これははたして鎮守府か?   作:バリカツオ

33 / 134
駿河諸島鎮守府の非常業務 その4

『はい。駿河諸島鎮守府!』

『忙しいとこごめん。深打です。』

『・・・電話切っちゃダメ?』

『だめ。』

『こんな時に電話かかってくるって大体想像がつくんだけど?』

『敵本隊を先ほど壊滅させたという連絡があった。』

『無視かよ。』

『だが敵残存艦隊は南南東と南西南へと2手に分かれ撤退したのだが』

『あっ・・・』(察し)

『南西南方向へ逃げた艦隊がおそらくそちらへと向かうので』

『迎撃しろって?』

『・・・うん。』

『・・・・・・・・・・・指揮系統はどっちが持つ?あと、接近予測の艦数は?』

『指揮系統はそっちに任せるよ。接近予測はもう送った。』

『はぁ・・・指揮は吹雪に任せるけどいいな?』

吹雪を手招きし、紙に戦闘準備、連れていく艦は任せると書いて渡した。

うなづいて呼び出しのために内線をとった。

『君がとらないのかい?』

『俺が下手なの知ってるだろ?』

『・・・うそつき。』

『どっちだか。わざと分断してこっちに向かうようにけしかけたんじゃないだろうな?』

『それは・・・』

『まぁいい。今度来たときは電君にも合わせてくれや。じゃあな。』

 

 

何やらまだいってはいたが山風に受話器を置かせた。

「よかったの?」

「いいんだよ。さっ!これで終わりっと!」

書類を決裁済みに叩き込み、背伸びをしながら敵艦隊の情報をコピー機に取りに行く

 

 

 

 

敵残存一個小隊

 

戦艦 1隻

重巡 1隻

駆逐 4隻

迎撃推定域到達時刻 15:00

 

 

 

「司令官!準備できました!」

2枚の紙を下すと吹雪、川内、古鷹

この三人がいた。

「ご苦労。秘書艦吹雪!」

「はい!」

「ただいまより、駿河諸島鎮守府第一迎撃艦隊及び鎮守府軍事指揮権を敵艦隊撃滅まで貴艦に預ける。」

「謹んでお受けします!」

「私は作戦遂行まで補佐として回る!以上だ!」

 

 

形式だが一応やらねばならないためやり終えると

 

 

「・・・似合わんね」

「似合いませんね」

敬礼を終え手を下すと事情の知らない山風以外はみんな苦笑いをしていた。

 

 

 

 

「吹雪司令代見つけたでぇ!」

龍驤が執務室に航空写真を持ってきた。

「ここや!」

昨日散々考えていた海図の一点を指さした

そこは、予想到達点より少しこちらよりだった。

不気味に感じたが原因はすぐにわかった

「あっ!暖炉の煙!」

 

 

暖炉で燃やしたのは薪ではなく紙

すすを大量に含んだ煙が高々と上がったおかげで相手さんの目印になってしまったのだろう

索敵の時間が省かれたおかげで少し速くなっているのだ。

「どうします?」

「まぁなんとかなるら~。吹雪ちゃんにお任せするよ。」

「了解です。じゃあサクッとやってきますね。行きましょう!川内さん、古鷹さん!」

「ブッキー夜戦は~?」

「帰ったらたっぷりありますよ?」

「・・・それ以外でお願いします。」

きれいな土下座を決めたが、古鷹に起こされる

「さぁさぁ行きましょう?急がないとこっちにちょっと近い点で交戦になっちゃいますよ。」

「あーちょい待ち!吹雪ちゃんこれ。」

出撃していく吹雪達を呼び止め先ほどの編成表などを渡した。

「・・・了解しました!では!行ってまいります!」

 

 

 

 

「チィ!イマイマシイカンムスドモメ!」

「ルキュウサマ!マモナクテキハクチノゲイゲキタイガクルトオモワレマス!」

「フン!シテ、カンタイノナイヨウハ?」

「ジュウジュンイチ、ケイジュンイチ、クチクイチ、キカンハクチクトオモワレマス!」

「ウフフ。ドウヤラテキノカンタイハゼンブアッチニイッタヨウネ。ミセシメニ、ナマゴロシデジブンタチノハクチガキエテイクサマヲミテモラオウジャナイ。ツイデニアソコニユウグンノハンノウモアルワ。タスケダシテサシアゲマショウ。」

