案外ネタをひねり出すのも大変ですね
日曜日の夜、何もすることが無く
リビングにてテレビを惚けながら
見ていると、そこにはアイドルが映っていた
アイドルに詳しいわけでもなく
熱狂的なわけでもない俺がテレビに
興味を示すわけもなくただボーッと
眺めていると、ふと知り合いの顔が映る
そう、「島村卯月」だ
いつもは席が隣という事もあり
学校では見慣れた存在だが
テレビで改めてその姿を見ると
やはり彼女もアイドルなのだなと
思い知るのだ。
色んな装飾が施された
キラキラの眩しい衣装を
着こなして歌って踊る姿をみると
彼女はとても輝いて見える。
そこまで彼女と仲がいいわけでは
無いが、学校で見る彼女は少し
というか、かなり抜けていると思う
天然と言えば聞こえはいいが
実際はドジという一言に尽きる
そんな彼女を見ているからこそ
このテレビに映る彼女は
ギャップというか違和感を感じてしまう
「お兄ちゃーん、いつまでテレビ
見てるの?明日学校だよ」
妹の小町がリビングに入って
俺を見るなりそう声を掛けてきた
いやわかってるけどね?お兄ちゃんに
とっては明日が月曜日で学校がある
なんて認めたくない事実なわけ。
そんな現実を突きつけるみたいな
言い方はナイーブな心が傷ついちゃうよ?
「いまテレビがいいところでな」
「あれ?お兄ちゃんアイドルに
興味あったっけ?もしかして
アイドルに一目惚れでもしたの」
テレビの中に映るアイドルを
見ながらニヤケ顔で聞いてくる
「ばっか、ちげぇーよ
俺には戸塚がいるんだ
その時点で浮気はねぇよ」
そうドヤ顔で話してやると
「うわぁ…お兄ちゃん気持ち悪いなぁ
っていうか戸塚さんのこと大好きすぎ
でしょ。さすがの小町もドン引きです」
ゆっくりと兄である俺との
距離を空けつつ、ドン引きといった
表情でこちらに訴えかける
戸塚可愛いし、そして何より
性別は戸塚だしセーフセーフ
たとえ世間が俺と戸塚の愛を
認めないと言っても関係ないな
戸塚にはそれだけの余りある魅力が
あるんだから仕方ない
「物理的にも精神的にも
ドン引きされるとお兄ちゃん泣いちゃうよ?」
「ゴミぃちゃん何言ってんの?
そんな事より早く寝たら?
夜更かしは体に悪いんだゾ☆
お兄ちゃんを気遣う小町ってば
ポイント高ーい!」
そう言いつつ小町自身も
リビングを早々に退室して
自分の部屋へと戻っていく
俺もテレビを消しつつリビングを出て
自室に戻りベットに入り意識を手放した
翌日、学校での授業は無事終了し
放課後いつものように
部室で雪ノ下の淹れてくれた紅茶を
飲みつつ本を読んでいると奉仕部の
ドアをノックする音が聞こえた
「どうぞ」
そうするとしばらくして
ドアが開き、来訪者が顔を見せる
「奉仕部って此処で大丈夫ですか?」
そう言いつつ入ってきたのは
お隣さんこと「島村卯月」だ
「しまむーだ、やっはろー!」
彼女を見るなり由比ヶ浜が
バカ丸出しの挨拶をする
っていうかしまむーって誰なの?
島村なの?毎度思うがその
ネーミングセンスどうにかなんねぇのか
「あ、結衣ちゃんやっはろーです
比企谷くんもこんにちわ」
っていうかこいつら仲良かったんだな
まぁ、リア充の集まりである葉山グループが
アイドルである島村に声をかけていても
何の不思議もねぇか
「貴女は島村卯月さんね?
