真剣で楽しく生きよう!   作:魔王の後継者

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18 決戦 VS義経

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

九鬼極東本部

 

今その場所にある広い地下室で二人の剣士が対峙していた。

 

今此処にいるのは、対戦者同士である綾也と義経、今回立会人となる川神院総代川神鉄心、九鬼家従者部隊ヒューム、クラウディオ、そして御閃流師範代獅子葉陽。

 

この場で今口を開いている者はいない。

対峙している二人の剣士、特に綾也から放たれている気配が尋常ではないのである。

 

今この場にこの空気の中口を開けるほどこの状態の意味が分かっていない弱者はおらず、マスタークラスが三人、それに近い者が一人、決闘の立会人としてはなんとも豪華な顔ぶれである。

 

御閃綾也はいつもと同じ様に見えるにもかかわらずいつもと放つ雰囲気がまるで別人で鞘から抜いてすらいないのにもう既に剣を抜いて今まさに切り裂かれるかのような錯覚をするほどに鋭い殺気を放ち続けていた。

 

対して義経はあれほど鋭い殺気の持ち主と対峙しているにもかかわらずかなり落ち着いていて刀に集中していた。

あまりにも気配が静かすぎるほどに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして時計の指針が開始の時間を指し示す。

 

 

綾也が一歩前へと踏み出る。

 

「東方、御閃綾也!」

 

「応!」

 

「西方、源義経!」

 

「はい!」

 

義経が一歩前に出て、二人が剣を抜く。

 

綾也の手に握られているのは右手に紅い刀、左手に蒼い刀である。

見ただけで凄まじい名刀だと分かるがその二刀はその刀身そのものから凄まじい気配を放っている。

そしてその事実はその刀がただの名刀ではないという事実をただ淡々と物語っている。

 

「ほう、焔魔と氷魔か」

 

ヒュームがそう言う。

 

その通りである。

焔魔と氷魔、御閃流本家に伝わる名刀にして妖刀、刀その物が好戦的な意志を持つ刀である。名の通り焔の刀と氷の刀、その力は御閃に代々伝わるだけあり絶大である。

 

「では、始めい!」

 

鉄心から開始が告げられるとともに綾也が前に飛び出す。

低めの体勢から放たれた右太刀を受け止めた瞬間義経が弾き飛ばされる。

 

「!」

 

義経が着地して体勢を整えつつ次の攻撃に対応しようとするその瞬間綾也の姿が消えた。

 

「! 消えた!?」

 

そして次の瞬間危険を感じた義経はとっさに横へと回避行動をとる。

そしてその直後義経がいた場所に刀が振り下ろされる。

 

「暗技≪幻現≫」

 

残像に気配を持たせて自身は気配を消し敵の死角から迫る暗殺技能、幻現。

この気配は本人そのものであるため、見破るのは至難の業である。

 

義経が剣を振るう。

一つ、二つ、三つ、四つ、全て紙一重でかわしていく。

 

「焼き尽くせ、≪(ホムラ)の剣≫!」

 

大量の気を込めた焔魔が焔を放つ。

そしてそのまま絶大な破壊力を持ったその一太刀が振り下ろされる。

 

義経はその一撃を最大の力で逸らす。

そしてその威力を見て驚愕する。

 

その一撃が振り下ろされた地面が大きく切り裂かれていたからだ。

 

「あの速さに加えてこの力、想像以上だっ」

 

「それはどうもっと!」

 

義経の賞賛に攻撃から意識をそらさずに反応する。

 

この戦い此処まで見ても綾也の方が遥かに優勢であるのは言うまでもない。

何故ならば、防御の面で言うならば今まで義経の攻撃はガードはおろか掠ることすらできていないからである。

しかし綾也の攻撃はガード越とはいえ確実に義経から体力を削り取っている。

 

しかし義経は諦めない。

なぜなら義経はこの男が自分の目標足り得るものだから、確実に見失うわけには行かないから、と確信しているからである。

 

そして義経は剣を振るう振るう振るう、次々と連撃を繰り返していく。

 

そして綾也はそれらを触れることなくかわし続ける。

 

