真剣で楽しく生きよう!   作:魔王の後継者

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34 発動!御閃流奥義!

若獅子タッグマッチトーナメント二回戦最後の試合でヒュームさんと九鬼揚羽さんの登場で若干の空気が白けた感じがしないでもないが会場のテンションは最高潮に再び達していた。

 

準決勝第一試合"線香花火"対"デスミッショネルズ"どちらも優勝候補で圧倒的な実力を誇っている。

 

この好カードに前の試合で上げられなかった分のテンションも上げているかのように会場のテンションは上がっている。

 

この戦いでは如何にして線香花火がデスミッショネルズのダブルラリアットを対処するかにも注目が集まっていた。

 

那須与一は上に交わしたらさらに恐ろしい技が待っているという悲惨なことになったがその情報は勿論試合を見ていた者から伝わっており、どうやってあの技に対抗するかはこの試合の焦点となっているのだ。

 

そして試合開始時間になった瞬間に会場で歓声が上がった。

……主に女性から。

 

なぜなら、綾也の衣装が変わっていたからだ。

先程までの飾り気の無い衣装から和服のほんのり鮮やかな色合いの衣装に。

 

御閃流の戦闘装束。

袖を広くとり、動きやすさと腕の動きを隠す効果、そして武器を隠しやすくしている。

接近戦で袖を取られやすいという弱点もあるものの、そこは伸縮性のすごく高い素材である程度はカバーしている。

 

まあ会場で歓声が上がった主な原因は見栄えがする衣装に綾也が着替えてきたからだが。

 

本人には知る由もないところだが。

 

『さあーいよいよ準決勝第一試合が始まります。会場のボルテージも最高潮!私も興奮しております』

 

両チームが武舞台に出揃い会場も今か今かと開始を待っている。

 

『私もこの試合は楽しみだな~』

 

『それでは始めさせていただきます。レディーーーーッ』

 

開始のコールがされる直前、全員が構える。

そして的の位置を見据えて――――――――――

 

『ファイッッッッッッ!!!!!』

 

散開する。

 

そして意外にも辰子と弁慶は綾也に接近してきた。

しかし一定の距離を保ちながらそれ以上近寄ってこない。

二人の性格からしても綾也と戦うのは避けるかと思っていたのだが。

 

綾也も綾也で二人に近づこうとはしない。

それどころかまだ武器を手にしてすらいないのだ。

 

しかし次の瞬間。

 

「そぉい!」

 

弁慶が攻撃をしようとした瞬間に場の流れは一転した。

攻撃をしようとしたはずの弁慶が逆に吹き飛ばされたからだ。

 

綾也の手を見るといつの間にか刀を抜いていた。

つまり綾也は誰にも気付かれずに剣を抜き放ち、牽制の一撃で弁慶を吹き飛ばしたのだ。

 

「ふむ。今のじゃ意識は飛ばないか」

 

相手の正確な強さを今の一撃で推し量り、綾也はそう言った。

 

今のは衝撃波を多分に含んだ一撃で並の武人なら意識が飛んでも全くおかしくなかったのだがそこはさすがに英雄のクローン。素質が同じなら鍛錬すれば壁を越えるか。

 

壁を越えた者であれば今の一撃を耐えられたことは何の不思議もない。

 

「んー、痛ーいなー。やっぱり綾也は無理そう。辰子、当初の予定通り行くよ!」

 

弁慶がそういうと辰子がうなずき小冬を間に挟んで直線上に立つ。

 

ラリアットか。

 

小冬がどういう風に対処するかは気になるな。

 

二人は今までの試合から一人で戦ってるときに乱入してこないと予測しているようだが、甘い。それはあくまで俺が一人で戦ってるときにと言うだけだ。

 

「ダブル!」

 

「ラリアット!」

 

二人がラリアットを決めに猛スピードで駆ける。刹那――――――――

 

「よっ、と」

 

飛び込んだ綾也が腕でラリアットを止めていた。

 

「痛いです師匠」

 

下に回避させられた小冬が文句を言うが綾也は笑って流す。

 

『何!?アレを止めただと!?』

 

『片手で一人ずつ止めてるわけだからなー。私でも出来ないぞあんなこと』

 

その細腕のどこにそんなパワーが、という疑問は受け付けない。

モモ先輩もにたようなもんだろう。

 

「う、動けない」

 

「んぐぐぐぐ」

 

会場がざわめく。

アレほどのパワーの二人が振り払えない。いったい彼はどんな握力をしているのか、と。

 

小冬が離れたのを確認すると綾也も手を離し、距離をとる。

 

「さすがに二人とも強さは壁越えだな、でもタツ、武人は心を伴って初めて武人なんだ。如何に強かろうとそれを壁越えとは認められないな。それともただ、自分のために拳を振るっているだけだから関係ないか?」

 

辰子は気を爆発させて戦う純粋なまでの動のタイプの武術家だ。

だがアレはある程度コントロールも出来ているのに最後のコントロールを他人に任せているように見える。

 

「うああ!」

 

その発言を否定したいかのようにタツが拳をふるう。

その拳を綾也が受け止める。

 

「俺の言葉を否定するつもりなら心を強く持て!力を律しろ!そして証明して見せろ!」

 

その言葉がリミッターを外したタツに聞こえたのか口を開く。

 

「わ、私は、私は、天ちゃんの、竜ちゃんの、亜巳姉の、家族のためにっ、………………」

 

タツが目を見開き綾也の目を見る。

 

「闘ってる!!!!」

 

次の瞬間明らかに辰子自信の強い意志のこもった一撃が綾也を撃ち抜いた。

 

その威力で大きく宙に舞った綾也は空中で一回転して着地した。

口からたらりと血を流し、綾也は笑っていた。

 

「……知ってるよそんな事。タツが家族のために闘ってる事くらい。…………そしてタツ改めて壁越え、おめでとう」

 

辰子はその瞬間気づいた。

自分が冷静さを保ったままリミッターを外せていることに。

板垣辰子を知る者はそれに驚いていた。

それほどに劇的な変化だったのだ。

 

「辰子をこうするためにさっきは割り込んだの?」

 

弁慶が綾也に問う。

 

「さあね? まあでもせっかく二人と闘うんだし俺も敬意を表して見せようか。御閃流奥義を」

 

弁慶の質問にとぼけて返し、続く言葉で会場を震わせた。

 

会場の武術素人でも分かる圧倒的なほどの気の高まり。

それが全て急速に綾也の中で膨れ上がっていく。

 

地が揺れ、風が荒れる。

 

そして発動する。

 

「御閃流奥義、『神性武装 焔神』!!」

 

その名の通り神の性質をまとう奥義が。

 

綾也の纏っている焔は全て気で出来ている。

それすなわち他人には熱く自らはいっさい熱を感じない焔。

 

「じゃあやろうか」

 

弁慶と辰子がコンビネーションで攻める。

その攻撃の合間を目にも留まらぬ速さで駆け抜けそして次の瞬間。

 

「『焔撃』」

 

焔の一撃が二人の意識を刈り取った。

 

 

 

準決勝第一試合…………決着。

 

 

 

 

 

…………………………to be continued……⇒

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




34話でした。

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