それでは、よろしくお願い致します。
「もう夕方か…」
新幹線を使わないと結構時間がかかるものだな。
読み終えた本を鞄に突っ込む、そしてこれからすべき
ことを頭の中で整理していくことにする。
まずは…この重たい蜜柑の袋をどうにかしないと…
そうと決まれば饅頭娘のところへお裾分け、これが
優先事項だ。
岸は穂むらへと足を運ぶのであった。。。
《ガラガラガラガラッ》
少し年期が入った扉を開くと…
「いらっしゃいま…げっ…」
ふむ、いらっしゃいま…えーーーの次はいらっしゃいま
げっ…か。なんとも不思議な言葉で客を出迎える和菓子
屋だこと。今度高坂の親父さんに言いつけてやろう。
ちなみにお店のカウンターから失礼なお出迎えをして
くれたのは高坂雪穂、高坂穂乃果の姉である…おっとw
妹である。あまりにしっかりした子なので二人並ぶと
どっちが姉かわからないのだwしかも高坂妹にはかなり
嫌われている、理由は簡単。この子がやっていたスクー
ルアイドルの編曲を断り続けたからで…結局は西木野が
作曲から何から全てやっていたみたいだが。。
あの時の西木野のとばっちりにはウンザリだったよ全く
。
「あ、和也くんだっ!」
一方の高坂は店の隅にあるテーブルに座っていて誰か
とお喋りしていたみたいだが、俺が店に入ってきたこ
とに気づいて声をかけてくれた。
妹に用事はないので高坂の方へ行くと…
「げっ…」
今度は俺がその言葉を発してしまった。あれから何年
も見ていなかったが、この髪の色…この髪型…間違うは
ずがない。元μ's最強双璧の谷を持つ百合コンビがいる。
え?何が双璧かって?それは…ほら…あれだよ…愛と勇気
と男のロマンと夢が詰まっているあれだよw
「岸っちやん!お久しゅう♪」
「和也、久しぶりね。」
絢瀬と東條だ…なんでここにコイツらがいるんだ。
うん、一刻も早く立ち去らねば何を言われるかわかった
もんじゃない。
「高坂、これ向こうの生徒さんのお姉さんから大量に
貰ったのだが俺1人じゃ腐らせてしまいそうだ。って
訳でお前にこれ、全部やるから。あとは皆で分けたり
するといい。」
早口で説明をし、高坂に蜜柑がギッシリ入った袋を押し
つける。
「あ、いい匂い…蜜柑だね♪ありがとう!」
…よし、やるべきことは終わった。次に何をするか考え
てないが早くここから立ち去る!これはミッションであ
る!!
「じゃぁな高坂、これからも和菓子屋で精進するといい」
別れの挨拶もこれで充分だろう。そそくさと入ってきた
扉へ向かおうと1歩踏み出したら、肩が砕けそうなくら
いの力で掴まれた。。どこのゴリラだよ、握力やべぇよw
「ちょっと待ちぃや♪久しぶりに会ったのに挨拶もせんと
帰るつもり?で?誰がゴリラやって!?」
そう言うと鷲掴みにした肩を振り回し近くにある椅子へ
俺を座らせる………その力!!それがゴリラやって!!w
はぁ、こうなってしまってはどうしようもない、素直に
従うか。
「久しぶりだな東條、絢瀬。じゃ俺忙しいから。」
完璧だ、俺天才だ!!忙しいから…これ最強じゃないか。
忙しい人を引き留めるなんて常識では考えられない行為
であるからして、これで帰れる…であるからして…なんで
肩押さえ付けれられてるの…??
