「駿河諸島鎮守府の全面停止ぃ?いったいどんなことで呼び出されたかと思いきやそんな下らんことか。」
「全くですな。軍人が熱ごときで休むとはばかばかしいにもほどがある。」
「須下はどうした?あいつはまだ来とらんのか?」
大本営第2会議室
コの字型に組まれた白い席には幾人もの幹部たちが勢ぞろいしている。
少し離れたところに龍驤、古鷹が並んで座り後ろには深雪と望月が立って待機していた。
みな一様に雑談はしていたが、その中の一席だけあいていた。
「須下中将は現在北方海域調査のために来れないとのことです。」
「なんだ。じゃあしょうがないな。結論から言えば却下。以上だな。」
でっぷりと肥えたブタのような男とその隣に座るひょろ長い男
階級肩章はそれぞれ大将と中将だ。
「いやちょっと待ってくれ。さすがにそれはまずかろう。」
桐月大将が待ったをかけた
「その通りだ。奴の勤務実態表から見ても最近までかなりの無茶を我々がさせてしまっている。作戦の規模を中規模から比較的小規模にランクダウンすれば本土の備蓄を使うことなく問題なく遂行できるだろう。」
砂安中将が具体的な提案をする。
「それはどうでしょうな。自己管理で無理なら無理と言えばいいものをできないようなやつにかまっているひまなどないのだがね?」
正論ではあるが、今まで増員の要望を却下し続けてきた大本営の責任は棚上げした発言だ。
「それに簡単にランクダウンと言ってはくれますがね。たかが中佐一人と一隻のために変更されるようではおかしいではないか?どうなんです?深打代理?」
「確かに困りますけど・・・」
深打は困った顔をしていた。
本来なら自身の上司が来るはずだったが急なことであったためこれない。
しかし作戦部の者がいないわけにはいかないということで階級が一番高いものが代理として出席していた。
一方離れた席で耳をふさぎたくなるような提督への罵詈雑言に古鷹は無表情だった
だが小刻みに震えながら、落ち着くために水を飲んだグラスを握りしめていた。
それを龍驤が目で牽制をしていた
(まだあかん。もう少し待て。)
(・・・そろそろ限界なんですけど。)
(ま~落ち着きなって。どっかでああいうやつはぼろ出すからさぁ。)
(その時にスペシャルフルコースをお見舞いしてやろうぜ。)
「そうだろう?いい加減あんな自己管理もできないようなやつなぞ予備役なり最前線なりに送って。もっと優秀な人物を置くべきじゃないか?」
「全くです。作戦課程の落ちこぼれなやつよりもっと優秀なやつはいるでしょう。」
「そもそもなぜあんな・・・誰だったか?まぁいい中佐ごときにあの島を全部くれてやったのだ。あそこは国が直轄してしかるべきだろう。」
「いっそ中佐には永遠のお休みでも差し上げますかな?作戦の足を引っ張った無能ということで処刑してしまった方が手っ取り早い。」
そうだそうだという声が左側に座っている声が上がる。
「それは妙案だ。半官半民のめんどくさい統治機構ではなく国有地にしてしまえばこんなことも起こらなくて済むしな。」
どうやら左側に座っているのがタカ派
右側に座っているのがハト派らしい
正面にいるのは来ているカーキ色の軍服からして陸軍の大将と憲兵隊長の2名
陸軍の大将はおろおろするばかりであてになりそうにない
憲兵隊長と桐月大将、砂安中将が中心となって反論しているが旗色はよくない
以前世論はハト派寄りと言ったが幹部もハト派寄りとは限らない
タカ派の方が若干2~3人多いのだ
このまま決議を行った場合、否決は確実だろう。
困ったことに提督自身にも非があるため、ハト派ももろ手を挙げて賛成はしてくれないのだ。
それをいいことにタカ派の提督に対する罵詈雑言はどんどんと勢いを増した。
古鷹のコップを握る力は強くなり、龍驤の眉間のしわはより深く、後ろの二人は目をつぶってこの中で冷静さを思わせていたが殺気が飛び始めていた。
「ついでだから深海側の間諜にして処刑してやれ!」
「!」バリン
ついにコップが割れた。
誰の言葉かわからないがタカ派のヤジで限界を迎えた
一瞬静まり返ったがすぐにまた騒がしい空間へと逆戻り。
