八神 統夜は勇者である   作:速瀬 順士

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初めまして新シリーズの1話になります。

2/28のオンリーの観音寺旅行に行き、抑えきれず作成しました。

本作は男性を主役に置いたり、本編の理解力不足、まだ西暦からの過去を舞台にしたのわゆが完結しておらず、未読(単行本後購入予定)の為矛盾点等があるとおもいます。

感想等のコメントをしていただけるとありがたいです。
(2016/3/6記入内容)


[1話 青春の始まりと終わり]

「・・・」

 

「なにを言いたいんだ?」と声をだそうとしたが自分声は出ない。

それに曖昧なふわふわという心地よい浮遊感に襲われる。

間違いないこれは夢だど俺は確信する。

 

『次は観音寺~。』

 

その言葉ともに一瞬に現実へと引き戻されていった。

左手でポケットにしまったスマートフォンであらかじめ到着数分前に設定しておいたバイブを止めて時間を確認する。

 

「あぁ・・・うん結構寝てたな。もう駅に着くのか。」

 

彼は寝ぼけた頭で荷台の上に載せた衣服類の入った荷物をおろしながら上着を羽織って停車するのをまった。

停車を確認後電車を降りて出入り口でキップを渡す。

 

「ご利用ありがとうございました。」

 

そんな駅員の声を聞き、八神 統夜(やがみ とうや)は駅の外に出た。

 

 

春の始まりを主張するかのごとく、風はまだ少し肌寒いが太陽の光はまぶしく、現在の観音寺は過ごしやすい季節になっていた。

統夜は天気がいいので空を見上げたら、あまりのまぶしさに少し目を細めてた。

天候は快晴であり、神世紀(しんせいき)189年3月31日彼の物語はゆっくりと始まろうとしていた。

 

[1話 青春の始まりと終わり]

 

 駅から大通りを北にのぼり、コトブキヤと書かれた看板のお店の十字路を右に曲がった後に左の細い路地に入っていく。

 入ると住宅密集地帯になっており、統夜は事前に渡されていた地図の道を進むと1つの家にたどり着く。

 

「お待ちしておりました統夜様。荷に関しては済んでおります。」

 

お面をつけた数人が自分に向かって頭を下げて報告をしてくる。

統夜は内心『呼んでもいないのに来たか。』と舌打ちをしながらも返事をする。

大赦(たいしゃ)神樹を奉っている組織であり、それなりの高い権力と資金をもっている組織である。

正直統夜は情報は統制・管理されるものではあるが、この連中はいろんなことを隠しすぎていて『うさんくさい』と言うイメージが強かった。

統夜は大赦の1人から家の鍵を受け取りながら言う。

 

「ご厚意はありがたいですが、それ・・・やめてくれませんか。」

 

この人たちがこんなことをしている理由は大体わかる。

統夜ではなく、統夜の苗字の八神と言う家のほうに意味があり、神樹様の字を持つ格式の高い家の人間に当たるからである。

しかし実際の所統夜のためではなく、祖母のほうに気を使って動いているのである。

 

「しかし!」

 

「くどい!・・・いや、俺にそんな権言はないし、この言い方はおかしいですね。

今の俺は八神(やがみ)ではなく、速瀬 統夜(はやせ とうや)です。

あなたが崇拝する神樹様の名の入った八神の家の人間じゃないということです。

苗字を変えて俺がここにいるように指示を出した、祖母の意向にそむくつもりですか?

