自分の進行具合で…そこまで…辿り着ける?(笑)
…無である!
いきなり何をって?無論今の状況のことさ。
完成した曲を聴いてもらっていたのだけれど、何故か
3人とも固まってしまい一言も発しない。これが世に
言う[まるで屍のようだ]ってやつですかね(笑)所詮数
時間足らずで出来上がった曲なので期待はしてないけ
ど…無言になる程酷かったのかな?約5年編曲を避けて
たブランクもあるし…あれ、さっきまで自信満々だっ
たのに今不安しかない。。
「おいお前ら、黙ったままじゃ先に進まんぞ。」
無言を決め込むならこちらから動くまでよ!そんな
私の問い掛けに応えてくれたのは桜内だった。
「ご、ごめんなさい先生…その…上手く言葉にできな
いんですけど…凄すぎて何て言ったらいいのか…」
えっと、桜内には受け入れてもらえたってことで良い
のか?渡辺は口を開いた桜内の方を向き、ただただ頷
いている。きっと受け入れられたのだろう…さてさて、
残りは発起人の高海だけだが。。何で俯いてるんだ?
「Zzzzz」
ははぁん、まさかね。まさか寝てるなんてないよね?
あれだよ?もしほんとに寝てたら血管切れちゃうよ!?
「「ち、千歌ちゃん…」」
はい確定ー、寝てますよ~。このカブロンが!!あ、
カブロンなんて人前で言葉使っちゃダメです。
それにしてもどうしてくれようか…煮る?焼く?(笑)
一番高海が楽しみにしていると思ってたのに寝ると
は思わなかった。ヤバい、眠くなる程駄作だったっ
てこと?やっぱ不安しかない。
「先生、千歌ちゃんを怒らないで下さいっ!」
私の目がイッてしまってたのだろうか、渡辺が物凄
い勢い剣幕で迫ってくる。近いって…
「朝練習してる時も眠そうだったから聞いたんです、
そしたら…」
渡辺の話によると昨日私の家から帰宅後、どうした
ら先生にすんなりと編曲をしてもらえるか夜通し考
ていて、気づけば朝になっていたということらしい。
ほんと…いい意味でも悪い意味でも真っ直ぐなんだな
高海というやつは。。
…私だって寝ずに編曲してて気づいたら朝だったん
ですよ!!なんて野暮なことは言わない。そもそも
すんなり編曲を承諾してればこの子が寝ずに悩むこ
となかったのだから。やれやれ…仕方ない。
「渡辺、スマホ貸してくないか?」
「!?まさか私のプライバシーに興味が!?」
「アホか!この曲スマホに入れとくから時間に余裕が
あるときにでも高海に聴かせてやってくれ」
「…先生っっ!リョーカイでありますっ!」
あー耳がキーンとした。よく朝からそんなデカい声
出せるな…JK恐るべし。渡辺からスマホを受け取り、
データを転送する。その間に桜内が高海を揺すって
起こそうとするがまるで起きない。
こいつあれだろ?やつに似てるんだろ?wならば…
いつまでも寝てられると学校に遅刻してしまうから、
高海へと近づき耳元で囁く…
「お前の隠し持ってるプリンは私が頂く」ボソッ
「…!?だ、だめぇーーーーっ!!」
ほら起きた。
2人から先生なにしたの?と言わんばかりの邪険な目を
向けられるがそんなことは気にしない、起きたのであ
ればオッケーなのさ。
「はいはい、あまりここでのんびりしてたら遅刻する
ぞ?解散!」
「ほんとだっ!あぁ!先生まだ曲聴いてないよ!!」
