真剣で楽しく生きよう!   作:魔王の後継者

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40 『不屈』

 

御閃流師範代との戦いは1回目、義経&弁慶VS咲さんの戦いは危なげなく咲さんが勝利を収めた。

予想していたこととはいえずいぶんあっさりと倒してくれたものだな……。

 

まあ、義経と弁慶は善戦したし、目が覚めたら一言かけておこう。

 

それはさておき、次は要さんか……

護衛の人たちはそもそも巻き込むわけにはいかないし、他もまともに接近戦ができる人はいない……

まゆっちが居たらよかったんだけどなぁ……前衛のカードが一人増えるのに……

 

よし、俺も出るとしよう。そうと決まれば作戦タイムだ。

 

「一子~、ちょっとこっちおいで~」

 

一子を手招きして呼ぶ。

 

呼ばれた一子は疑問符を浮かべてやってくる。

 

「お前と一緒に戦うのは俺だ。だから作戦立てるぞ一子」

 

「え、そうなの?わかったわ!」

 

「とりあえず要さんの方を見てみろ」

 

状況を理解した一子を要さんの方に視線を向けさせる。

 

「薙刀?あの人も薙刀を使うの?」

 

一子の言葉に頷く。

そして再度要さんの方に視線を向ける。

 

「ああ。あの人は薙刀を使う。って言っても御閃流の師範代は二つ以上の戦い方をマスターしてるからあの人は素手でも戦えるけどな」

 

因みに咲さんは小刀と槍だ。

槍は槍でスゲー強い。間合い広いし槍とほぼ一体化してるし。

手数が多いのが小刀、間合いが広いのが槍って言う使い分けなんだろうなー。

 

「因みにメインで戦うのは一子だから」

 

そういった瞬間、一子の動きが固まる。

 

「……ええっ!!……って今更驚くところでもなかったわ……」

 

「うむ。そろそろ俺のノリにも慣れてくるころだからな。驚いてばかりでも話進まないし困る」

 

俺の言い分に一子が微妙な表情を浮かべるが気にしない。

 

「んじゃまあ、戦いの前に軽く打ち合わせと行こうか」

 

「わかったわ!」

 

即答。

まあ、一子はいい子なんだけど無茶振りされまくった後にこの反応だと将来が心配になるな……。

うん、今は置いとこう。

とりあえずまず今は戦うことに集中しよう。

 

「んじゃあ……」

 

一子に作戦を説明する。

 

 

 

 

 

…………作戦とまでは言えないお粗末なものだけどな……。

 

 

 

 

 

 

 

 

● ○ ● ○ ● ○ ● ○ 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ザッと踏みしめた地面が音を鳴らす。

 

「次は君たちか」

 

向かい合うと静かな闘気をビリビリと感じる。

 

「…………ッ」

 

一子も闘気にあてられて細かく震えている。

ビビッてるワケじゃないだろうけど……まあ、大丈夫だろう。

 

「いいな一子。基本的には打ち合わせ通りに動けよ」

 

「うん!」

 

打ち合わせ内容はいたって簡単。

”基本は要さんを中心にして円を描くように動いて絶対止まるな。攻撃は俺が受け止めるからガードされた直後の隙をついて攻撃。”

相手は基本の塊みたいな人だ。

変則的な動きも基本に忠実だからこそ応用がきくので難なく対応してくる。

ので、一子の得意なこと、積み重ねてきたものを活かさせる。

……まあ、要は基本通りだな。

 

……一子は考えずに動かさせた方がいい動きするんだけど動きを読み切れないとカバーしきれないので今回は無しの方向で。

 

「それでは、始めようか」

 

要さんが薙刀を構える。

その瞬間、今まで張りつめていた空気が爆発した。

 

要さんを中心にして今まで静かに、圧縮されていた気が爆発したのだ。

 

「御閃流、冬堂 要」

 

「我流、尾崎 真暗」(御閃流、御閃 稜也)

 

要さんが名乗った直後に名乗る。そして一応心の中でちゃんと名乗る

瞬間的に、気を一部開放して一子を包む。

……このままだと一子が気で疲労させられて戦えなくなるからな。

 

「……川神流、川神 一子!」

 

要さんの気の解放で一瞬息が詰まった一子も遅れて薙刀を構え、名乗りを上げる。

 

「「「参る!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは一瞬の出来事だった。

 

その場に居合わせた者たちはもちろん、目の前にいた一子にも、御閃流師範代以外には誰も見えていなかった。その場には同じく壁を越えた者もいるにも関わらず、だ。

 

 

…………ッ、いきなり全開かよ!

 

 

一撃で一子を沈めにかかった要の拳を抜き放ったナイフで受け止めながら稜也はそう思った。

 

一瞬遅れて衝撃が周りに広がる。

 

「え?え?」

 

一瞬の出来事に一子は理解できず戸惑っている。

 

「一旦間合いをあけろ!立て直すぞ!」

 

「?、? わかったわ!」

 

要さんを牽制しつつ、距離をあける。

早くも大誤算だ。

いきなり仕留めに来るとは……セオリー通りでは一子(弱い方)から仕留めるのは確かに鉄則なんだけど……。

 

 

正直この戦いの意味は半分以上一子が持ってるんだ。

一瞬でやられたらさすがに困る。

 

 

距離をある程度とったのを確認し、一子とアイコンタクトを交わして本来の作戦通りの行動を開始する。

俺は一子に攻撃が集中しないように常に牽制し続ける。

先程いきなり仕掛けてきたためこちらも警戒レベルを上げてかかる必要がある。

 

懐から複数のナイフを取り出す。

型の無い、技とも言えない攻撃で牽制をする。

 

牽制しつつ、時折隙を作り出そうと投げナイフを投げ込むも通らない。

時折できた小さな隙を広げるために行っているのだが、そこは流石と言うべきか膨大な量の戦闘経験に裏打ちされた感で封殺される。

 

 

 

……クソッ流石に堅いッ!

