横浜鎮守府の【提督】宝珠の戦士と【副提督】 作:シャイニングピッグEX
にじげんにもいけるゼロさん素敵
『さて、本編へ参りましょう。そろそろ忘れられてるんじゃないかなと思うバードンがお送りしました。』
オーブはギャラクトロンに捕まり、ギャラクトロンの元まで引き寄せられた。
「仕方ありません…吹雪さん!すみません!」
「えっ…?」
赤城は吹雪を押し出し、オーブの体内から追い出した。
その直後にオーブはギャラクトロンの光線に包まれた。
「お、お…オーブウウウウウウウウ! 」
光線が消えると、そこにオーブの姿は無かった。
零は黙って地面を強く叩いた。
「落ち着け、提督さんよ」
渋川が零の肩を叩いて諭した。
「まだオーブは死んだわけじゃない。今はただ負けてしまっただけだ。ましてや戦ってないお前が諦めてどうするんだ?」
「渋川さん…」
零達は渋川の方を見て言った。
「大丈夫。オーブならきっとまた立ち上がるさ。諦めず、前を向いてな」
渋川のその目には強い光が灯っていた。
ギャラクトロンに敗北したオーブは光となって消え、赤城は地面に倒れ込んだ。
刺される寸前、吹雪だけでもオーブから追い出して吹雪を守ったが、それの代償として凄まじいダメージを喰らった。
「はぁっ、はぁっ…やはり…キツイですね…でも、吹雪さんに危険が及ばなくて良かったです…」
そう言って赤城は気を失った。
その後、吹雪は地上でオーブが負けたのを見て、赤城を探し出した。
「赤城さーん?どこですかー?」
一生懸命呼びかけてもその返事は来ず、吹雪は辺りを駆け回っていた。
すると、岩の陰で倒れている赤城を見つけた。
「赤城さん!?赤城さん大丈夫ですか!?」
吹雪は赤城に駆け寄り、体を揺すった。
「とにかく早く帰らなきゃ…!」
吹雪は赤城を背負い、ギャラクトロンから逃げ出した。
ギャラクトロンは標的が見つからないのか、それとも逃げられたと思ったのかどこかに飛び去って行った。
五人は、零の方に飛んでくるのに気付いた。
「まずい!零を隠せ!」
「は、はい!」
渋川の言葉で四人は零の姿を一生懸命隠した。
それが幸いし、ギャラクトロンは上空を飛び去って行った。
「ふぅ…なんとか難を逃れたか…しかし、なんで提督を狙うんだアイツは?」
「何か心当たりとかない?」
「とは言っても…さっぱりなんだよ」
そう言って零は腕を組んだ。
「とりあえず、まずは戻らないとな」
そう言って渋川が車のエンジンを吹かした時だった。
「あ!誰かいるわ!」
明石が道路のフェンスから身を乗り出して遠くを指さした。
「あれは…」
「吹雪ちゃんに…赤城ちゃんだ!」
百合と夕張も二人を発見した。
「何!?…まずは二人を回収するぞ!」
「はい!」
四人は車に乗り込み、渋川は車を走らせた。
「大きめの車で来といて助かったぜ!」
渋川は吹雪達の元まで急ぎ、二人を乗せて急いで鎮守府へ戻った。
鎮守府に戻り赤城はすぐさま医務室へ運ばれた。
赤城が目を覚ました時には時計の針が十一時を指していた。
「ん…」
「あ!赤城さん大丈夫ですか!?心配したんですよ!」
ベッドの横にいた加賀が赤城に抱きついた。
「え、ええ。私は大丈夫です。」
少し苦しみながらも赤城は答えた。
すると、タイミングがいい所に零と百合も入ってきた。
「おっ、ちょうど目を覚ましたか、赤城」
「あっ、提督」
赤城と加賀は二人に敬礼をし、二人も敬礼をした。
「あんた達強く出来てるんだねぇ、どこにも目立った外傷は無いし、命に別状も無い」
「オーブだけのおかげじゃないなぁこりゃ」
「毎日沢山食べてますからね!」
赤城は得意げに答えた。
「そいつは結構なことで」
そう言って零は笑って見せた。
それを見て赤城も笑い返した。
「提督、あのロボット…ギャラクトロンでしたっけ。あれはどうなったんです?」
加賀が二人に聞いた。
「そう言えば吹雪さんも…彼女は?」
「吹雪ちゃんならとっくに寝てるわよ。貴方の代わりに礼は言っといたから、早く治しちゃいなさいね」
そう言って百合は赤城に微笑んだ。
「はい!」
「それじゃあ、俺達は寝るわ。おやすみ」
「また明日ね、二人共」
そう言って二人は医務室から出た。
