これははたして鎮守府か?   作:バリカツオ

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※あとがきを少し修正しました
※今回から感想への返信は気づき次第させていただきます


駿河諸島鎮守府の花見 その4

振り向いた先には時雨がいた

一緒に飲もうよといって誘われ、時雨の後をついていく

 

望月は1~2時間程度で帰ってくるらしい

ちょっとした口頭注意とのことだ

 

 

「あ、提督!お疲れ様です!」

赤い顔をした古鷹がこちらを向く

ぎょっとして身構えようとするがニコニコと古鷹は笑っていた

「・・・笑い上戸引いたのね。」

時雨が安心してと言ってつづけた

「うん。それも控えめのだからただニコニコしているだけだよ。」

「というかいつもの目付け役の加古は?」

 

古鷹がお酒を入れるときは加古が必ずそばにいる(酒癖の対処のため)

 

「ちょっと阿武隈と一緒に用事ができたから席をはずしているよ。代わりに僕が目付け役さ。はいどうぞ。」

そういって酒を進められる

ありがとうと言って受け取り、腰を下ろす

「これもね。」

先ほどの漬物を置かれる

どうやら山風もこちらを回ったみたいだ

「もう食べたと思うけど自慢の妹の手作りだからついね・・・。」

軽く微笑んで進められた

おいしいし、断る理由もないため口に運ぶ

 

それを見た古鷹がこちらによって来た

「提督!これもおいしいですよ!」

間宮さんのお弁当からタケノコの煮物だろうか

古鷹が箸でつまんでこちらに差し出してきた

「おおありがとさん。」

「・・・・・・」

取り皿を向けるとむすっとした顔をされた

「え・・・もしかして・・・」

「・・・」ニッコリ

お察しの通りあーんしろということだ

なんとも気恥ずかしいが、せめてもの救いはうちの者しかいないことだ

変にどぎまぎしてしまうとどんどんと恥ずかしくなってしまうものだ

こういう時は・・・

「ん・・・。あ、これうまいね。」

 

腹を決めて素直に応じるということだ。

 

「・・・・・・!提督!これもおいしいよ!」

それを見ていたのか今度は時雨がから揚げを差し出してきた

「おっおう・・・。」

勢いよく来たため若干引き気味になってしまった。

ちゃっかり取り皿は隅によっけられてしまったため、気恥ずかしいが応じた

すると背筋が少し寒くなった。

 

いやな予感がする・・・

 

「提督!」

「みっちゃん!」

声に振り向くと深雪と榛名がそれぞれ別のものを箸でつまんでいた

「ちょっちょ!待って!待ってく・・・」モゴォ

話すときに口を開けたのが運の尽き

そのまま突っ込まれた

みな若干酔っているせいか歯止めがかからず、時雨や古鷹まで参戦してぼこぼこと競うように口に入れられていく。

「~~~~~!~~~~!」バンバン

必死で床をたたいたところでようやく我に帰ってくれた

 

 

 

 

「・・・詰めすぎだよ。」

どこぞの赤い空母みたいな食い方ができるはずもなく、かといって出すわけにもいかないため時間をかけてゆっくりと何とかして食べきった

「すみません・・・。」

「ごめんて。」

榛名はしょんぼりと、深雪は苦笑して顔の前に手を合わせた

ちなみに時雨は電話で席をはずし、古鷹は夢の国へと提督の足を枕に旅立っていた

「お詫びにこちらを用意してきました。口直しにどうぞ食べてください。」

「おっと・・・・・・。桜餅ね。」

ほのかな桜の風味と少しの塩気が甘みを引き立てている

まだまだ料理がある中デザートを食べてしまったが、時間を置けば大丈夫だろう。

「おいしいよ。ホテルか旅館で出すつもりかい?」

「よかったです!旅館の方限定で花見期間中に出すつもりです。」

ホテルの方は桜の風味を混ぜ込んだムースケーキとのこと

・・・食べてみたいな

 

「おっ!いいねぇ!それじゃあ深雪様がみっちゃんのためにお酒を入れてきてあげるよ!」

そういってどこかに行ってしまった

 

 

 

「おっまたせー!」

深雪の手には淡い緑色の液体・・・

「深雪ちゃん・・・それ・・・・・・なんですか?」

榛名がいぶかしげに尋ねる

「まぁまぁ飲んでみればわかるって!」

「おおう・・・。」

とりあえずにおいをかいでみるとほのかにアルコールと青臭いようなものの香りがする

どうやら焼酎と何かを割ってあるようだ

「・・・・・・ん?ああ。お茶割りね。」

恐る恐る飲んでみると、程よい苦みとさわやかなお茶の風味が口に広がった

「みっちゃんの地元でも飲むでしょ?」

「ああ。よく知ってたな。」

「ふふーん。深雪様は何でも知っているんだぜ!」

アルコール入りだが、ちょっとしたお茶会みたいになった

 

「!」ガバッ

「あ、起きた」

深雪と榛名達で話していると古鷹が起きた

そんなに時間がたっていないが、赤みが少し引いている

「あれ?提督?すみません!」

「べつにいいよ。」

枕にして寝ていたのに気づいたのか、慌てて飛び起きる。

「本当にすみません!・・・ひょっとして私お酒の癖が・・・・・・?」

考え込み始めた

酒癖悪いよとも言えずどう取り繕おうか

考えていると、スマホが鳴った

画面にはリ級という表示

 

 

「はい。もしもし?」

『あ、提督。例のやつら捕まえました。』

「おおそうか。ありがとさん。鎮守府の地下のところにいてもらうようにして。」

『了解です。』

「あ!移送が終わったら今日はもう終わりでいいよ。」

『ほんとですか!じゃあそちらの花見に参加しても・・・?』

「うん。いいよ。ちょっと料理とか減っちゃってるけどそこは我慢してね?」

『はい!それではまたあとで!』

 

 

「報告書が役に立ったみたいだね?」

通話を終えるとそばには川内がいた

「いつもお疲れ様。助かったよ。」

「いいのいいの。さ、次は私たちと飲もう?」




もう山桜すらも咲いてねぇのに花見編進行中です

イベントの進捗はいかがでしょうか?
作者はE-4までまさかの甲で突破しており甲勲章も夢ではないところまで来ている状態です
新規艦もガングート以外はすべてお迎えし、あとはE-5のローマ、リットリオ堀をどうしようか悩んでいる最中です

改二の戦艦は長門でしたか
当初の予想通りだったんですけど・・・
問題が軽巡の改二は由良さんだけじゃなく複数と聞いてかなり焦っている状態です
個人的には

本命 夕張
対抗 名取、多摩
大穴 球磨

このあたりですかね?
天龍達も見てみたいけど雰囲気的に今回はなさそうかなぁと
・・・最大の問題がレベルじゃなくて設計図なんですけどね?

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