真剣で楽しく生きよう!   作:魔王の後継者

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32 白熱!若獅子タッグマッチトーナメント!

若獅子タッグマッチトーナメント二日目、本戦開始の日がやってきた。

昨日の予選で百を越えていたチームは十六に絞られ、会場は熱気に包まれ開始を今か今かと待ちわびていた。

 

時計を確認し、司会の人が口を開く。

 

『皆様大変長らくお待たせしました。若獅子タッグマッチトーナメント本戦を開始します!』

 

本戦に残ったわずか十六チームの面々。

その中には川神で見かけるメンツが多く、川神の武人のレベルの高さがありありと出ていた。

……外人さんの運が悪かったのもあるが。

 

『本日の司会は七浜で執事をしております私、田尻 耕が務めさせていただきます』

 

『解説は昨日に引き続きみんなのアイドル川神百代とスペシャルゲストの石田でお送りするぞ』

 

「それでは予選を勝ち抜いた選ばれし、十六チームの入場だ!」

 

予選をすべて実質一人で勝ち抜いてきた松永燕と直江大和の"知性チーム"

 

天然且つ動物系の川神一子と榊原小雪の"ファイターズ"

 

圧倒的なパワータイプチーム武蔵坊弁慶と板垣辰子の"デスミッショネルズ"

 

弓兵と文学少女の異色のチーム、那須与一と葉桜清楚の"桜ブロッサム"

 

ムキムキ筋肉男チーム、島津岳人と 長宗我部宗男の"四百万パワーズ"

 

レスラーの娘と不良娘のチーム、板垣天使と羽黒黒子の"地獄殺法コンビ"

 

軍人と軍人の家系のチーム、クリスティアーネ・フリードリヒとマルギッテ・エーベルバッハの"大江戸シスターズ"

 

九鬼財閥の執事とメイドのコンビ、武田小十郎とステイシー・コナーの"ワイルドタイガー"

 

英雄のクローンと剣聖の娘のチーム、源義経と黛由紀江の"剣士軍"

 

SMクラブの女王と九鬼最高の技術で作られたロボのチーム、板垣亜巳とクッキーの"アーミー&ドッグ"

 

大筒の火力と豪運で予選を勝ち抜いた、風間翔一と大友焔の"ファイヤーストーム"

 

上流階級(笑)の人達、不死川心と武蔵小杉の"天上人"

 

世界を動かす男とハゲのチーム、九鬼英雄と井上準の"フラッシュエンペラーズ"

 

正体不明?のタッグ???と???の"ミステリータッグ"

 

予選でやられたファンシーチームの雪辱を晴らすことを狙うファンシー武藤とファンシー伊藤の"ファンシーチーム(改)"

 

予選ベストバウトの試合をした御閃綾也と嵐山小冬の"線香花火"

 

この十六チームで優勝の座を奪い合う。

 

 

 

 

 

 

 

 

●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○

 

 

 

 

 

 

 

決勝トーナメント一回戦

 

第一試合

線香花火VSファイターズ

 

 

 

と言うわけで決勝トーナメント一回戦始まりました。

いや、正確には始まります、か。

 

『それではいよいよ一回戦を始めます!線香花火対ファイターズ!両チーム前へ!』

 

第一試合だー!

いやいや良かった。

何試合も待たされたら俺は寝ちゃうからなー。

取りあえずうたた寝していた小冬の頭をぶっ叩いて叩き起こす。

 

「痛っ!」

 

気を込めて叩いたからなそら痛いわ。

 

歩いて武舞台に到着する。

 

『両チームが揃いました。それではレディーーー、ファイッッッ!!!』

 

開始と同時に一歩前へでる。

 

「んーと、一応聞いておくけど一子、ユキ、どっちに相手をして欲しい?」

 

一人しか戦わない前提の一言。怒るかな?

