イナズマイレブン!北のサッカープレイヤー 作:リンク切り
「豪炎寺!」
俺が蹴ったサッカーボールが地面を這い、豪炎寺にパスが飛ぶ。
そのボールを、豪炎寺は綺麗にトラップした。
「行くぞ、立向居!ファイアトルネード・改!!」
豪炎寺は、ボールを高く上空に飛ばしてファイアトルネードを打ち込む。
その先には、立向居の守っているサッカーゴールがあった。
「止める!ゴッドハンド!」
立向居特有の、青いゴッドハンドが出現する。
その大きな手は、しかしファイアトルネードを封じ込めることはできなかった。
「く・・・うわあああっ!?」
ゴッドハンドをそのままゴールに押し込んだファイアトルネードがゴールへ突き刺さる。
「大丈夫か、立向居!?」
「はい!」
俺は立向居の無事を確認した後、今度は豪炎寺へと話しかける。
「ナイスシュート、豪炎寺。」
「フ、お前のセンタリングもな。」
この数時間で、俺と豪炎寺のプレイは完璧に噛み合った。
声を掛け合って確認すれば、なんとなくの連携くらいなら取れるようになっていた。
「流石です豪炎寺さん!それに、
「おう、ありがとな、虎丸!」
俺たちは今、帝国学園のグラウンドで練習をしていた。
チームメンバーで、一緒にサッカーをしたことのない奴がいるため、まず連携の練習をしていた。
特に俺はこの中の誰ともやったことがない。
ちょっと不安だったが、中々良い感じに仕上がって来てるんじゃないかと思う。
というか、帽子とマスク運動してる時に邪魔すぎて即外したわ。
もう別につけないでいいや。
「不動!パスを回せと言ったはずだぞ!勝手なマネをするな!」
「フン、俺は俺のしたいようにサッカーをするだけだ。」
「不動・・・!!」
あーあ。
あっちはまだあんな調子か。
ま、そんな簡単にうまく仲良くなれるとは思ってなかったしな。
「チッ。こんなくだんねー事やってられっかよ。」
「おい、不動!グラウンドにもどれ!」
うお、我儘。
結局、不動はそのままピッチを出て行ってしまった。
「くっ、こんな事で、俺はキャプテンが務まるのか?」
「鬼道、あまり深く考えない方がいい。不動が練習したくないなら、それはそれでいいんじゃないか?多分、あいつがいても空気が悪くなるだけだろ。」
「・・・そうかもしれんな。」
やはり、納得の言ってない様子な鬼道。
まあ、どうせ練習しても個人技しか使えないんじゃあんまり意味はないと俺も思うけどな。
「よし、再開だ。今度は、緑川から虎丸、豪炎寺との連携だ。
「ああ、了解。」
鬼道の言葉を聞き、俺は邪魔になるためゴールの前から離れた。
今回は、虎丸と豪炎寺のツートップのフォーメンションで行くことになった。
なので、俺はミッドフィルダーに入っている。
「お疲れ。良い動きだな、流石代表候補に選ばれただけあるな。」
俺を労ってか、風丸が水を一本渡してくれる。
「ん、ありがとう。お前もな、風丸。」
「・・・ありがとう。」
風丸は、何かつっかかりがあるのか、あまり表情が優れていない。
どうしたんだろう、やっぱり、実力が伸びないとかなのか?
