八神 統夜は勇者である   作:速瀬 順士

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毎度読んで頂きありがとうございます。

今回は日常のみになっています。

感想等のコメントをしていただけるとありがたいです。
(2016.4.2記入内容)


[3話 賑やかな人]

薄暗い部屋で、円型のテーブルを囲むように同じ格好、同じお面をつけた集団が座っていた。

 

「今回も迎撃には成功しました。しかし・・・。」

 

「事故で八神家のご子息が結界の中に入り込み、あまつさえ勇者システムを使用しまったか。」

 

「はい。

男性の勇者システム使用にだけでも異常ですが、使用後身体的変化が出たと報告がありまして、肉体が女性に変化、及び元々あの端末に設定されていた武器は斧だったのですが、刀に変更されていました。」

 

「メディカルチェックの結果は?」

 

「15ページの資料になります。」

 

統夜の一頻りのメディカルチェックで取ったデータが並んだデータが表示される。

 

「変身解除後肉体も元に戻り、少し血圧が高い意外は特に異常なしか。」

 

「戦闘直後に取りましたので、初の実戦やバーテックスの存在を知り、かなりの興奮状態やストレスが生じたために出た結果だと思われます。

少し時間を置いて2度目を行った結果、正常値が出ていましたのでこの件は問題ないと思われます。」

 

「ならよろしい。

それで、今後の彼への対応だが・・・。」

 

会議の中同じ格好をした人間が入ってきた。

 

「すいません。

八神 白(やがみ はく)様から急用のお電話がはいられました。」

 

「まわしてくれ。

はい、そちらの件については伺っています。

それでご子息の件ですが・・・はい、承知しました。」

 

電話の内容は短時間で終わり、会議が再開される。

 

「なんと?ご子息を使うなと?」

 

これが通常の親の反応である。

それでも大赦側のほうで決まる場合、もしどれほど格式が高くてもそれに応じなくてはいけない。

 

「その逆だ。

彼の苗字の偽装の止める為の身の回りの書類手続きと、お役目に参加させるように念を押された。」

 

「正気なのですか?

拒否権がないのはわかりますが、姉をなくされていて、その唯一の直縁の血族に対しての扱いとは思えません。」

 

「長い付き合いになるが、元々彼女はかなりの変わり者だ。

元々適合値は高いという報告はあったし、こうなることを予期していた可能性もある。

それとも、今回の事故も彼女は予期していたのか。」

 

「でしたら逆に、彼を勇者にするのは危険かと思われますが。」

 

「問題ない。

それにあの地域は、2年前からバーテックスの進行がある地域だ。

戦力が増えるに越したことはない。」

 

報告書をひとしきり読み終えた一人は書類をテーブルに置き、決定事項して伝える。

 

「なにが起きるにせよ、これより八神 統夜は観音寺方面の勇者として正規配置。

お役目に仕えてもらうが、異例の為頻繁なデータを収集及び、厳重秘匿を厳守とする。」

 

 

[3話 賑やかな人]

 

朝日を感じて目を覚ます。

時計を見ると朝の6時でいつもどおりの起床時間となる。

 

『昨日あれだけの事があったのに、よく普通におきれるよな。』

 

ひとまず顔を洗う為洗面台に向かって、鏡を見た時昨日のことを思い出す。

 

勇者となってバーテックスと戦ったこと。

そして勇者になったときに肉体が女性に変わっていたこと。

 

『あの時は驚いたな・・・。』

 

顔を洗い終えて再度鏡を見る。

見飽きるほど見てきた男としての自分の顔だ。

 

「まぁ・・・今更考えても仕方ないか。」

『後はどうせなるようにしかならないだろ。』

 

使用していた端末は返却。

大赦側から許可を得て、昨日はこの事態を叔母とも話しており、叔母が元勇者であることを聞きいろいろ合致した部分はあった。

ただ俺自身が勇者となることは可能性とまでしか認識しておらず、実際どおだか知らないが、叔母も予想外だったらしい。

本来はただの学生としてやっていってほしかったらしいが、事態が事態の為にお役目に任命されるかもしれないから、八神の苗字での通学をするようにといわれた。

 