…先程の前言撤回は有効だろうか、無性にしばきたい。
生徒にしばきたいという感情を抱く私の内心は大丈夫
なのか(苦笑)
彼女達を追い返した後、この静まり返った地下室で
もう1度曲を聴く。
…3人の歌声が奏でるユニゾンは、この短時間で作り
上げた曲と良くマッチしてると…思う。しかし、最初
から最後までユニゾンというのも味気無い。流石にハ
モりなんてレベルのことは求めてないが、そうだな。
いっそのこと歌い分けを提案して録り直すか?この曲は
味を加えればまだまだ良くなる…!ほんと凄いなスクー
ルアイドルってのは。
…っていつまでもここにいたら遅刻してしまう。
荷物を纏めて学校へ向かうまでの間、私の頭の中は曲
のことでいっぱいになっていた。
HRを終わらせ職員室に入り、自分のデスクへ向かうと
校長から声をかけられる…なんだこの狸顔は。明らかに
良からぬお願いをされそうである。
「おはよう岸先生、実はお願いがあってね。」
「は、はぁ…なんでしょうか?」
「実は数学を担当してる白水先生が体調不良でお休み
されてね、本日は1年生が数学の小テストがあるの
だが…担当してもらえんか?教員資格を調べさせて
もらったけど、数学…教えれるよね?」
パ…パワハラだぁ!横暴だ!確かに教えることはでき
るが何の準備もしてないのにいきなりそんなお願いあ
るか!自習させろ自習!!ってかそんな大事なこと今
言うな!朝いくらでも言う時間あっただろうが!
なになに?20分で小テストをやってそのまま答え合わ
せからの残りの時間で間違いが多かったところの解説。
あぁ、これなら確かに資格があれば誰でもできそうな、
くっそ!これじゃ断れない。。助けて理事長!…うん、
あの理事長じゃ助けてくれないね(笑)
「わ、わたりました。尽力します。。」
…今日午前中ずっと授業になってしまったじゃないか。
ちゃんと寝ないと地獄が待ち受けるのね…とほほ。。
えっと、1年の数学は1時間目…は?いきなりかよ!
小テストはこれか!内容だけザックリ目を通して、
解くのは生徒がテストを受けてる時間にやればいい。
…中学の復習がメインとなっていたのでそこまで難し
いことはない。
数学の小テストを眺めながら1年の教室へと向かう。
…そういえばここのクラスは始めましてになるな、私
の担当教科は2年からの選択授業だから1年の教室に
くることは無いと思っていた。
ガラガラガラっと教室の扉を開くと、立ち話をしていた
生徒達が各々の席に座る…あぁやっぱ初めてのクラス
は緊張するな。
「えっと、白水生徒が体調不良でお休みになられてる
ので本日だけみんなの担当をすることになった。
前回の授業で聞いていると思うが今日は小テスト並
びにその解説をする。委員長、号令を。」
挨拶はこんな感じでいいか、あれ?席が1つ空いてる。
「すまん、誰か休んでるのか?」
いや、初めてくるクラスだから名前がわからん(苦笑)
「先生、津島さんがお休みずら…です。」
…ずら?あぁ、本屋の…ずらって所謂方言的なやつなの
か。なんだよ、そういうことなら可愛く思えてくるじ
ゃん。
「ありがとう、津島…津島…」
出席簿を確認して印をつけようとす…何だこいつは!
入学式から1度も学校に来ていないだと!?不良か?