別に、俺にはそんな感じには見えないけどな。
俺のイメージだが、風丸は世界メンバーと比べて劣っているという感じは全く受けない。
それよりも、自分を卑下して攻めているような気がしてならない。
俺は、使われていなかったサッカーボールを一個取りに行って、風丸の足元に蹴って転がした。
「風丸。サッカーやろうぜ。」
「え・・・・?」
「お前の力は、俺たちが必要としてる。そう、気に悩むことないぜ。」
「あ、ああ・・・・」
「と、知らねえ奴にそんなこと言われても、そんな反応しかできないよな。風丸。ボールを蹴ってくれ。それで心は通じるはずだ。ちょっと付き合ってくれよ。」
「まあ、良いけど・・・・」
困った顔でパスを出す風丸。
まあ、最初はこんなもんか。
俺は、返って来たボールをトラップして上手く足に吸い寄せる。
「次は強めで行くぞ!」
そのままキープしていたボールを空中に上げて蹴りを叩きこむ。
俺が蹴った、風を纏ったシュートが風丸に迫る。
「くっ!?」
風丸は足を出して勢いを削った。
「うん。じゃあ次はお前だ、風丸。」
その後、何回かシュートの打ち合いをする。
やっぱり、陸上をやっていたためなのか風丸のシュートも威力が高い。
ディフェンスをやるのがもったいないようにすら思えてくる。
風丸の蹴ったボールを、腹で受け止める。
最初に放った俺のシュートよりも威力の高いそのシュートは、俺を十数センチほど押し出してやっと止まった。
「楽しいか?」
「ああ。」
「うん、そうだ。サッカーは、辛い顔してやるスポーツじゃない。」
何度も打ち合っているうちに風丸は自然と頬が緩んでいた。
やっぱり、ただ無心でボール蹴ってると楽しいよな。
「ちょっと良いか。」
「ん?どうした、鬼道。」
「5人ずつに分かれて試合してみようと思う。」
「お、楽しそうだな!乗ったぜ!」
「ああ。じゃあ、これを。」
「え?」
俺が鬼道に渡されたのは、キーパーのグローブだった。
まあ、そうですよね〜〜〜・・・・・・
「旋風陣!」
「何!?」
豪炎寺の持ち込んだボールが、木暮の旋風陣に巻き上げられる。
あーあ、打たせてあげれば俺が暇することもなかったんだが・・・・
「鬼道!」
「ああ!虎丸!」
木暮から鬼道へとボールが繋がり、鬼道はドリブルでゴールへと走る。
しかし、シュートを打つと見せかけた鬼道は囮で、そのままゴール前にいた虎丸にボールが渡る。
栗松と立向居は鬼道に引きつけられており、虎丸は完全にドフリーだった。
「行け、虎丸!」
ここでシュートを打てば、立向居を引き寄せていた鬼道のおかげでほぼ確実にシュートが決まる。
そんな瞬間だった。
虎丸はなかなかシュートを打とうとせず、ドリブルでキーパーの真ん前まで進む。
その後、何を考えたのか虎丸は鬼道にバックパスを出した。
「くっ!?」
パスをされた鬼道は、慌てて引きつけていた栗松を振り切って無理な体勢からシュートを打つ。
しかし、そんなシュートを立向居が止められないはずもなく、あっさりと止められてしまった。
「豪炎寺さん!!」
立向居から豪炎寺へ、超ロングパスが繋がる。
俺のチームメンバーは全員上がっており、今度は豪炎寺がフリーな状態だった。
「ファイアトルネード・改!」
「無限槍!」
炎を撒き散らしなが唸るサッカーボールを、赤い槍が貫く。
その数は段々と増えていき、最後には6本くらいの槍がボールへ突き刺さった。
その時には、もうボールの勢いは無くなっていた。
俺は、飛んでくるボールを軽く受け止めた。
これが、俺の必殺技の一つだ。
俺はボールを受け止めた後、鬼道に一つ提案をすることにした。
「そろそろ、休憩しないか?」
「・・・・、そうだな。よし、休憩だ!」
他の奴らははあはあと肩で息をしていたが、俺は走ってもないから全然疲れてないんだよな。
何回かしかシュート飛んでこなかったし、つまらんかったな。
「その必殺技、強いな。」
「ん?ああ。これは吹雪のウルフレジェンドも止めたことがあるからな。」
「ウルフレジェンドを?」
そう、俺がウルフレジェンドを止めたことがあるのは、この無限槍を使った時だ。
最近じゃ、俺の方が押し負けるけどな。
「あの、すみません!俺、用事あるんで!お先に失礼します!」
突然大声をあげた虎丸は、素早く荷物をまとめて先に帰っていった。
っていうか、ここ帝国学園だけど地理とか大丈夫なのか?アイツ。
あーあ、もう、何なんだよこいつら・・・・・
その後俺たちはもう数時間帝国で練習をした。
俺たちは、着々とメンバーとの連携が上手くなっていた。
⚽️
「練習試合?」
「ああ。帝国のメンバーに声をかけて、予定を空けてもらっている。やはり、練習は実践が一番だからな。」
代表候補ということが伝えられて、次の日。
俺たちはまた帝国学園へと集まっていた。
集まったのは10人で、不動がメンバーから抜けていた。
代表選まであと1日。
鬼道から、思っても見ない提案が出た。
なんと、現帝国学園と練習試合ができるらしい。
「それは凄いな!是非やって見たい!」
「でも、こっちは10人だぞ。あと1人、どうするんだ?」
「俺も少し考えたんだが、このまま10人でやってみるつもりだ。変な癖がついてしまっては困るからな。それに、そのくらいのハンデがなくては、日本代表は務まらないだろ?」
帝国学園って、昨年まで何十年間かずっとフットボールフロンティアで優勝してたんだろ?
