ベル・クラネルに転移者の最強師匠がいるのは間違っているだろうか。   作:ReA-che 名義

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転移者が最強なのは間違っているだろうか。

「テメェ!ンダその態度は‼」

 

オラリオの町をダンジョンへ向かうのに走っていた

 

白髪緋眼の少年、ベル・クラネルは

その怒声を聞いて立ち止まる

 

(何があったんだろう…)

 

近くに人だかりが出来ており

その中心から怒声が聞こえてくる

 

興味をひかれたベルが覗き込むと、中心には大男がベルと同じか

もしくはベルより低い身長の男の胸倉を掴んでいた

 

(まずい…助けに行った方が良いのかな…)

 

ベルは胸倉を掴まれている男が危機的状況だと思い、助けに行こうとした

 

そのとき…

 

「くっくっく…ンダその態度はだぁ?」

 

冷笑と言う事が一番ハマる言葉で男は喋った

 

ベルは気づいた

胸倉を掴まれている男は嗤っていることに

 

「テメェ!」

 

激昂した男が拳を振りかぶり

誰もがやられたと思ったその時

 

スパンッ!

 

 

と小気味のいい音がした

 

アッと見開かれたベルの顔はさもだらしないことになっているだろう

 

それほど目の前の出来事が強烈なのだ

 

何が起こったか

 

大男が拳を振りかぶった瞬間

 

男は大男の左外の足を右足で素早く刈り取った

 

俗に『小外刈り』と言う、柔術・柔道の技である

 

しかしここオラリオに柔術や柔道の心得等はないので周りは何をしたのかわからない

 

「て、テメェ!俺はLv3だぞ!?」

 

(えッ!?)

 

ベルは自分に遠く及ばない強さの大男に驚き

またその大男を吹っ飛ばした男にが何Lvか興味がわく

 

だが当の本人は

 

「アっハぁ…Lv?ナニソレ食えるの?」

 

と男は言う

 

「こ、こンのガキャァアア!」

 

完全にぶちギレした大男が男に鈍銀色のナイフを突きつけるが…

 

「な、ぁ…」

 

いつの間にか大男の手にあったナイフが無くなっていた

 

「くっくっく…」

 

男は笑いながら自分の手を大男に向ける

その手には鈍銀色のナイフと金色のナイフを持っている

 

「さてあなたの落としたナイフはこの金のナイフですか?それともこちらの銀のナイフ?」

 

と再び嗤いながら男は大男に言う

 

「グっ…テメェ…」

 

大男は少し顔が青かった

 

そしてベルも…

 

(ナイフが消えたのは振りかぶった直後、いったいいつ盗ったのか…

いつ自分のナイフまで取り出したのか…!)

 

辺りは空気がピリピリと険悪なものになる

 

「なァ~~んて…ネッ♥」

 

その空気をぶち壊すように

男はいきなり笑う

 

スッ…

 

そして手に持っていた二本のナイフを大男の手に握り込ませる

 

「俺のナイフもあげるよ♥今日は気分が良いから…」

 

男は笑ったまま背を向けて

最後にもう一度振り返ると言った

 

「気にすんなよ?俺はたくさん持ってるから…ネ?」

 

その顔は三度目の嗤いだった

辺りは男が完全に見えなくなるまで誰一人として動けなかった

 

 

そしてベルのみ去って行く男の腰に

3尺ほどの太刀が差されているのに気づいた

 

(ま、まるで悪魔みたいな人だったな…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日は何階まで下りようかな…ん?」

 

ダンジョンにて一人言を呟いていたベルは前方に人影を発見する

 

 

(あの人さっきの…)

 

先程自分が悪魔みたいだと感じた男である

 

 

「…誰だ?」

 

どうやら男はこちらに気づいたようだった

 

黄色い双眼が鋭く狭められ

 

こちらをキッと見ている

 

「そういやお前みたいなのさっきの場所にいたっけな

さっきの奴の仲間か?お前?」

 

 

男が嗤いながら腰の太刀に手を伸ばそうとしていた

 

「ち、違います!僕は只ダンジョンに…」

 

(こ、殺される!?)

