知らない世界   作:むつさん

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獣と狩人

なぁソウマ、昨日の話なんだが、

 

ん?なんだ?

 

お前ミツネとなんかあったのか?

 

んー。簡単にいえば知り合いだな。訳ありだけど。

 

へ、へぇ、

訳ありってどんな?

 

聞かないほうが得策だな。

 

気になるものは気になる、話してくれよ。

 

その時が来たらな。

 

つまんねーやつだ。

 

仕方ないだろ、俺だけの問題じゃない。

 

ふーん。まぁいいか、

 

 

……

 

 

おはようございます、ソウマさん、スズさん、

 

おはよう。まだ昼まで時間あるし。少し散歩でもしようかな。

ついて来るか?ミツネ。

 

はい、たまには。

 

昼までには帰ってこいよ、飯は用意しておくからな、

 

あぁ、ありがとう。

 

 

 

どうする。どこに行く?

 

原生林がいいですね。

 

遠いなぁ、まぁいいか

 

 

………移動中。

 

懐かしいですね、原生林、

 

ここは自然豊かだな。湿地帯に近いから来ることにはあまり気が進まないが。

 

私は好きですよ、こういうところ、

 

 懐かしい…みんな元気だろうか…

 

そういえば、水辺だったな、初めて会ったのは。

 

ええ、私はちょうど仲間のところに行くところでした。

 

 あれから会ってないや。

 

そうだったのか、採取採掘に来てたから。武器も防具もまとものは持ってきてなかったからなぁ。

 

それにあの時はソウマさんはまだ上位ぐらいでしたよね?

 

そうだなぁ、それぐらいだったと思う。ほんとお互い引いて正解だったよ。

 

 やっぱりそうだったんだ

 

私も傷だらけで仲間のもとに行くわけには行きませんでしたし。

 

危うく死ぬかと思った。

 

こういうところ、駆け引きが大切なんですね。

 

こればっかりは生き物全てに関わるからなぁ、

 

 私だって死ぬわけにはいきませんし

 

例の場所ですね。

 

あぁ、そうだな、

 

 私とソウマさんが初めて会った場所…私のお気に入りの場所…

 

ソウマさん、私を見てください。

 

 確かめてみる…獣の姿で…

 

どうした?あぁ、やっぱりそうか。

 

覚えていますよね、私の姿を

 

あぁ、獣のお前の姿はハッキリとな

でも傷だらけでも美しいじゃないか、

 

 美しい…本当にそうでしょうか…

 

私にとってあなたは…人間は憎く、許しがたい存在です。

ですが、今の私にはもう人間には、襲うことはできません。

 

なぜ?お前は傷まで負わされたというのに

 

そうです、でも私は人間の事を勘違いしていたんです。

人間は恩を返す生き物だと知りました。私も人として生きて、みなさんに支えられていました。その恩を返して、そうして生きていきたいと思っています、

 

獣として生きることはしないのか?

 

獣として生きるのは…私にとって苦でしかありません。

もう、後が無いですから。

 

その怪我では生きるのは辛いか

でも今後は獣の姿にもなれるんだろう?

 

人として生きるなら、この姿は使わないでしょう、もちろん使うべき時があるなら惜しみはしません。

 

そうか、ならもう気にする必要はなさそうだな。

 

 何を?

 

ミツネ、俺はお前が獣に戻るという選択を取るだろうと思ってた。

シャガルマガラの時、お前が獣になっているのを見てしまった時から、気になっていたんだ

 

 見られていたんだ、そっか…

 

見えていたんですね。

 

少しな、

 

でもあなたは私をずっと追いつづけて、執念まで持っていたでしょう?

 

もういいさ、それに、

 

 それに?

 

今のお前は俺にとってとても大切な存在だ。手放すことはできない。

 

 …!大切な。存在…

 

本当…ですか…?

 

嘘は言わない。獣であっても人であっても俺はお前に剣を向けることはもうしない。

 

私は…私…

 

 やっぱり勘違いしていたんだ…

 

ミツネ、お前に伝えておきたい。

俺はお前をずっと追いかけていた。

狩る対象ではあったが、でもお前を殺してしまうのはできなかった。

 

どうして。なぜ?

 

目を見てどうしてもな。

いつからかお前には力が抜けている感じがしていた。

傷ができた頃からだろう。動きも弱って、目も悲しそうで、とても悪いことをした気になってしまった。

 

 獣に同情したんですか。

 

普段はないことなんだが、何故だろうか。どうしてもな。

 

甘いんですね、

 

そう言われるとハンターとして、よくないんだがなぁ、

 

ソウマさん、

ありがとうございます。

あなたに救われたこの命。大切にします。

 

 本当に無駄な覚悟だった。

 

あぁ、それと、

不器用だが、俺で良ければ

 

 …もしかして?

 

お付き合いしてくれるか?

 

はい。え、えっと

ふつつかものですが、よろしくお願いします

 

 何よりも嬉しい。なんだろう。この胸の熱い感じ…

 これが恋で、獣で為せなかった事…なのかな。

 

 大切な人…大切な存在…

 私にとってそれがソウマさんなんだ

 

 

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