まあ、主要キャラ2人が日本代表候補に引き抜かれているが。
楽しそうだからいいんだけどな。
かくして、俺たち代表候補Bチームは、帝国学園と練習試合をすることになった。
フォーメーションは、
GK 立向居
DF 風丸、木暮、クララ、栗松
MF ウルビダ、鬼道、
FW 豪炎寺、虎丸
と、こんな感じだ。
豪炎寺と虎丸のツートップは変わらず、鬼道が中心に来ている。
明日の紅白戦は鬼道の隣に不動が入って完成となる。
「「「よろしくお願いします!」」」
両チームが頭を下げ、握手をしてから試合が始まる。
こっちボールから試合が始まった。
豪炎寺が隣にいる虎丸にボールを渡し、虎丸はそのまま前へと上がる。
「まずは、それぞれ好きにやって見てくれ。」
鬼道の最初の指示はそれだった。
鬼道自身、まだ全員のプレイが把握できていないのだろう。
虎丸は止めに来たていた
虎丸って、やっぱり凄い選手なんだな。
「キラースライド!!」
「わっ!?」
しかし、虎丸の猛進もそこまでで五条さんのキラースライドに止められてしまった。
出たな、五条さん。
五条さんのキラースライドつよい。
流石はネット投票でとてつもない人気を誇るだけあるな五条さん。
しかしまだ俺がいるぜ五条さん!!
虎丸の後ろのポジションだった俺は、ボールを奪ったばかりの五条さんに詰め寄る。
俺はスライディングで五条さんのキープしていたボールを弾いた。
しかし、運悪くボールはコートの外へと出ていってしまった。
あちゃー。
運動神経は良くなってるはずなんだけど、頭は元の世界の時のままだからなー。
たまーに周りが見えなくなると、方向とか気にせずにスライディングする事があるんだよな。
普通に取ればいいんだけど、スライディングってこっかいいからついやっちゃうんだわ。
「いいぞ、
「ああ、ありがとう。」
鬼道が褒めてくれるが、今度はチームメンバーに渡すスライディングが出来るように頑張ろう。
止まっていた試合は、帝国学園のスローイングで開始した。
「洞面!」
五条さんが投げたボールは、俺のマークを抜け出した洞面が受け取った。
しかし、追いついた俺がすぐにボールを奪い返す。
今度は、さっきの二の舞を踏まないようにスライディングはやめておいた。
「何!?」
「よし!いけ、虎丸!」
俺はある程度上がり、ディフェンダーを引きつけてから虎丸にパスを出す。
そう、昨日鬼道がやっていた戦術とほとんど同じだ。
今回はスローイングのため五条さんがディフェンスについていなかったのが大きかった。
しかし、前回と違って虎丸はシュートができる位置にいない。
虎丸は、そのままゴール前にいた豪炎寺へとパスを上げた。
「豪炎寺さん!」
「ああ!爆熱!ストーム!!」
「止める!フルパワーシールド!!」
さすが豪炎寺、俺が止めたファイアトルネードよりも威力が断然上だ。
いつかまた、この爆熱ストームも正面から受けて見たい。
「ぐっ・・・・!!」
ゴールキーパーの源田渾身のフルパワーシールドは、爆熱ストームに打ち砕かれた。
いいぞいいぞ、先制点を取れるのは相当大きいぞ。
試合の流れをこっちに向けることができるからな。
「次は入れさせないぞ!」
「ああ、止めて見な。」
豪炎寺と源田の、この言い合いもかっこいい!!
