使おうと思っていたのに・・・・・・・もう、プリプリ。」
せっかく捏ねた粘土を使われてしまい、プリプリカンは不服そうに言う。
五反田食堂
「・・・・・つまり、お前も一夏もそのパワーレンジャーって奴になれたから助かったのか?」
「まあね。」
鈴たちは弾たちに事の事情を説明していた。その一方一夏は複雑な心情でラウラのことを見ていた。
「それで・・・・・今度は俺が四人目ってことなのか?」
「アイヤイヤイヤイヤイそういう事です!お願いします、バンドーラを倒すためにもどうか力をお貸しください!」
アルファは土下座をしながら蓮と厳に頼み込む。
「このまま奴を野放しにしていたら世界は奴に滅ぼされてしまいます!どうか・・・・」
「・・・・・・そうは言われても・・・・・」
蓮は困った顔で言う。彼女にとって、蘭も弾も今亡き夫が残してくれた大事な子供だ。その弾を戦うために行かせるというのはとてもだが了承できるものではない。隣では厳が黙って腕を組んでいた。その空気を察したのか一夏は店の外へ出て行こうとする。
「一夏!」
「いいんだ鈴。弾は俺と違って大事な家族がいるんだ。大事な子供を危ないところへ行かせる親なんていやしない。」
「あんた千冬さんのことまだ・・・・・」
「俺は千冬姉から見放された。でも・・・・・」
「それは違う!」
「え?」
言いかけた一夏の言葉をラウラが否定した。
「教官は・・・・・・そんな酷い人じゃない。」
「・・・・・どうしてそう言える?」
「教官は軍の落ちこぼれになっていた私を救ってくれた。それに、使い物ならないと判断されて追放されたときも引き取って・・・・」
「それはお前を俺の代わりにしたかったからじゃないか?」
「!?」
「千冬姉はそういう人だ。俺のことは何も見てやれなかったから代わりにお前を見て忘れようとする。過去から逃げようとしているんだ。」
「う、うう・・・・」
ラウラは頭痛がしたのか頭を押さえる。
「一夏!あんた千冬さんのことそんな風に思っていたの!」
「だったら、どうして俺のことを助けに来てくれなかった!」
「うっ!」
「あの時、アルファがあの場所に現れてティラノレンジャーになれなかったら俺は死んでいた!それなのに・・・・。」
一夏の言葉に鈴は何も言えなくなってしまった。しかし、その言い方は何か無理をしているかのように見えた。
「俺は、所詮邪魔な荷物だったんだ・・・・・・」
「一夏、てめえ・・・・・」
一夏はそう言うと店の外に出る。弾は止めようとするが先に蓮が一夏の方へと向かって行く。
「一夏君。」
「なんですか?蓮さ・・・・!」
一夏は顔に蓮の平手を受ける。いきなりの出来事に一夏は驚いていたが何よりも驚いたことは蓮が泣いていたことだった。
「蓮さん・・・・・」
「あなた、本当に千冬さんのことをそう思っていたの?本当に自分が必要とされていないと思っていたの!?どうなの!?」
蓮の言葉に一夏は黙る。
「千冬さんはね、いつもあなたのことを思っていたのよ。あなたが行方不明になる前も家に来た時よく私にあなたのためにどうするべきなのかって聞いていたのよ?」
「・・・・・・・・」
「そして、あなたがいなくなった後千冬ちゃんは、ずっとあなたのことで泣いていたの。自分のせいで死なせてしまったっていつも言いながら。」
「・・・・・・・」
「それに・・・・・あのラウラちゃんはここに来る前自分の判断ミスで自分の部隊の人たちを死なせてしまって、そのショックで立ち直れず、軍から追放された上にいつも幻覚に怯えてひどい状態だったの。千冬さんのおかげであそこまでよくなったそうだけど。」
一夏はラウラの方を見る。ラウラは震えながらも服に入れておいた錠剤を取り出して服用する。その怯え方はとてもだが通常の人間とは思えないものだった。
「その時の彼女を見て千冬さんこう思ったそうよ。『一夏にも本当はこうするべきだった。』って。」
「・・・・・・・・」
「千冬さんは確かにあなたの前では冷たい態度をとっていたのかもしれないわ。でも、いつもあなたのことを大事に思っていたのは事実よ。」
「・・・・・・・・・本当はわかっていたさ。千冬姉が誰よりも弟である俺を一番愛してくれていたのも・・・・・。でも、その中で俺は千冬姉にとって邪魔じゃないかって思うことがあったんだ。俺がいない方がいいんじゃないかって。俺が千冬姉の顔に泥を塗っているんじゃないかって。・・・・・・・だからパワーレンジャーに選ばれたときからもう会ってはいけないと思ったんだ。俺は千冬姉にとって邪魔な荷物にしかならないんだ!」