・・・すぐに撤収してください。」

 

仮面の中でどんな顔して考えているかは統夜には読み取れはしないが、数秒後に目の前の1人の男が反応した。

 

「・・・承知いたしました。」

 

統夜はしばらくしたのちにため息をつきながら部屋に入った。

家は2階建てになっており、下は本来車を入れるガレージとなっているが、中学生の統夜には車は必要ないとはいえ、その大半以上が簡易道場といいたくなるような畳で覆われていた。

 

「多分アレは家をリフォームした地点での叔母の意向だろうな・・・。」

 

八神の家は刀による剣術と蹴りを重視した格闘が主体の武術であり、統夜の叔母は多分こちらに来ても鍛錬に励むよう用意したのだと思われる。

 

「山奥の実家じゃないんだし、練習なんかしたらご近所迷惑だろうな・・・これ。

まぁ素振りとかにでも使わせてもらおう。」

 

2階に上がり、自室に入り荷物を置く。

1階に先ほどの簡易道場と風呂場、2階にはトイレ、台所が個別にあり、半畳ほどの冬物の衣服類が入った物置以外は7畳ほどの部屋が1つ。

部屋には机にベットと衣装棚と本棚があるシンプルな部屋だった。

部屋にさっきまで持っていた荷物を置いてベットに座って一息ついたたのちに統夜は立ち上がって駅前の案内所からもらっていた観光地図を持って外に出た。

 

「明日から新しい学校だし、少しなれておくか。」

 

 

近場の街中や店を見ながら三架橋を渡り、左側に神社をそのまま進みながら道沿いを歩いて中学校の前に着く。

市立讃州(しりつさんしゅう)中学校

この地域の中学生が通う学校であり、これが自分が新しく通う学校である。

俺自身なんで、実家からこんな遠い中学にいきなり春のこの季節に転校するかといえば、叔母の指示によるものだ。

今までの経験上、正直ろくなことが起こらない気がする。

事前に書類手続き等は終わっており、教科書等は明日に受け渡しが行われるから別段よる理由はない。

気がつけば日が傾き夕方になっていた。

 

「帰るか・・・。」

 

この地球の人類生存権は四国しか残っておらず、結界外の世界は死のウイルスによって人類だけではなくすべて物が生きていけない環境になっている。

そして四国は今神樹様の加護によって何事もなく日常が続いており、奇跡的なバランスで保っているように感じた。

つくづくきいているだけでも不可思議な事だとおもう。

だからといって自分が出来ることは何もないという事は十分に理解していた。

 

『明日に備えて準備でもしよ・・・ん?』

 

夕日に照らされながら帰り道、神社の隣を通り過ぎようとした時に鳥居の下で何かが落ちていることに気がついた。

 

「スマホ?誰か落としたのか?」

 

スマホを拾い上げて持ち主を探す。

正直言えば落し物の持ち主探しなんて面倒ごとに突っ込むことはしないが、流石にものがものの為そういうわけにはいかない。

そう思いながら統夜は周りの人を確認すると1人だけ神社のほうに人が居た。

多分あの人と思い統夜がとりあえず話を聞くためよろうとしたときスマホが着信した為急いで彼女に近ずいていった。

 

「すいませーん。」

 

「え?」

 

彼女に話しかけた瞬間、違和感に見舞われた。

振り向いた彼女は確かにきれいであった。

自分の通う中学校の制服、背中まで伸びたストレートな黒い髪、整った顔立ちとかに目に行ったがそうではなかった。

でも彼女のあの焦りもしくは驚きの顔に、さっきまで感じられた風がやんで周りがまるで静止してるしているように感じた。

 

「いや、間違いなく俺たち以外止まってる・・・。」

 

「なんで・・・動けてるの?」

 

そんなの俺が知りたい。

そう言おうとした時には海の方から光の壁のようが迫ってきて、2人を飲み込んでいった。

 

 

次に目を見開いたときには異様な光景だった。

色鮮やかな世界になり、小学生のころに読んだ、不思議の国のアリスの絵本の世界のように感じだというのが正しいといえる。

この町に来て初日で、自分の実家よりは都会ではあるが、元々山に囲まれて緑が多いほうである。

しかし今は人や建物がすべてのものが樹木とかしていた。

 

「なにがどうなってるんだよ・・・。」

 

そしてこの日を境に、八神 統夜の新しく始まるはずだった日常は、始まる前に終わりを告げた。

 

 

[2話へつづく]

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