さあ次もガンガン攻めてくぜ!
帝国ボールからの試合再開。
フォワードの
俺のいる左サイドとは真逆の右側へとボールが回った。
まあ、左には天才プレイヤーの虎丸と、何せ俺がいるからな。
ちなみに、右側にいるオフェンスは豪炎寺とウルビダだ。
咲山は、豪炎寺にボールが渡らないようにうまくメンバーとパスを回しながら上っていく。
そのめまぐるしい動きに、豪炎寺は出し抜かれた。
やっぱり上手いな、帝国は。
しかし、ウルビダはパスカットでうまくボールを奪取した。
「行くぞ!!」
ウルビダは、そのまま前線へと突っ走って行った。
そのまま、フォワード、ミッドフィルダー、ディフェンダーと、連続で合計4人をもごぼう抜きだった。
それはまさに、ウルビダの独壇場だった。
「決めろ!」
ウルビダがセンタリングを上げる。
なんと、そのパスを受け取ったのは豪炎寺だった。
豪炎寺は自分が抜かれた後、一直線にゴールへと突っ走っていた。
そのおかげで、まるで狙いすましたかのような完璧なパスをつなぐことができたのだ。
「爆熱!ストーム!!!」
「そう簡単に何点も入れられると思うなよ!!」
そう叫び、源田は手を獣の口のような形にして突き出した。
わかりやすく言えばかめ◯め波の、『波』でする時のポーズだ。
この技はまさか・・・・
「サーペント・ファング!!」
そう叫ぶと源田の背中に、巨大な白い蛇が現れる。
その大蛇は、豪炎寺の爆熱ストームを喰い殺すかのように噛み付いた。
そして、ボールは源田の手の中へきっちりと収まった。
「ゴールネットはもう揺らさせない!」
「やるな。」
なんだ、ビーストファングかと思った・・・・
源田は腕を大きく振りかぶり、豪炎寺の頭上を越えてパスを出した。
そのボールは、大きな弧を描きながらミッドフィルダーの
「
「洞面!」
「咲山!」
ボールは目まぐるしく移動して、こちらのチームを寄せ付けない。
鬼道を一番意識してか、鬼道をパスをつなぎ大回りで避けて攻め込んでくる。
帝国の完全なパスサッカーだった。
俺たちは、あっという間に攻め入られてしまう。
しかし、こっちはこっちで日本最強が揃っている。
簡単にはシュートを打たせなかった。
「食らえ、旋風陣!」
「うわっ!?」
木暮が、得意の必殺技でボールを奪い去る。
「へへ、どんなもんだい!鬼道!」
木暮のナイスプレーにより、鬼道にボールが渡った。
鬼道はボールをハーフラインまでドリブルで持ち込み、辺見を必殺技を使って躱す。
「よし!イリュージョンボール!」
ボールが三つになって相手を撹乱する、帝国の必殺技だ。
一息つく間もなく辺見を抜いた先にいた洞面のスライディング。
鬼道はそれが届く前に、俺にパスを出す。
「
「ああ!」
俺は鬼道に貰ったボールをドリブルでキープしつつ左サイドを駆け上がる。
そこで立ちふさがったのは、みんな大好き五条さんだった。
別に相手をしてやる必要もないだろう。
「虎丸!行け!」
俺は五条さんの右側から虎丸へカーブさせたパスを出す。
だが、そのタイミングでディフェンダーの
そして、必殺技を出して虎丸を止める。
「サイクロン!」
片足を後ろに振り上げ、勢いをつけて振り下ろす。
すると物凄い風が吹いて、虎丸はボールと一緒に吹き飛ばされてしまう。
うん、どうなってるんだ。
「
虎丸は、吹き飛ばされながらもボールをこちらへとバックパスしてきた。
あんな技食らいながらもボールキープ出来るって凄いな。
虎丸が繋いでくれたこのボール、絶対に無駄にしない!
