横浜鎮守府の【提督】宝珠の戦士と【副提督】   作:シャイニングピッグEX

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お久しぶりでございます。

ノーバさんはいるだけでマスコットキャラになれると思いまする。

『では、今年もよろしくお願いします。今回の挨拶は、宇宙大怪獣ベムスターがお送り致しました。……あ、ほ、本編どうぞ! 』


音速の絆

「………はぁ」

一人の駆逐艦は一枚のウルトラフュージョンカードを眺めながら足を折って腕を組んで座り込んでいた。

 

彼女の持つカードには『ウルトラマンマックス』が描かれていた。

 

「………」

 

ふと彼女は後ろを振り向いた。

 

その視線の先には第八駆逐隊が姉妹同士で楽しそうに話している。

 

「……姉妹がいればなぁ…。でも、島風には…」

 

島風には姉妹艦がいない。

 

その事は自分でも分かり切っていた事だ。

 

確かに、友達と呼べる仲の良い艦娘は沢山いる。

 

けれど、姉妹がいる雪風や天津風達を見ると、どうしても羨ましくなってしまう。

 

だから、島風はそんな気持ちを紛らわせる為に走る。

 

そうしていつしか何よりも、誰よりも早くなった。

 

「……私にも出来ないかな、お姉ちゃん」

 

「おや、これは珍しい」

 

「おうっ!? 」

 

島風の隣で声がし、島風は驚きつつ慌ててカードを隠してその方を向いた。

 

「よっ」

 

「…ゼットン星人さん? 何しに来たの? 」

 

そこに来たのはゼットン星人だった。

 

島風は胸を撫で下ろしながら聞いた。

 

「私はただの散歩だ。島風こそこんなところで何をやっているんだ? 」

 

「……別に」

 

「まあ、そう言うな。話なら聞いてやるぞ? 」

 

ゼットン星人は島風の横に腰掛けながら言った。

 

「……実はさ…」

 

島風はゼットン星人に悩みを打ち明ける事にした。

 

 

 

その頃、鎮守府では戦いを終えた艦娘達を迎えていた。

 

「提督、只今戻りました」

 

中破の状態の旗艦赤城が敬礼をしながら零に報告をした。

 

「お疲れ様。…っと、ひどい怪我じゃないか! 」

 

零はボロボロになった赤城を観ながら言った。

 

「赤城ちゃんは先に入渠しなさい。報告は他の子に頼むから」

 

「では私が代わりにやっておくネー!赤城は暫く休んでるといいヨー」

「それじゃあ、金剛は後で報告書を頼むよ。それでは、解散!」

 

零の合図で艦隊は鎮守府内に戻り、金剛は報告用の書類を零から受け取った。

 

赤城も入浴場に入り、修復を始めた。

 

「あ、そうそう。そう言えば奴らと戦っている時に奇妙な目玉を発見しましたネー」

 

金剛は戦闘中に起きた事を話した。

 

「目玉?」

 

「ハイ。Very bigな目玉で、中心にはredの結晶体が刺さってて、物凄く血走ってたネー」

 

「巨大な目玉か・・・ありがとう金剛。また後で報告書宜しくね」

 

「了解ネー! 」

 

そう言って金剛は鎮守府内に戻って行った。

 

「巨大な目玉、か」

 

「どうやらまた何か起きそうね」

 

「さっさと行って片付けてやるか。百合、バイクを頼めるか」

 

「勿論そのつもりよ! 」

 

百合は親指を立てて零に合図をした。

 

「All right!」

早速二人はバイクに乗り込んでその目玉の元へ向かった。

 

 

 

「確か南西諸島沖に行ったんだよな? 」

 

「ああ」

 

零は双眼鏡を片手で持ちながら穴を覗き込んだ。

 

そこには、大きな目玉が見えた。

 

「見つけたぜ。この先だ」

 

「了解!」

 

百合はバイクを加速させ目玉の元へ向かった。

 

 

「……随分デケェシロモノだな」

 

「ああ。こいつは予想以上だぜ」

 

二人はバイクの上で呆然とその目玉を眺めていた。

 

「とりあえず一発ぶち込んでみるか?」

 

「そうだな。さっさとケリ付けさせて貰うぜ! 」

 

零は飛び上がって空中で体を丸めて高速で回転し始め、辺りにはソニックブームが発生しはじめた。

 

そして、勢いよく目玉に突入した。

 

しかし、目玉から貼られたバリアに零の体は弾かれ、零は百合の乗るバイクへ着地した。

 

「ありゃっ」

 

「あらら」

 

「まさか弾かれるとはな…」

 

「とりあえず、一度戻ろう」

 

「ああ。対策も立てなきゃな」

 

二人は鎮守府へと向きを変え、バイクのエンジンを吹かせた。

 

