バンッッッ!!
「お疲れさんっ!」
変わらない日常なんてつまらない、毎日が同じことの
繰り返しなんてつまらない、だから私はこの学院で誰
もしないであろう…生徒会室の扉を盛大に開けて大声
で労いの言葉を黒澤にプレゼントしてやった。
別にあの狸校長にちょっとばかしイライラしてイタズ
ラ心が芽生えたなんてことはない。
さてさて黒澤さんの反応が見物ですよ…鬼が出るか邪神
が出るか(笑)蛇なんて生ぬるいものはないっ!
「…………」
あれ?おかしいな…てっきり、あぁん?とブチ切れてくる
算段だったので無言でこちらを見てくる黒澤に対して
どう反応していいかわからない。
「…………」
「…………」
お互い無言で見つめ合う、これは…芽生えたのか!?
恋が!!
そして私は再確認したことがある。寝てないと奇怪な
行動をするということを!(笑)
「何をしにきましたの?」
やっと口を開いたと思えばいつもと変わらないトーン
でごもっともな事を聞かれた、鬼も出なければ邪神も
出ないというしょうもないオチである。
「書類整理が追い付いてないらしいじゃないか、だから
手伝いにきたってわけさ。」
「そうでしたの。では…こちらの書類から目を通して
纏めて下さいます?」
「あ、あぁ。」
違う、これはいつもの黒澤じゃない!…ん?対応はいつも
の黒澤なのだからこれが普通か?困った、もはやどうして
いいのか皆目検討もつかないぞ。
今は言われたことだけやるしかない…とりあえず黒澤が
置いた書類のところの近くにある椅子に腰掛け、作業を
始めることにした。
それからどのくらい時間が経っただろうか。。。
「先生、ありがとうございます。」
「…どうした突然。」
「先程ルビィが此処へ来て、あなたのことを嬉しそうに
話してきましたの。あんな嬉しそうなルビィは久しく
見ておりません。あの子はμ'sのファンですから。」
なるほど、わからん。私なんかのことで話すことなどあ
るのだろうか…「で・す・がっ!」…あれ、雲行きが…
「あなた、授業が終わった瞬間そそくさと職員室に戻っ
たそうではありませんか?あの異性に免疫のないルビィ
が勇気を振り絞って呼び止めたのいうのに……」
お、お…鬼だ。鬼の形相だ!これは園田クラスの危機
レベルで対応しないと命が危ないっ!!
確かにあのとき誰かに先生!と呼ばれたのは覚えている、
あれは黒澤ルビィだったのか。…ってことは?
「黒澤ルビィは君の妹なのかい?」
「そ・お・で・す・わっ!それが何か!?」
「ぶっはぁっwマジかw似てねぇww…………あ…。」
しまったぁーーー!思わず心の声が飛び出したぁぁぁ。
口は災いの元だよ、みんなも気を付けよう!
「お…おだまらっしゃーーーーい!!」
ひぇぇぇ、邪神が降臨なされたぁぁぁぁ!わ、ヤバい
って!迫ってきた!!
「ところで先生、ここに先程ルビィが置いていった雑誌
がありますの…このページにサインなさいっ!」
な、殴られ…ん?サイン…?
「サイン…コサイン?タンジェント?」
「ブッブーーーーっですわっ!このあなたの記事がある
ページに!あなたの!サインを!書きなさいっ!」
有無を言わさないとはこのことだろうか、この状況で
サインせずに逃げ出したら末代まで邪神様に祟られる
に違いない。
「わ、わかったから…落ち着け黒澤。」
「わかればよろしいのです、さぁここに!さぁ…さぁ!