虎丸のパスを、五条さんをおさえて、ボールをトラップする。
豪炎寺は警戒されているのかマークが付いているし、虎丸はまだパスできそうにない。
ここは、俺がゴール前まで持ち込むか。
「通さないぞ!」
「それはどうかなっ!」
万丈をフェイントで避けてペナルティエリア付近まで近づくと、逆サイドにいたもう1人のディフェンダー、
まだ少し距離があるし、無視してシュートを決めるか。
よし、追加点だ!
「はあっ・・・・!!」
俺は、上空へとボールを蹴り上げた。
そして俺も、地面を踏みしめた後に空高くジャンプをする。
豪炎寺のような必殺技だが、ファイアトルネードのように回ったりはしない。
ボールに追いついた俺は、左右の足でボールを挟み込み捻りを加える。
もう一度蹴りをボールへと叩き込めば、それは槍のように帝国のゴールへと襲いかかった。
そのシュートの名前は・・・・・
「デススピアー!!」
赤黒く変色したそのサッカーボールは、暴風を巻き起こした。
「く、サーペントファング・・・ッ!!!」
源田が放った渾身のその技は、果敢にもその槍に食いついた。
しかし白い大蛇は、その槍に撃ち貫かれてしまった。
「サーペントファングが破れただと!?そんな馬鹿な!?」
そして、そのまま死の槍はゴールへ突き刺さった。
よし、俺も得点することができたぜ!
これだけでもう俺は大満足だ。
「何だ、あのシュートは・・・・・」
「あんなすごいシュート、見たことも聞いたこともありません!」
「まさか、これほどの選手だったとは・・・・いい意味で、予想を裏切られたな。」
デススピアーは、味方からもなかなか好評のようだ。
やったね、ここ何日か練習して身につけた甲斐があったな。
この技は、劇場版のジ・オーガで出てくる王牙学園の必殺シュートだ。
あれも一応3のはずなのだが、世界編ではないためなのか俺の記憶に残っていた。
なので、記憶を取り戻してからの数日間このシュートを練習し続けた。
結果は見ての通り、無事習得することができている。
今度もこちら側が決めたため、帝国からの試合開始だ。
フォワードの寺門から、ミッドフィルダーの成神へとボールが渡る。
そして大野、辺見、五条さんと再びパスサッカーが始まった。
連続で得点されたためか、かなり慎重なプレイになっているようだ。
虎丸が、五条さんへとボールを奪いにかかる。
「分身フェイント!」
しかし五条さんも取られまいと、必殺技を使用。
五条さんが3人になって虎丸を撹乱する。
これはあれだ、風丸がダークエンペラーズで使っていた技だ。
流石の虎丸も、1人で3人の相手をするのは厳しいのか五条さんに抜かれてしまう。
まあ、元は1人なんだけどな。
「こっちだ!」
俺を警戒してか、五条さんにパスの催促が来る。
そう、虎丸の後には俺がいるのだ。
俺は五条さんにスライディングを入れるが、その前にパスが出されて空振りに終わった。
ちょっと遅かったか。
ボールは辺見に渡り、その後高いパスを出されディフェンスが抜かれた。
そしてボールは、フォワードの寺門へとたどり着いた。
これは絶好のシュートチャンスだな。
「いくぜ!」
しかし、そこで前半終了のホイッスルが鳴った。
帝国側は決定的なシュートチャンスを逃してしまった。
もし俺がこんな感じで時間が終わったら割とショックでかいな。
「時間に救われたな。」
寺門はそう言い残すと帝国側のベンチへ歩いて行った。
前半までのスコアは、俺達:2、帝国:0だ。
こっちが押してるし、勝つか負けるかではなく何点差で勝てるか、だと思う。
帝国がなかなか攻めきれないのは、佐久間が抜けてることも大きいんだろうな。
佐久間は鬼道が抜けたあとの帝国の主戦力だし。
「
「俺、驚きました!