「加賀さんごめんなさい。心配をおかけして…」
「本当に心配したんですよ!…いえ、いつもそうです。貴方は大丈夫だから、って言って笑ってるけど、私はそれを見てると不安になるの…」
「加賀さん…」
「貴方が一生懸命戦ってるのも分かってるし、背負ってる物の大きさも私はよく知っています」
「でも、大切な人や仲間に心配は掛けたくないですし…」
「だからです。大切な仲間だからこそ、私は貴方に頼られたい。一人よがりなのは分かってますし、私はオーブとして戦っていないから身勝手な事を言ってるのは分かってます。…けど、頼ってばかりじゃ貴方に何も返せない…」
そう言う加賀の足元に一つの涙が落ちた。
「痛みや辛さの共有は完全には出来ない…けれど、楽しさや悲しさは共有出来たでしょう…?」
加賀の瞳は宝石の様な涙で一杯になっていた。
「ずっと貴方と戦って来ていたからこそ、貴方の事はよく分かってる…決して貴方は一人なんかじゃないわ」
そう言って加賀はもう一度強く赤城を握り締めた。
「ありがとう…ありがとう…!」
赤城は初めて、オーブとして戦いを始めてから声をあげて泣いた。
次の日の朝、医務室の努力もあり、傷はほぼ完全に治った。
「ありがとうございました」
赤城は深く頭を下げて香取に礼をした。
「良いのよ。怪我をした人がいたら治すのが医療だしね。とは言ってもなるべく怪我はして欲しくないけど」
「善処します」
赤城は苦笑いをしながら医務室を出た。
すると、鎮守府のサイレンが鳴り響いた。
「何!?」
「一体なんだ!」
零と百合は司令室に入り、大淀に聞いた。
「ギャラクトロンが街に!」
「何ですって!?」
三人が見つめるモニターにはギャラクトロンが街を蹂躙する姿が映っていた。
「あの野郎とうとう痺れを切らしやがったか!」
街ではギャラクトロンが光線を放ち、破壊活動を行っていた。
住民達は急いでギャラクトロンから避難した。
あまりに突然な事であり、街の道路はごった返し、一人の子供が転んで親とはぐれてしまった。
赤城は外へ出て、オーブリングを起動させようとしたその時であった。
「待って!」
後ろから聞こえた声に赤城は振り向いた。
「……加賀さん…」
そこには加賀がおり、ゆっくりと赤城に向かって歩いてきた。
「私、ずっと夢見て来たことがあるんです。戦いを終えた時、赤城さんと一緒に空を飛びたい、って」
「……!」
その言葉を聞いて赤城は昔の事を思い出した。
『ねえ、かがさん』
『なに?あかぎさん』
『わたしね、こうくうぶたいの子たちを見てるとね、いっしょにお空をとびたいなって思うの。ものすごい速さで、びゅーんと、色んなところにとんでいってみたいの』
『なら、たたかいが終わったらいっしょにとびましょう!ていとくにそうだんしてみましょう!』
『うん!いっしょにとぶ!あの子たちよりも速く、ずっと高く!』
「私はその約束は今果たしたい!一緒にこの空を飛びたい!」
すると、加賀の掌に光が現れ、加賀はその光を見た。
「これは…」
加賀の掌の光は、宇宙語で『ウルトラマンネクサス・ジュネッス』と書かれたカードへと変化した。
それを見て赤城は加賀に向けて頷き、加賀も強く頷いた。
そして、赤城と加賀はオーブリングを起動させた。
「ウルトラマンさん!」
『ウルトラマン!』
「ヘェッ!」
赤城はウルトラマンのカードをオーブリングに読み込ませた。
カードは青い光となり、ウルトラマンへと姿を変えて二人の左へ立った。
「絆……ネクサスさん!」
『ウルトラマンネクサス!』
「ジェアッ!」
加賀はウルトラマンネクサスのカードをオーブリングに読み込ませた。
カードは青い光となり、ウルトラマンネクサスへと姿を変えて二人の右へと立った。
「強い絆の力、お借りします!」
二人は声を揃えてオーブリングを掲げてトリガーを押し、それと同調してウルトラマンとネクサスも拳を高く突き上げた。
『フュージョンアップ!』
「ヘェッ!」
「ジュアッ!」
赤城と加賀の二人は光の戦士となり、ウルトラマンとネクサスも体から青い光を放って光の戦士に重なった。
『ウルトラマンオーブ・スペシウムシュトローム!』
赤い光の中から滝の様な光の粒とともに赤と銀の戦士が現れた!
