「ピラミッド…か」
カイドウは目の前に佇む建造物に驚きを隠せない。何故ならば人工物にして高い技術力が伺えたからだ。石を積み上げたようなピラミッド型の建造物は何も挟めない程に、ピッタリと合わさっていた。果たしてこの建造物はどの様に作られたのか、それは想像も付かない。
カイドウは中に入ると気付いた。
ピラミッドの頂上に穴が空いていた。
その穴の真下に色が変わっている床がある。その床を中心にマークの様に丸い円が描かれていた。その床を叩いてみると響く音がした。それは空間がある事を示していた。
早速鶴嘴を使い床を掘ると予想通り空間が広がっていた。8m下に宝箱と思わしき箱と明らかに怪しい一つだけ色が違う床。カイドウは梯子をを下ろして色違いの床を踏まない様に降りた。そして、色違いじゃない床を掘り下を見ると爆弾があった。やはり罠だと分かり爆弾を回収すると色違いの床を壊した。
宝箱を開くと、中には光り輝く物体があった。それは、ダイヤモンドと呼ばれる物体だった。だが、デカイ。掌に収まらないサイズのダイヤモンドが7個あったのだ。他には本があった。物質に不思議な力を宿す本が3冊。それと、日記らしき本も見つけた。
徐ろに本を開くと、やはり日記だった。
殆どは白紙で一言だけ書いてあった。
混沌の世に天人は三人
カイドウは天人に注目した。
天人とは何だろうか?と。
天使や神と考えるのが自然だが、これは何か異能力を宿した人間の事では無いだろうか。
そう考えると、混沌の世とは今の世界で合っている筈だ。つまり、異能力を宿した人間が三人居る事になる。
カイドウは日記を収納した。
カイドウは帰っている途中で倒れてる人間を見つけた。その姿は騎士のようで全身を覆い尽くす鎧を着ていた。顔も見えない。
とりあえず、カイドウは駆け寄り身体を起こして声を掛けた。
「おい!聞こえるか!何があった!」
すると鎧騎士はピクンと反応した。
そして、掠れた声で答えた。
「に、逃げろ…モンスターの集団が来る…」
カイドウは、鎧騎士を地面に下ろした。
「そう…そのまま逃げ「待ってろ」!?」
カイドウは鎧騎士に真剣な表情をして言った。
「モンスターを倒して戻って来る」
カイドウの答えに怒りを含ませた口調で鎧騎士は叫んだ。
「ばか…!?私を助けたって何も…」
そんな答えにカイドウは鼻で笑った。
「ふっ…俺がモンスターを狩りたいんだ。お前の意見など知らん。」
あまりに堂々とした態度に鎧騎士は呆れた。
「勝手にしろ!」
その声には喜びの声が混じっていた。
(モンスターの群れか…強いかな?)
カイドウは助けるつもりは無くて、本当にモンスターを狩りたかっただけなのだが、鎧騎士には無謀をして自分を助けようとしてる様に見えた。
ーーーー鎧騎士の視点ーーーー
(奴は大丈夫だろうか…って何を心配してるんだ!私は!あの様な無謀なバカに…)
私は、カレン・ウォーカー
亡き父の意志を継いで世界を旅している。父は世界のモンスターを倒して人類の繁栄を取り戻そうとモンスター狩りをしていた。私はそんな父を尊敬してたし、憧れでもあった。
だが、父はモンスターに殺された…。
泣いた。泣き疲れて父の剣を手に取った。
私は誓った…モンスターを狩り尽くすと。
だが、私は倒れていた。
モンスターの群れに出会った。
50体のモンスターに私は逃げるしか無かった。
逃げ疲れて、倒れた瞬間に悟った…。
私は死ぬんだと…
父もこんな気持ちだったのだろうか。
そんな時に男に出会った。
私は逃げろと言ったが奴は行った。
バカめ…勝てる筈無いだろ…。
だが、そんな私は期待した。
期待してしまった。
モンスターを狩って帰って来る姿を。
そんな時に
「俺は強い。分かっただろ?」
血塗れになって奴は帰って来た。
私は泣きそうになった。
「ば…かぁ…死んだら…どうしてたんだ」
若干涙声になっていた。
モンスターに殺される人をもう見たく無かった…もう、父の様に殺されるのは嫌だ。
「ふっ…俺は死なない」
自慢気に話す奴は何故か輝いていた。
そんな姿に私はつい期待して言った。
「なら…私がお前が本当に死なないか、隣で一生見続けてやる…良いだろう?」
奴は少し考える素振りを見せた。
初めて会った男にこんな事を言うとは…。
「よし。分かった。良いだろう」
私は飛び起きて聞き返した。
本当か!?と。
「ああ。お前なら大歓迎だ!」
私は泣いていた。
ああ、彼になら付いていける。
私の為に命を張ってくれる彼なら。
「よろしく頼む…主さま」
父よ…初めて会った男に求愛する様な娘だが、許してくれ…娘の初恋なんだ。
父なら許してくれるだろう。
(おお。こいつ強そうだな。狩り仲間に最適だ…家に帰ったら早速勝負しよう)
戦闘狂には彼女の初恋は伝わらなかった。