どうやら否決の意見が通りそうだ。
「幹部会の意見としては否決ということかいな?」
見かねたのか限界だったのか・・・
どすの利いた声で龍驤が会議の結論を急かした。
「否決もくそもないだろう。こんな問題はなから存在しなかった。後任の指令の準備をしておくから貴様らはとっとと帰れ。永遠の休暇をやると中佐に伝えておけ。」
手のひらをひらひらとし、追っ払う仕草をした
「そうかい。じゃあ残念やけど・・・うちらはこれから全鎮守府及び大本営への資源の供給はやめさせてもらうわ。うちらの島の近海の航行も禁止や。許可もなしに近寄ったら・・・わかるな?」
言い放った瞬間水を打ったような静けさとなった。
「はぁ!?いったいどんな権限が貴様ごときにあるというのだ!」
「うちはこの会議の全権だし、うちの司令官代理が決めたことや。」
「ふん!艦娘ごとき提督の代理が務まるか!貴様らはただの駒なんだから意思など聞く必要もないわ!」
激昂し、荒々しく立ち上がると龍驤に近づき殴り飛ばした。
「いったいなぁ~。でも・・・先に殴ったな?」
「何を・・・」ボグ
「暴徒の鎮圧をいたします。龍驤さん許可を」
「良いで古鷹。思いっきりやったれ。」
龍驤が不敵に笑いながら親指を下に向ける
うつぶせに固定し、腕を背中に回すと肩の方へ思いっきり上へと上げ、反撃ができないようにする。
肩が外れそうな痛みに地面をたたきながら喚く
「何をするのかね!」バッ
「おっと!」
ブタの隣にいたひょろ長がブタを解放させようと腰につけている銃を抜こうとしたが、なぜか抜けなかった。
「君も暴徒か~。しょうがないねぇ。取り押さえさせてもらうよっと。」
「深雪様の鎮圧術をくらえ!」
抜けなかったのは望月が銃床の部分を抑えていたのだ。
深雪と望月がひょろ長の腕を片方ずつつかむと床へたたきつけ取り押さえた。
「憲兵隊長!こんな時に何をぼさっとしとるか!」
ブタが痛みのあまり悲鳴を上げながら喚きたてる。
「ああ!失礼。」
目の前の突発的な出来事にあっけにとられていた憲兵隊長が立ち上がり、実行犯の下へと近づき、手錠を取り出すと掛けた。
ブタとヒョロに
「!なぜ私にかける!!」
古鷹からようやく解放された腕についている手錠に驚きさらに喚く。
「大本営新軍規第5条 艦娘は軍人とほぼ同等の権利を有する。お忘れですか?」
「そんなのわしには関係ない!大将だぞ!"ほぼ"のところに性のところは明記されていても制裁についてなんて明記されとらんだろう!」
「龍驤さんは提督の代理人。解釈上は提督と同じです。そもそも先に挑発したのはあなた、手を出したのもあなた。艦娘は暴徒鎮圧のためのやむ負えない武力行使。杉蓋大将、骨田中将、あなた方を暴行の現行犯で逮捕させていただきます。」
「くそがぁ!」
「ちくしょうどもめ!」
「うんわかった。提督に伝えとくよ。」
駿河諸島鎮守府執務室
入口には臨時休業の看板がかかっており、いつもここにいるはずの主は今は隣の島にいる。
川内は受話器を置くと椅子に深く腰を掛ける。
椅子の主の残り香がわずかにすると笑みがこぼれた。
ファイルから外出許可願と外泊許可願を3枚づつ取り出すと、サインをして決済済みに放り込む。
外からチャイムの音が鳴り、お昼を告げる
「今日は時雨に譲ってあげますか。」
椅子を窓に向け、隣の島を見やった。
そして椅子から立ち上がり、日めくりカレンダーの方を2枚つかみ破り捨て、日付を22から24に変えて退出した。
イベントのE-1でいまだに掘り作業中の作者です。
一発目にいきなり鹿島さんお迎えできて大興奮でしたがその後50連敗ぐらいして心が折れかけました。(秋イベの時もE-1で浦波引いた後同じ現象に陥りましたw)
幸いユーちゃん拾えて少し癒されました。
その後谷風(何故か2回も引く)、浦風(もう持ってる)、浜風は来るのに磯風が来ない・・・。
現在も丙堀敢行中です・・・。(乙か甲攻略予定)
というかE-3の分解彩雲がボスマスに行けないか輸送失敗すると消えるのがバグなのか仕様なのかわからない事態に震えていたり・・・。
運営の発表とネットの情報待ちですね・・・。