ギャラクトロンは自分より高い高層ビルに向けて光線を撃った。
その衝撃でビルの一部が崩れ、子供に向けてビルが落ちた。
「うわあああああ!お母さああああああん!」
子供は泣きながら目を瞑った。
その時である。
「………あぁ!」
子供を大きな巨人型の光がビルの一部から守り、光はビルの一部を人がいない所に降ろした。
「ウルトラマン!」
光はオーブ・スペシウムシュトロームになり、オーブは子供に向けて頷いた。
そして、オーブは子供を掌に乗せ、子供を落とさない様に両手でしっかりと包んだ。
「シュアッ!」
オーブは勢いよく空を飛び、安全な鎮守府へと子供を降ろした。
「オーブ!」
零と百合はオーブから子供を預かった。
「ありがとう!頑張って!」
子供はオーブに元気いっぱい手を振った。
オーブはその応援に応えられるよう、力強く頷き、ギャラクトロンの元へと飛び立った。
「シュアァッ!」
オーブは後ろに大きく腕を広げ、光の弧を描きながらギャラクトロンへ向けて飛んだ。
「ダァッ!」
オーブはギャラクトロンに強烈な飛び蹴りを喰らわせ、ギャラクトロンの前へ立ちはだかるように着地し、その衝撃で足元から少しだけ煙が立った。
その様子をテレビでも中継しており、零と百合、そして子供の三人は子供の母親が来るまでの間その中継を見ていた。
「あっ!あれはウルトラマンオーブ!ウルトラマンオーブです!」
『ダァッ!』
「ギャラクトロンに強烈な一撃を与えて着地しました!」
「なんや、今日のオーブ…昨日と全然ちゃうやん…」
「ええ…例えるのなら…」
「神様…」
オーブはゆっくりと立ち上がり、威風堂々とした構えでギャラクトロンの前に立ちはだかった。
「シュアッ…!」
ギャラクトロンは素早く立ち上がり、ロボットアームを伸ばした。
「タァッ!」
オーブは地面を強く蹴って飛び上がり、ロボットアームの掴みを体を捻らせて避け、ギャラクトロンの元へと一直線に向かい、ギャラクトロンの体に強い一撃を喰らわせ、その衝撃で火花が散った。
そして、ギャラクトロンは後ろに倒れ、オーブは空高く太陽へ向かって上昇した。
『赤城さん、私達、今飛んでるんですね』
『ええ…!私達も飛べるんです!絆の翼で!』
ギャラクトロンはもう一度立ち上がり、オーブの元へ向かって上昇した。
「ウンッ?…シャァッ!」
オーブは体全体で空気を蹴り、飛行速度を加速させた。
ギャラクトロンは大きな白い機械の翼を広げ、オーブを追跡した。
ギャラクトロンは腕から光弾を何発も放った。
オーブは後方を確認し、大きく宙返りをしてギャラクトロンの元へ向かい、手首を十字に組んでギャラクトロンに光線を発射した。
ギャラクトロンの顔は光線で黒く焦げ、撃ち落とされそうになるもジェットを噴射させてオーブの追跡を続行した。
中継映像ではオーブとギャラクトロンが空中へ行ったのに合わせて空撮に変更されていた。
「現在のオーブとギャラクトロンの様子です!あっ!今オーブがギャラクトロンに光線を撃ちました!ギャラクトロンが落ちて行きます!…いえ!ギャラクトロンも足からジェットを噴かせて空中に猛スピードへ戻っていきます!」
「頑張れー!オーブ!」
「行けー!」
各所の避難所にも中継映像がモニターに映っており、住民を初めとする子供達や大人が一生懸命応援していた。
オーブは雲の合間を、風を切りながら飛行し、その後ろからギャラクトロンがオーブに向けて光線を何度も放っていた。
しかし、オーブも攻撃を察知しており、体を右へ左へ捻り光線を躱して大きく反転し、ギャラクトロンに数発の光弾と胸のY字型の器官からY字の光線をギャラクトロンに放った。