『まぁ、苗字がどうこうなんて気にもしてないけどね。』

 

1階の簡易道場におりて、軽い準備運動の後、朝の日課の真剣での素振りと構えの練習をする。

真剣に関しては許可を取っており、叔母の意向で重心や感覚のずれをださない為に1人での練習の場合は行うことにしている。

因みに対人練習していたときは木刀を使っていたので十分危険だった。

 

「ふぅ・・・。」

 

時間を見て6時50分ほどになるので、2階に上がって軽く汗を流して、神棚の塩とお酒を交換した後に朝食を作る。

母代わりをしてくれた叔母が和食派で、自分にも料理を教えてくれた。

食材に関していえば、昨日送られていたのを冷蔵庫に入っているので、そこから自分で素早く作れるものを作る。

 

『叔母さん洋食も嫌いじゃないし、作れなくはないんだけどね。』

 

食後にそんなことを考えながら学校に行く準備をする。

新しい学校の制服に着替え、学校指定の鞄にノートと筆記用具だけ入れる。

 

「それじゃあ行ってくるね。父さん。母さん。」

 

仏壇の挨拶を済ませた統夜は家の鍵の閉め忘れなど確認した後に学校に向かった。

 

 

昨日は町並みを見ながら中学校までの道のりを覚えた為、迷わず三架橋を渡って軽く坂を上って学校に着く。

ついたのが8時前くらいで気持ち早くきたが、本日は始業式があるため学生もそれなりに居るらしい。

統夜は学年によるクラス替えの貼り出しを横目に職員室へ向かった。

多分自分の名前は速瀬のままか、転入の為貼り出されていないはずだろう。

 

「失礼します。」

 

統夜は職員室に入り、適当な職員を捕まえた。

 

「すいません本日転入のものなんですけど。」

 

「あぁ八神さんね。

色々と事情はあるみたいだけど、学業頑張ってね。

ちょうど同じクラスの子が来てるし、その子に案内してもらって。」

 

どおやら話は職員方で情報共有されててスムーズに進んで安心する。

 

「わかりました。」

 

「森峰さん始業式もありますし、担当の先生にHRを早めに始めて頂きますので、彼を教室の前まで案内してください。」

 

統夜はその一言で少し反応する。

 

「森峰て・・・。」

 

統夜は誰にも気が付かれなかったが、『まさかね。』と言う少し引きつった笑顔をしていた。

 

 

統夜予想は案の定であり、教室までの間彼女の後ろに付いて行きながらしばらく歩いた。

 

「八神 統夜・・・あの時苗字偽装してたんですね。」

 

「悪かったよ。

こっちにも家の事情があるんだ。」

 

「家の事情ですか。

お互い色々めんどうなんですね。」

 

「心中察してくださって助かります。

森峰さんも家の事情で面倒になってるの?」

 

その言葉を聴いた綾目は少し間があった後に言う。

 

「それなりに・・・ですね。」

 

「そっか。」

 

正直これはお互い場をもたせるだけの他愛ない会話であったが、想像以上に互いに面倒な家に生まれたという少し共感を綾目に覚えた統夜であった。

 

 

統夜は黒板を背に立っていた。

 

「今日は始業式あるからさくっといきますね。

はい八神くん自己紹介して。」

 

「八神 統夜です。

よろしくおねがいします。」

 

「八神くんはご実家の事情でこちらのほうに引っ越してきました。

皆さん仲良くしてくださいね。」

 

先生の言葉が切れると同時に拍手がおこり、一応歓迎されてるという認識でいいのかなと統夜は思った。

拍手がやむと、先生が席を指定されて座り、すぐに始業式に向かうことになった。

体育館に向かう途中隣の男子生徒が話しかけてきた。

 

「よう八神。俺、三好 永治(みおし えいじ)ていうんだ。よろしくな。」

 

「あぁ、よろしく頼む。」

 

「それにしても、朝から森峰と話しながら教室まで来てたみたいだけどすごいな。」

 

「森峰さんと話すだけですごいのか?