 

 

 

「……と言う事なの」

 

島風は自分の悩みをゼットン星人に話した。

 

「なるほどなあ。姉妹がいなくて寂しい、か。私も妹に嫌われたら悲しくなるよ」

 

「ゼットン星人さんは良いじゃん!妹のゼットンさんがいるんだから!」

 

「いや、妹がいるから良いって訳でも無いんだ。姉には姉としての自覚もいるし、何より妹を支えてやらなきゃいけない」

 

「支…える? 」

 

島風は首を傾げながら言った。

 

「ああ。ゼットンは何でも出来るし、一見は完璧に見える。けれど、疲れている時に抱きついてやると私の胸に顔を埋めて泣き出すんだ。だから、その時にはそっとしといてやる。島風にも妹や姉がいたら何をしてやれる? 」

 

「……分かん、ない」

 

「そうだ。誰も最初は分からない。だから、私は───」

 

「そんなの分かる訳ないよ!だって島風にはお姉ちゃんも妹もいないもん!」

 

そう言って島風は鎮守府の方へ走って行った。

 

「あ……」

 

ゼットン星人は慌てて島風を追いかけようとしたが島風は既にどこかへ行ってしまった。

 

「島風………」

 

島風は脇目も振らず、部屋の方に走って行った。

 

その目からは涙が出ていた。

 

島風は勢い良く扉を開けた。

 

そこには、月明かりが射し込む暗黒が広がっていた。

 

「………」

 

島風は何も言わず毛布の中へ入って毛布を纏い、目を瞑った。

 

 

そして、海では────

 

「………フ…」

 

一体の深海棲艦が目玉に手をかざし、目玉を光らせた。

 

 

 

「………?ここどこ? 」

 

島風は真っ暗な空間にいた。

 

辺りを見渡していると、後ろに巨大な目玉があることに気が付いた。

 

『………所詮お前は一人……』

 

「な、なに!? 」

 

『どうせ誰にも…』

 

目玉が言葉を発する事に空間に小さな目玉が増え始めた。

 

『お前は誰にも頼られない…』

 

「いや………止めて……」

島風は耳を押さえてうずくまった。

 

『お前など必要とされていない!』

 

「いやあああああああああああ!」

 

 

翌朝、島風は布団の中から出ることが出来なかった。

 

昨夜見た悪夢のせいで外に出ることが怖くなった。

 

何回か他の艦娘が島風を宥めにかかるも島風はそれらを全て拒絶した。

 

「島風……」

 

「島風ちゃん……」

 

この状況に零達も困っていた。

 

「どうすれば良いんだ………」

 

「私達ではどうにも……」

 

「私が行こう」

 

零達はその声のした方を向いた。

 

そこにはゼットン星人が立っていた。

 

「ゼットン星人……」

 

「ここは私に任せてくれ」

 

「あ、ああ」

 

ゼットン星人は島風のいる扉をノックした。

 

「………誰? 」

 

中から弱々しい返事が返ってきた。

 

「私だ、ゼットン星人だ。入るぞ」

 

ゼットン星人は島風の部屋へ入って行った。

 

そして、ゼットン星人は何も言わず後ろから島風を抱きしめ、頭を撫で始めた。

 

「よーしよしよし……大丈夫、怖くないから」

 

島風の体の震えが治まり始め、島風は布団から顔を出した。

 

「……ゼットン星人さん……」

 

「よしよし………」

ゼットン星人は島風の背中をさすって落ちつかせてやった。

 

「これからは私が島風の姉になってやる。だから、もう泣くな」

 

「本当……?お姉ちゃんって呼んでも良いの……? 」

 

「ああ。好きなだけ呼べ」

 

「……ありがとう、お姉ちゃん! 」

 

島風はいつもの笑顔を取り戻し、一件落着となった。

 

 

 

「チッ、失敗カ。ナラバ、実力行使デ行クマデヨ!」

 

それを見ていた深海棲艦は目玉を覚醒させ、眼の魔王獣マガンQを呼び起こした。

 

「ギィーーイッイッイッ!」

 

 

鎮守府内に緊急入電が入った。

 

「提督!南西諸島沖に怪獣が出現しました!恐らく昨日の目玉だと思われます!」

 

大淀が入電の内容を零に知らせた。

 

「よし!艦隊出撃!島風!吹雪!加賀!長門!金剛!比叡、出撃!」

 

「了解!」

 

六人の声が重なり、早速編成を組んで出撃した。

 

そして、南西諸島沖に行くと、昨日の目玉が、島風を苦しめた目玉が怪獣の姿をして立っていた。

 

しかし、島風はもう逃げない。

 

「私は逃げるために足が速いんじゃない!誰よりも速く立ち向かう為に速いの!」

 