「ちっとも変わらないわねあなた。こんなに可愛い子
が揃ってるのに他に優先することがあるのかしら?」
いやいや、可愛いってあんたら何歳だよ(苦笑)deadword
にも程がある…皆美人ではあるが。。
「…そ、そうだ。あれだよ、車!車を買いに行くという
ちゃんとした用事があるのだよ!」
まぁ正直今日じゃなくても良いのだけれど、理由を明確
にされたら向こうも納得するはず。
「そんなん明日でええやん?どうせ仕事は4月からやろ?」
…呆気なく論破されたwそう、まだ3月上旬。引っ越しな
どやることは有るには違いないが時間はある。。
くっそ…ここまでか。。何か逃げ道への活路はないか…
待てよ、確か絢瀬はポンコツだったはず…そして誉めら
るのに弱かった…これだ!今俺の肩を押さえつけてるの
は絢瀬1人…いけるぞっ!!
「絢瀬、久しぶりに見るがまた美人になったな。」
「…え?///」
よし、力が緩んだ…もう1押し。。
「それに今日着てる服もとても似合ってる…惚れそう
だよ。」
「…んなっ!?///」
お、肩から手が離れた…今だっ!!
そして俺は出口へと一目散に駆っける。…その出口に
悪魔がいることに気づかないまま。。
「ハハハッ、相変わらずポンコツだな絢瀬wサラバ
なのだよっ!♪」
「う…海未!その男を捕らえなさいっ!!」
は?何言ってるのやら、園田なんかいないじゃないか。
そんな嘘に騙されて俺が止まるとでも思ってるの?流石
ポンコツと言われただけはあるw
そして出口の方へ目を向け、栄光のゴールが見えたと
思ったら…鬼がいた。。
「海未ちゃん、ナイスタイミングのご来店やっ♪」
…嘘~っ、注意!!走り出したら止まらないぜぇ~♪
「理由はよくわかりませんが、わかりました。スゥー…
」
ねぇそれ空手の呼吸法だよね?そしてなんで構えてるの?
あなた今日本舞踊に日々精進してるはずだよね?俺避けれ
ないよ?死ぬよ?
「はぁぁぁぁぁ~っ!!」
園田が出した正拳突きは俺の鳩尾へとめり込み、その場
で力尽きる。こうして岸は、教師生活を送ることなくそ
の生涯を終えたのであった……完っ!
「海未さん…流石にそれはやり過ぎだと思うなぁ…」
皆苦笑いしてる中、開口一番の雪穂の言葉は店内の静け
さに染み渡る…。。。
って…
「おい園田!貴様は限度を知らぬのか。死人が出たら
どうするのだよっ!!」
「限度を知っているから今あなたは生きているのでしょ
う。相変わらずの馬鹿ですね。」
どうやら殴らないという選択肢はないようだ。選択肢…
殴って止める
殴って止める←
殴って止める
きっとこうに違いないw
結局園田に捕まり、そこからは雑談大会の始まり。
絢瀬はOLと掛け持ちでモデルをしているとのこと。
東條は神田明神で巫女への道を目指してるとのこと。
園田はやはり日本舞踊へと行く末を決めたとのこと。
高坂は和菓子屋を継いでいくとのこと。
南はこちらで就職が決まったと言っていたな。
西木野は確か医学部、小泉は農学部、星空は体育大学。
この子達も行く末は見えているのだろうし…なんだが
人の成長を感じるとこう…暖かな気持ちになる。
あれ、誰か1人忘れてるようなwあ、そうそう。
「なぁ、矢澤パイセンは今何をしているんだ?」
そう東條に訪ねると…え、知らないの?というような
表情をされた。そりゃ知らないよ、連絡取ってないし。
「にこっちは今をときめくスーパーアイドルやで?」
…?スーパーアイドルにこにーは夢物語じゃないの?w
「ほら、A-RISE覚えとるやろ?あの子達と同じ事務所
で日々頑張ってるみたいなんよっ♪」
ほぉ、あの生け簀かない3人組か…
「テレビだとバラエティーに引っ張り凧やし、CDも
売れとるのにほんま何で知らんの(苦笑)」
いや…まぁ…テレビ見ないし、スマホも基本通話だけ
だし…そうか…CDでも見かけたら買ってやるか。
「和也くん!さっきの蜜柑凄く美味しいよっ!静岡
に行ってきたんだよね?どうだった!?」
いつ見ても晴れやかな笑顔をするな…太陽みたいだと
誰かが言っていたが間違いなくそう思う。。
「ん?あぁ、かなりの片田舎ではあったが良い所だよ。
