これははたして鎮守府か?   作:バリカツオ

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駿河諸島鎮守府の決起 その1

いつもの書類を書きながら片手で頭を支える

「大丈夫ですか?司令官?」ケホッ

「いやー。ちょっと眠くてね?吹雪ちゃんこそ咳してるみたいだけど大丈夫?」

「大丈夫ですよ。お昼に食べた魚の骨、あれがどうものどに引っかかっているっぽくて・・・。」

苦笑して返した

「加古のとこで取ってもらったら?」

「大丈夫ですよ。それに今は作戦も近いですから今抜けて司令官だけに負担をかけるわけにもいきません!」

「そう?無理しないでね。」

お互いに書類に向き合う

いつまでたっても減りそうにない書類を前に頭がくらくらする。

比喩表現ではなく本当にしてきた

(・・・やっぱまずいかな?)

眠いだなんて全くのウソ

先ほどからどうも距離感がつかめず書類を取り間違えたりしているのだ。

頭がぼーっとする

どうやらそこそこ熱があるようだ。

 

(休めるいい口実なんだがそうもいかないよなぁ・・・)

 

普段休みたーい!なんて思ってたりするがいざこうなると休みたくないという意地が芽生える。

ちらりと隣の吹雪を見るとまた少しせき込んでいる。

おそらく先ほどの魚の件は嘘だろう

顔もいつもと違い赤く熱っぽそうだし間違いない。

幸い俺は仕事がギリギリ出来ているし、帰しても問題ないだろう。

「・・・吹雪ちゃん。」

「はい。なんでしょうか?」

「風邪ひいているでしょ?」

「・・・・司令官が風邪をひいているのでは?」

「いやいや。俺は元気よ?どう見たって吹雪ちゃんの顔赤いよ?」

「司令官こそ。」

「だーめ。とにかく今日は休みなさい。」

「いーえ。司令官こそ今日はお休みになってください。」

互いに一歩も譲らず作業を進めていく

が、ミスがひどくなり手前の資料をとったつもりが奥の資料をとってたり、字がゆがんだりし始めた。

吹雪は間違いこそしていないものの、作業スピードが目に見えて落ちていた。

「しかたないか・・・。今日は残業なしで定時にしよう。」

「・・・・そうですね。それまでにはこれらを終わらせないと。」

すでに窓口は閉めてあるため、追加の書類は来ない。

食欲もないし終わったらこのまま寝よう

そう思い作業を進める

 

 

10分くらいたっただろうかいや30分だろうか

時計を見ると1時間経っている。

時間感覚までマヒしてきたようだ

ふと隣から聞こえてくるはずのペンの音かキーボードをたたく音が聞こえない

見てみれば吹雪が机に突っ伏していた

「吹雪ちゃん?!」

思わず椅子から立ち上がり、抱き起こして額に手を当てる。

しかし、自身も熱が多少あり判断できないことに気付き、とりあえずソファーに寝かせようと抱き上げた。

フラフラとしながらソファーに寝かせ、隠し扉から自室の毛布をとってくる。

 

「・・・!」

平衡感覚がだんだんとつかめなくなり、吹雪に布団を掛けたところでぺたんとへたり込んでしまった。

立ち上がろうにも手に力が入らず、ズルズルと床に倒れこむと意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

目が覚めると木の天井に大きく丸いしみが見えた。

この間の雨漏りの跡ということは自分の部屋らしい。

辺りを見回すと窓はすでに明るい事と点滴が見えた。

点滴はご丁寧に利き腕の右腕に刺さっていた。

起き上がると部屋にはだれもおらず、静まり返っていた。

「!やば!」

慌ててベットから降り、点滴のスタンドを引いて隠し扉へと向かう

昨日サインしていないものの中に明日に本土への定期回送する輸送船の書類があったことを思い出した。

近々の作戦で重要なものの一つだ。

「・・・ですよね。」ガチャガチャ

当然カギはかかっており、ドアノブが回る気配はない

仕方なく通常の入口へと向かう

そっと開けてみると幸い誰もいなかった。

室内を見渡し、時計を見るとマルロクヒトサン

おおよそ12時間近く寝ていたことがわかる

机の引き出しからスペアキーを取り出し、執務室へ入る。

部屋の書類はそのままになっていた。

急いで決済すればまだ間に合う

そう思い踏み出そうとしたとき、腕をつかまれた。

「「何をしているの/んだい?提督?」」

振り返ればうちの白露型2人

山風と時雨が穏やかな笑みをしていた

 