早くっ!」
ちょうど字も写真もない絶妙なスペースがあるところ
を指差しサインを強要される。仕方ない、これで邪神
が還られるのなら安いもんだ。
「…ほら、これでいいか?」
あの雑誌が世間に出回ってからしばらくの間はサイン
もよく頼まれてたっけ…まさか今更サインを書くこと
になるとは(苦笑)
「ええ、これ以上抵抗するならμ's全員のサインも頂い
てきてもらうところでしたわ。」
冗談だろ、まぁ可能と言えば可能だが1日東京をさ迷
うの確定じゃんか…。
「それで?書類は一通り片付けたけど後は大丈夫そう?」
「ええ、わたくしは他にもやることがありますの。
先生はもう帰って頂いて構いません。」
やれやれ、散々だった。しかし!ここですんなり帰る
のは何か癪だ…黒澤ルビィが妹だということは聞けたが
まだ2つ、聞きたいことがある。1つは今はいいとして…
「なぁ、黒澤。何であの名前を砂浜に書いた?」
「な、なんですのいきなり「Aqours」…う…」
動揺してたし惚けて逃げそうだったので先手必勝。完
全に言葉に詰まってしまった黒澤をニヤニヤしながら
みていると、やがて観念したのか…徐に口を開く。
「この学院でスクールアイドルをやるのでしたら、
グループ名はそれしか有り得ませんわ。」
あの小原という理事長といい黒澤といい…やはり未練
があるのだろう。
「まだできるかどうかわからないぞ?ライブで体育館を
満員にしなければ認めないという条件があるし。」
「それは…あまり心配しておりません。おそらくこの街
がその問題を解決して下さいます。」
街が解決?まさかこの街の人達は声をかけたら来てくれ
るとでも!?ありえない…有名なスクールアイドルなら
可能なのだろうが、あいつら素人だぞ?都会なら無視さ
れて終わるのが関の山。
っと電話だ。…誰だこれ、知らない番号から。。
「もしもし?」
[あ、ほんとに先生だぁ!]
この声は…
「何故お前が私の番号を知っている…」
志満ねぇから聞いたの!とのこと…でも別におかしくは
ないかな。音ノ木坂に在学してた頃も担任の携帯番号は
緊急連絡先として記してあったし。
用件は歌い分けのパートを決めたから録り直しをしたい
というもので…早くない?ほんの数時間前に提案したのに
もうパートが決まっただと!?
「まだ学院だから…おう…じゃ1時間後に…。」
「…彼女さんからですの?」
HEYgirl!!なんであからさまに不機嫌なんだい!?
「彼女か、そんな存在は産まれてこのかた出来たことが
ない。ふっ、笑いたければ笑うといい。」
…涙が出そう。だって中学の頃引き込もって勉強とか楽
器ばかり弾いてたし、高校は彼女作る暇なんて…あった
けどできなかったし!大学なんて勉強とバイトであっと
いう間だったし!!…南のことはあったけど、私がμ'sを
言い訳に逃げてしまったし。。青春ってなんだっけ…。
「そ、そうですの…安心しましたわ。」
安心すんじゃねぇよ!…あれ?
「何で黒澤が安心するんだい?」
「…!?先生、用事があるのですわよね!?さぁ、さっ
さとお帰りなさいましっ!!」
わっ、ちょ…生徒会室から追い出されました…いや、
最後蹴り出されなかったか!?(笑)なんてやつだ。。
さってと、狸校長の義理は果たした、ゴウ!バックホ
ーム♪
…ってなことで帰宅しました。あれ、まだ電話から25
分くらいしか経ってないよね?何でいるの?
玄関前に3人が腰を下ろし談笑しているんですけど。
しかもあんな短いスカートであの座り方…ええ、もち
ろん見えてますとも。左から順に緑→オレンジ→赤。
おしい!もうちょっとで信号機!(笑)
「あ!お帰りなさい先生っ!」
危ない危ない、直前で視線を変えていなければ変態
教師の出来上がりでした。。
「お前ら…時間はもっと有効に使え。一時間後だと
伝えただろうに」
そうは言いながらも鍵を開けて招き入れる、最近少
し甘やかしすぎてる気がしないでもない。。
地下室に案内して機材の説明を一番そつなくこなし
そうな渡辺に説明してからリビングに戻り、次の授
業で教えるところを解りやすく説明できるように考
えな…がら……ウトウト。ヤバい眠い、ここにきて睡
魔が。。。。。。
ハッ!いかん寝てしまった、何時だ今。慌ててスマ
ホを見ると18時50分の表示。外はたいぶ暗い…じゃ
なくて!あいつらどうしたんだろ、まぁしっかり者
の桜内がいるし…流石にもう帰ってるよな。
一応確認の為に地下室へと下り扉を開けると…
「イェーーイッ!」「ヨーソローッ!」「…はぁ…」
ガールズバンドが誕生していた、いやなんでやねん。
そこにはギターの玄を滅茶苦茶に弾く高海、バチを
クルクル回しながらドンドンとペダルを踏みバスド
ラを響かせる渡辺、そしてマイクを持ち頭を抱える
桜内。
「お前らなにやってんだ…」
楽器を勝手に触ることは別に構わない、私の私物で
はないのだから…しかし。。
「高海、お前が雑に扱ってるそのレスポール…あ、
ギターね。軽く80万はするものだから大事に扱
って下さいませんかねぇ?」
急に額から大量の汗を流しギターを元の位置に優し
く置く高海を見て失笑しか出ない。
渡辺は…まぁいいか、使い方は間違ってないし。
「桜内よ、お前だけはまともだと信じてたのに…」
「ち、違うんです先生!これは…」
あたふたして状況を説明しようとしているが上手く
言葉に出来ないでいる、いいよ。君のあたふたして
る姿が可愛いから全て許そう…(笑)
「まぁ、いいさ。それで?録れたのか?できてるのな
ら後は私が仕上げておくが」
「いやぁぁ、…まだ途中でしてぇ…」
あぁもう大体の流れが掴めた。最初は真面目にやって
て、休憩してたら楽器に興味を持ち…御覧の有り様と。
もう怒る気にもならん。
「もうすぐ19時だから早く帰りなさい、親御さんを心
配するぞ。」
「先生、それは大丈夫です。遅くなりそうでしたので
みんな親には連絡いれてますから」
…そこには気が回るのにどうしてこうなった桜内さん!