それに何より…海が綺麗だな。」
「…は、破廉恥です///殴りますよ?///」
…ねぇ、このテンプレどうにかならないの?こら高坂、
アハハで誤魔化すんじゃないよ。。ってかこんなので
将来結婚できるのか?不安である(苦笑)
「海水の海なっ!んで、車があった方が便利だと思った
からさっき買いに行くって言ったんだよ。」
あ、ちなみにちゃんと免許証あるからご心配なくwこのま
まただの身分証明カードになるかと思っていたが、やはり
取得していて正解だった。
「ほえぇ~…お金持ちだね♪穂乃果はいつでもお小遣い
待ってるよっ!」
ぶれない性格の持ち主だ、上げるわけないだろw大学
に入ってすぐ良い経験になるだろうと始めた家庭教師の
バイト…大学へも自宅から通っていたし無駄遣いもして
いなかったので中古車ならキャッシュで買うくらい貯め
てある。
色々な雑談が飛び交う中、気づけば辺りはすっかり暗
くなっていた。
「ほな、そろそろお開きせなねっ」
東條の一言で皆が一斉に立ち上がる。やっとか…やっと
解放されるのか。この恨みはこの場で返してやる…そう
だな、皆に皮肉の激励でもしてやろうw
「それじゃぁ、またいつか集まれる時があったら集まり
ましょう。」
ふむ、絢瀬か。
「絢瀬、精々社蓄に見舞われて老けてしまうといい。
っ痛ぁっ!?」
頭をクリーンヒットで叩かれた。
「せやね、ウチもまた楽しみにしとるよっ♪」
東條…。
「東條よ、その我が儘ボディーで客寄せパンダ巫女に
なれ。」
「…岸っち…夜道に…気を付けや…?」
…身震いがしたぞ今、ねぇやめてくれないかな、そんな
真顔で言うこと!?
「それでは穂乃果、また来ますね。」
園田、うん…ここはスルーで、死にたくないしw
「よし、それではな高坂。もう来ることもないだろうが
しっかりと和菓子屋を頑張るといい。」
「大丈夫、和也くんはきっとまた来てくれるし♪」
くっ…こいつのこの魔法みたいな笑顔はなんなのだ…
し、仕方ない、こっちに帰ってきたらまた来るか。。
余談ではあるが、穂むらを出た後…警察官に職質される
…溝に足を落とす…挙げ句の果てにはドーベルマンに
終われると散々な出来事に遭遇してました…東條…なん
てやつなんだ…。。。
そしてボロボロになりながら実家へと辿り着いた岸で
あった。
翌朝、時刻は午前10時…少し寝過ぎたと反省しながら
少し遅めの朝食。両親とも帰ってきてないみたいで
リビングはいつも通り少し寂しげな雰囲気である。
軽くシャワーを浴び、歯を磨いてる時に電気屋から
着信があったので折り返し、買い揃えた家電の配達
日を決めた。よし、後は車を買えば準備万端だな。
本日も晴天で、どこか晴れやかな気持ちになりながら
車屋を探すことにした。
決して安くはない買い物なので、大手中古車販売の
サイトを見ながら…ため息をつく。
「んー、なんかこう…違うな。やはり少し弄ってある
車が良いのだが。。」
ブツブツと独り言を言いながら中古車を眺めること
数時間…ふと1台の黒塗りセダンに目が止まる。
へぇ…クラウン…ね。何故かその車から目が離せなく
なり、気づけば電話を掛けていた。
長々とその車について説明を聞いたが、わからない
単語がいくつか出てきたので1度見に行くことにする。
なんだよマシンガンリレーって…死人が出そうだなw
所変わって某中古車に到着。店員に先ほど電話したもの
ですと言うと目的の車の場所へと案内してくれた。
「な、なんだこれは…かなり弄ってあるが車高が高すぎる
ぞ…綺麗に仕上がってるのになんと残念なことか。」
太陽の光をこれでもかというほど反射させ艶々をアピール
してくる黒塗り、内装は…なんとオーストリッチに張り替
えられている。凄くいい!!カッコいい!!のだが…
この車高は残念であった。。そんな独り言を店員が聞い
ていたのか…
「あ、こちらの車ハイスピードエアサスがついており、
マシンガンリレーも組んであります。」
ちょっと何を言ってるかわからないwエアサスってあの
バスとかに付いてるやつだろ?それはわかる…しかし…
それがハイスピード…で、マシンガンリレー??