それとも虐めか!?それとも…何かやらかしていきな
り停学…とか?私の受け持つクラスじゃないが少し気
になる。後で担任にでも聞いておくとして、今はテス
トを配ることが最優先。
前列の生徒に複数枚テストを渡し、それを後ろへと回
していってもらう。
「テスト受け取って無いやついるか?…
よし、始めてくれ。」
私の合図とともに一斉にテストを解き出す。さて、
自分もテストを解かないとね。答えは用意されている
が自身で1つずつ解かないと教える時に困るし。
空間図形に、合同証明に、関数に、比例反比例に、
グラフ問題…か。
10分経った頃には全て把握できていた。流石私だな、
と自画自賛♪…我ながらキモい(笑)
手持ちぶさたになりすることも無いので生徒を1人1人
見渡してみる。…最近ほんと、思うんだよね…ここの学
校ってブスがいない(おいw)。
音ノ木坂もそうだったが、この世界にブスはいないの
だろうか!?(笑)いや、いる!ウチの母親(笑)
…あの子、体調悪そうだな。顔赤いしずっと俯いてるよ
うな気が…
出席簿を見ても誰が誰だかわからん。あ、席順と名字が
メモされた紙が出席簿の隣に貼り付けてあるじゃん。
えーっと、この席。…黒澤というのか、黒澤!?今度は
出席簿に書いてあるフルネームを確認…黒澤黒澤っと。
あった、黒澤…ルビィ。
き、き…キラキラネームきたぁー!(笑)…待てよ?あの
スーパーヤンキー会長確かダイヤって名前だったよう
な気がする。…まさかね?姉妹じゃないよね!?だって
…似てねぇ!髪色もそうだが、これはあれか。遺伝子
組み替えちゃったやつか…って、失礼極まりない妄想
を抱いてるとテスト終了の時間に。
「よし、そこまで。答えを配るから採点して後ろから
集めてきてくれ」
集まったテストに目を通していきたいが、量が量なの
で少し時間が欲しい。この量なら…そうだな。
「ちょっと確認するから5分くらい自習しといて。」
そう伝えパラパラと生徒達の解答をチェックしていく。
…ふーん、みんな優秀だな。ほとんど間違えが無い、
しいて言うならこの三角形の合同証明くらいか。。
解説を入れるところの目星をつけ、それを伝えようと
するとクラス大半の目がこちらを向いていた、おい。
自習どした(笑)それにヒソヒソ話してるやつもいるし。
あれか?私がキモいって?いいよ、別に。どうせ私なん
か冗談みたいな顔してるらしいし?(笑)
「はい、静かに…みんな良くできてるな。敢えて解説
をいれるとするなら合同証明の問題くらいだったの
で解き方を説明していく。」
黒板に問題と図形を書いていく。よしっ!
「えぇ、この角ACBが………」
解き方を1つ1つ丁寧に記していき、終えた頃には
まだ授業終了まで15分くらい余ってしまった、どう
しよう。どこまで授業やってるかわかんないし、わ
かってたとしても勝手に進める訳にはいかないし。
「他にここがわからない、とか質問あれば受けるぞ。
まだ15分くらい時間あるから」
質問受けるぞ、この言葉がトリガーを引いてしまっ
た。カオスの始まり始まり…
「先生!何歳ですか?」「24だが。」
「先生!彼女いるんですか?」 「いや、いない。」
「先生!好きなタイプは?」 「授業関係ないだろ」
「えぇ~教えて下さい!」
これ、あれだね。答えるまで終わらないパターンの
やつ…
「タイプなんか気にしたことはない、好きになった
相手がタイプだ。」
キャーーっとクラスが湧く、やはり青春真っ盛りだ
からこんな冗談みたいな顔してるやつにでも異性と
しての興味があるのだろうか。
「せ、せせ、先生は…スクールアイドル…好き…です
か……!?」
活気付いた教室に耳を澄ませていなければ聞こえな
いくらいの声で質問される。その声の主へと顔を向
けると真っ赤に火照った顔の黒澤だった。
「スクールアイドルか、好きだぞ。」
ただ簡潔に答えただけだが、黒澤にとっては納得が
いったらしい。満面の笑みであった…へぇ、可愛い
じゃん。
さてさて、そろそろ授業の終わるチャイムがなるは
「先生!」ず?…
「この雑誌に載ってるの、先生ず…ですか?」
無理に敬語にしなくても良いのに…ってまたそれか!
