エンチャント。
不思議な力を物質に付与する事。
そして、カイドウはこのエンチャントを武器に付与していた。遺跡で見つけた本に、エンチャントについて詳しく書かれていた。
そもそも、エンチャントとは神の力であるとされている。人類が道具を持つ以前に、神は暇潰しにエンチャントを作った。エンチャントを作り武器を7個作ると7個の武器を、世界中に散らした。
その武器は、時と共に力を失った。
代わりに、エンチャントの本が世界に出現した。エンチャントの本を巡る戦いを人類は繰り返し、神は人類を減らす為にモンスターを作り出した。モンスターの力は凄まじく、人類は激減した。
「お兄ちゃん何読んでるの?」
カイドウは声の主へと顔を向けた。
そこには、ミュウが居た。
「お母さんがね、ご飯出来たって!」
天真爛漫な彼女は笑顔でカイドウに伝えると、走って行った。
カイドウは徐に立ち上がり、食堂へ向かった。
「ぬ、主様!」
カイドウに正面から抱きついたのは、カレンだった。彼女は深呼吸を3分程すると離れた。彼女の顔は満足と絵に描いたような表情だ。
「そ、その…昨日はありがとう!初めては痛いと聞いたが…全く痛くないし気持ち良かった!朝も…私が我慢出来なくて襲った時も、優しくして…わ、私は幸せだ!」
そう、カイドウはミリヤに娘としての対応をカレンにする様に言われていた。カイドウは娘が増えるのは大歓迎なので、カレンを娘として扱っている。ただ、娘では無く嫁への対応なのだが、そこは恋愛経験皆無で恋愛関係で無知なカイドウに気付けとは酷だろう。
「一緒に食堂へ行こう」
カイドウは手を差し出した。
その手を優しく握り込むカレン。
カレンは確かな幸せを感じた。
ーーーーミュウ視点ーーーー
さて、突然だが私は転生者だ。
15歳の春に晴れて高校生となり、入学式へ行く途中に車に轢かれた。死んだ筈なのに…目が覚めたら、赤ん坊になっていた。
精神は退行しているのか、赤ん坊として自然な動きが出来た。両親がモンスターに殺されて、放浪していたらお母さんに出会った。名も知らない私を育ててくれた。
だけど、食事も尽きた。
途方に暮れた私達の救世主がお兄ちゃん。
お兄ちゃんは家も食事もお風呂も安全も、全てくれた。そして、お兄ちゃんが好き。
だから、私はお兄ちゃんの嫁になりたいと願った。だから、待ってて。
必ず、お兄ちゃんのお嫁さんになるから。
「お兄ちゃん」
「ん?」
「大好き」
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そして、世界は動き出す。
子羊は世界を狂わせ、世界は子羊を殺す。
救世主は子羊を引き連れて世界に立ち向かう。
世界は救世主を連れて消えた。
子羊達は平和を取り戻す。