男は目覚めた。
徐々に、意識が覚醒する。
まだ、ぼんやりとするが男は外へ出た。
扉を開くと、光が身体に容赦無く浴びせられる。その光を若干眩しいと思いつつ、男は行動を起こした。
男は、竃で肉を焼くと同時にリンゴを齧っていた。肉を焼く匂いを嗅ぎつつ予定を振り返る。今日は、畑を作るつもりだ。実は、昨日の内に偶然草から種が手に入る事を見つけた。その種を植える為に畑を作るのだ。
肉が焼けると、それに齧り付く。肉汁が出て、何も味付けをしていないのに、美味しい。やはり収納空間に入れると完璧に加工してくれると、男は改めて収納空間の凄さを実感した。
男は近くに川があった場所に向かうと川と家への水路を石のシャベルで掘っていた。昨日分かった事だが、何をするにも異常な早さで出来た。シャベルで、掘るにしても異常だった。男は慣れたのか、せっせと掘っていた。家にまで水路が届くと、今度は石の鍬を取り出した。石の鍬で2a(アール)の畑を耕した。この畑に水を通した後に、1m間隔に種を植えた。
しばらく待つと、成長して小麦が生えた。この時間2時間。この通り、成長が凄い早い。成長した小麦を全て収納すると、種と小麦に分けられた。また、種を植える。
男は家に帰ると、加工机で小麦を加工してパンにした。「なぜパンが出来る」と疑問に思うだろう。だが、出来るから仕方ない。
男は、収納空間にあった地図を見ていた。地図の北を見ると、建築物らしき物体が見えた。この地図は、地上に何か変化があれば更新される為、常に新しい地形を見れる。
男は、余った時間を畑を広げる事に費やした。昼ご飯は、パンと肉だった。
夜まで続けたお陰なのか、1ha(100m×100m)にまで広げた。
これで、食料には困らないだろう。
水路を繋げた為、水にも困らない。
その日は、何事も無く終わる筈だった。
夜、男は家で寝ていると扉を叩く音がした。ドンドンと、何かを叩きつけるような音に違和感を感じて、男は石の剣を手に取った。
男は扉を開けると、何かが襲いかかって来た。咄嗟に石の剣で攻撃した。叩きつけるようなゴスッとした音が響いた後、その何かの正体が分かった。
それは人だった。40代の男性だろうか。片腕が無く、所々が焼け爛れていた。
その男性は、「うーっ、うーっ」と唸り声をした後に襲いかかって来た。男は石の剣を脳天に振り下ろすと、グチャっと潰れた様な音がした後に血が飛び散った。
少し後に、死体は煙となり虹色の玉が3個と腐った肉が残った。虹色の玉を手に取ると身体に吸収された。
すると、全身に力が付いた。
筋力が付いたと言えば分かるだろう。
男は困惑する頭を何とか落ち着かせて、仮説を立てた。
それは、レベルアップ。
RPGでよくあるモンスターなどを倒して能力をアップさせるシステム。
さっきの、虹色の玉が経験値だとしたら納得出来る。自分はレベルアップしたのだ。
男は、とにかく疲れたのか考えるのを放棄して布団に入った。
ゾンビ最高(?)