岸の頭の中は?で埋め尽くされようとしていた時、店員
が徐にリモコンを取り出した。え、ちょ、何でリモコン
なのw車って鍵じゃないの!?
「少し煩いかもしれませんが我慢して下さいね」
は?煩い?ちょっと待っていよいよ意味がわからない。
…刹那…
《バシュシュシュシュ~》
!?もの凄くけたましい音を立てながら車高が一気に
落ち、エアロが地面スレスレになった…えw壊れたの?w
《シューッ》
次の瞬間、落ちていた車高が一気に先程の車高へと
戻る…ねぇ、これなんのマジック?(笑)
こちらがマシンガンリレーを組んだハイスピードの
エアサスになります、店員は笑顔で説明してくれたの
たが…これは…か…カッコいい!!w
ここで作者よりw車の話が長くなってきたので、まとめ
ていきます。
岸はこのクラウンを契約し購入した、以上!w
今の貯金でなんとか買えそうだったのでお金を下ろし
に近くの銀行へと来た。
まずは預金残高の確認っと。
えーと何々?一、十、百、千、万、十万、百万、千m…
ちょ、何で!?何で俺の預金が1000万もあるの!?
や、やばいよこれ…まさか何かの詐欺にでも使われた!?
怖くなり窓口で聞いてみることにした。今日は利用する
人も多く順番待ちなので、ずっと冷や汗をかいていた。
《25番の方、窓口へどうぞ》
あ、俺だ。まだ震える手を隠しきれず窓口にいる人
に事情を説明する。するとお調べしますのでお待ち
下さいと言われた…程なくして。。
「確認しましたところ、この方から振り込まれてるみ
たいですが…心当たりありませんか?」
そう言われその振り込み人の名前を見る……脱力した。
なんと母親である。
そういえば前にメールで振り込んでおいたとかどう
とか言ってたな…。
窓口の人に母親ですと伝えると安心してくれたのか、
大切にして下さいと言われ…おいおい、親バカにも
限度があるだろ…(苦笑)確かに通帳には母親の名前が
片仮名でしっかり印刷されている…金額しか確認せず
…人騒がせな。とりあえずこのお金は使わないで
返そう…そうだな、老後にでもなればあの頑固な両親
でも受け取ってくれるだろう。。。
そんなこんなで必要な金額だけ下ろし車屋へお金を
払うと納車準備に入るとのことで1週間後、静岡まで
無料で運んでくれるとのこと。乗って静岡は面倒なの
で感謝。
東京へ戻って色々な出来事と対峙することとなったが、
全てが一段落。後は内浦で荷ほどきと家電の設置をしな
がら車の到着を待つだけである。
そして今日4月1日、岸の教師としての第一歩が始まる。
空は穏やかに晴れ渡り、これからの教師ライフをどこか
祝福してくれているようだった。
ほんとは出てきてないキャラをごり押しで突っ込む
予定でしたが、なによりアニメ突入したかったので
カットしました。そして皆様には興味ないであろう
車の話をぶっ込んでごめんなさい。ちなみにこの車
のモデルはウチの親父のですw今年で40になるのに…
なんとまぁ頭の中10代なんですよ(苦笑)母親は自分
で稼いでやってるし家計に迷惑かかってないからほっ
ときなさいと申しています、うん、呆れてますねw
それでは次回からアニメに添って進行していきます♪