ただ先生に頼まれて、案内してもらった間に軽い世間話してただけだぞ?」

 

「彼女男子とそんなにじゃべらないし、あの森峰家のお嬢様だからな。

顰蹙(ひんしゅく)する訳じゃないけど、しゃべり易いはないわな。」

 

「ふーん。」

 

「興味なしか?」

 

「いや、ただ話すの苦手なだけじゃねーかなと思っただけ。

その人が育った環境によっては下手な発言できないしな。

それが格式が上の人間ならなおさらだろ。」

 

「あぁ、そういや八神もそれなりの格式のある家だったな。」

 

その言葉を聞く度にため息を出しそうになる。

実家に居た頃も、周りの反応はいつもこんなものだから仕方ないかと思う。

 

「いや、叔母は発言力あるが、家自体はたいしたことないぞ。

乃木や鷲尾、三ノ浦なんかと比べたら格が全然違うしな。

まぁ、おかげで気楽にやってるよ。」

 

「なるほどね。

しっかりとした叔母を見てるからそんなこと考えるって訳か。」

 

「まぁそんなところ。」

 

永治がなんとなく納得させた統夜は、内心で考えてた。

 

『実際叔母さん、俺に対して無茶苦茶するけどな・・・。

外の時いつかやらかすじゃないか不安になるんだよ。』

 

 

結局転校初日何もすることもなく、ただ長い始業式が2時間ほどお行われた後にクラスに戻って、明日からの授業について説明やプリントが配られる。

その為、実質今日は半日で終わるらしい。

取り立てて自分の用事は無く、適当に昼飯を食べて、早めの夕方の日課をこなしす。

そしたら夕飯の下準備に、大根やしいたけ等で煮物でも作ろうかと考えていると、先生の話が終わる。

 

「起立!礼!神樹様に拝(はい)!」

 

日直が、授業・HR後に行う挨拶の流れを一通りおこなうと、部活や帰宅する生徒達がガタガタと動き出す。

 

『俺も帰るか。』

 

統夜は部屋に帰った後の予定を考えながら自分の荷物をまとめ始めると、一部のクラスメイトに囲まれた。

 

「ねぇねぇ八神くん特技は?」

 

「え?剣術だけど。剣道とかみたいなのと勝手はかなり違うけど。」

 

1つ答えると、また別の生徒から質問を飛んでくる。

 

『いきなりなんで俺の事聞きだすんだ?』

統夜は周りから次々と飛んでくる質問が飛んで来て、今まで多くの同年代の人に話しかけられるこ

 

とのない彼は少し戸惑っていた。

 

「おいおい、そんな一度に来たら八神も答えられないだろ。

せめて並んでやれよ。」

 

助け舟を出してくれた永治はクラスメイトを1列に並ばせていく。

 

「三好助かったよ。」

 

いきなりの出来事に統夜どうにか一息つき、永治は笑顔で答える。

 

「なぁに気にすんなよ。

転校生なんて珍しいからな、まぁこうなるのは大体予想してた。

まぁ答えるのは変わらないけどな。」

 

統夜は苦笑した。

 

 

何人かの質問に答えた所で人が近づいてくるのを感じ取る。

 

「森峰さん。」

 

「八神くん。

昨日のお役目の件で話があるのだけど、付いて来て貰える?」

 

『昨日の件ね。』

 

叔母がお役目に関わるという電話では既に話していた為、薄々もう呼ばれるのではないと思っていた。

統夜は少し間を置いた後に並んでる人に言う。

 

「悪い皆。

なんかお役目の関係で呼ばれてるからまた今度で頼むわ。」

 

統夜は頭に手を当てて申し訳ないように謝罪すると、多少の『えー!』と言う声はあるがすぐに納得する。

お役目と聞いて内容に大小はあるものの、それがどれだけ重要だかは幼少の頃から家で習わされている為であった。

 

「じゃあ、いきましょうか。」

 

「了解。」

 

横にかけてあった鞄をもち、綾目の後ろから付いていった。

 

 