 

「勝負よ!綾くん!」

 

「ぼくもー!」

 

二人とも俺をご所望のようだしかまわないか。

 

「っつーわけだ。下がってろ小冬」

 

「……了解です」

 

小冬が後ろに下がる。

 

それを確認し、刀を抜く。

 

「御閃流、御閃綾也。参る」

 

そして目を閉じた瞬間、場の空気が変わる。

 

それを感じ取りユキと一子が左右に分かれる。

 

綾也を中心にして円を書くように移動しておりなかなか仕掛けない。

それに対して綾也はいっさい動かず向きすら変えない。それを見てユキは綾也の死角に入った瞬間仕掛けた。

 

「うりゃー!」

 

ユキの鋭い飛び蹴り。

しかし死角に合ったはずのその蹴りを綾也は難なく刀の峰ではじく。

 

「でりゃあ!」

 

反対側から一子の薙刀が迫るがそれを視認することなく避わす。

 

それ以降も二人の猛攻が続くがそれが綾也に当たることはなく綾也は二人の猛攻を舞うように避わしていく。

二人の顔には見る見る疲労の色が浮かんでいき、肩で息もしているが綾也の息は乱れておらず、いっさい疲れた様子を見せない。

 

二人が疲れているのは何も肉体的な疲労だけではない。

二人には見えないのだ。自分たちの攻撃が綾也に当たるビジョンが。

宙に舞う紙のようにひらひらと漂い攻撃は回避され、流される。

 

「どうした?お終いか?」

 

「はあ……はあ……まだまだ!」

 

「はあ……はあ……ぼくもまだまだ戦えるよーだ」

 

「そうか……んじゃあそろそろこっちから行くぞ!」

 

「「!」」

 

一瞬綾也の姿が見えなくなりその直後に何人もの綾也が現れる。

運足による分身。

一子が薙刀でなぎ、ユキが蹴りを入れるが当たらない。

 

「破!」

 

「うぐ!」

 

正拳が薙刀のガードの上からはいる。突き抜けた衝撃が体を突き抜け、そしてそのまま一子は意識を失った。

 

 

 

 

 

●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○

 

 

 

 

 

そして十数分後一子は目を覚ました。

 

「だいじょうぶー?」

 

ユキが声をかける。

 

「うん」

 

大分落ち着いているな。

 

「……なあ、一子」

 

「え?」

 

一子に問いかける。

 

「お前、武術をつづけてどうするんだ?」

 

「!……川神院の師範代になるわ」

 

一子の表情が変わる。

これは分かってるか。

 

「お前さっきの攻撃見えてなかったろ。その目標分かってると思うが今のままのおまえじゃ無理だぞ」

 

「そんなこと……」

 

「分かってる、だろ?と言うかそんな顔するな。別になれないと言った訳じゃない。今のままではなれない、と言っただけだ」

 

そう言うと一子はきょとんとする

 

「どういうこと?」

 

「今のままじゃ努力したところで伸びる()()がある。だからその限界を取っ払わなければその先に行くことは出来ない」

 

「そんなことが出来るの?」

 

「出来るぞ……命の危険を伴うが」

 

「……」

 

一子が押し黙る。

 

「覚悟があるならこの大会が終わった後来い」

 

「……うん!」

 

そのまま一子に背を向け救護室ユキと一緒に出る。

 

「二試合目、終わっちゃったかなー?」

 

「……さあな。でも燕先輩だろ?相手はファンシーチーム(改)だし勝つんじゃないか?」

 

正直分からんがな。

 

廊下を歩いて控え室に向かう。

なんだか騒がしいな

 

急いで扉を開け、映像が目に飛び込んでくる。

 

血に濡れ、地に伏せる燕先輩と勝利のコールをされ歓喜するファンシーチーム(改)の映像が。

 

 

 

 

 

 

 

「ヘェ……」

 

 

 

「!?」

 

ユキは隣から聞こえた底冷えするような冷たい声に恐怖し、その声の主を見てさらに驚いた。

 

 

 

何故なら綾也が黒く染まり、笑っていたから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……………………to be continued……⇒

 

 

 

 

 

 




第32話でした。
一回戦第一試合終了です。
燕先輩は負けてしまいました。
ファンシーチーム(改)は強いのかもしれません。
二回戦で当たるのであしからず。

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