一夏は跪きながら泣いた。これが本当の答えだった。いつも自分は姉の邪魔者として見られていた。だから、自分が消えたほうがいいのではないか?そうすれば姉は何も気にすることがなくなりずっと自分のことに集中できると思えたから。そんな一夏の目の前に厳が来る。
「・・・・・一夏君よぉ。お前さんが千冬嬢ちゃんを大事に思ってそう言ったことはよおくわかる。んでもな、千冬嬢ちゃんがお前さんのことを邪魔だとは一度も思ったことはねえ。むしろお前さんのことを気にしていたんだ。いつも迷惑かけているってな。」
「厳さん・・・・・」
「家の弾と蘭を見て見ろ。いつもあんな感じだけどよぉ、お互い邪魔だと思ったことは一度もねえ。」
「う、うう・・・・・」
「それにお前さんは生きていたんだ。それなら今まで辛れえ思いさせた分、会わなくちゃならねえのが筋ってもんじゃねえか?」
「・・・・・・」
「一夏君、千冬さんはね。ついさっき、その魔女のところへ自分の学校の生徒たちを助けるために出かけたの。」
「え?千冬姉が?」
「まさか、じゃあさっき進んでいた反応は・・・・・」
シャルロットは思い出したように言う。
「一夏!今すぐいかないと千冬さんが・・・・・」
「・・・・・ああ。」
一夏は涙をふき取りながら言う。
「一夏、俺も行くぜ。」
「弾・・・・・」
「千冬さんが助けられなかったら元も子もないだろう?」
弾は一夏の肩をたたきながら言う。
「母さん、じいちゃん、蘭。俺、行ってくる。心配かけるけどゴメンな。」
「お兄ぃ。」
「弾、生きて帰ってくるのよ。」
「しっかりするんだぞ?せいぜい一夏君の足を引っ張らないようにな。」
「んなことはわかってる!」
「じゃあ、これを。」
アルファは胸のカバーを開け、黄色の光を弾に渡す。光は弾を包み込み、バックル付きのベルトが現れる。バックルを外すとそこには牙を生やした獣が描かれたメダルが嵌められている。
「えっと・・・・・俺の動物は・・・・・・・・猫?」
「サーベルタイガーだろ。猫はこんな牙生えてねえし。」
弾は数馬に突っ込まれる。アルファは胸から光が入ったカプセルを一夏に渡す。
「これが五人目のレンジャーのパワーです。急いで。」
「ああ、後・・・・・」
一夏はラウラの方を見る。
「さっきはあんなこと言って悪かったな。戻ってきたらちゃんと謝るからそれまで待っていてくれ。千冬姉も一緒に連れて戻ってくるから。」
「う、うん・・・・・・」
「急いで、もう時間もそんなにないから。」
「はい。みんな、急ごう!」
一夏たちは急いでバンドーラパレスに向かう。
バンドーラパレス内部
「やったやった!ちょろいもんちょろいもん!!」
「へへへ、バーベキューに・・・・・・へへ・・・・してやるぞ。」
千冬と山田は今、窮地に晒されていた。IS学園の生徒たちを助けるべく内部に突撃した二人ではあったがバンドーラの巧みな魔術の前に翻弄され特殊な檻に閉じ込められてしまった。山田が何とか脱出を試みて打鉄に装備されている近接ブレード「葵」で檻を破壊しようとするがゴーレム兵と戦った時に切れ味が落ちたのか中々壊せない。
「無駄無駄無駄~!そんなもので切れないもんね~!」
トットパットは笑いながら言う。ブックバックはレバーを回して檻を回転させる。檻の周りは業火に包まれていて、幸いISを展開しているため無事でいるがシールドエネルギーもすでに残りわずかになっていた。後数分もすれば確実に業火は彼女たちの体を焦がす。
「・・・・・・・・すまない、山田先生。こんなことに巻き込んでしまって。」
千冬は諦めかけたように言う。そんな千冬に山田は何も文句を言わない。
「いいんです、私が勝手に着いてきたんですから。でも、悔しいです。このまま生徒たちを助けることもできず死ぬなんて。」
山田も抵抗するのをやめる。
「助けることができないでか・・・・・・・」
千冬は何とも言えない顔で檻の上の方を見る。檻の上の方では鉄球を繋ぎ止めているロープがもすでに切れかかっている。もはや時間もなかった。
「・・・・・・また、私は助けることができないのか。一夏の時のように・・・・・・」
