これははたして鎮守府か?   作:バリカツオ

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駿河諸島鎮守府の秋祭り 最終夜

健康的な生活サイクルすぎて退屈してきた

 

休みとはいえど午後は少しの仕事をしなければならない。

午後までの微妙な暇つぶしの趣味といえばと考えたが現在5連敗中だ。

ふと、自室のキッチンが目に入り菓子作りでもしようかと考えた。

しかし、あいにく間宮さんは休暇を出していたことを思い出した。

彼女はケッコンしているので夫に会いに内地へと戻っているのだろう(海軍関係者のため時折こちらに来る。)外泊許可書にサインしたのを思い出した。

材料が手に入らないのなら鳳翔さんのところへ材料の調達にでも行こうか。

しかし、彼女も今日から1週間の休暇で本土へと戻っていることを思い出した。

(鳳翔さんもケッコン済み)

先日旦那さんとお祭りへと繰り出してそのまま今日の朝に本土へと戻ったのだろう。

これにより料理の線は完全に消えた。

冷蔵庫にはエナジードリンクしかない。

窓をよじ登って仕事をすることを考えたが、ばれた時が危険すぎるためこれも却下

 

 

 

うんうんとうなりながら考えているとピピっという電子音が部屋に響いた。

音のしたほうを向くと時計が鳴っていた。

「え?もうこんな時間?行かないと!」

結局今日も考えるだけで終わってしまった。

 

 

「俺の午前中がこんな過ごし方ってどう思う?」

「最近私も同じです。」

「だよなぁ・・・。」

しっかりと手を動かしながら吹雪と駄弁る。

「つぶれてよかったと思うけどさぁ。」

「これはこれで何かもったいないなと思っちゃうんですよね。」

「そうそう。結局堂々巡りで答えなんて出ないんだけどね。はい終わり!それにしてもシステムトラブル早く直らないかな。」

柏崎曰く特急で直しているらしいが結構メチャメチャになっており、直すことよりも新システムへの移行を考えているらしい。

昨日仮復旧したため仕事が今日だけは最近と同じ量なのだ。

(書類は海上輸送のため一日遅れる)

「お疲れさまでした。あと司令官こちらをどうぞ。」

「なに?これ?」

オレンジ色の包みを開くと中からは黒色の浴衣が出てきた。

「今日は私が司令官のお供です!せっかくですから司令官も浴衣を着ましょうよ!」

「いいけど俺着方知らんぞ?」

「私が手伝います!」

執務室を出て鍵をし、着替え部屋へと向かった。

 

着付け方を教えてもらう前に吹雪が桜の散るピンクの浴衣を着ようとしたのだが俺の目の前でしようとしたときにはさすがに止めた。

先に吹雪が着替え入れ替わりに俺が部屋に入り、口頭で教えてもらいながら着替えた。

 

 

 

 

 

下駄の音を響かせながら何度目になるだろうか

屋台の列はやっている人は変わってはいるがメニューは変わり映えしない。

だが隣の吹雪はキラキラさせている。

「司令官!昨日あの屋台なかったんですよ!行きましょう!」

はしゃいでいる吹雪を見て以前にも思ったがやっぱり年ごろだなと思う。

 

 

 

「司令官これなんです?」

屋台を回っているときに懐かしいものを見た

「これはさくら棒と言ってな。ピンク色の甘い麩菓子だ。」

子どもなんかはよくこれを買ってもらうのだが難点というか楽しみという特徴がある。

でかいのだ。

短くて50㎝、長いと1mのもあるらしい。

きれいに持って帰るのは至難の業でよくチャンバラをして楽しんだ後割れた麩菓子を食べる子もいたりする。

幸い一番小さいサイズが売っていたため一本を分けながら食べることにした。

懐かしい甘い味を楽しんでいるとチャンバラをして遊んでいる駆逐艦がいた。

折れたら二刀流だ!とか言いながら遊んでいるのを見るとほほえましい気持ちになってくる。

 