型の無い技で押し切れるほど甘くないか……。

御閃流の技は使えない……なら、まだ見せてない暗技と今まで見てきた武術を織り交ぜて戦ってやる!

 

 

そう決めた瞬間、動きを変える。

……と言っても変化は大きくは無く、一子の行動をカバーできる範囲ではあるが。

 

大きく変化したのは、身のこなし。

今までの機械的な動きから一見すると危なっかしく見える、よりギリギリまで回避行動を絞った暗殺者の動きに。

安全性よりも速さを優先した動きへと。

 

その変化に対峙していた要は一瞬で気づく。

 

 

だがしかし、気づいただけでは対応できない。

 

「我流、影月(えいげつ)

 

そう聞こえた瞬間、要の視界がぶれた。

それはまさに一瞬。爆発的な脚力で加速し、要の警戒を潜り抜けて死角を取り、すれ違いざまに裏拳を叩き込んだのだ。

武器を構えるほどの余裕はなかった。だからこそのスピードのみの軽い一撃。

しかし、隙を作るのには十分である。

 

「グッ…………!」

 

「今だ!一子!」

 

身体に衝撃が走った瞬間からの約二秒間と言う決定的な隙。

張りつめていた緊張感から解き放たれた一子が弾丸の様に飛び出す。

 

 

 

 

 

 

入った…………。

 

そう思った。しかし、それは間違いだった。

 

 

「何!?」

 

 

一子の薙刀は薄皮一枚のところで躱されていた。

そしてカウンターが腹に叩き込まれていた。

 

「う…………」

 

ドサリ、と音を立てて一子が倒れる。

 

 

マジかよ……。

今のは完全に入ったと思ったのに……。

 

 

サッと一子を抱えて要の間合いの外に出る。

 

 

チッ…………

一子がやられた以上戦闘継続に意味はないが……

 

 

ちらりと一子を見やる。

 

……ま、戦いの原因作ったやつがそう簡単に引き下がっていいわけないよなあ……。

 

「ふぅ」

 

一息ついて意識を切り替える。

 

まず一撃、叩き込むとするか……

 

立ち上がって要の方へと向き直る。

 

 

「んじゃまあ、やりますかね」

 

気を引っ込める。

 

その様子を見て要さんが怪訝な表情を浮かべるのが見えるが関係ない。

気を体の中に押し沈めて内部で開放する。

 

それによって爆発的に身体能力が上昇する。

 

俺のベーシックバトルスタイルの一つである突風の如き拳舞(ガスト)、改め爆発の如き拳舞(エクスプロージョン)

まだ誰にも見せていないこの戦い方で圧倒する…………。

 

 

 

 

「…………」

 

要さんが警戒を強めて構える。

よほど先程死角を取られたことを気にしているのだろう。

だが無駄だ。先程とは、また動きが違うからな。

 

バキンと地面が砕ける音がする。

次の瞬間、複数の分身が現れる。それぞれが気配と気を持った分身。

 

「はあっ!」

 

気によって実体を持った分身を要が一体一体薙ぎ払っていく。

絶え間なく次々と分身が襲う。そして次の接触の瞬間。

 

「ぐっ!」

 

気が爆発した。

絶え間なく爆発する気の分身。ガストは実態を持った分身を用いた擬似的集団戦法。エクスプロージョンはその分身を用いた連鎖爆撃戦法だ。

モモ先輩の人間爆弾から着想を得た技だ。

 

つまり、川神流の技の自己流アレンジと言ったところだ。

 

そして、懐に潜り込んで一閃。

 

 

 

 

()()()、爆破閃掌」

 

 

「な!?」

 

 

俺の声を聴いて要さんが驚愕の声を上げる。

その次の瞬間、爆撃を纏った一撃が要さんに直撃した。

 

 

 

「うっし!俺の勝ち!」

 

 

と言って腕を鳴らした瞬間。

風が吹き、パサリ、と音を立ててフードが取れた。

 

 

「あ。」

 

慌てて再びフードをかぶるがもう遅い。

 

 

 

 

稜也の目の前には鬼がいた。

 

 

 

「……お帰り。そして覚悟はできてる?」

 

 

満面の笑みを浮かべた鬼が。

 

 

 

 

 

 

 

● ○ ● ○ ● ○ ● ○ 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦いの後、数十分後にみんな目が覚めたらしい。

らしいって言うのは一緒に今いないからです。

皆は今ちゃんと客として扱われている。

 

因みにあの後、叢雲さんと陽さんの二人がかりでひっ捕らえられ見事にお説教を食らった。

しかも3時間。長いよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………………to be continued……⇒

 

 

 

 




お久しぶりです。
また遅くなりました。すいません。

稜也君は勉強ができるバカです。空気が読めないとも言います。

では、また次回。

誤字脱字、アドバイスありましたらお願いします
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