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夜 風間ファミリー秘密基地
「無理だよ。東西交流戦で勝ちたいなら三年生はなりふり構わず大将首を取りに行くしか勝ち目はない」
少年御閃綾也が言い放った言葉が全員の耳に響き渡った。
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遡ること35分前、翔一のバイトが終わるのも待ってから翔一に連れられてやって来たのは、廃ビルだった。中へ入るとそこは見るからにプライベートな空間に改造されており、綾也の心を揺さぶった。
「秘密基地ってやつかな?へえ、これはすごいな」
風間ファミリーのみんなが色々と説明してくれる。綾也はこのような廃ビルは入り慣れており、別段此処で過ごすことには何の抵抗もなかった。
「どう?綾くん、基地の感想は?」
「んー?そーだねー色々有るけど強いて言うなら、……」
「言うなら?」
「こういう場所は何というか、落ち着く。この場所は俺は好きかな」
その言葉を聞いてファミリーほぼ全員が頷いた。
「うん!さすが綾くんね!どっかのクリとはわけが違うわ!」
「ん?クリスは何かやらかしたのか?」
「こ、こら犬!あ、あれは自分も悪かったと反省している……」
大和に横で説明を受ける。ふむ、そらあかんわ。
確かに人の大切なものを侮辱してしまったのはだめだな。本当に。
それを笑って許して仲間の仲にも亀裂をいれなかったって言うのは流石翔一、リーダーの器だな。
と、一人で納得していると、
「で、リョーヤ!こっちが一年のまゆっちだ」
「ままま黛由紀江です。よよよよろしくお願いします」
……睨んでるのか笑ってるのかよくわからんな。まあ多分後者だろうな。
「オラ松風!あんちゃんよろしくなー」
「……ああよろしくな、まゆっち、松風」
「松風にはおどろかねーんだなー」
「別段変わってないと思うが?」
「……オラこんなにナチュラルに受け入れられたのはじめてだぜー」
黛由紀江、剣聖と謳われる黛十一段の娘か。壁は超えているな……葵の少し上といったところか……
なかなか強そうだし、強く成りそうだな。
「んで、こっちがモモ先輩だぜ」
そして武神、川神百代。日本でも屈指の力を持つ強者。
しかし精神的にはまだまだ川神鉄心には及ばない。肉体と精神。伴ってこそ本物の強者だと思うが。
「川神百代だ。よろしくな」
そしてこの目。完全にターゲットに見定めてるな。俺を。
「よろしくお願いします」
「んで自己紹介するんだったよなリョーヤ。おい、こっちちゅーもく!」
そだ。自己紹介するんだったよな
だがその前に
「翔一、このロボット?だれ」
「ボクはクッキーだよ。よろしくねリョーヤ。ポップコーン食べる?」
「ああ、ありがとう。よろしくクッキー」
ロボットとかすごいな。お、このポップコーン美味い。
「んじゃ、改めて、御閃綾也です。趣味は昼寝と音楽と料理。んで『御閃流』現当主をやってる。武器は拳と刀、よろしくな」
俺の流派を聞いて、百代先輩が反応を示す。
「御閃流?そうか道理で強い」
「御閃流?あまり聞いたことのない流派だな、姉さん知ってるの?」
それはそうだ。御閃流は門外不出であまり外にでない。
「御閃流は日本に古来より伝わる日本最強の流派だ。そうだったよな?」
「……最強というかまあ、最速の流派ではありますよ」
御閃流は最も速さに重きを置く流派だ。
「御閃流……私も聞いたことがあります。二刀流の流派だとか」
「まゆっちもかなり速いと聞いたけどね」
「わわわわ私なんてまだまだですすすすす」
「まゆっちどもりすぎ」
この子コミュ力足りなさすぎだろ。
「へー、綾くんってすごかったのね」
「なあ、やっぱり私と勝負しないか?」
「謹んでお断りさせていただきます」
却下、お断りだ。疲れるし、特無いし。
「ぶー」
「そう言えばさ、今度の東西交流戦だけど」
大和が話題を切り替える。ナイス!
「ああ、二年には西方十勇士とか言うのがいるんだろ?三年は私と燕がいるからな~あまり面白くはなさそうだな~」
百代先輩が羨ましそうに言う。
「そう言えばさ」
「ん?」
「何だ?」
「それは無理だよ。 東西交流戦で勝ちたいなら三年生はなりふり構わず大将首を取りに行くしか勝ち目はない」
……そして今に至る
「どういうことだ?」
「確か天神館には闘仙寺 咲さんがいたはず」
あの人は普通じゃないからな。うん。(←おまえが言うな)
「闘仙寺?誰だそいつは」
「咲さんは昨日百代先輩が戦った葵の師匠で御閃流の師範代です」
「あいつの師匠?それは強そうだな」
「まあ、葵のガードをぶち抜けなければ咲さんのガードを抜くのは100%無理です。あの人の防御力は葵を遥かに凌ぎますので」
あの人のガードを抜くのは俺でも難しい。本気を出さなきゃまず無理。
「あの決闘の時の私はまだ本気じゃ無かったぞ?」
「それは葵も同じですしそれは見抜いた上で言ってますので」
まあとどのつまり百代先輩では勝てないということだ。
「ふふふ、それは楽しみだ」
大和が横にやってきて話しかけてくる。
「姉さんが勝てない相手なんか本当にいるのか?正直とてもじゃないが信じられない……」
そうか?
「あえて言うけど世界に出ればあの人クラスは少ないけれどいるんだよ、そしてあの人以上の人もね」
そう言うと大和は納得はしていないが理解はしたような表情を浮かべて押し黙った。
「やはり世界は広いんだな。やはり私は卒業後に世界を巡ってみるとしよう」
その前に精神力を鍛えろよ。その言葉は胸にしまっておいた
その後、しばらく談笑してから帰った。
………………tobe continued……⇒
第七話でした
誤字脱字、アドバイス、意見在りましたらお願いします。