もう驚かないぞ!…ごめんなさい驚きました。
この子、名前はえぇっと…国木田か。
「国木田、一応授業中なのだから雑誌は勘弁してくれ。
没収するぞ?」
「ずらぁ~…」
ヤバい、なんかめっちゃ落ち込んだし。ってかその雑
誌黒澤の机から掘り出してたのチラッと見えてたから
没収するのも可哀想になってくる始末。
「あぁ、わかったわかった。そうだな、それは高校時
代の私だ」
と言ったのと同時にチャイムが鳴り響く…や、やっと
質問の嵐から解放される。。
「授業はこれで終わり。まぁなんだ、これからも授業
や部活、高校生活を楽しんでくれ。委員長。」
「起立、礼!」
よーい、ドン!急いで教室から退散する、出た所で
呼ばれた気がするが振り向かないぞ。私は解放され
たのだぁ!最低な教師の出来上がり(笑)
こうして眠気もすっかり無くなった私は今日も一日
恙無く終えるのであった。
そして放課後、HR終了後。
「先生、曲聴きました!凄く…すっごく良かったで
す!」
高海を先頭に渡辺、桜内が教壇に駆け付ける。そう
か、3人に受け入れて貰えたならこれほど嬉しいこ
とはない。…あの提案、してみるか。
「なぁお前ら、提案があるんだが。」
そう言うと3人は目を輝かせ何?何?と言わんばかり
の顔をしてくる。可愛い…
「この曲、ユニゾンで歌ってるだろ?そこでだ、もっ
と味を出す為に歌い分けしてみないか?」
…桜内はどこか考える様子、渡辺はおぉー!と感激、
そして高海は…ポカーンとしていた。
「ユニゾンって…なぁに?」
なるほど、それでポカーンか。どう説明したら高海
に伝わるかな(苦笑)
「まぁ簡単にいえばこの曲、3人で最初から最後まで
、同じ音域で歌ってるだろ?この状態がユニゾン、
OK?」
「う、うん!」
理解したか怪しいが今は置いておこう。
「もちろんサビはそれでいいと思うんだ。でも折角
3人いるんだから、ほら。Aメロを高海、Bメロを
渡辺…こういう風に分けていけば1人1人が更に
際立つし目立てる、どうだろうか。これが歌い分
け、高海OK?」
歌い分けのメリットは他にも色々あるけど、今の
高海はちとキツいだろうから1人1人が主役になれ
る的な理解をしてくれたらそれでいい。
「お、OKOK…」
渡辺と桜内が失笑している、伝わってると信じたい。
「もし、歌い分けをやってみたいと思ったら歌を録り
直すから。その時は私の家でやってくれて構わない
。あの地下室は雑音を遮断できるしマイクやその他
必要な機材全てある。」
後は彼女達次第、お疲れさんとだけ伝え職員室へと
向かう。今日はもう疲れた、すんなり帰れそうだし
このまま帰宅…「岸先生」出たぁこの狸め!
「いやぁ今日は助かりました、これで授業の遅れは
無い。ほんと、感謝しとるよ」
なんだ、労いのお言葉ですか。また私に負荷をかけ
るとかと心配したよ。「それと、」げっ…
「生徒会の仕事が進んでないみたいでの、またお願
いするよ」
ニヤニヤしながら去っていく校長の背に、有りった
けの殺意を送ってやる、あっ転んだ。ざまぁ狸、
お前なんか帰宅途中に野性動物のウンコ踏め!(笑)
まぁ生徒会長殿には聞きたいこともあるし、もう
少し頑張りますかね。。
こうして岸は溜め息を吐きながら生徒会室へ向かう。
ほんっと…教師って…忙しい!!!
タイトルなんて適当だったんですけど詐欺ですね。
試練なんて岸にとってはちっぽけなものでした。
そして進まぬ物語…
そういえばお気に入りや、しおりを入れてくれる方が
随分と増えてきました。こんな駄作しか書けない私に
も読んで頂ける方がいると思うと嬉しくて仕方ありま
せん。評価なんかされなくても、読んで頂ける方がい
る限り、これからも頑張っていきますので引き続きよ
ろしくお願い致します。
ラブライブ!の力はほんと凄い♪