「イイアンデスネ」

「ソロソロワタシノシャテイニハイルワ。」

主砲準備を始めた時、先行していた駆逐が突如2隻爆発を起こし、海の中へと消えた。

「ナニ!?センスイカン?」

「イエ!オソラクテキカンタイガエンポウデハナッタギョライカト!」

「ツイテナイワネ!テイジニモッテイクワ!マダカズハカッテイル!」

進路を左に切ったところル級の右に強い衝撃が走る

見ればまたしても魚雷

先頭にいたはずの駆逐がいなくなっている

「チィ!ドンダケアイテハツイテイルノヨ!コウナッタラカタサデオシテヤルワ!」

「テキカンタイミユ!クチク、ケイジュン、ジュウジュンノジュンノタンジュウジンデキマス。」

「ケチラシテクレルワ!シュホウ!ウテ!・・・・ハ?」ドゴン

 

 

 

自分の身に何が起きたのかわからなかった

自慢の主砲は粉砕されており、すでに機能していない

重巡の弾が当たってしまったのか

本当に厄日並みについていない

 

内心舌打ちをし、旗艦の駆逐艦を狙って再度照準を合わせる

が、先に駆逐艦に撃たれた

見る限り撃った瞬間にぶれているように見える

そんなもの蚊に刺された程度だと振り払えるはずだった

 

 

 

砲塔に命中後暴発

一番装甲が厚く、駆逐の主砲じゃ貫けないはず

改造された主砲か?

それにしたっておかしすぎる。たった一回の砲撃では戦艦である自分の装甲は貫けないのに。

とにかく反撃の手段がなくなった

助けを求めようとリ級を探すがどこにもいない

再度前を向いたとき、爆音と共に目の前は真っ暗になった

 

 

 

 

 

戦闘報告書

 

駆逐イ級 2隻 撃沈

駆逐ハ級 2隻 撃沈

重巡リ級 1隻 撃破

戦艦ル級 1隻 撃破

 

シャングリラ船団南西南残存艦隊撃破

 

被害

 

なし

 

消費弾薬及び燃料は次ページに記載

 

 

 

 

 

「はいお疲れさま~。」

「演習以外の実践は久しぶりでしたからちょっと緊張しました。」

時刻はフタフタマルマル

それぞれの部署の仕事の今日のめどがついたため、帰って行った。

吹雪からの報告書は戦闘報告書にサインをして決済箱に、消費資源についての計算を始める。

「意外に消費資源少ないね?」

「最初の牽制魚雷で1隻だけ落とすつもりだったんですけど読みがドンピシャで3隻も落としちゃったんです。」

「あー。それであとは淡々と・・・。」

苦笑が返ってきたということはその通りなのだろう

 

「ちょっと怪しい動きしやがったからふうの奴に吹っ掛けてやろ」

「深打さん泣いちゃいますよ?」

「いいのいいの。1.2倍+特急料金請求してやる。」

ひっくり返るぞあいつ

ちょっと悪い顔をしながら電卓をたたき始めた時、右側でドアの開く音がした。

 

はて?そこは隠し扉のはず

 

見ると寝間着の山風がいた

「提督・・・。」

 

まさか・・・

 

「そろそろ、寝よ?」

 

これから毎日来るのか?!




初めての戦闘回・・・・相手の描写でほとんどごまかしてますけど許してくださいなんでも島風。
ちなみに次の戦闘回はいつ出るのか全く予定を立てていません。
最近やっと他作者様の小説を見る余裕ができるようになって来たり・・・。


タービン&缶の改修コスト高すぎぃ!
零水偵の更新だけで今いっぱいいっぱいなのにネジ5本とかぶっ飛びすぎでしょ・・・。
睦月ちゃんの家具を買って並べていたら山風ちゃんが寒いとのことでしたのでうちは机だけこたつになりましたw

あと吹雪ちゃんの限定グラもっとこい

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。