赴任先は女学院!?   作:キリングベータ

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蜜柑色の勧誘2

 

 

 

翌日…

お昼に浜辺へ来いとゴリ押しされたので早めの昼食

にして向かうことにした。時刻は昼の12時。

わかってたよ?誰も来てないって、でも昼って12時~

じゃん?何時かわからないから仕方ないじゃん?

 

「はぁ、待つか。」

階段に腰掛け、スマホにイヤホンを装着し音楽を聴いて

時間を潰すことにする。波音をBGMに海を眺めるのも

悪くないけど、やはり彼女達の歌を…声を聴くとリラッ

クスというか気分が穏やかになる。

 

「生命の源…か」

先日黒澤がそのようなことを言っていた。少し大袈裟な

気もするがそう間違えでもないような…不思議だねこの

気持ち。空からふ…ごほん。

 

どのくらいそうしていたか…気付けば誰かに肩をトントン

と軽く叩かれたので振り返ると、渡辺がいた。そして

その後ろには桜内が。

 

「先生、こんにちわ!今日は付き添いのほどよろしく

 お願いしますでありますっ!」

ビシッと敬礼をして渡辺が挨拶をしてくれる。なるほど、

今日は付き添いということになってるのか…やるな高海。

 

「先生、お休みの日に付き添いして頂きありがとうござ

 います」

こちらはペコッとお辞儀をして挨拶…うん、良い子だね。

 

 

「あれ?みんな早いね、もう来てたんだ!」

遅れてやってきた高海…おいこら。具体的な時間指定し

てないのにそれはないだろ。

 

一言かましてやろうかと思ったところにタイミング良く

船が来る。もうやだ帰って昼寝したい。

よしこのまま回れ右して帰ろう、そう決めて振り返ると

ヤツがいた…w

 

「盗み聞き…ボソッ」

くっ…この野郎。野郎じゃないけども!

 

「あーもう、わかったわかりましたよ乗りますとも」

 

「そーこなくっちゃ♪行こう先生!」

腕をガッチリとホールドされて半ば引っ張られる形で

船へと乗せられる哀れな先生の姿はあまりにも滑稽で

あると後の誰かが語っている、誰だよ。。

 

 

 

 

 

 

 

 

某ダイビングショップに到着しウェットスーツに着替え

松浦の運転するらしい船に乗り込む。私?ふん、泳げな

いから着替えることはない。楽チンだね♪

…泳げないと暴露した時に松浦が鼻で笑いやがった…

くそっ、悔しい。やはり前回のことを根にもってやがる。

 

船で数分くらいだろうか、目的のダイビングスポットに

到着したのだろう、船のエンジンが停止した。

そして高海、渡辺、桜内が仲良く海へとタイブしていく。

…要するに船では私と松浦の二人…胃潰瘍になりそうだ。

幸い船に乗ることがわかっていたので事前に酔い止めを

飲んでおり、気分的には問題ない。三人は海に潜ってい

るので船の上の私達は静寂に包まれる。胃が痛い。。

 

 

「先生って面倒見がいいんだね、少し見直したかも。」

ふと松浦が口を開く。…言えない…半ば無理矢理ここに

連れてこられたなんて言えないw

 

「ま、まぁ一応担任だしな。これで桜内が何かを掴め

 ればもっと良いのだが。」

 

「ふーん、そっか。」

そんな数少ない会話をしていると三人が船へと戻って

きた。表情を見る限り成果はなかった様子。

 

「駄目?」 

 

「うん…」

 

「そっかぁ…イメージするって難しいよね」

海中では音を聴くことはできない、だから潜ってみて

イメージで音を感じろってことか。なにそれできるの?

 

最中、雲っていた空から太陽が覗き、ある一ヶ所へと

白い羽が舞い落ちてきて浮かんでいる…それに白く光る

魚だと…!?も、もしかして!?