 

そう最悪なことを考えていたが

 

「エェΣ(Д゚;/)/マジか、悪ぃな?得物抜こうとして」

 

「あ、いやあはは」

 

(あ、そうだ)

 

ベルは頭のなかでとあることを考える

 

「あの…僕ベル・クラネルって言います

よろしければ一緒にダンジョン探索しませんか?」

 

「あぁ、別に良いぞ…ベル?

俺は沢渡、沢渡春樹(さわたり・はるき)だ」

 

「はい!よろしくお願いしま―」

 

「ギャキャキャ!」

 

ベルがよろしくと言っている途中に魔物、インプが出てきた

 

そしてその場所は春樹のちょうど死角の後ろである

 

(ま、マズイ!)

 

ベルが走って送迎しようとしたが

 

ヒュンッ…

カッ!

 

春樹が後ろを振り返らず投射したナイフがインプの眉間に深々と突き刺さり

インプは絶命した

 

「す、すごい」

 

「お、サンキュ」

 

 

 

数刻後~

 

「ゼェ…ハァ…ゼェ…ゼェ…」

 

ベルは息切れを起こしながら壁にもたれる

 

「おいおいデェージョーブか?」

 

「い、息が、吸いづらいです」

 

何がベルの身に起きたかと言うと

 

出てくる敵を春樹が走りながらのすれ違いの一撃で全て倒してしまうため

頑張って魔咳を拾っている間もベルは走ることを強いられ

数刻間速度が変わらずに走っていたので重度の息切れを起こしていた

 

 

「ま、呼吸が正常に戻ったら教えてくれや」

 

そう言って春樹は懐から手のひらサイズの紙製小箱を取り出す

 

「…なんです?それ」

 

「タバコ、ラキストだよラキスト」

 

春樹は小箱をベルに見せる

 

白の箱の真ん中に赤い丸その真ん中に英語で【LUCKY-STRI○E】とロゴが入っているがベルには読めない

 

春樹はまた懐を漁り

中からzippライターを取り出し

タバコにひをつける

 

カィンッ

シュボ…

…ジジ……

 

「ふー…」

 

火を着けたばかりの最初の一口は吹かし

昔から春樹はそれを変えていない

 

二口

 

「ふー…やっぱラキストのこの独特な苦味が良いよな、

キツイだけならマルボロでも良いんだけど、やっぱこいつなんだよ」

 

「………(ジーー)」

 

何故かベルにジーっと見られる

 

「あ、悪ぃ煙たかったか?」

 

「あ、いえそう言う訳では」

 

と言いつつチラチラとこちらを見ているベル

 

「…一本いるか?」

 

「え、良いんですか?」

 

ベルは少しワクワクしたような感じでラキストを受けとる

 

シュボ…

ジジ……

 

 

「…あの、このあとどうすれば?」

 

「口に加えてゆっくり浅く深呼吸」

 

(?…スゥー…)

「‼?ぶはっ!うェ⁉ゴホゴホ‼」

 

噎せる

 

「なんだよお前タバコ初めてか?もっと浅く吸うんだよ」

 

春樹に言われ更に浅く吸う

 

(スゥ…うぇ…)

 

今までに感じたことのない苦味が口に広がる

 

「ふー…これ美味しくないです」

 

白い煙を吐きながらベルは春樹に言った

 

「畜生…やっぱりか、何だってブツブツ…最近は…ブツブツ…やっぱオプションやウィンストンが…ブツブツ」

 

「あの?」

 

「あ、すまん自分の世界に入ってた

ん?そういやそろそろ時間が…ふむ

ベル、今日はもう俺は上がるがどうする?」

 

「あ、じゃあ僕も上がります」

 

了解、とどんどん階層を上がって行く

そして五階に入った時

 

「「「ブモォオオオオ!!!」」」

 

突如ミノタウロス3体が現れる

 

「ひ、ヒイィィィ!」

 

ベル、恐怖により硬直

 

「…ハァ」

 

そしてそれを見てあきれる春樹

 

ミノタウロスは十五階層からのモンスターである

恐怖するのは当然ではある

 

 

「ベル、少し下がりな」

 

春樹はそう言って今日初めての太刀を抜く

 

「は、はいぃぃ!」

 

「…ハァ…」

 

気の弱すぎるベルに若干マジに呆れながら

 

左手で鞘を固定し、右手は柄を軽く握り込む

 

そしてミノタウロス2体に接近し

 

ビュオッ!

