執務室に戻ると時雨がソファーに座っていた。
「提督。今日の書類だよ。」
いつもなら抱えて持たなければならないくらいの量だが、今日はほんの数枚だった。
「ありゃ?こんな少ないのか?」
「実は今日来るはずだった2つの艦隊のうち1つがキャンセルになってね。補給部も暇だからこっちで処理できる書類は全部処理させてもらったよ。」
「そいつは助かった!ありがとうな時雨。この枚数ならすぐ終わるよ。」
吹雪にお茶を淹れるように言おうとしたらすでになく、給湯室に行ったようだ。
「おっしできた。」
「お疲れ様です。司令官!」
「お疲れ様。提督。」
特に添削等もいらず、読んでサインするだけの書類だったのであっという間に終わった。
「これで今日は終わりだね。」
時間を見ればヒトゴーサンマルいくらなんでも終わるには早すぎる。
「そういうわけにもいかんさ。吹雪ちゃん書類でやらなきゃいけないのってある?」
「えっと・・・ちょっと待ってくださいね。」
吹雪が手帳を取り出し自身の机に向かう。
「58日後の艦隊大演習の補給関連の書類がありますね!」
「よし!じゃあ早速「君には失望したよ」・・・・時雨さん?」
「提督、吹雪。君達には失望したよ。」
机の前では有無を言わさぬオーラをまとった時雨がいた。
「いや・・・でもなぁ・・・終わるにはまだ早ぃ「今日は終了だよ」・・・ブッキー」
「時雨ちゃん流石にもう終わるのは「今日は終了」」
「今日は営業終了いいね?」
「「アッハイ」」
余りの勢いに思わず二人で返事してしまい。そのまま執務室を追い出された。
「・・・・どうするよ?」
「・・・・・・どうしましょう?」
趣味がないというわけではない。しかし、この中途半端な時間でできる時間つぶしの術は思いつかないのだ。
夕食まではまだ時間がある。
「久しぶりに間宮でも行こうか・・・・」
「そうですね・・・・」
「いらっしゃいませ・・・!」
「此処でも驚かれるか。」
「すみません!久しぶりにお見かけしたなぁと思いまして・・・」
「すまんすまん。鳳翔さんにも驚かれたからつい口に出ちゃったんだ。」
店内は誰もいない。あと一時間ほどしたら間宮は夕食で抜けてしまうため閉店するのだ。
メニューを開けば最中や羊羹の和菓子やケーキ、シュークリームなどの洋菓子もある。あべかわなんてのも書いてあり、思わず懐かしくなった。
「司令官はどうしますか?」
「ん?そうだなぁ。」
しかし、あべかわは今度にしてメニューを見る
「パフェにしようかな。」
「・・・夕食前に大丈夫です?」
「・・・・・まぁいけるら。」
吹雪はアイスを注文し、間宮に伝えるとものの5分もしないうちに来た。
「はや!」
「仕込んであった最後のなんですよ。あとこれはおまけです。」
別で、注文していないあべかわを持ってきた。
「いいのか?」
「ええ。この1か月前後お疲れさまでした。ちょっとしたお祝いです。」
いたずらっぽく微笑みながら。厨房へと戻っていった。
久しぶりの甘味・・・
思えばここ最近のおやつはエナジードリンクだった気がする。
・・・・・やめようあの地獄は・・・・・・目の前のひと時の天国を味わうのだ。
「間宮さんまだ大丈夫?って提督じゃん珍しい!」
「お仕事はもう終わりですか?」
パフェを半分くらい食べたところで古鷹と加古が入ってきた。
「ああ。時雨が書類をあらかた片付けてくれたおかげでな。」
「そういえば今日は一つキャンセルの連絡が入ってましたね。」
そういいながら俺たちの座っているテーブルに着く。
「提督大丈夫か?見ない間に結構やつれた感あるよ。」
吹雪の隣に座った加古は少し心配そうに顔を覗き込まれた。
「本当ですよ!今日いらしたときに久しぶりなこともありますけどやつれた感じにもびっくりしたんですよ。」
いつの間にか間宮がおり手痛いことを言われた。注文を聞き、再度厨房へと戻っていった。
「まっまあこれからしばらくは暇だしね・・・。無茶はしないよ。」
「とかいって1か月以上先の仕事しようとしてたんじゃない?」
「「ビクッ」」
「もー加古ったらまさか提督がそこまで自分を追い込むはずがないでしょう?・・・吹雪ちゃんやってないよね?」
「え?!あーえーそのー・・・」
とっさに俺に目を向ける
やばい
古鷹のほうを向けない。加古のほうに助け舟を求めると目をそらされた。
あっこれあかんやつ
「て・い・と・く?」
「アッハイナンデショウフルタカサン」
「まさか本当にやろうとして時雨ちゃんに執務室追い出されたとかじゃないですよね?」
「そそそそそのようなここことがござござございませんよ」
古鷹は怒らせると説教が長い。
なんとしてでもそれだけは避けねばならないが、吹雪は沈黙、加古はわれ関せずというか下手すると加勢の可能性あり、ならばこれは最後の希望は間宮さんが注文したものを持ってくることだ!
「提督さん?こっちを見て言ってください?」
ダメか!
そうと思ったが視界の端に間宮の姿が見える。
おお!女神よ!
そう内心ガッツポーズをしたが、どうやら様子が変だ。
こっちに来るわけではなく何か手をプラプラさせている。
加古が席を立った。
これはまさか・・・・
(これ注文の品よ。)
(ありがとうね気を使ってくれて。)
(いいのよ。たまには自分のことに気付いてもらわなきゃ。)
神は死んだ
「古鷹ーそろそろやめときな。」
「加古からも何かないの?本当にもう!」
「提督も吹雪も、自分の体調にさえ気を付けてくれればいいからさ。」
結局、閉店10分前まで説教が続き、ようやく加古から救いの手が差し伸べられた。
「んー・・・とりあえず自分の体だけは気を付けてくださいね!」
「「はい・・・」」
「それにさ。次こういうことがあったら強制的に隣の島で休暇を取ってもらえばいいんだよ。」
おいこら待て。今さらっととんでもないことが聞こえたぞ。
「その手がありましたか!では提督に吹雪ちゃんそれでいいですね?」
「「そっそれは流石にまz」」
「い・い・で・す・ね?」
「「アッハイ」」
俺と吹雪は赤べこのように縦に首を振った。
なんでか知らないけどデータが吹っ飛び急遽書き直しました(笑)
ちなみにあと1話で閑散期シリーズは終わりの予定です。(日常の倍って…)
E-2突破!・・・・丙ですけどね。
弾薬が2万前後しか備蓄してないのに8000吹っ飛んで禿げそう・・・。