 

 

「おい2人とも、彼処へ桜内を連れていって潜れ。そし

 て上を見上げてみろ!!」

 

「ほぇ?」

 

「先生…彼処ってどこですか?」

渡辺が苦笑いしながら訪ねてくる…そうか、こいつらに

はまだ…くそっ。。

 

「渡辺!ここから11時の方向へ真っ直ぐ12メートル!

 急げ!全速前進!!!」

 

「!?よ、ヨーソロー!!いこ、二人とも。」

半信半疑な高海と桜内を引っ張るようにして私が指定

した場所へと向かい潜っていく。羽はまだ…あるな、

これで大丈夫だろう。

程無くして3人が笑顔で抱き合いながら海面でキャッ

キャしているのが見えた。。聴こえたのかどうかは

定かではないにしても、あの笑顔だ。何かしらの成果

はあったんだろう。

 

 

「先生、あなたは何者なの?」

私の言動に疑問しかないのであろう松浦が再び話し

かけてくる。確かにいきなり広い海をピンポイント

で指定し、そこへ向かえなんて言われたら疑問しか

ない。しかも海面に上がってきた3人は笑顔。

 

「何者と言われてもな…ただの教師だよ、浦の星の」

羽が降ってきたから其処へ向かえと指示した、なんて

言ってもわからないだろうし病院行けと言われるのが

オチだし。

 

「そっか…不思議な人だねっ」

うわっ笑顔初めて見た、っというか可愛いな…いや、

美人すぎるだろ!…はっ!教師が生徒にキュンとして

どうする。こんなデレ顔を松浦に見られるわけには

いかないので三人のいる方向へ顔を反らす。そこは

今も光輝いていて、まるで三人を優しく包み込んで

いるようだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

連絡船に乗り、帰ってきた頃にはうっすらと見えていた

太陽も沈んで辺りが暗くなり初めていたので3人に早く

帰るように促して、私も帰ろうとした。すると、

 

「先生、少しよろしいですか?」

と後ろから声を掛けられる。この声は…桜内か?

振り返ると桜内が何か考えこむような顔でこちらを

見ていた…よかった、ヤツじゃなくてw

 

「どうした?早く帰らないと真っ暗になるぞ?」

 

「少し相談と言うかお話がありまして…その…」

今日の経験を経て何かあったのだろう。それにしても

外は暗くなり初めてるし、少し肌寒いし…どうしよう。

 

「せ、先生のお家すぐそこですよね?あの、お邪魔

 でなければ…その…」

うん、邪魔じゃないよ?ってか何故家バレた?高海しか

しらないはず…

それ以前に教師が生徒を家に招くのって色々とアウト

だよね?時間も時間だし…もし高海にでも見つかって見

ろ。高海に見つかる→学校に広まる→校長に呼び出され

る→ゴートゥーヘル!!

あれ、そう言えばウチからプリン強奪したとき高海侵入

してたじゃん!なら、いいのかな。そうか、気にしすぎ

だな私も。

 

「お、おう。でも時間も時間だしあまり長くは話せない

 ぞ?いいのか?」

 

「は、はい。」

何で桜内さんが顔を真っ赤にしてらっしゃるのでしょう

か。ええ、もちろん私も真っ赤です…夕日のせいですね。

沈んでますけど。。

 

 

 

   

 

       

「ここだ、紅茶でも用意するからリビングのソファー

 にでも座っててくれ。」

桜内をリビングのソファーへ促し紅茶を入れにキッチン

へと向かう。ほんとに良かったのかと思うが今更気に

してもどうしようもない、なるようになるさ…と現実

逃避などもしてみたがお湯が沸いた音でアッサリと現

実に引き戻された。砂糖とかどうしよう、ミルクいる

のかな…えぇい、前部持っていこう。

紅茶の用意ができたので再び桜内の居るリビングへと

戻ると、設置してあるピアノを見て口をパクパクさせ

ていた。まるで魚のようだ…じゃなくて。

 

「ピアノがどうかしたのか?」

そう聞くと今度は青ざめた表情でこちらを向く。

 

「だ、大丈…夫?」

そう訪ねると顔を真っ赤にしてこちらに突進する勢い

でズンズンとやってきた。血液の流れ凄いです…

 

「せ、先生!(うわっ近い。)このピアノ、ベーゼンドル

 ファーではないですか?しかもこの左右の黒い鍵盤…

 97鍵…ま、まさかインペリアルモデルの290!?

