「さてさて・・・おっ?第二艦娘発見!すみませーん!」
どこぞのテレビ番組よろしく声をかけに行く。
「ん~なんだい?青葉か~」
「今この鎮守府の取材をしていまして、もしよければ望月さんにも取材させていただきたいなと思いまして!・・・ところで何をやっているんです?」
見ればドアに耳をくっつけて何かをしている様子だ。
「何ってピッキングだよ~」
「あーなるほど!鍵をなくしてしまったんですね?」
「ちがうちがう。ここ司令官の部屋だからさぁ。」
「・・・鍵を失くした司令官のために作業しているんですね!」
うすうすわかってはいたがわずかな可能性にかけた。
「んなわけないじゃん。パンツ(使用済み)パクろうとしたんだけど鍵かけられちゃってさ。よっしあとはチェーンロックを外しってっと」
「アウトォォォォ!ちょ!いくらなんでもダメですって!」
「え~。青葉だって盗撮したっしょ?」
「うっ!そっそれは・・・。」
痛いところを突かれ次の句が告げなかった。
「こーら!もっちー。やめてやんな。」
振り返れば深雪がおり望月の首根っこをつかんでいた。
「深雪~かたいこと言わないでよぉ~・・・」
そう言いつつもちゃんと鍵を再び閉めなおしていた。
「んで?青葉はもっちーの手伝いか?」
「ちがいますって!」
共犯になりそうなので慌てて事情を説明した。
「冗談だよ。さっきの叫び声で飛んできたんだ。でだ!あたしらこれからお昼だから手短なら答えてあげられるよ。」
取材だろ?と言ってくれた深雪さんに後光が差している気がした。
「え~めんど~。」
「ありがとうございます!それではですねこの鎮守府について思っていることから聞いているんですけど。」
「鎮守府についてねぇ・・・あたしら来て浅いからなぁ・・・。」
「まぁでもさぁ~あたしらが関わった生徒がここまで立派になって、艦娘にも慕われる存在になってくれたのはうれしいよね~。」
「まぁな!あたしも同じ意見だな!」
「なるほど!ところでお二人ってひょっとして大本営の元教艦じゃないですか・・・?」
「お!よくわかったな?」
「有名ですよ!お二方が抜けたせいで大本営が大混乱している事が今回の記事になっているくらいですよ!」
「「マジかー」」
その後あれこれとこちらが聞かれ逆に取材するどころじゃなくなってしまいました。
「これだけは!司令官さんに言いたいことを一言で!」
「「休みをとれ(とってよ~)」」
「皆さん考えがシンクロしてるんですかね?」
「いや~ここのみんな多分思っていることだよ」
因みに別れる寸前に司令官さんの盗撮写真を望月さんにせびられた。
「ないの!?」
「ないですよ!ネガは向こうで始末してもらいました。」
「そんなぁ・・・ちょっとこれ積むから撮ってくれないかなぁ」
親指と人差し指で円を作るが断りました。
何億もらってもあの人を敵に回すのは割に合わなさすぎますしね・・・。
二人と別れた時点でヒトサンゴーマル
間食休憩の時間に近いため指定された場所へと向かう。
鎮守府のある島から宿泊施設のある島へと戻ってきました。
ホテルの裏庭は西洋風の庭園となっておりティーパーティを行うにはもってこいの会場だ。
「あら?提督のおっしゃっていた取材の青葉さんですか?」
「あっはい!いつもお世話になっています!榛名さん!」
まだ司令官は来ておらず榛名さんがせっせと準備をしていた。
「どうぞ先に座っててください。もう少ししたら来ると思いますので。」
「ありがとうございます!ところで取材のほうは・・・」
「ええ。今ちょうど終わったところですのでいいですよ!」
そんなに時間がなさそうと思い、短い質問から始めたが一向に来る気配がなく、残り2つとなってしまった。
「えっとそれでは最後に2ついっぺんに行きますけどこの鎮守府について思っていることと司令官さんに対して言いたい事をお願いできますか?」