私は雪ノ下雪乃よ、よろしくね」
「はい、よろしくお願いします!」
初対面だった雪ノ下と島村が
お互いへの自己紹介兼挨拶を済ませ
依頼人の席へと島村を座らせる
「それで今日はどうしたのかしら?」
「えっと…平塚先生に相談をしたら
此処に行けば悩みを解決してくれるかも
しれないと勧められて」
くそ、あのアラサー教師め
ここのところ依頼もなく安息の日々を
送っていたというのに奉仕部に
丸投げしやがって。まったく
これだからけっk…悪寒がする
これ以上は危険だ。やめておこう
「それで?どんな悩みを抱えてんだ
正直に言うが俺らの手伝える範疇の
悩みならいいが、それを超えると
判断したら断るからな」
俺がそう言うと雪ノ下と由比ヶ浜が
こっちを見て少し悲しそうな目をする
これまでいろんな依頼を受けてきて
悩んで迷って足掻いて奮起してきた。
けれど間違う時もあったしすれ違う時も
あった、そうやって学んできて
俺らは本物に近づいたんだと思う。
だからこそ二度と同じ過ちを繰り返さない
ためにも断るという選択肢も
最初から視野に入れて話を進めるべきなのだ
「悩みっていうのは、勉強のことで
まったくわからないってわけじゃ
無いんですけど、仕事が忙しくて
どうしても一人じゃわからないところも
出てきてしまって…」
「それでは依頼内容は勉学の手助け
要は勉強を教えればいいわけね?」
「はい、出来れば全教科教えて
いただけると嬉しいです」
由比ヶ浜クラスのバカのお守りとなると
厄介極まりない話になってしまうんだが
本人が最初に全くできないわけじゃない
と言っていることだし、そこまで
身構えるような依頼ではないようだ
「うちには島村の数倍以上厄介な難物を
既に抱えてるが、それぐらいだったら
いつもの要領でやりゃ問題ねぇだろ
それに文系の教科だったら俺も少しは
手助けできるかもしれんしな」
「そうね、由比ヶ浜さんに勉強を
教えてあげるよりかは遥かに
簡単に行きそうではあるかしらね」
「二人ともひどい!?
私だってやればできるもん!」
「やっても出来てねぇからいつも
雪ノ下が頭を抱えてるんじゃねぇの?」
「由比ヶ浜さんは危機感が
足りなさすぎのかもしれないわね」
いつもの調子で奉仕部メンバーが
あれこれと言ってるうちに
やり取りをずっと聞いていた島村が
「みなさんはとても仲がいいんですね!」
なんて言ってきた、普通に
この会話を聞いて仲がいいなんて
言葉が出てくるもんなのかねぇ…
「取り敢えずその依頼は受けましょう
島村さんは忙しいでしょうから
勉強会の時間は島村さんに合わせるわ」
「そうだな。平日の場合は学校の
更にいえばこの部室でいいと思うが
休日の場合はどうするんだ?」
うーんと由比ヶ浜が首をひねる
「そうだ!ヒッキーのお家は?」
「ふんす」と鼻を鳴らし名案と言わんばかりに
得意顔でこちらに問いかけてくる
「いやなんで俺の家なんだよ
ほら、他にもサイゼとかあるだろ?」
「そうね、比企谷くんの家で勉強を
しましょうか。小町さんは今年
受験生なのだから一緒に勉強をすれば
いいのではないかしら?」
食い気味でそう言ってくる雪ノ下
いやこれ絶対カマクラが目当てでしょ
勉強とかその他もろもろはついで
というわけだな、猫好きすぎだろ
雪ノ下さんや
「はぁ…そういうことならわかった
我が妹ながら頭の方は非常に
残念なことになってる。勉強を
小町にも教えてくれるっていうなら仕方ない」
「比企谷くんのお家ですか!
なんかすごい楽しみです!」
いやそんな期待に満ちた顔されても
何も面白いもんないよ?
むしろ俺がいる時点でマイナスポイント
しかないまである。俺ってば
マイナスの塊かよぉ、それなんて球磨川さん?
「遊びに来るんじゃねぇんだぞ?
勉強を頑張ってもらわな困る」
「わかってます♪
卯月頑張ります!」
「ついでに由比ヶ浜さん?
貴女も今までの復習も兼ねて勉強を
教えるのでそのつもりで」
「えぇ、私まで勉強するのぉ
しまむーと小町ちゃんだけでいいじゃん」
斯くして彼女との勉強会の
幕があがったのだった
引き続き気分で週1.2程度で更新します
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