 

 

 

「ほんとにもう!びっくりしたんだからね!!」

隣の島の旅館 提督の間

川内がむっとした顔で怒っていた

「いつもの夜戦(警告)をしに行ったら二人して高熱、しかも提督に至っては何も掛けけずに倒れているんだもん!!」

「めんもくない・・・。」

「すみません・・・。」

吹雪はだいぶ良くなったのか椅子に座って、提督は布団から起きた状態で説教を受けていた

「提督が・・・死んじゃうかと思った・・・。」

山風は先ほどから抱き着いたままむくれていた。

「すまんって。そんなに寝ていたか?」

「まさか丸一日寝たままとは思わなかったからね。」

時雨から衝撃的なことを告げられた。

はいおかゆと言って渡されたが思考停止してそれどころじゃなかった。

「・・・・え?」

「ずっとうなされたまま・・・起きなかったんだよ?」

「じゃあ輸送船団は?!」

「提督?」

底冷えするような声は先ほどおかゆを渡してくれた時雨でもなく、ポコポコと目の前で怒っている川内でもなく、先ほどから抱き着いている山風から発せられたものと気づいた。

「どうして倒れたのかわかる?」

「あー・・・えっと。」

 

 

半泣きの状態山風から当たり散らすような説教中

 

 

「山風もその辺にしておこう?」

おとなしい子ほど爆発のエネルギーがすごいというがよもやここまでとは

「ってかその・・・古鷹さんとかは?」

「それも含めて説明するよ。」

 

 

 

 

 

俺たちが倒れた後

鎮守府の総指揮権は吹雪も倒れてしまったため第二順位の川内がとることになった

取りあえず遠征隊の決済ができないため鎮守府は臨時停止。

そして龍驤を全権とし、護衛に古鷹、深雪、望月を大本営に派遣

現在3~5日程度の鎮守府全面休業と負担軽減の確約の協議中とのこと

大本営では緊急会議が開かれることとなり、間もなく始まる。

 

「ちなみに今は臨時停止を全鎮守府に通達しているからうちにはだれも来ないよ。」

「そっか。でも早めに再開をしなきゃ・・・」

「提督。そういうのは治ってからだよ?」

困ったように眉を下げられてしまい、何も言えなくなってしまった。

「吹雪お姉ちゃん。行こう?」

「え・・・でも。」

「調子がちょっといいだけでまだ寝てなきゃ・・・。」

吹雪は迷っていたが先ほどの剣幕が頭をよぎったのだろう

ひと声かけると退出していった。

「何度も言うのはあれだと思うから言わないけどさ。こういうのはこれっきりにしてよ。」

「・・・・。」

「会議の内容次第なら僕らは行動を起こすからね。」

「え?」

「3度も4度も経験するだなんて僕はごめんだからね。」

そう言い放って部屋を後にした。

 

「川内!いったい何を指示したんだ?!」

「・・・もし全面停止、負担軽減が受け入れられなかった場合は今後一切の資源供給のストップ。それとともに駿河諸島付近への接近を禁止。場合によっては同士討ちも許可しているよ。」

「それって!」

「大本営と一戦交える覚悟だよ。」




メンテナンス始まりましたね!
運営のアイコンも松風の画像の一部がちらちらと・・・
燃料、弾薬7万5千、鉄19万、ボーキ6万5千、バケツ650!
・・・レベリングと並行してたから仕方ないね。
潜水艦がドロップだからしおいちゃんもドロップするはず!
最後のしばふ艦をなんとしてでもゲットしたい!!
(あわよくば磯風や卯月ちゃんやプリンツもほしかったり・・・)

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