光弾はギャラクトロンの両翼へと命中し、翼を根元から斬り落とした。
さらに、光線もギャラクトロンのコアへと命中し、ギャラクトロンは機能を大きく失って地上に落下し、オーブもそれを追って下降した。
ギャラクトロンは大きな土煙を上げて地面に着地し、オーブは静かにしゃがみながら着地をしてギャラクトロンの方を向いた。
そして、ギャラクトロンが立ち上がると同時にオーブも立ち上がった。
『何故ダ…何故コウモ人類ハ私ニ歯向カウ…私ニ従ッテイレバ助カル物ヲ…』
「お前が何の目的でここに来たかは俺には分からない。だが、お前の手を借りなくても俺達は前に進めるさ。どんな試練が待ち受けていようと、な」
『…駄目ダ…私ニハ…!』
そう言ってギャラクトロンは光線を放つ準備を開始した。
「…所詮はロボットか!」
オーブは胸の下で腕を交差させ、それを胸の前で開き、エネルギーを両腕に溜めながら上へ広げた。
そして、ギャラクトロンが光線を発射すると同時にオーブも腕をL字に組んで光線を放った。
光線はオーブとギャラクトロンの間でぶつかり、オーブの光線がギャラクトロンの光線を押して、やがてはオーブの光線がギャラクトロンに直撃した。
『時空…ハ…私…ガ…』
「シュハァッ!」
光線はギャラクトロンの体を粒子レベルまで破壊し、やがて無数の光となってギャラクトロンは散っていった。
オーブは夕焼けの中で腕をゆっくりと降ろし、そして、空を仰ぎ見た。
「シュアァッチ!」
オーブは大きく踏み込んで空を飛び、夕日の中へと消えて行った。
「ありがとう!ウルトラマンオーブ!」
テレビの中継映像は消えていくオーブを捉え、そして、アナウンサーのシメの言葉と共にいつものニュースのテレビ画面へと切り替わった。
「一輝!大丈夫だった!?」
司令室の扉が開き、子供の母親と思わしき女性が日向、最上と共に入ってきた。
「あっ!お母さん!」
「一輝!」
女性は一輝君を強く握り締めた。
「さっき、オーブが戦っている時にずっと子供を探してる人がいてさ、もしかしたら、って思って連れてきたんだ」
最上が頭の後ろで腕を組みながら言った。
「ありがとうございます!」
「ありがとう!お兄ちゃん!お姉ちゃん!」
「うん。オーブにもありがとうって、しっかり伝えるよ」
「本当!?」
「ああ。約束する」
零は子供と目を合わせる様にしゃがんで、子供の目を見て言った。
「本当にありがとうございました!何とお礼を言って良いか…」
「いえいえ、私達も出来る事をしたまでですので!お礼なんて結構ですよ!」
百合は母親の礼に思わず困りながら手を振った。
「それじゃあ、私達はこれにて。ありがとうございました」
「バイバイ、お兄ちゃん、お姉ちゃん」
子供は母親に連れられながら零と百合に手を振った。
「バイバイ」
「バイバイ。気を付けてね」
零と百合も子供に笑顔で手を振り返した。
「最上ちゃん、日向ちゃん、この方達を出口まで案内頼める?それが終わったら自由時間で良いわよ」
「はいっ!」
「了解!」
そう言って最上と日向も親子に着いて行った。
そして、数分後に赤城と加賀が入ってきた。
「お疲れ、二人共」
「あ、お、お疲れ様です…」
「貴方達が助けた子供は無事にお母さんの元へと帰って行ったわ」
「本当ですか!?良かったぁ〜」
赤城は安心と嬉しさが混じったため息を吐きながら胸を撫で下ろした。
「あの子がありがとうだって。とても喜んでたわよ〜!」
百合はそう言って二人に親指を立ててサインを出した。
それを見て二人は一瞬戸惑ったものの、涙ぐませながら親指を立てて笑って見せた。
今回はここまでです。
正直こんなに手をこませたの久々…
また次回お会いしましょう!