「にーちゃん俺と一丁戦ってみねえか?」
その一言で俺の今日は騒がしくなる。
「……何故に?」
今までの会話の流れに戦う何てことは全く無かったはずなのだが、いやいやいや、何故に戦う何て話になるのだろうか?
しかし次の瞬間その疑問は無くなる。
釈迦堂から禍々しい気が吹き出したからだ。
………………なるほど、つまりこの人はモモ先輩と同じ戦闘狂なわけだ。
今川神院に所属していないのは恐らくこれが原因か何かで川神院を破門でもされたのだろう。
そう考えるとモモ先輩危ないんじゃね?
……まあ良いかそれは。
「にーちゃんよ、其処に強そうな相手が居たら戦いたくなっちまうのが武道家の嵯峨だろうよォ」
「……そうですかね?」
まあそこら辺は同意しかねるが、強い相手を見れば自分の力がどこまで通用するのか試してみたくは有るな。
自らの力を知ることは武術を修める者にとって重要な事だからな。
「まあ戦うこと自体は良いですけれどそんな広い場所ここら辺にあります?」
その問いに対して釈迦堂は少し考えてニヤリと笑った。
「あるぜ、ついて来な」
釈迦堂が立ち上がり歩き出す。
それについていくと、少し歩いた先にある程度開けた広場があった。
「此処なら十分だろ」
俺はそれにうなずく。
そして身体をほぐしていると天が話しかけてきた。
「リョーヤ、師匠に勝てると思ってんのか?師匠はウチ達よりもつえーぞ?まあ本気になった辰姉がいれば勝てるかも知れねーけどよ」
天が不安そうな顔で言う。
ん?ああつまりこいつ……
「心配してくれてんのか?」
笑いながら言うと天の顔が赤くなり、
「心配何かしてねーよ!いっそボコボコにされちまえ!」
……怒られた。
まあ確かにからかうような感じで言ったのは良くなかったかも知れないな。
………………まあ大丈夫だ。まず、まけねーよ。
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少し経ち、両者の準備が終わり向かい合う。
うわー、この人殺気でピリピリするー。
……おふざけはこれくらいにしておこう。
タツ達に武術を教えた人だ。この人の実力を知っておいて損はない。
「んじゃ、そろそろ始めようや」
「はい」
一歩、二歩、互いに下がり、その次の瞬間、二人の間で衝撃が爆散した。
そしてその次の瞬間両者が着地した瞬間に綾也の身体から気が噴き出した。
ドス黒い、常闇のような、漆黒の気が。
「!」
釈迦堂は困惑した。
(オイオイ、なんだよその黒い気は。噴き出したそれだけで俺よりも大きな気じゃねーかよ。今までそんな気どこに隠してたっつーんだよ)
「…………」
まずったな、あの人の気に宛てられてコイツが出てきちまったか。
全く、最近大分緩くなって来てんぞこれは。
しかもほんの少し抜け出た程度だったがほかの奴らからしたらかなり大きなモンだった筈だ。気をつけねーと。
釈迦堂が地を蹴り迫ってくる。
先ほどの気を感じて長引かせれば勝機は無いと思ったのだろう。
しかしそれは当たりだが外れだ。
長引かせれば勝機は無い。しかし、短期決戦にも勝機は無い。
「川神流、無双正拳突きぃ!!!」
やはり、川神流。
これは咲さんにモモ先輩が使ってた技か。
拳で打ち払い衝撃を受け流す。
釈迦堂は即座にその場を離れ次の一撃を放つ。
「行けよリング!」
放たれた気弾。
しかしソレは綾也に届くことなく消え失せた。
綾也が放った神速の斬撃によって。
「何ッ!」
避けられることなら十分釈迦堂にも予測できていた。
しかし対応の仕方が予想外だった。
自分の攻撃は通用しない、そしてあの速度の攻撃に自分は対応できない。
つまり釈迦堂に勝機は無い。
それを釈迦堂に自覚させたのだ。
それが先ほどの対応の意味だ。
(舐めてる……訳じゃないなコイツは。真剣な顔してやがる……しょーがねーな)
「わーったよ、降参だ」
「おろ」
大分賭けだったのに。
意外と簡単に成功した。
まあまず最初のアレのせいだろうな。
「真剣かよ」
「師匠に勝っちまったぞオイ」
「リョーヤくんつよーい」
タツサンキュー。竜平、天黙れ。
「にしてもにーちゃんよ、アレは何だったのよ」
「何のことでしょう」
「ま、はなしたくねーならいいけどな」
まああれは基本は話したくないもんだ。
あれはけして良いもんじゃねーかんな。
アレは
………………ダカラナ。
「リョーヤくん?どうかしたの?」
タツの声で気が付く。
そして、俺は一つタツに嘘を付いた。
「ん?何でもねーよ?」
………………to be continued……⇒
第27話でした。
VS釈迦堂さんです。
戦ってませんがw
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