綾目の後ろについていき、学校のとある教室の前に着く。

 

「で森峰さんこれは?」

 

「特役部(とくえきぶ)の部室です。」

 

「は?」

『何その変な名前の部。』

 

統夜の間の抜けた声に対して、綾目は同情するも話を進める。

 

「ネーミングセンスは、中にいる部長にでも言ってください。」

 

そういって綾目は、教室のドアを開けて中に入っていく。

統夜も後に続いて入ると、窓際の椅子に座っているん人間がこちらを見た。

 

「やぁやぁ来たか新入部員。」

 

顔を見る前に話し方や声で大体相手が誰だか分かった。

 

「斎木先輩・・・これは一体どういうことですか?」

 

「ん?なにが?」

 

「呼び出された理由、部の名前と、新入部員の件です。」

 

「あなた意外と察する力弱いのね。

もっと見た目より賢いイメージあると思ったのだけど。」

 

後ろのドアが閉まる音がして、花奈の技とらしい呆れた顔に統夜はため息混じりに言い、統夜は肩を呆れて肩を落としてジト目で言う。

 

「部名以外は要点一緒で大体察してるつもりですけど、本人の口から一応聞きたかったです。」

 

「八神君って意外と意地悪?」

 

「さぁ?どうでしょう?」

 

二人のじゃれあいのような会話に対して、いい加減話を進めてほしかった綾目は技とらしい咳を込んだ後に言う。

 

「斎木先輩。

いい加減遊んでないで本題に入ってください。」

 

「はぁ、相変わらずお固いわね。

じゃあ、本題でまず決定事項だけ伝えるわね。

八神 統夜。

現時点を持って大赦側の意向により、あなたには勇者となってもらってもらい、お役目に勤めてもらうわ。

今後はこの端末を使用するようにして。」

 

急に真面目な声で話す花奈は机の上に昨日の端末を置く。

自分もではあるが、叔母の予想通りになった。

統夜は机の上の端末を手に取ると、花奈は話を続ける。

 

「後この部に入部してもらうわ。

特殊御役目部(とくしゅおやくめぶ)、略して特役部(とくえきぶ)ね。」

 

『もう少しまともな名前なかったのかな・・・。』

 

統夜は表情一つ変えないでただ決定事項を聞いてると、少しの間の後に真剣な声ではなく普段通りの話し方になる。

 

「真面目な話はこれで終わりだけど、今、すごく残念なネーミングセンスとか思ったでしょ。

仕方ないじゃない・・・ド直球に勇者部とかも考えたのよ。」

 

そんなことを言いながら花奈は急に夕日が差し込む窓の方に遠い目で景色を見始める。

 

「いえ・・・まぁ。」

『多分森峰さんあたりに言われたんだろうなこれ。』

 

「まぁそれはいいとして、この部は勇者の訓練やスケジュール等をうまく合わせる為に作られた物よ。」

 

すぐさまテンションを切り替えていく彼女は、部の概容説明に移り出す。

 

「戦力を出来るだけ纏(まと)めて置きたいと言う訳ですか。」

 

「まぁそんな所ね。

仲間との連携の為、コミニュケーションを取りやすくする方が主目的ね。

それに一応部としての行動で、勇者として反映される基礎体力を鍛えたり、合宿だってするわ。」

 

「合宿ですか。」

 

「因みにゴールデンウィークが最初になります。」

 

「早くないですか!?」

 

綾目のさり気ないスケジュール告知に対して統夜は驚くも、冷静に考えてみれば長期の休日自分達はここを守るために遠出をする事はまず叶わない事になる。

そう考えてしまえばこう言った合宿も思いで作りの一環なのかもしれないなどと考えた。

 

「さて、戦い方や大体の疑問についてはアプリに乗ってるからそっちを見てね。

それじゃあ最後の一人を迎えに行き来ましょうか。」

 

「最後の1人?」

 

「決まってるじゃない。

私達の仲間よ。」

 

 

統夜は彼女達に付いて行き、自身の家を通り越して駅前近くにある病院へと着いた。

 