グゥ~~~っ…おい(苦笑)
「えへへ…先生、お腹空いたのであります!」
「いや、だから早く帰って家でご飯食べたらいいじゃ
ないか。」
「先生、それは大丈夫です。遅くなりそうでしたので
みんな親には晩御飯いらないと連絡いれてますから」
…そこにも気が回ってるのにどうしてこうなった桜内梨
子さん!
仕方ねぇなぁ…4人分食べるほどの食材あったか?確か
ジャガイモとニンジン、玉ねぎや肉は一通り冷凍して
ある。サラダに出来そうな野菜もあったよな…なんで
あるんだよこんちくしょうが!
「カレーとサラダしかできないぞ、いいのか?」
桜内は申し訳なさそうに頭を下げ、高海はワーイワー
イとはしゃぎだす…子供か!……子供だね。
「カ…カレー!?」
渡辺は目をキラキラさせながらこちらを見つめ、どこ
か嬉しそうであった。…好きなのか?
「1時間くらいで用意できるから、それまでに!録り
終わっとけよ!!」
「「「はいっ!」」」
そんなやる気があるなら最初からやれよ…そしたら今
頃自分達の家で晩御飯食べてる時間だろうに。と、小
言を漏らしながらキッチンへと向かう。
はぁ、やりますか…
まずはご飯を早炊きでセット、白米でもよかったが
カレーなのでターメリックライスにした。ヤバい、
拘り出す悪い癖が!!
そうだな、やはりカロリー的なことを考慮して肉は鶏
肉…ジャガイモ、ニンジン、玉ねぎを切ってっと。
火を通し先程の具材を炒め、水を足し煮込む。カレー
のルー?そんなもん、オリジナルでやる!
棚から取り出したるは複数のスパイス。
クミン、カルダモン、コリアンダー、オールスパイス
に、ここでも欠かせないターメリック。後は…チリペ
ッパーだがこれは辛さを整える程度で。これらを絶妙
な調合で鍋にIN!!
良い感じになってきた所で、チョコを一欠片…それと
ミルで豆を粉砕したコーヒー、挽き立てが重要!を
加え…仕上げに香りをもっとプラスしたいからガラム
マサラ!誰かが言っていた、カレーは香りを楽しむも
のだと。誰だ?まぁいいや(笑)
…おぉ、良い匂いすぎる。。
ここでサラダの準備!葉野菜は冷水でしっかりと洗い
シャキシャキ感を!そしてキャベツ千切り!キュウリ、
トマト、レタスは適当に!ボールに盛り付ける!完璧
じゃないか…
カレーはもう少し時間を置きたい…。
そうだな、今のうちにあいつらを呼んでこよう。
「レコーディングは終わったか?」
「あ…はい!聞いてみて下さい!」
…へぇ、ちゃんとできてる…やればできるのになんで
最初からやらないんだ。そういや高校生の頃ってみん
なこんなもんか(笑)
しっかし歌上手すぎやしませんかねぇ…
「よし、明日明後日は学校休みだから今すぐなんとか
しときたいが…まずはご飯食べることにしよう。」
と、言った瞬間にリビングへと駆け出す彼女達…もは
や自分の家として認識してないかい?(苦笑)
サラダを運び、ご飯を皿に盛りルーをかける…なん
て素晴らしい香りなんだ…服がおはだけになりそう
…なんてことはない(笑)
全員分をテーブルに用意した時には彼女らから
「おぉーー!」という声が上がる…ちょっとくすぐ
ったいな。
「…あれ?先生のは?」
「あぁ、私は曲を完成させてくるから食べててく
れて構わない。食べ終わった皿は流しに置いて
おけ、私が戻ってくるまでテレビでも見てろ。」
少し残念そうな顔をされたが納得したのか、頂きま
すと声を聞いたので安心して地下室へ戻る。
まぁ差し替えるだけだからそんな時間はかからない