「はあああ!」

 

義経が刀を振り上げる。ほんの少し、ほんの少しだけ大きくなったその隙を綾也は見逃さなかった。

 

「凍てつけ、≪(コオリ)の剣≫!」

 

今度は氷魔が冷気をまといながら義経に向かい襲い来る。

 

「ふっ、何!?」

 

義経の表情が驚愕に染まる。

義経が剣を迎え撃ち刀と刀が撃ち合わされるその瞬間、義経の刀が凍り付いたからだ。

そしてそのまま刀を打ち上げる。

 

「俺の勝ちだな。義経」

 

そしてそのまま刀を義経の首に刀を添える。

 

「そこまで!勝者御閃綾也!」

 

 

 

そのまま川神鉄心の声が響きわたった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○

 

 

 

 

 

「やっぱり綾也くんは強いな。全然かなわなかった」

 

戦いが終わった後義経の提案でクローン一派と食事にきていた。

……何か与一は来てくれなかったらしいが。

 

「ホントに強かったんだねー。まさか主が完敗するなんて」

 

「義経ちゃんもすごく強いのにね」

 

因みに清楚先輩とは初対面だがすごく良い人だったので義経たちの紹介もあってすぐに仲良くなった。

本はよくごろごろしながら読むので意外と話が合う。

 

「昔から鍛錬はきちんとしてたんで。後はたぶん育成方針の差じゃないですかね?」

 

御閃のトレーニングは上を目指せば目指すほど怪我をしないのがおかしいと思えるくらいの地獄ともいえるようなベリーベリーハードトレーニングで、しかしその分効果はお墨付きである。

御閃流の四人いる師範代の内一人は才能で言えば普通の人にも劣るくらいではあったが血のにじむような修行に耐え、今では咲さんをしのぐ強さを持つ師範代である。(ちなみに瞬の師匠。)

 

「御閃は伝統あるところだからやはり武の育成においても一目置かれるところなんだな!」

 

義経はそれを聞いて目を輝かせてくる。

 

まあ戦いの中で使った暗技は()()()()で学んだものだけどな。それはおいておこう。

 

「あ、そうだ綾也くん、お願いがあるのだが聞いてもらえないだろうか?」

 

義経のお願い?何だろう。

 

「時々、時々で良いから義経に剣の手ほどきをしてくれないだろうか。義経は義経だから強くならなければいけないんだ君みたいに」

 

綾也は少し考えてこう言った。

 

「剣の手ほどき自体は偶になら構わないけどそんな理由ならダメだ」

 

「なんで今の理由がダメなのか聞かせてもらえないだろうか」

 

義経が真剣な顔で詰め寄る。

 

「義経は義経のクローンだけど源義経じゃあ無い、違う人間なんだ。オリジナルになろうとしてそう言う風に生きてる人に俺は何かを教えたくはないよ」

 

それを聞いて義経は戸惑ったようにこう言う。

 

「でも義経は物心付いたときからそう言う風に育てられてきたからそう言われてもどうすれば良いのか分からないんだ……」

 

「別に無理して変わろうとする必要はないけれど義経になろう!ってばかり考えない方が良いよっていったんだ。第一義経は今はかわいい一人の女の子なんだしさ」

 

そう言うと義経は顔をぼっと紅く染めた。

 

「か、かわいい………………わ、わかった善処する」

 

なぜ紅くなったのかはいまいち分からないが義経もわかってくれたみたいだし良いかな。

 

「ふふっ、綾也くんは優しいね」

 

「そうですかね、清楚先輩」

 

「私もそう思うよ」

 

二人が笑いかけてくる。

 

「そう言ってくれるならまあありがたく受け取っておこう。あ、清楚先輩オススメの本あるんですけど……」

 

「え?何々?」

 

 

 

そうしてその後は緩やかに過ぎていった………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………………to be continued……⇒

 

 

 

 

 




第18話でした。

どうだったでしょうか。アドバイスや感想などあったら書いてくれると嬉しいです。

誤字脱字、意見、アドバイス、感想ありましたらお願いします

<(_ _)><(_ _)><(_ _)>

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