「1人統夜が来る前の戦いで無茶して、病院通いになってるのよ。」

 

「そんなにひどいんですか?」

 

「まぁ最初は担ぎ込まれたけど、落ち着いた頃には右手の骨折1つですんだわね。」

 

「すごいんですね勇者は。」

 

「人知を超えてる点ではすごいわね。

回復速度、異常なまでの身体機能、そしてもしもの時の切り札もあるわ。」

 

統夜は先ほどの会話を小声で話しているが、花奈は全く気にする素振りをせずに病院で話をしている為疑問に思った。

 

「切り札?それに、こんな公衆の面前で話して問題ないのですか?」

 

「問題ないわよ。

傍から聞けば私達の会話なんて、痛い人かゲームの話をしてる程度にしか聞こえないわ。

そちら件もアプリの方で要勉強しておいてね。」

 

言われてみればそれもそうだと思い、知らない人から見れば、この話題はそのように聞こえてもおかしくはない話だし、あくまでその程度で止まると理解して花奈も話していた物であった。

 

「了解です。

で先輩、最後の1人はどこにいるんですか?」

 

「確かもう会計にはいるってメール来たけどね。」

 

そういいながら花奈は辺りを見渡すと、首の辺りまであるポニーテールを揺らしながら近づいてくる少女がいた。

 

「あ!斎木先輩!」

 

「おぉいたいた。

優香、体のほうはどう?」

 

「ばっちりです!ギブスも取れましたので、明日から土居 優香(つちい ゆうか)完全復帰します!

お!?それが例の男の子ですか?」

 

統夜は彼女のころころ変わる動きや表情を見ながら、まるで人懐っこい犬を見ているような気分になる。

 

「同じ2年の八神 統夜。

よろしく。」

 

簡略的に統夜は自己紹介をすると、その名前を聞いた優香はやっぱりと言う喜びの顔を見せる。

 

「やっぱり!送られてきたメール見てまさかと思ったけど、あの八神 統夜なんだ!

あぁそうだ。

同じく2年土居 優香です!よろしくね!」

 

握手をするとぶんぶんと音をたてそうなほど振り回されながら統夜は言った。

 

「悪いんだけど、俺は君を知らないんだけど。」

 

「知ってるよ。

2年前の武術祭で乃木家と刀での試合は結構有名な話だからね。

当時の雑誌にも載ってたしね。」

 

「あぁあれか・・・。」

 

握手が終わり、統夜はどの時の事か思い出して苦笑する。

 

「あの時は惜しかったよねあれ。

でもこの2年近く名前ぱったりだったけどどうしたの?」

 

「まぁお家の事情かな。」

 

 

病院の外に出て花奈は

 

「さて話が纏った所で、八神くんの参戦と優香の復帰でも祝って、私の奢りでうどんでも食べに行きましょうか。」

 

「うどんですか!?」

 

花奈の提案に対してすぐさま反応する優香に対して釘を刺すように言う。

 

「優香、あんたは3杯以降は自腹よ。」

 

「了解です!」

 

『それ以上食う気か・・・。』

 

彼女は余談だが計5杯食べた。

 

「斎木先輩大丈夫なんですか?」

 

「大丈夫よ。

これでもお嬢様ですから。」

 

胸を張る花奈に対して、奢られる事に対して抵抗のある綾目は少し申し訳なさそうな声を出す。

 

「で、でも・・・。」

 

「いいのいいの。

相変わらずお固いんだから。」

 

「で、では。」

 

『森峰さんは喜ぶか心配するかどっちかにしたらいいのにな。』

 

統夜は内心突っ込んでいると、彼女達の話が纏って統夜のほうに花奈は振り向く。

 

「八神くんも気にしなくていいからね。」

 

「えぇ、言いたいことは森峰さんが言ってくれたから、自分は素直に頂きます。」

 

「なっ!」

 

「素直でよろしい。」

 

統夜の言葉に対して、少し俯いてた顔が驚き真っ赤にして顔を上げる綾目を見て、満足した顔をする花奈であった。

 

 

[4話へつづく]

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