その島風の勇気に応えるかの様にマックスのカードとオーブリングが島風の手元に現れ、吹雪のティガのカードもマルチタイプのカードからスカイタイプのカードへと変化した。

 

そして、島風はオーブリングを起動した。

 

「マックスさん!」

 

『ウルトラマンマックス!』

 

「シュワ!」

 

島風はマックスのカードをオーブリングに読み込ませ、マックスを実体化させた。

 

「ティガさん!」

『ウルトラマンティガ・スカイタイプ!』

 

「ヂャウッ!」

 

吹雪もティガのカードを読み込ませ、ティガスカイタイプを実体化させた。

 

「光よりも速い力、頼みます!」

 

島風と吹雪は一緒にオーブリングを握って腰に手を当てて拳を握りしめ、オーブリングを上に掲げた。

 

『フュージョンアップ!ウルトラマンオーブ・スカイダッシュマックス!』

 

赤と紫の光の中から音速の速さで新たな姿のオーブが現れた。

 

「マックストールはためく勇姿!輝く光は疾風の如し!」

 

オーブはファイティングポーズを決めながら言った。

 

「ギィィー!」

 

マガンQはオーブに向けて複数の攻撃円盤を放った。

 

『どんなに速くても最強最速の私には追いつけないよ!』

 

「シュワッ!」

 

オーブは凄まじい速さで飛び上がり、空気を蹴るようにして移動して瞬く間に攻撃円盤を墜落させた。

 

そして、オーブはマガンQに飛び蹴りを決め、その反動で一回転して二段蹴りを浴びせて着地した。

マガンQも一度は倒れるも、負けじと光弾を放ち、大きな波を立てた。

 

オーブはこれくらいでは怯まず、その波の間を飛びぬけてマガンQに強烈なパンチを浴びせた。

 

しかし、どうにも目玉には効果がないのか、打撃は全てバリアで防がれてしまう。

 

マガンQはそれをいい事に目玉から炎と氷の光弾をオーブに放った。

 

「グアア!」

 

「オーブ!」

 

「オーブ!」

 

艦隊の皆がオーブに応援を送っていた。

 

「ギィーーイッイッイッ」

 

マガンQが甲高い声で高笑いをし、後ろを振り向いた時だった。

 

「シュワッ!」

 

「ギイイッ!?」

 

マガンQの前からオーブが飛び出てマガンQに打撃を食らわせたと思うと、目にも止まらぬ速さでオーブは次々にマガンQの身体中に打撃を入れて行き、どんどん攻撃速度を高めていった。

 

「ギ、ギイッ!」

 

マガンQはオーブを狙って光弾を放つも狙いが定まらず、辺りに光弾を撒き散らすだけでオーブには全く当たらなかった。

 

「これで終わりだ!」

 

そう言ってオーブは空中で左腕にエネルギーを溜め、マガンQに向けて左腕から光線を放った。

 

「『『マクバルトアタック!』』」

 

光線はマガンQに直撃し、マガンQは断末魔と共に爆発、四散した。

 

そして、オーブは海に着水した。

 

「Very Nice & So coolネー!ウルトラマンオーブ!」

 

金剛はオーブに向けて親指を立てた。

 

オーブもそれに親指を立てて返した。

 

そして、空を仰ぎ見て飛び立った。

 

「シュゥゥワッチ!」

 

 

 

島風は赤い結晶体にオーブリングをかざし、ウルトラフュージョンカードを取得した。

 

オーブリングで手に入れたのは『ウルトラマンガイア』のカードであった。

 

「マガンQを封じていたのはガイアさんだったのね!お疲れ様です!」

 

そして、島風達は鎮守府へと戻った。

 

そこでは、零と百合の他にゼットン星人がいた。

 

「あ、ゼットン星人…じゃなくてお姉ちゃん!」

 

「ああ!よく頑張ったな〜島風!」

 

ゼットン星人は島風の頭を撫で回した。

「えへへ。島風、頑張ったよ!」

 

島風は嬉しそうに笑ってゼットン星人に言った。

 

「今日のMVPは島風に間違いないネー。」

 

「異論はありません!」

「ええ。」

 

「うむ。」

 

金剛の意見に三人共賛成だった。

 

「島風ちゃん、やったね!」

 

「うん!」

 

島風は吹雪の方を向いてVサインを送った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

最強最速って言ったらこの子しかいないと思って島風に変身させました。

名前ネタならマックス・シュルツでも良いんですがここのは日本の艦娘しかいませんのでね、仕方ないです。

姉妹艦がいない島風と、妹に嫌われる姉とゼットン星人。

この二人を絡ませてみたら面白いんじゃないかなあと思ってやってみた次第でしたが、如何でしたでしょうか?

個人的には良かったと思います。

それではまた次回!
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