知らない世界   作:むつさん

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帰ってくるまで

 

 

 

 

ふう。やっと休めるよ…

 

お疲れ様です。で、合ってるのかな

 

そうだな。ありがとう

 

おう。お帰り。

 

 後ろに誰かいる、誰だろう?

 

ソウマさん。ちょっと

 

はい?なんでしょう?

 

 ソウマさんが男の人と話してる。良く聞こえない。こんなに耳が悪くなったのか…

 あっ、帰ってきた

 

スズ、緊急の依頼が来た。

 

ほう。内容は?

 

ナルガクルガそれも二つ名。

 

白疾風か。

 

二体が渓流で暴れ回ってるらしい。

 

なるほど…それで俺等というわけか。

 

 白疾風ナルガクルガ。素早い動きと白い鱗肌。それを見たものを恐怖に陥れる。

 

そ、そんな敵に、しかも二匹!危険すぎます!白疾風は並の敵じゃないですよ。それが二匹なんて!

 

忠告ありがとう。君もあった事あるみたいだね。でも大丈夫。私達は私達を信じて戦ってるんだ。

無事に帰ってくるから待ってて

 

 溢れる自信と少しの恐怖を感じる。この人達は…いや、この人は…

 

それじゃ。行きますか。

 

おう。久しぶりに腕のなるやつだ。

 

 身震いがする。なんでだろう…

 

帰ってくるまで。留守番頼むな。

 

え?あっ。留守番?

 

そう。このうちの番をしてくれ。

たいしたことじゃない。それじゃ。

 

 二人は行ってしまった。

 

見送る事しか出来なかった。

 

 そう呟いて。少し黙ったまま彼等の事を考えていた。

 

 なぜだろうか。何で彼等はあんなにも自身がある?ハンターは何故あんなにも恐怖に強いの?

 

 わからないことは調べてみるのが人間のやり方。だったはず。

 

村長に聞いてみよう。

 

 私は家を出て、また屋敷に向かった。

 

おや?ミツネや、どうしたかね?

 

あの。ハンターについて。スズさんやソウマさんの事を知りたくて

 

ふむ。そうか。まぁよかろう。

 

スズはこの村生まれなんでな。この村を守るためにハンターになった。

ソウマさんは外の村の人間だったのだが。複雑な経緯でこの村に住みハンターになった。

 

彼等は…ハンターは何故獣を恐れないんですか?タマミツネの頃だった私ですら、他の獣は恐れるべきものだったのに。彼等はそれを恐怖と捉えても逃げず立ち向かう。それが。よくわからないです。

 

正当防衛も兼ねて。それを生き業とするからの。ハンターとは獣を狩る仕事。仕事を恐れていては。意味がない

 

 獣を狩る仕事…だから彼らは恐れない?いや。あの時感じたものはそんなものとは違う…やっぱりわからない

 

…そうですか。ありがとうございました。

 

?何だか不満そうだがまぁ、いいかの

 

それでは。

 

 私は屋敷を出て考えながら歩いていた。すると子供かな?小さい人間とぶつかった。

 

いてて。ぶつかってごめんなさい。

 

いいよ。怪我ない?

 

うん。大丈夫

おねぇちゃん、

スズさんが言ってた人?

 

多分そう。

 

そっか、またね!

 

 こんな無邪気な子供もいつかはハンターになって獣を狩るのか?

 

 考えながら歩くと遠くから泣き声が聞こえて走って向かった

 

 さっきの子供が転けてしまったらしい。

 

大丈夫?どうしたの?

 

足が痛いの…

 

 血が出てる。大きな擦り傷だ

 

 抱っこして…えっと…

 

道具屋のおばさん、傷薬ありませんか?

 

ミツネちゃん?。あぁ、怪我人かい

 

 おばさんは慣れた手付きで子供の怪我に薬を塗りこむ。ほんの少量だけ塗ってテープと呼ばれるもの抑えてる

 

これで大丈夫。

 

ありがとう!

 

 歩いてどこかに行ってしまった。

子供が大人にすがるのは人間も変わらないことなんだなぁ、

 

ミツネちゃん。ありがとね、

 

 お礼?私は何も…

 

何呆気に取らてるのさ。

子供連れてきたこと。だよ

 

 そうか。私は人間ではない、でも人間を助けた。些細なことだったけど。それは喜ばれることだったんだ。

 

あっ、いえ。自然と。

 

うん。ありがとね!

 

はい。

 

 何か人間には不思議なものを感じる。なんだろう。でも。感じていて辛くない、あの時の人間のような冷たい感じがしない。

 

にゃにゃ。ミツネサン

 

カガミさんの方かな?