「ハハハ、それほどでも、あるかな、ハハハ!!」
ちなみにだが、俺は褒められると調子に乗るタイプだった。
「だが、サーペントファングを打ち破った
「まあ、そうなるか。」
マークがついちゃうと、あまり激しくは動けなくなるな。
面倒だからそれだけはやめてくれ。
そして大きな変化もなく、少し休んでからの試合再開。
ボールは帝国側が持っていた。
「行くぞ!」
辺見がボールをキープして、俺たちへ攻め入る。
俺にはやはり、洞面がぴったりとマークについていた。
「五条!」
そしてボールは五条さんに渡り、五条さんはフィールドを駆け回る。
虎丸と栗松が五条さんにやられた。
五条さん強い、なんか強化補正とか入ってない?
うーん、俺も五条さんと一騎討ちしたかったなあ・・・・
「フローズン、スティール!」
この試合で初めてクララが活躍した。
まあ、攻めるばっかりであまり守らなかったもんな。
風丸もまだ何もできてないし。
「こっちだ!」
五条さんから奪ったボールは、鬼道の元へパスされた。
しかし、そのボールが届く前に
思わぬフォワードの動きに、俺達は意表を突かれる形になった。
「行くぞ寺門!」
「おう!」
「「ツインブースト!」」
「ムゲン・ザ・ハンド!」
帝国の懐かしい必殺技に、しかし立向居がG4まで進化させたムゲン・ザ・ハンドには敵わなかった。
簡単にキャッチした立向居は、風丸にパスを出す。
良かったな風丸、初活躍だ。
「うおおおお!!疾風ダッシュ!!」
速さを増した疾風ダッシュが敵を置いて行く。
「キラースライド!」
「疾風ダッシュ!」
キラースライドを速さにモノを言わせて躱す。
風丸は、まるで風のように帝国のブロックをかいくぐりウルビダにパスを出した。
絶好調のようだな、風丸。
「上がれ!」
鬼道の指示で、ディフェンダー以外が敵陣内へと攻め込む。
ここに来て攻撃的な戦術だ。
そして、ボールは鬼道がキープしていた。
「豪炎寺!」
鬼道が豪炎寺へとパスを出す。
豪炎寺は周りにいた選手を引き離し、ボールと共に高くジャンプした。
「行くぞ!爆熱!!ストーム!!!」
「その技は通用しない!サーペントファング!!」
一度交えた技の組み合わせだが、なぜか今回は爆熱ストームの方が威力が上だった。
まさか、必殺技が進化したのか!!
豪炎寺の放った爆熱ストーム
「何!?」
しかし、そのシュートはゴールへと入ることはなく、ゴールポストへ衝突した。
技を交えた時に止められないと見た源田が、シュートのコースをずらしたようだ。
敵ながらナイスプレーだったな。
そして、ポストに当たったボールをうまく拾ったのは、帝国のディフェンダーだった。
「今度は帝国のターンだ!」
ボールは万丈から五条さんへ、五条さんから辺見、辺見から成神へと渡る。
攻め入られた俺たちのチームは、カウンターを許す形になっていた。
ウルビダがイリュージョンボールで抜かれ、風丸がジャッジスルーで抜かれた。
「簡単には打たせないよ!旋風陣!」
「ジャッジスルー!」
「うわっ!?」
木暮の旋風陣は失敗し、ジャッジスルーによって吹っ飛ばされた。
しかし、その後クララが再びフローズンスティールで奪い取った。
ディフェンスが出来ると安心するな。
壁山がいればもっと安心感があっただろうけど。
しかし、やっとボールを取れた。
「はいっ」
クララから鬼道へとパスが回る。
今度は、こっちが攻める番だ!
それから十数分、俺が洞面のマークを抜け出して虎丸のアシストからデススピアーをもう一度打つことができた。
しかし、その後俺にマークが常時2人ついたことにより、俺はついに全く動けなくなった。
俺たちが攻めても、豪炎寺も虎丸もサーペントファングを破ることはもうできなかった。
だが、こちらも点を入れられることもなかった。
「爆熱ストーム!」
「サーペントファング!」
豪炎寺が打ち、源田がガッチリとキャッチする。
もう数回見た光景だ。
そして、そこで長いホイッスルが鳴る。
試合終了だ。
最終的に、スコアは3対0で俺たちの勝ちだ。
完勝はしたのだがやはりまだ連携がうまくいってなかったな。
何度も帝国のペースに飲まれてたし。
まあでも、楽しかったかな。やっぱり。