カッ!

 

1体目のミノタウロスを抜きざまに、2体目のミノタウロスを刀を振り切った状態から袈裟懸けに切った

 

 

「「ブモォオオオオ!!」」

 

切られたミノタウロスは最初は何もなかったかのようにベルに向かって走り出そうとしたが

 

ピッ…

 

「「ブモォオオオオ!?」」

 

ある1体は突如体の真ん中に切り傷が、またある1体は斜め上からの袈裟懸けに切り傷が入る

 

瞬間

 

ブシュゥウウウウ‼

 

切り傷から大量に血を吹き出し

2体のミノタウロスは絶命した

 

 

「…え?」

 

ベルは驚いた

自分が情けなくも動けないでいるとき

一緒に探索していた春樹が太刀を片手にミノタウロスへ向かって走って行く

 

(マズイッ!ミノタウロスは十五階層の…)

 

頭のなかでLv3の冒険者を圧倒している春樹の顔が思い出される

 

まるで悪魔のような嗤い

 

あれを見たときは肝が冷えた

底無しに怖かったのだ

 

だが、だからと言ってミノタウロスに勝てるものなのか?

 

しかし

その心配は杞憂だった

 

 

ビュオッ!

カッ!

 

「「ブモォオオオオ!!」」

 

ミノタウロスがまるで一界層の雑魚だと言わんばかりに春樹は一瞬で2体を切り裂いた

 

しばらく動いていたことからどれだけ鋭い一撃だったかが窺える

 

 

そして最後の一匹も…

 

 

カッ!

 

すぐに真っ二つになった

 

 

(す、すごい!すごすぎる!)

 

ベルは春樹を羨望の眼差しで見つめた

 

「…っと時間時間、早く今日の宿とらないと…」

 

春樹は俄然マイペースだった

 

「あ、あの…春樹さん」

 

「あ?なに?あぁベルまた明日潜ろうぜ!」

 

春樹に話しかけるとすぐにいなされるって言うか…

 

また明日かぁ…など考えてしまう

 

「そう言えば何で春樹さんはそんなに急いでいるンですか?」

 

とベルは聞いた

 

すると帰ってきたのは

 

「あぁん!?そりゃオメー、まだ今日の宿とってねーからだよ」

 

 

と言った

 

(えぇ~~!!?宿とってない?!でもこの時間で空いてるのって…そうだ!)

 

 

「春樹さん!」

 

「ん?」

 

「ウチに泊まりませんか?」

 

 

「…恩に着る」

 

と言うわけで本日の宿が決まったのでそれほど急がなくて良いのだ

 

 

これで一安心一安ー…

 

「ブモォォオオオ!」

 

 

一段落ついたところで不意をつくようにミノタウロスがもう一匹現れた

 

「ほぁあああああああっ!?」

 

「あ、おい、まてベル!」

 

突然の事にビビったのかベルはそのまま逃げてしまった

 

そしてそれを追うミノタウロス…いや、違う

あれは追っているんじゃない

逃げているんだ!

 

 

そう気づいた時に横を誰かが猛スピードで駆け抜けていった

 

「…しょーがねー、カッタリィけど追うか」

 

そう言って春樹は駆け出す

 

 

 

 

 

 

着いた頃にはベルは血だらけだった

 

「おいおい大丈夫かよ?」

 

「あ、はい大丈夫です

ご迷惑おかけしました」

 

とベルは謝ってくる

 

(ふーん…返り血か)

 

その時だった

 

 

「あの…大丈夫ですか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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