「鎮守府については私はここは楽園と思っています。私たちは戦うことが普通はメインですが、誰かを思いやる事を身につけられたのはここだからこそと思っています。」
うなずきながらメモを書き進めていく。
「提督さんについては・・・もっとお休みしてほしいなと思います。」
「みなさんおっしゃってます。部外者の私ですら思いますもん。」
ちょうど終わったところで榛名さんの持っているスマホが鳴った。
ちょっと失礼しますといい電話を取ると司令官さんのようだ。
一言二言はなし、お待ちしておりますと言って電話を切った。
「司令官さんですか?」
「ええ。ちょっとごたごたがあったから今から向かうとのことです。」
ごたごたって・・・ひょっとして時雨さんだろうなぁ。
ちょっと悪いことをしたかと思ったがオーバーワークするほうが悪いと自身を納得させた。
「いやぁすまんすまん!」
現れた提督は若干顔が引きつっており、こっぴどく言われたのだろうと言わずともわかる表情だった。
「すみません。提督と吹雪さん、時雨さんとで仕事の話が盛り上がってしまいまして。」
後ろから古鷹さんがとてもいい笑顔で現れた。
何について盛り上がったのかは皆さんお察しの事案だろう。
「古鷹さん!?」
駿河諸島鎮守府の鷹は凶暴で手が付けられない。
大本営で起きた鷹事件というのがある。
鷹が誰を指すかはもうお判りだろうが、天使のような笑顔でやることは悪魔の所業という語り草になっている。
「駿河の鷹ってもしかして・・・」
「青葉さん?」
いつの間にか後ろに回られ肩をつかまれた。
「今回はそれについての取材はお断りです。いいね?」
「アッハイ」
「それではお茶会を始めましょうか。」
なにもみなかったという顔で榛名さんが声をかけ、お茶会が始まった。
「じゃあついでで取材させてもらいますね!」
今日のお茶菓子はアップルパイ。
みんな八分の一ずつ・・・?
「司令官さん・・・四分の一はちょっと・・・」
「ああ!そうだよね?大丈夫大丈夫!」
いくら男性でも四分の一はちょっとね・・・
「あとでおかわりするからさ」
「ちょっと読めてましたけど!そっちじゃないです!多すぎないかって話ですよ!というかおかわりって多すぎですよ!」
「そう?」
そんな会話をしている間にすでに半分がなくなっている。
「もういいや・・・じゃあ古鷹さんにお聞きしたいんですけど・・・」
「あれ?これ俺聞いても大丈夫?」
「大丈夫ですよ。主に最後のは聞いていてくださいね?」
「?わかった?」
一体何だろうという顔をしているが耳をかっぽじってよく聞いてほしいものです。
・・・馬の耳に何とやらでしょうが。
特に滞りなく進行していった。(司令官さんがアップルパイ一枚分食べてたこと以外は)
「・・・じゃあ最後にこの鎮守府について思っていることと司令官さんに一言をお願いします」
「ここの鎮守府はとてもいいところです。仕事は大変ですけど提督さんをはじめ皆さん本当にいい人なので助かっています。一言については・・・」
ニッコリ笑いながら司令官さんのほうを向き
「もっと休んでくださいね?」
「アッハイ」
「ちなみに今まで取材した全員一言は休めですからね?」
「・・・善処します。」
「まだ足りませんか?」
「あっ・・・」
「少しこちらでお話ししましょうね?」
「おっといけない!もう休憩の時間は終了だ!」
時刻はヒトゴーゴーゴー
間食休憩は二時間といっていたのでもう終わりなのだろう。
「一時間業務延長しているのでもう一時間休憩も延長ですよ?」
ひょいと俵担ぎで司令官さんを担ぐと榛名さんに応接室をお借りしますと一言言って中に消えていった。
・・・合掌
遅くはなりましたがお気に入り100件突破いたしました!
皆様に読んでいただけて本当にうれしい限りです!
これからも頑張っていきますのでよろしくお願いいたします。