んだけど、各々声の大きさなどに差があるから調整
するくらい。……ほい、できた。簡単に言うけど地味
に時間かかってます。。
再びリビングへ戻るとお笑い番組を見ながらゲラゲ
ラと笑う渡辺と高海、めっちゃ寛いでますやん…
桜内はキッチンで洗い物…してるのか?置いといてい
いのに。
「桜内、手伝うよ。」
洗い物を拭く布巾を持ち隣に立つ。流しの隣に食洗機
があるのに手洗いをする辺り、彼女の几帳面な一面を
垣間見た。使い方がわからないだけかも?そんな夢の
無いことを言うな!(笑)
「い、いえ…何から何までしてもらってますから、こ
のくらいは…」
「桜内…お前…やっぱあいつらとは違うんだな。」
高海と渡辺をジト目でみる私を見て桜内は苦笑いを
浮かべる。そして皿を受け取り、それを拭き…をして
ると高海が飲み物を取りに来たのか…冷蔵庫を開ける。
「グラスはもう洗ったから、喉乾いたなら500㍉のス
ポーツドリンク持ってけ。」
洗ってる最中に洗い物を増やされたらたまったもんじ
ゃない。スポーツドリンク5本くらいあったし、それで
我慢してもらおう。…なんでこっちをボケェーと見る
んだ、スポーツドリンクそんな嫌か!
「先生と梨子ちゃん…夫婦みたいだねっ!」
あ、そっち?
「アホか!私にこんな可愛い嫁さんが似合うわけない
だろう(笑)」
「ふーん…そっか。」
自分から話振っておいて興味無さげにリビングへ行く
高海さん、マジ半端ない。冗談言われたから冗談で
返したのだし、もっと話を膨らませてほしいものです
ね全く。。?
「どうした桜内、手が止まってるぞ?」
「センセイガカワイイッテイッテクレタセンセイガカワイイッテイッテクレタ…センセイトフウフ…
センセイトフウフ…ヤダッ…キンダンノコイネキンダンノコイダワ。」
ねぇこれなんの呪文?良く聞き取れないのだが(苦笑)
洗った皿を持ったままなのでそれをこちらから取ろう
とすると少し手と手が触れてしまった。
「…キャッ」
…今の悲鳴ですよ!小さかったけど確かに悲鳴でした
よ!私そんなにキラワレテルノ…私の心コワレヤス…
「すまん、もう皿それだけだから向こう行ってな?」
「…ハイッ」
俯いて頬を赤らめながらリビングに小走りて行く桜内
…可愛い。。そんな彼女を見て渡辺がこちらに向かっ
て何か口を開いて伝えようとしているのだが…えっと?
ぼ・く・に・ん・じ・ん…は?僕、人参?(笑)お前人参
だったのかこれは傑作w
時間も時間なので彼女らを帰路につかせ、渡辺はバス
の時間がないそうなのでまた車で送ることになった。
僕アッシー!よろしくねっ♪泣
そんな車内での出来事…
「先生、先生って鈍感だって言われない?」
唐突にどした…しかも何かフレンドリーな話し方に
なってるし、ビックリするわ。
「鈍感、さぁ?高校時代はよくそんなこと言われて
たと思うが自覚はないっ!」
「あ、アハハァ…先生!梨子ちゃんのことどう思って
るの?」
「なんだそれ、どうって…できの良い生徒だと思って
るが?もしかしてマズイのかい?」
「はぁ………」
こんな目の前で盛大に溜め息つかれたの久しぶりすぎ
て凹むよ?私の心コワレヤスイスイのよ!?
「あぁ!もう!多分ね、梨子ちゃん先生の………」
「…はぁーーーーーーーーーーーーーっ!?」
「危なっ、先生前見て!前っ!!」
そんな夜の出来事。
物語をす・す・め・ろ!殴
次回はファーストライブ終わるまでいきますよ。
…プロットなんてないから脱線してしまうんです。。