今現在。立っている場所は愛知県。
御閃流本家正門前。門のでかさは約5メートルという無駄なでかさ。そして鉄製が故にくっそ重い。建てた奴は何を考えていたのだろう。きっと馬鹿だ。
話変わって今現在、この場にいるのは風間翔一、川神一子、直江大和、椎名京、島津岳人、源義経、武蔵坊弁慶、那須与一、そして源氏組の護衛の李静初とステイシー・コナー。微妙に統一感のないメンバーである。一度実家に帰る、と伝えた際について行くと言いだした奴ら(一子と源氏組の護衛以外)なのだがその場面は割愛させていただこう。
そして今、全員が一様に疑問符を顔に浮かべている。綾也の格好のせいなのだが。全員が聞こうとしているのだがなかなか聞けない。そこでついに一子が口を開いた。
「綾くん、何で長袖なの?」
「身体を隠すためだ」
?と全員がまた疑問符を浮かべる。
「えっと、何でフードを被ってるの?」
「顔を隠すためだ」
全員が更に疑問を深める。なぜ?
「えっと、何で?」
綾也は門の方に向き直ってニヤリと笑う。
そしてそのまま門の方へと走り、
そのまま、門を蹴り開けた。
「道場破りじゃあーーーーーーー!!!!!」
「「「「「「何ーーー!?」」」」」」
――――――きっとこのときの俺はテンションおかしかったんだと思う。
後に御閃綾也はそう言った。
この馬鹿な行動はまあ、半分くらいノリだ。
取りあえずこれはこれで良いとしよう。
…………それにしてもこれは……
ぞろぞろと出てきた門下生を割って出てきた四人をみる。
……御閃流師範代勢揃いかよ……
一番左の女性は御閃流師範代のNo.4 闘仙寺 咲。
16歳で歴代二番目に年少で師範代になった才児。小刀と体術の使い手。防御面では御閃流師範代の中でもトップクラス。現時点でも川神百代をも凌ぐ実力を持つが伸びしろはまだまだ有り、底が見えない。天神館三年生。防御主体の戦法の理由は本人曰く「防御は武術の基本だから」とのこと。
……っていうかこの人気づいてるな……陽さんも……気の性質も変えてるのにな……あ、周りの面子か。
その隣が御閃流師範代No.2 獅子葉 陽。
超弩級のパワータイプ。戦斧と体術の使い手。パワーでは間違い無く御閃流師範代最強。25歳独身……だったはず。この人の
ぬう、ニヤニヤしてるな……。
……それはさておきその隣が御閃流師範代No.3 冬堂 要。
現師範代最年長31歳で師範代唯一の既婚者。いつの間にか美人さんを引っ掛けて結婚してたんだよなこの人。で、瞬の師匠。薙刀と体術の使い手。才能なしで努力のみを積み重ねてきた努力家。修行中に月に数回ペースで死にかけてたらしい。いま生きてない可能性は十分有ったんだよなこの人。マジで。総合的に纏まっていて弱点のないタイプ。闘うと手強く、長期戦になるとスタミナが多いのでどんどん勝ちにくくなる。奥さんは美人。マジで美人。後、瞬以外には超優しい。いやほんと瞬以外には。
……んで、最後にその隣が御閃流師範代最強、柊 叢雲。
強い。とにかく強い。素の俺と同格くらいだが戦闘経験値が違いすぎる。戦闘タイプはスピードタイプ。俺と同じ。理由は簡単。俺に御閃流の基礎を叩き込んだのはこの人だからだ。因みに歴代最年少で師範代になった人。刀と体術の使い手。剣も体術も俺とほぼ同レベルで組み手をやると毎回えらい被害が出るから組み手は最近やらせてくれないんだよな。まあ、戦うの大好き!ってわけじゃないから良いんだけども。………………で、あー、一応俺の姉貴分みたいな人なんだが……ちょっとな……うん……。
まあ、その話は置いといて、この四人が御閃流師範代。つまり日本最高峰の武人な訳だが……大概変な人なんだよな……。
今にもバトル開始しそうなくらいオーラ迸ってますね。それ引っ込めて下さい陽さん。恐え。
さてとノリじゃないもう半分の理由はこの人たち、つまり御閃流師範代と闘ってじかに日本最高峰の武人の実力を肌で感じてもらおうと言うわけだ。
まあ、一子も自分と同じ努力タイプの達人しかも薙刀の使い手と闘うのは良い経験になるだろうし、義経も現時点での到達度を知る良い機会だろうしな。
他の人を巻き込んだのはまあ、ついで。(←無茶苦茶やってます。)
……で、これからどうしたものか……。
と、思っていると要さんが一歩前に出る。
「……御閃流師範代の冬堂 要だ。すまないが、今本家に当主は不在なのだ。悪いがキミらの相手は私とこちらの咲で相手をさせてもらおう」
要さんと咲さんか。陽さんが不機嫌そうになったな。まあ実力的には陽さんが上でも立場は要さんが上。決めたのは要さんってことか。叢雲さんは口出しする気はないみたいだし。叢雲さんが出てきたらそれはそれで面白かったのだが。