 

 

 

そのまま食べ物の区画は終わり、ちょっと苦い思いをしたゲームの区画へとくる。

ゲームのは極力参加しないように努めた。

・・・・情けない姿見せたくないし

そうやってゲームを避けているとやはりというか口等には出さないが不満げな態度がなんとなくだが伝わってくる。

何かないかと考えた時、射的を思い出した。

ちょうど今日からだったはず

「吹雪ちゃん。射的やらない?」

「いいですね!やりましょう!」

少し曇っていた顔が再び輝き、胸をなでおろす。

 

射的はそこそこにぎわっており、店主が忙しそうに商品の補充をしていた。

挑戦者の大半が艦娘のため、料金は高く設定し、少し補強してあると注意書きがしてあった。

プロが相手じゃ確かに厳しいものがある。

店主も始める前にどのような補強がされているのかを説明しているところを見るに、誠実な人のようだ。

「司令官!」

吹雪を見ると少し微笑んでいるが何かを企んでいるといった雰囲気だった。

「せっかくですし罰ゲームをつけましょう?」

敗者は勝者の言うことを一度だけ聞くといったありがちな話だった。

店主に頼み景品の数を19個にしてもらい玉は10発もらった。

艦娘でも補強されているのにはかなわないのか10発撃って3~4個が平均だという

 

「私が全部取っちゃうんだから!」

先行の吹雪の一発目は景品の上の隅に充てて転がり落とした。

「やるねぇ。それ。」

俺はピラミッド状に積み上げられている景品のど真ん中に充てて崩した

その後、一発もミスることなく最後の一つの先後はじゃんけんで決めることにした。

 

 

 

 

「で。俺が先行ね。」

最後のは猫のぬいぐるみ

かわいいのだがどことなくいやな感じというか・・・

とにもかくにも上の重心の高いところを狙って落とせば楽勝

そう思っていたのが間違いだろう

 

慢心!だめ!絶対!

微妙にかすめぬいぐるみを揺らしたが結局落ちなかった。

「やったぁ!」

 

よくある話、負けてしまった。

 

 

「ぐぬぬ・・・。」

「司令官!私やりました!」

吹雪が勝ってよかったという反面、あんな凡ミスをした自分に少し腹が立つ。

「それじゃあお願いですけど・・・」

どんなお願いだろうか

考えてみるが見当もつかない

・・・仕事時間の調整(割り増し)だったらどうしよう

勝利のポイントとなった猫のぬいぐるみを両手で持ちながらこちらを向く

(あ、かわいい)

 

「私の質問に一つだけ答えていただけますか?」

「質問?」

なんだよかった

胸をなでおろした

割とマジで仕事関連(減らす以外)だったら古鷹や時雨を説得する無理ゲーをしないとならないからな

「よーし!なんでも答えてやるぞ!機密だって吹雪ちゃんだったらバンバンいったげるよ!」

「本当ですか!じゃあ・・・」

「うんうん。」

「司令官の好きな人って誰ですか?」

「それh・・・あ?」

 

 

気の抜けた声が出る

いやまてまて

こういう危機は昨日あったからふつうはしばらく来ないんじゃないのか?

だがしかし待ってほしい

吹雪ちゃんは「好き」といったのだ

「Like」か「Love」を指定していない

それならば答えようも

「その・・・慕っているという意味で・・・」

 

 

ガッデム

 

 

おいおいおいおい

どうする?どうするのよおれ?!

