店を出た光秀はぐぐっと腕をあげて伸びをした。そのまま手を腰に当てると店の玄関を閉めてやってくる魚住を見る。
「なぁ、うちで飲み直そうぜ」
店内では眠そうな顔を見せていた光秀だが外では楽しげな顔を見せていた。だが飲み過ぎていると認識している魚住はもう休んだほうが良いと告げる。
「魚住ちゃんが眠いってならそうしてやるけど?」
「俺は平気だ。それより先生が……」
忠告を最後まで聞くことなく光秀は魚住の腕をつかみ歩き出した。
広いリビングで遅い時刻のニュースを見ながら酒を飲む。魚住は変わらずウーロン茶を飲んでいるのだが、光秀は缶ビールを既に三つ空けていた。
魚住はニュースを見つめて今日起きた事件事故などを頭に入れていく。
だが不意に遠くリビングの外からパトカーのサイレンが聞こえて視線を移した。それに気付いた光秀は魚住の胸ぐらをつかんで無理やり引き寄せる。
唐突に引っ張られた魚住は抵抗する間もなく引き倒された。さらに光秀の上へのしかかられて眉をひそめる。
「何してんだ」
「外の音が気になるんだろ?」
挑発的な目で見下ろしてきた光秀はそのまま笑みに口を引き伸ばした。
「気にならなくしてやるよ」
楽しげにそう言い放った光秀は缶ビールを口に含むと魚住に口付ける。魚住の口を舌でこじ開けるとキスのついでにビールを流し込んだ。
アルコールと深すぎるキスを受けた魚住は一気に顔を朱色に染めていく。
終わらないキスの合間に光秀の手が服の中に入り込んできた。脇腹を滑るように優しく撫でられ魚住は目を細める。
だが抵抗するしない以前に、酔いのせいで頭がまともに働かなくなっていた。
リビングで床に引き倒されたまま身体を繋げる。ラグが敷いてあるとは言え、おかしな体勢であれば身体の負担は相応にあっただろう。しかし正面から向かい合う形のままであるため、つらいと思うことはなかった。
むしろ下肢が持ち上げられ深い場所まで入り込まれているため快感が脳を支配しようとしている。
刺激に対して身体が勝手に反応してしまうことをなんと言ったか。
快感から逃れるため、関係ないことに意識を向けようとする。しかし酔った頭ではうまく考えが処理できなかった。その間も中から与えられる刺激に身体が勝手に反応してしまう。
それでもわずかに残った恥じらいから、赤らんでいるだろう顔を隠すために腕を持ち上げる。
「なんで顔隠そうとしてんだよ」
だが不意にその腕を捕まれ床に置かれた。たったそれだけのことで意識が行為に引き戻されてしまう。
「……腕、あんま使うなよ」
低く落ち着いた声で忠告されて魚住は我知らず目を丸める。そうして視点を相手の定めると、まっすぐな目が魚住を見下ろしていた。
その目を見た瞬間に魚住の背中を刺激が走り鳥肌がたつ。あげく血が頭にのぼる感覚と下半身に熱が溜まっていくのがわかった。
「……っ」
「まだ余裕そうだな。ならそろそろ本気出していいよな?」
魚住の顔が赤くなるのを確認した光秀がにやりと笑った。
激しい動きで深い部分を突かれて声があふれる。そんな魚住を見下ろしたまま光秀が目を細めて笑みを強める。
「おまえのギャップ、すげぇクるわ」
「……ッ、あっ」
酔いと快感に思考を喪失した魚住のは光秀のつぶやきは聞こえなかった。
押し寄せる快楽の波にすら抵抗できず、されるがまま声をあげる。やがて波の本流が迫り来て全身どころかつま先にまで力が込められた。
下半身に溜まっていた熱をすべて吐き出すとその反動で一気に意識が沈んでいく。