 

 間違えた。この毛並みはケンの方だ

 

違いますにゃ、僕はケンにゃ

 

あっ、ごめん。

 

いやいや、覚えてくれるのを待つにゃ

 

 この虎のような鬣がケン

 猫らしい毛並みなのがカガミ

 確かこうだったかな

 

よろしくねケン

 

よろしくにゃ

 

ミツネサンは何かすることはないかにゃ?

 

いや、特に何も。この村に来たばかりですし。

 

 何をすればいいのかもわからない

 

それならちょっと、こっち来るにゃ

 

 ソウマさんとスズさんの家の横道を進んで行ったらすごい光景があった。どこか長閑で。平和な風景。かな?

 

ここは農場にゃ。ご主人達が使っている場所で。僕達オトモアイルー達はお手伝いをしてるにゃ

 

 こんな小さな生き物でも。人間と共存している。とても立派だと思う、、

 

どんなことをしているの?

 

向こうの小さな鉱山から鉱石を採ったり。釣りをしたり。木から虫を集めたり。畑仕事に、飼育、あとは各地への派遣で素材を取ってきたりしてるにゃ

 

皆さん。働き者なんですね。とても頼りがいがありそうです。

 

 こんなにも強い生き物とは思わなかった。ハンターにつられてくる時はすぐ潜るから。怯える生き物かと…

 

でも。僕達はこの農場の一角を使って自分で自分を鍛えていたりしてるから、農場仕事もトレーニングの一貫だにゃ。

 

そうなんですか。

 

そうにゃ。僕達はこうやってご主人と仲良くしてるにゃ。

 

 農場を見渡しながら考えた

 

 私にもできることはあるかな?

 

何かお手伝いすることはありますか?

 

にゃ、今はどれも僕達でやってるから問題ないにゃ。

でも。釣りだったら場所があるからやってみるかにゃ?

 

はい。ぜひ!

 

 桟橋。ちょっと心許ない足場だけど崩れる心配はなさそう。

 

これ使って。こうするにゃ

 

 釣り竿。長い棒に糸がついて糸の先端な偽物の餌がついてる。

 

よく見ていてにゃ。

きた。こうやって糸が引っ張られたら、こっちも思いっ切り引っ張るにゃ!

 

 糸の先から魚が。サシミウオ

 食べたことある。美味しい

 

こんな感じにゃ。

ささ。ミツネサンも。

 

は、はい。

 

 真似てやってみた。

 糸が思いっきり引っ張られる!

 

お、重たい。!

 

にゃ!これは!

 

 ケンが手伝って必死に引っ張るけど、重たい。

 

なんとかもう少し!

 

今にゃ!

 

 釣り上げた!…って!でかっ!

 

ど、ドス大食いマグロだにゃ!

 

あの、何でも飲み込む魚が。釣れるなんて。

 

 正直…驚いた…重たいから何かと思った。

 

こ、こんなレア物が釣れるにゃんて…

 

と、とりあえず次釣りましょう。

 

そ、そうだにゃ

 

 それからサシミウオやキレアジがよく釣れた。魚はオトモアイルーの食事や、ソウマさん達も食べるから多く釣るらしい。キレアジは戻すか刺し身にするとか。

 

 気がついたらもう夕方。

 

よく釣れたにゃ。今日はありがとうにゃ。

 

いえ。こちらこそこんな体験は初めてなので。

 

また気がついたら来てくれにゃ。

 

 農場を出て家に戻って。そこにあった本(ちょっとした物語本)を読んでいたらいつの間にか寝てしまった。

 

 夢を見ていた。悲しい。辛い夢を

 

 

お母さん行っちゃうの?

大丈夫。私は帰ってくるわ。

自分の力を信じているから負けないわ

 

 そうだ母に似て私は美しく強い。

でもそれを過信しているとダメになる

そうやって私も母も…

 

 はっとして。目が覚めた

 

起きたか、

 

おはようございます…

 

どうした?何かあったようだが。

 

いえ、ちょっと夢を見ていただけです

 

そうか。飯は今日は魚だ。君が釣ってきたドス大食いマグロの煮付けだよ。

 

ありがとうございます。でも。お腹の中のものは?

 

あぁ。中身ね…聞きたい?

 

えっと…

 

 ちょっと嫌な予感がしたけど聞いてみた、

 

何だったんですか?

 

うん。虫の死骸がたっぷりと…

 

 あっ、うん、やっぱり

 

あぁー…はい…

 

さて。まぁ安心して、ちゃんと取り除いたから。

 

はい。大丈夫です。はい。

 

 それからソウマさんとスズさんと鍋を取り囲んで美味しく頂いた。初めての食事。魚ってこんな味もするんだ。今まで生で食べたことしかないから。これはこれで楽しい。かな?

少しずつこの村にも慣れてきたかな。農場仕事も少し手伝ってみよう

 

 

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