ポケットから選択肢のカードが出てくるはずもなく本当に詰まってしまった。

 

「えーあーあーあーどっどうしてまた?」

テンパって質問に質問で返した

だがこれで相手の様子を見ることができる

「昨日漣ちゃんが・・・」

『ご主人様ったら明石とケッコンの答えを出すのに1か月もかかったんですよ!今までと変わらず愛してくれればいいし、すぐに相談してくれればよかったのにですよ!』

「って言ってて・・・そういえば司令官は誰が好きなのかなぁと思いまして。」

 

 

 

柏崎今度会ったらすりつぶす ジゴウジトクダロJK

 

「あの・・・。今すぐでもなくていいのでいつか教えていただけるといいなって」

 

渡りに船

この一言だろうが果たして乗っていいのだろうか

 

乗ろう

罪悪感はあるがそれはずっとしてきたことじゃないか

「すまんなぁ・・・。せめてほかに何かないか?」

「じゃあ最初の頃よくしていた朝の見回りをしませんか?」

朝の見回りとは言っているが、早い話散歩だ。

着任初期は今ほど忙しさがカンストしていなかったためのんびりとパトロールがてら歩いていた。

砂浜に行くと何かしらの物が流れ着いているのを眺めるのが楽しみの一つだった。

「いいな。忙しくないときにたまにはするか!」

「はい!」

 

危機は去った(先送りにしただけ)

 

 

 

 

チッ

「おう夏木。」

「あっあらみっちゃんどうしたの?奇遇ねぇ?吹雪ちゃんはどうしたの?」

「吹雪ちゃんは今お面選んでいるから席をはずしとるよ。・・・漣をけしかけたろ?」

柏崎がけしかけるようなことを言うはずがない

おそらくほかの子に相談してみたら?

そんな感じの軽いけしかけだろう

「いつまで悩んでいるの?」

顔が変わったところを見ると冗談ではないことがわかる

「・・・・・さぁ」

「大本営の鷹を見つけるまでする気なの?」

「司令官!私これにしました!」

「はいよー!今行く!・・・鷹を狩っても俺がしたことは消えないよ。」

「あ!夏木さん!お久しぶりです!」

こちらにすでにきており会話を聞かれていないかヒヤッとしたがどうやら思い過ごしで済んだようだ。

「あら!吹雪ちゃん久しぶりね。また一層かわいくなって・・・うふふ」

きつねのお面を斜めがけした吹雪に近寄りほっぺをムニムニする。

「ひゃめれくだひゃい~。」

「うりうりうり~。五月雨ちゃんよりももちほっぺじゃない!これは発見だわ!」

「やめい!」

手を叩き落とすとあらやきもち~?なんてあやしげな視線を向けてくる

「あ!司令官!司令官に似合うと思って私お面を買ってきました!」

 

 

 

 

「・・・・」コーホー

「・・・・」プルプル

「I'm your admiral.」

「NOooooooooooo!」

「あはははははは!それはずるい!マジでずるいわ!」

 

※この後かえってほかのみんなにも見せたら予想外に受けました。




というわけで今回をもちまして秋祭り編は終了となります。
ほんとは去年に終わらせたかったんですけどね・・・。
浴衣に意味があるって知ってました?
いろいろな資料調べやらで時間をとられまくってましたwww
もう少し秋の回をやってから(こうしてずれていく)時間の修正を入れていきたいと思います。

今朝の出来事

月のEOリセットされたし2-5で勲章もらっとこ。
そういえば改二にしてから加古使ってないな・・・。
よし!今回は加古を旗艦で行こう!

加古だけ中破でこれた!ボスマス到着!

やいやいタ級とル級のこっちゃったけど大破はいないし夜戦で行けるよな
加古の連撃でタ級撃破やったぜ!
ル級のカットイン
加古撃沈


撃沈!?
「司令官信じてたのに・・・」
え?!え?!
中破で撃沈ってないんじゃないの!?
というか旗艦の撃沈もないんじゃないの?!
とりあえず運営に電話!連絡!


ここで飛び上がって目が覚めました・・・。
艦これ開いて加古の無事を確認するとマジで脱力しました・・・

時計を見たらちょうどバイトへ行く時間・・・。
加古が起こしてくれたんだろうけど・・・・もうちょっと優しく起こして・・・。
朝から精神がごっそり削られた作者でした。

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