 私、エクステンドベースのピアノ初めて見ました!」

 

「へ、へぇ…そんなに凄いのかこのピア…」

 

「凄いなんてものではありません!中古でも新築で豪邸

 建てれるくらい高価なピアノですよ!?」

誰だよ、やる気スイッチ押したの。まるでアイドルを

語る小泉ではないか…落ち着かせねば。。

 

「お、おい。とりあえず紅茶でも飲んで落ち着け…?」

肩に手を置いて諭してみる。あ、落ち着いたw桜内だっ

て負けず劣らずの美少女、こんなに迫られるとドキドキ

してしまうだろうが。。

 

「ご、ごめんなさい。このような高価なピアノがある

 とは思いませんでしたのでつい…」

 

「もういいから座りなって。それで、話しというのは?」

私の対面に彼女を座らせ紅茶を飲むように促すと少し

口をつけ、そして静かに口を開く。

 

「今日ダイビングをしてあの、おかしいと思われるかも

 しれませんが…その…海の音が聴こえた気がしました。

 今でも頭の中で鮮明に記憶があります。」

 

「それで…その…高海さん達にお礼というか…スクール

 アイドルの曲を作曲してみようと思いまして…」

 

「いいんじゃないか?でも高海はスクールアイドルやる

 って言った方がもっと喜ぶと思うぞ?」

 

「私にはピアノを弾く時間でいっぱいいっぱいになる

 と思いますので、それは…」

今はその時ではない…か。でもこれは何かきっかけさえ

あれば時間の問題かもしれない。後は余計なお節介せ

ずに高海に任せるとしますかね。

そう思いふと外を見ると真っ暗でした、うん、流石に

ヤバイ。。

 

「桜内、まだ話があるなら今度学校で聞こう。今日は

 もう遅いから帰りな?ほら、外真っ暗だし」

 

「はい、そうですね。先生、今日はありがとうございま

 した。」

そう言って玄関へと向かい一人で出ていこうとする。

 

「ま、待ちなって。流石にこんな真っ暗な中を一人で

 帰すわけにはいかないから、送ってくよ。」

 

 

…街灯も疎らで真っ暗な道を桜内と二人で歩く。この

時間になると車の通りもほとんどない。そして桜内との

会話もほとんどない…あれ、私もしかして口下手!?

などと考えていると、どうやら桜内の家へとついたみ

たいだ。…ち、近い……。

 

「それでは先生、今日は本当にありがとうございました」

ペコリと頭を下げ、丁寧なお礼を受け取る。

 

「あぁ、また明日学校で。」

…あれ、ここって……ふと家と家の間を覗き込む…すると

桜内家の2階の部屋から電気が灯る。彼処が桜内の部屋か

…そして反対の家…というか旅館。あの部屋は確か……

ふふっ、これは近々面白いことになるかもな。

 

何かを悟ったように不気味な笑顔のまま自分の家に帰る岸は、

まるで…変…ごほん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

家に帰って寝る前に桜内が豪華だのなんだの言ってた

ピアノの値段が気になったのでネットで調べることに

した岸…

 

「インペリアル…290…えっと、これか。お値段は…

 一、十、百、千、万、十万、百…万、千………ま…ん…

 …………」

そのまま…あまりに高額な値段だと知り、意識を失うよ

うにして眠りについたのである。。

 

 

 

 

 

 

 

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