これははたして鎮守府か?   作:バリカツオ

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駿河諸島鎮守府の代理 その1

「それじゃあ頼んだよ。」

「はい!提督も吹雪ちゃんも楽しんできてくださいね!」

「何かあったらいつでも電話くださいね?」

そういいながら提督と吹雪は本土に向かう飛行機へと搭乗していった

 

 

 

 

話は昨日までさかのぼる

 

 

 

 

「はい。駿河諸島鎮守府・・・ああ・・・・・・・はい?明日ですか?・・・・・ええ。いやでも・・・」

定期報告書を届けに入室した古鷹を出迎えたのは、少し困ったような顔で電話をしている提督だった。

二人の判子が必要なため、古鷹は先に吹雪にチェックをお願いする

「・・・はい!大丈夫です!」

書類を受け取り、速読で読むと判をついた

「いやまぁ・・・そうっちゃそうですけど・・・・ええ?」

「提督どうしたんでしょうか?」

「最初の'ああ'の具合からして大将だと思いますけどね。」

「大将ということは物資の増産とかかな?」

そうなってくると古鷹の部署は一番忙しくなる

念のため、ポケットからスマホを取り出す

「多分違うと思いますよ。増産の場合は司令官はスマホで最初の指令飛ばしますし。」

「うーん・・・わかりました。ちょっと吹雪ちゃんや他の皆と相談します。はい。それでは失礼します。はい。」

難しい顔をして提督は受話器を置いた

椅子に深く腰を掛けると大きくため息をついた

「提督?何かありましたか?」

「古鷹か・・・。吹雪ちゃんも聞いてくれる?」

 

提督曰く

以前大将が持ちかけたペア将棋の大会が明日開催されるとのこと

せっかくだから吹雪も誘ってきたらどうだろうかという打診だった

本土から遠征の艦隊や融資の予定を鑑みて決めてくれたらしい

 

 

 

「せっかくの大将の気遣いでもありますし参加してはどうですか?」

「あー・・・古鷹さん・・・それがですねぇ・・・。」

事情を聴いた吹雪が微妙そうな顔をする

「川内は任務で島を離れている。龍驤は昨日から4日間有給・・・つまり提督代理をできる人がいないわけよ。」

「そうですね・・・。司令官と誰かほかの方で行ってきてはいかがですか?」

「うーん。そこまでして行きたくは・・・・・・ねぇ?」

仕方ない、断ろう

そういって先ほど置いた受話器を持ち上げようとした時

「私じゃダメでしょうか?」

古鷹が進み出た

 

 

 

提督代理を務められる人が増えれば、提督や吹雪ちゃんの休みの取得向上につながる

そう考えた古鷹は立候補したのだ

かつては加古がその対象だったのだが、なぁなぁになってしまった結果今の今まで、流れてしまったとのこと

 

もちろん提督も吹雪も反対した

もっと手順を踏んだ上で、何かあった際のバックアップなどをしてからと考えていた

 

しかし、そこは古鷹

去年の有給所得率&休日出勤率を引き合いに出すと二人は沈黙し、首を縦に振らざるを得なくなった

 

 

 

「一応今日は融資会談もないし、遠征隊も花見が近いせいか少ないから仕事もあまりないとは思うけど処理しきれなかったら残してくれていいからね?」

搭乗した飛行機から心配になったのだろう

吹雪が後ろについて乗った後、顔を出して言った

「大丈夫ですから!心配しないでください!」

よく見ると吹雪も心配そうに戻ってこちらを見ていた

「もう!出しちゃってください!」

係員に苦笑いされながら二人は機内へと押し込まれた

まもなく、機体は滑走路へと侵入して離陸していった

 

 

 

「失礼しまーす・・・あれ?古鷹さん?」

「あ、阿武隈ちゃんお疲れ様。今日の報告書?」

「はい。あのぅ・・・提督は?」

報告書を未決済のボックスに入れると部屋を見渡した

「今日は臨時で吹雪ちゃんと休暇に入ったよ?」

「それはまた急ですね・・・。じゃあ川内さんや龍驤さんが代理ですか?」

「二人とも出張と有給でいないから私がやることになったの。」

「そうなんですか。もしよければ手伝いましょうか?私は夕方の潮流検査までは特に忙しくないので。」

「本当に?!助かります!」

以前の提督が処理していた量よりは少ないが書類の山があった

マニュアルと照らし合わせながらやっているため、スピードもなかなか上がらない

時雨や山風等ほかの人に応援を頼もうかと考えたが、見事に空振り

補給部は年度の変わり目で台帳の書き換え作業がピークに達しており、手が空いている人はみなそちらへと行ってしまっていた。

一番頼りになる加古は、提督の健康診断の資料を午後から本土の軍病院へと持っていくため頼れなかった

「やっぱりもうちょっと大将に詰め寄ったほうが・・・」

「古鷹さん?どうしましたか?」

「ああいえ!じゃあこれくらいをお願いできますか?」

試しに、本一冊程度の書類を渡した

「書類仕事もやったことがあるのでまだまだいけますよ!」

「え・・・?」

そういって、国語辞典くらいの厚さの書類を持って吹雪の席に座った

 

 

 

 

 

「すみません・・・・・・・。」

「大丈夫ですよ!ちゃんと最初の分まではやってくれたので助かりました!」

吹雪の机で阿武隈は突っ伏していた

横には先ほど持って行った書類の半分が残っていた

 

現在時刻はヒトサンマルマル

 

「うちの書類をやったことがないのにここまで裁けるなんてすごいですよ?」

「でもできなかったことに変わりないです・・・・・。」

自慢の前髪も心なしかしょんぼりとしてしまっている

「いいえ!阿武隈さんがいなかったらここまで処理できませんでした!本当にありがとうございます!」

「そっそうですか・・・?・・・・・・えへへ」

再度褒められると、照れくさそうに阿武隈は顔をあげて笑った

毎日毎日ひたすら仕事をこなしていたせいか、褒められなれていないようだ。

「力になれたのならよかったです。」

阿武隈は背もたれによっかさった

「それにしても古鷹さんもすごいですけど提督さんもすごいですね・・・こんな量を毎日裁くとは・・・」

「実はなんですけどね?」

 

古鷹は今までの提督の経緯を説明した

 

「・・・なるほど」

「阿武隈さんももしよければ提督のことを・・・」

「わかりました。なるべく注視しておきます。」

固い握手を交わすと、二人は昼食を食べに食堂へと向かった

 

 

 

 

提督労働監視艦の3強が誕生した瞬間でもある

 




今回のはちょっと連番ものです
と言ってもあと1話か2話程度で今回は導入編に近いんで内容が若干薄め・・・
古鷹と阿武隈一回絡ませてみたかったんや・・・

イベントは中規模!
やや大き目ってぜったいWゲージ複数用意してる感じじゃないですかヤダー!
といっても実際うちの一番の問題は札だったリします
勲章を最大数(甲種勲章以外)でに入れるには乙以上が必須ですからそこがなんとも悩ましい・・・
あと護衛空母が来るらしいですね
個人的予測だと大鷹かな?
報酬で基地航空隊の飛燕が配布されるかも?


鈴谷可愛い!
けどかなり凶悪な改二だった・・・
設計図2枚とか誰が予想して誰得だよ・・・(-"-)

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