もうすでにシールドエネルギーは底尽きかけていた。
「ブックバックもう少しだ!もっともっと回せ!」
「こんがりじっくり・・・・・・・」
ブックバックはさらにレバーを回す。炎はさらに勢いを増す。
「・・・・・・一夏、私は何も変えらないままお前のところに逝くのか。でも、ボーデヴィッヒをまた一人にしてしまうな・・・・。」
千冬は諦めるかのように目を閉じる。
そのとき、宮殿の扉が開いて複数のビームがブックバックの持っていたレバーに命中する。飛び散った火花にブックバックたちは思わず伏せた。檻の回転が止まったことでどうしたのかと思い千冬が目を開けると自分の目の前に四人のスーツを纏った戦士たちがいたことに気が付いた。
「お、おまえたちは!?」
「パワーレンジャー!」
トットパットは叫ぶように言う。
「ひ、一人増えてる・・・・・・」
「千冬姉!今助けるから待っててくれ!」
ティラノレンジャーはレンジャーソードを展開して檻を壊す。
「そ、その声は!?・・・・・・・お前一夏なのか!?」
「・・・・・・ああ。」
「グオォォォォ!」
千冬の質問に答えようとしたとき、グリフォーザーがティラノレンジャーを突き飛ばして外へと飛んでいく。
「うわああああ!?」
「一夏!」
千冬が後を追おうとしたとき複数のゴーレム兵が五人を取り囲む。
「邪魔するんじゃないわよ!」
トリケラレンジャーがゴーレム兵を蹴り飛ばす。
「その声は・・・・凰か!?」
「俺もいるぜ!」
タイガーレンジャーはバク転をしながらゴーレム兵を翻弄する。
「その声は五反田!」
「さあ、急いで外に!」
プテラレンジャーは二人を連れて外に出る。
バンドーラパレス 外
「ウオォォォォ!!」
「うわあ!」
グリフォーザーはティラノレンジャーを壁に打ちつけて攻撃をする。
「グルルル・・・・・」
「この化け物!一夏から手を離せ!」
外に出た千冬はシールドエネルギーが残り僅かにもかかわらず「葵」を展開して、グリフォーザーに斬りかかる。突然の背後の攻撃にグリフォーザーは思わず飛んで逃げる。
「一夏!一夏!」
千冬は打鉄を解除して倒れたティラノレンジャーを抱きかかえる。ティラノレンジャーは変身が解け、一夏の姿に戻る。
「千冬姉・・・・・・」
「よかった・・・・・本当に一夏だ・・・・・。生きててくれたんだな・・・・・。」
千冬は泣きながら一夏を抱きしめる。
「・・・・・・ごめん。ずっといなくなってて・・・・・・」
「いいんだ、あのときは助けに行けなくて本当にすまなかった!本当に・・・・・本当に!」
すると一夏のポケットからカプセルが落ちる。カプセルは割れ、光が千冬を包み込むと弾同様にバックル付きのベルトが現れた。
「これは?」
「やっぱり、最後の一人は千冬さんだったのか!」
そこへ弾たちが駆けつける。
「最後の一人?いったいどういう・・・・・・」
「グオオオオオ!!」
そこへグリフォーザーがゴーレム兵を連れて戻ってきた。
「今はこいつらを倒して生徒たちを助けるのが先よ!」
鈴はそう言うとバックルを外して構える。それに続いてシャルロット、弾、一夏、・・・・・・そして、千冬が真似て外してみる。千冬のはマンモスが描かれていた。
「これは・・・・・・・」
「千冬姉、俺たちと一緒に戦ってくれ!」
「一夏・・・・・・・わかった!」
「行くぞみんな!ティラノサウルス!」
「プテラノドン!」
「トリケラトプス!」
「サーベルタイガー!」
「マンモス!」
五人は光に包まれてそれぞれ赤、黒、青、黄、ピンクの戦士へと姿を変えた。その光景を少し離れたところで山田が見ていた。
「織斑先生が・・・・・変身した・・・・」
「ティラノレンジャー、イチカ!」
「マンモスレンジャー、チフユ!」
「トリケラレンジャー、リン!」
「タイガーレンジャー、ダン!」
「プテラレンジャー、シャル!」
「「「「「パワーレンジャー!!!」」」」」
五人は果敢にゴーレム兵たちに立ち向かっていく。
当初、マンモスレンジャー(パワレンではブラックレンジャー)は数馬にする予定でしたがイメージ的に千冬の方が相応しかったのでこちらにしました。ジュウレンの最年長であるゴウシ(マンモス)もボーイ(タイガー)とそれぐらい離れていたし。
男二人に女三人・・・・・・通常の戦隊の逆になってしまった。