やはり欠落者の青春ラブコメはまちがっている。   作:アサリ||

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サーヴァントを召喚したその翌日、俺は寝坊してしまった。寝坊したのは何年ぶりだろうか?

魔力を多く消費した事もあるが、問題は召喚された黄金のサーヴァントだ。

 

奴の名は、「人類最古の英雄王」ギルガメッシュ、クラスはアーチャー。

俺の部屋は、俗に言う金持ちが住む部屋、まぁこの部屋を用意してくれたのが、金持ちだからなのだが、設備が充実している。俺は言峰から色々なものを受け継いでいる。

 

なぜこの話をするのかというと、ギルガメッシュが俺が言峰から受け継いだワインを勝手にワインセラーから出して飲んでいたからだ。

 

「アーチャーなぜ勝手にワインを飲んでいるんだ」

「フッ可笑しな事を聞くな、ただ我が飲みたかっただけだからだが?」

そう奴はサーヴァントのくせに、傲慢である。

 

「それは俺は飲めないといえども、俺のなのだが?」

「貴様のものは我のものだ」

人類最古のジャイアニストだったのか!!

 

「比企谷、一つ聞こう、貴様は聖杯に何を求めている?、貴様の暮らしは充実していると思うが?」

 

答えはひとつだ。

 

「ただ俺は、この心にある穴を埋めるための何かを求めているだけだ、いくら求めても手に入らない何かをな」

「フゥン、貴様は目だけでなく、感性も言峰に似ている様だな」

ん?こいつ今、言峰と言ったか?

「アーチャー、お前言峰を知っているのか?」

「あぁ言峰は我の前のマスターだが、しかしまたこの時代に喚ばれるとは思わなんだ」

言峰お前も大変だったな。

 

「比企谷、貴様は言峰とはどの様な関係だ?そして今奴はいるか?」

「おれは言峰の養子と言ったところか?残念ながら言峰は3年前に死んだよ」

「そうか!死んだか!フッしかも貴様は奴の養子と来たか、聖杯も粋な演出をしてくれる」

 

「王とは、道を導くものとライダーは言っていたか、では我も、道を示してやるとしよう」

「比企谷、貴様は愉悦を求めているのだろう?」

「あぁまぁそういう事になるな」

「愉悦とは、つまりは魂の形だ、比企谷、貴様はまだ自らの魂の形が分かっていない。」

 

「魂の、形?」

 

「あぁそうだ、比企谷、貴様は愉悦とは、どの様なものだと思っている?」

「愉悦?自らの楽しい事だろう」

 

「そうだな、では比企谷気付いていたか?、我を召喚した際、自らが笑っていたのを」

 

何だと、俺が笑っていた?

 

「気付いていなかった様だな、つまりは貴様はその時、愉しんでいたのだ、自分でも分からないうちにな、いや心が貴様の善意が、それを伏せていた、というのが正しいか」

 

俺があの時した事?何だ?

 

「どういう事だ、教えろアーチャー」

「此処で言ってしまっては、面白くあるまい、そうだな、貴様が気付くまで我の愉悦の手伝いをしてみろ」

 

「アーチャー、俺は一応お前のマスターなんだか?」

「粋がるなよ雑種、我は誰にも仕えん、だがこの俺のプライドを踏みにじるためだけにその令呪とやらを使うんだな」

「分かったよ、じゃあ何をすればいいんだ?」

「我は人の業を愛でる、マスターとやらには、聖杯に選ばれるだけの、理由があるのだろう?その理由を調べ、我に語り聞かせろ」

 

まぁ無理ではないな。

 

「分かったでこれからお前はどうするんだ?」

「我は、まだこの時代の興を貪り尽くして、おらんからな、選別が終わるまでこの時代を愉しむとしよう」

 

そういうと、奴は霊体となり消えた。

 

「愉悦か」

と俺は1人でこの言葉を噛み締める様に呟いた。

 

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翌日、学校に登校する。

廊下にて、会いたくない奴に出会った。

 

「あら、比企谷君 おはよう」

この上品な喋り方をする奴は、遠坂 凛、アカイアクマだ。

俺の住んでいる、マンションの一部屋を用意してくれた、金持ちだ。

「おう、おはよう遠坂」

 

と挨拶をすると、周りの男共から嫉妬の混じった目で見られる、まぁ遠坂も人気のある方だからな。

だがこいつらは知らないだろう、こいつの性格の悪さを。

と思いつつ、教室に入ると、見慣れた顔が声をかけてきた。

「おはよう、比企谷」

こいつは衛宮 士郎 俺の名前を間違えずに言えるクラスメイトだ。

そして机につき、イヤホンを耳に突っ込み、俺はいつもと変わらぬ、つまらない日常を謳歌した。

 

放課後、からりと部室の扉を開けると、雪ノ下がこの前と同じ様に本を読んでいた。

 

「あら、来たの?」

「そりゃ来るだろう、強制的でもここの部員になったんだからな。」

「変な所で律儀なのね」

「まぁな」

と軽い会話をし、カバンから聖書を取り出し、読み始める。

「貴方、聖書なんて読むのね」

「あぁ育ての親が一応、神父なんでな」

「へぇそうなの、貴方はどっちかっていうと悪魔の方が似合っていると思うのだけど?」

「そう思うのならそうでもいいさ」

 

そう言い聖書に目を落とすと、雪ノ下は溜息をついた。

「貴方は本当に不思議な人ね」

 

何がだ?と聞こうと思ったが止めた、なぜかって?

それはこの部室のドアがノックされたからである。

そして、奉仕部最初の活動が始まったのだった。




ギルガメッシュが難しい。ギルっぽくなくても、許してくださいm(._.)m

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