………………良し、取りあえず。
「作戦ターイム。全員集ー合!」
全員ぞろぞろと集まってくる。
「りりりり綾也くん!?何を考えてるんだ!?」
義経が動揺した様子で綾也に問いかける。
「義経。今名前で呼ぶのはなしだ。バレる。そうだな……一時的に尾崎 真暗とでも名乗っておこう」
「……因みにその名前の由来は?」
大和が問う。
「お先真っ暗だ」
と、即答すると大和は顔に手を当てため息をつく。
「不吉すぎんだろ……」
その様子を見て綾也はカラカラと笑う。
「まあ、道場破りって言ったのは悪のりが過ぎたけど目的は果たしてるから結果オーライだ」
目的?と聞いてくる皆に目的を説明する。
目的を伝えて「えー!?」と叫びそうになる一子の口をあわてて押さえる。
「騒ぐとバレる。……まあ咲さんと陽さんにはバレてるみたいだけどな」
「バレると駄目なのか?」
と、義経が聞いてくる。
「駄目ってわけじゃないが……手加減が死なないギリギリじゃなくなって詰まらん」
「……え?私達死ぬの?」
「………………」
一子の一言で沈黙が走る。
「……まあ、半殺しくらいで済むとは思う……?」
「疑問系!?」
と、そこで横目で後ろを見ると咲が用意をしているのが見える。
ふーん、まずは咲さんか…………。
「じゃ、最初は義経な。…………………………華々しく散ってこい」
最後にボソリと付け加える。
「綾也くん!?最後になんて!?」
「気のせいだ。ナニモイッテナイヨ」
「棒読み!?絶対嘘だ!?」
馬鹿騒ぎを終えて義経が一歩前に出ると咲が言う。
「ん?一人?一応複数人でかかってきても良いのよ?」
んー?そうかー、じゃあ……
「弁慶も行っとく?」
それを聞いて弁慶は一口川神水を飲んでから言う。
「んー、正直面倒だけど主だけに戦わせるのは流石に気が引けるかな……」
「良し、じゃあ弁慶もゴー!」
メンバーも決まり二人が前に出る。
……義経は気合い十分、弁慶も抜きすぎないくらいには入ってるな。
咲も二人の表情を見て気を引き締め、そして構える。
「良し、それじゃあ始めましょうか。 御閃流、闘仙寺 咲!」
名乗りと同時に小刀が二本抜き放たれる。
「源 義経!」
義経も名乗りと同時に刀を抜き、構える。
「……武蔵坊 弁慶」
弁慶もゆっくりと錫杖を構える。
そしてピリピリと緊迫感が高まっていき……
「「「参る!」」」
戦いが始まった。
戦いの口火は義経によって切って落とされた。
今までの義経とは明らかに違う踏み込みからのスピード。先手を取っていきなり咲の懐に飛び込む。
若獅子タッグマッチトーナメント時の実力を知る咲にとってこの義経の踏み込みの速さこそが予想外だった。
そう、明らかにタッグマッチトーナメントの時よりも速くなっている。たった数日しか経っていないにも関わらず、だ。
――――――種は至って簡単、無駄な動きを削ぎ落としただけなのだ。
タッグマッチトーナメントの時の反省を生かし綾也との稽古では無駄な動きを削ぎ落とす、ただそれだけの修行を行ってきたのである。
「そぉい!」
義経の踏み込みによって反応の遅れた咲に打ち込まれた弁慶の錫杖を義経はノールックで回避し弁慶の攻撃がガードの上から咲に叩き込まれる。
タッグマッチトーナメントの時は1対1に持ち込まれていたが為に発揮されていなかった視野の広さも今は二人組なので発揮されているのである。
素速い剣閃が舞う。一つ二つと迷いのない剣閃が勢い良く咲へと迫るが咲は上手くいなしていく。
だんだんとギアを上げていくと咲に隙が生まれた。
チャンスだと思い上段からの攻撃を仕掛けようとする。
しかし、それは咲によって造られた偽りの隙だった。
「はあ!!」
「せい!!」
義経の上段からの斬撃を咲が避け、そのままの勢いで小刀で斬りつける。
「ぐぅっ」
一撃を喰らい義経が苦悶の表情を浮かべながら吹き飛ばされる。
「義経!」
「そんな風に戦闘中に動揺しちゃダメだよ~……せいっ!!」
「ぐあ!!」
義経がやられたことによって弁慶に生まれた一瞬の隙を逃さず咲が一撃で弁慶の意識を断った。
………………うーん。まあこんなものかなぁ。2分保たなかったけど結構戦えてたしなー。あと、まあ、まだまだ義経の剣には改良の余地があるな。
で、次は…………
薙刀を構えて準備をしている要を見る。
……あの人、だな。
――――――御閃流師範代 冬堂 要、鋼の意志を持つ努力の男。
………………to be continued……⇒
お久しぶりです。
遅くなりました。すいません。
御閃本家編スタートです。
御閃流師範代関係図
実力 叢雲→陽→要→咲
立場 叢雲→要→陽→咲