知らない世界   作:むつさん

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不運と勇気

 渓流で散歩をして、のんびりと日を過ごしていた。

 ソウマさんもスズさんも負けが無いようなとても強いハンターでいつも無事に帰ってきている。

 皆と楽しく平和な日が続いていた。

 とても充実して。人としての生き方を楽しめていた。

 

 でも、それでも悪運に巡り会ってしまうのは避けられなかった

 

 

 ……

 

 

ゴアマガラ…!こんな場所にまで来んのかよ!

 

ミツネ今すぐ逃げろ。村にもどれ。

 

は、はい!

 

 たとえ私が獣でも。今回は引くしかない。私に勝てる見込みは…ないから…

 

おい!ミツネの方に行ったぞ!

 

行かせるか!

 

 だめ…追いつかれる!

 

ううっ!

 

 重く黒いブレスが私に降り掛かる…

 身動きが取れず。次第に苦しくなる…

 

おい!大丈夫か!

 

ミツネ!だめか…

おい!ソウマ!俺はミツネを村まで送る、そいつ頼めるか!

 

こいつ一匹なら、余裕だ。

今回ばかりは手は抜かない

許すわけない!

 

 意識が朦朧としている…

 またあの…暗い空間に行くのかな…

 

  そう、また暗闇の中にいた。

  考えると、寂しくなる

  独りでずっと歩いていた。

  長い時間が経って…それで、

  ソウマさんの声が聞こえた。

  いや、いろんな人の声が聞こえて  来ていた、

 

なんとかならねぇのか…

 

最善の療法は試した

秘薬にウチケシの実、それに漢方薬も。だが、狂竜化ウイルスは我々龍歴院でもまだ治療法はわかっていない。

 

謎が多いばっかで、何もわからない状態なのか…

 

狂竜化現象は発症してしまっているようだけど…どうだろう、人の状態では獣の時の症状は現れないとも言えない。

どうなるか、我々でもわからない。

 

…普通の人間なら、数時間で治るんだよな…?

 

あぁそうだ、でも、彼女は半獣。その血が混ざってる以上。何があるかわからない…

 

 

 

  何か温かい感じがする…

  なんだろう…光が差してきて。

  体が楽になってきている…

  すごく周りが明るくなって

  眩しくって…

 

 

うっ、、、

ここは?

 

目が覚めたのか!

な、一体何があったというのか…

 

そ、ソウマ、何をしたんだ?

 

ミツネの体内にある狂竜化ウイルスを吸収した。

俺には狂竜化ウイルスは意味をなさないらしい。

昔聞いた、俺が元いた村のある一族は特殊な体質だったと。

 

もしや、属性やられが、効かないという?あれか?

 

あぁ、

 

自然災害で村が壊滅して残らずと聞いていたが…生き残りが居たのか、

 

それが、ソウマは狂竜化が効かないということなのか?

 

そうらしいんだが、

ミツネ、体調はどうだ?

 

体がだるい程度で…特に悪い所は、ないですね…

 

そうか。よかっ… 

 …バタッ…

 

おい!ソウマ!

 

ソウマさん!しっかりしてください!

 

発症した狂竜化ウイルスを取り込んだせいか…?

いや、効かないという、話もあるはずだが…

とにかく同じことを試そう。

 

  …………

 

これでいいか。

 

どうしてだ?

ウイルスに抗体があるはずなのだろう…

なぜ、意味をなさない…

 

発症した後だからだと思います…

 

どういうことだ?

 

ウイルスを受け付けないのは、発症前の状態だからで、発症して性質が変わってしまったウイルスを取り込んでしまった、そして、発症したのと同じに…

ということでしょうか…

 

なるほど…でもそうなると…余計治るのか、もしくは治るまでの時間がわからない…

基本的には蓄積されたウイルスに抗体を持ち、発症しても時間を用すればすぐ治るのだが…

そうなると、これにはなんの耐性もなく突然発症したことになる。

どうなるか…わからないぞ…

 

…ソウマさん、私の為に…

 

八方ふさがりか…

 

時間を要するしか、今は何もできない。

 

 何故…私の為に…

 

  それから数時間は何もできなかった。

  スズさんはタチバナさんと緊急の依頼に行ってしまった、

  ただひたすら、治るのを待つことしかできない事が悔しい。

 

ミツネさん。と言ったね。

 

はい、

 

君は部下の生体実験の被害者…かな?

 

えっと、おそらく…

 

申し訳ないね。

獣として生きていたのに、

無理やりそんな体になってしまって。

 

いいんです。

死に際で助けてもらったようなものですから。

それに、人として、新しく生きていますし。

 

後悔はないみたいだね、

その様子だと。その姿を受け入れているのかな。

 

ええ。それに、もう獣としては生きていけませんし。

 

そうか。

今一度謝っておくよ。

もうわけないね、

 

そんな、頭を下げないでください、

部下の方は命の恩人でもある訳ですから。

 

とはいっても…

過ちであるのは間違いではない

 

はい。ですから、

もう心配なさらないでください。

 

うむ。そうだな。

今は彼が目を覚ましてくれるのを待つばかりだが…

 

そう…ですね…

 

 私にも何かできることは無いかな…

 

いにしえの秘薬は…?あれなら、治らないでしょうか…

 

試す価値はある…だが、

作るのに素材があるかどうか。

 

 ソウマさんの持ち物で確か…

 

これですか…?

 

それ…どうしてここに?

 

ソウマさんが緊急時用として、置いていたんです。

これなら…

 

しかし、彼のものを勝手には…

 

緊急時用なら今使うべきです。

 

…そうだな

すまないが使わせてもらうか…

 

 これで、ソウマさんは…

 

これ…粉末か?

 

何か問題でも?

 

液体なら良かったんだが…

 

それは…えっと

 

これでは飲ませてやれない…

 

 なんとかしないと…

 

あの…

 

すまないね…

 

口移しなら、大丈夫なんですか?

 

まぁ、溶けてしまえばあとは喉を通りすぎてもらうだけだから…

 

水で少し溶かして。それで移すのは…

 

君がやるのかい…?

 

はい…私がやります!

 

…わかった。用意しよう。

 

 

 

 治ってほしい…早く元気になって、またいつもみたいに平和な日々を過ごしたいから…

 

 今度は私が助ける…

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