「人間で能力持ってたらそりゃあ浮くだろう。俺だって浮いてるだろうし」
「能力持ちの私たちからするとそうなんでしょうけど持たざる人から見るとどうなんでしょう?」
「質問する人間違ってると思うんだが…」
人妖は幻想郷のバランスを崩す存在。霊夢はそう思っている。
そもそも人妖とは何か、それは人が妖怪に変質したものや、妖怪じみた人間のことである。決して人型の妖怪のことを指すのではない。
そして、霊夢はこの人妖こそが最も危険な存在であると思っている。幻想郷を守る巫女として、バランサーとして、最も注意すべきなのは妖怪ではなく人間なのだ。人妖になってしまった場合は、最悪殺さなくてはならない。
まぁ、人妖に区別すべき人間は現在は存在しない。が、とても怪しい、グレーゾーンの人間はいるのである。
例えば人間と、妖怪のハーフである森近霖之助。まぁ、彼は危険度は高くない。少し頑丈で長生きな人間程度の認識でいいだろう。妖夢も半妖なのでこれと同じ理屈だ。次に迷いの竹林に住んでいる不死者共だが、月の都の住人なのでこれもパスだ。どっちかと言うとこいつらは人でなく妖怪だろうと霊夢は定義づけている。同様の理由で紅魔館のメイドの十六夜咲夜も除外だ。
……白黒魔法使い?そもそも脅威にならない。そして、一番人妖と言ってもいい存在。博麗の巫女として頭を悩ませている存在がいる。
「やぁ、霊夢。葬式以来だな。」
目の前のアルビノの青年である。
青年は霊夢の知り合いの中でも比較的良心的で霊夢も一目置いている。神社に来る時はしっかりと御賽銭をしてくれるし、人を尋ねる時は土産を必ず持ってくる。口調は顔に似合わない男口調ではあるが、霊夢からしてみると気を使わなくてもいいし、いろいろ頼めばしてくれるので好感が持てるなと思う部類である。
「霊夢、そんなにグータラしてるのは淑女としてどうなんだ…顔立ちはいいんだからお前のそうゆうところ直せば人気が出ると思うのだが…とりあえず土産の饅頭は卓袱台に置くぞ?」
「うるさいわね、私の勝手でしょ…ちゃんと境内の掃除とかはしてるから働いてるし…それで、今日来た理由を教えてくれるかしら?」
と、霊夢は気だるげに話しているが、最近は白黒の魔法使いも来ていなかったので暇していたから心のうちでは嬉しかったりする。
「少し頼みたいことがあってな」
「頼みたいこと??」
青年から頼んでくることなんて珍しい。この手の人種は一人でなんでも卒なくこなすタイプだから驚いた。
「霊力の扱い方を教えてくれ」
それは、霊夢にとっては予想の斜め下をつききるお願いだった。
「はぁぁぁ!?あんた、それ以上強くなるつもりなの!?というか使えてなかったのか!」
今でさえ霊夢を脅かすほどの実力なのだ当然霊力は使えるものかと思っていたのだが。素の強さに霊力を加えると手をつけられなくなるかもしれない…と、霊夢は頭が痛くなり、額に手をやる。
「というか、あんたの反則的な能力があれば私に教わんなくてもいいでしょ…」
「いや、俺の能力は力の概念には効かないんだよ。身につけてもそれの根本ができてなきゃいけないし、コントロールもできないからな」
「………これ以上強くなってどうするつもりなのよ」
霊夢は絶句し、ポツリと呟く。
「強くなりたいというよりは、仕組みを理解したいかね」
「はぁ……??」
流石に霊夢もちんぷんかんぷんだった。
「流石に、あんたの頼みでも、それに見合うものが欲しいわね…」
「ふむ…俺の能力はどこまで届く範囲なのかを教えよう。それと…」
と、霊夢の方にカードを3枚見せる。
「勝負に俺が勝ったらで、どうだ?」
「私に勝負を挑むとはいい度胸ね…」
丁度いい。青年の力量も見たかったのだ。
「やってやるわ」
珍しく霊夢は燃えていた。
後日、その勝負を烏天狗に撮影されて記事にされてしまい、霊夢と青年が妖怪の山を侵略しに来る異変が起きたそうだが、それはまた別の話である。
どうもこんにちは。
霊夢回です。ちなみに、霊夢は作中最強…のはずです。
あとは青年の能力をこれだけで見破れた人すごいなぁ…
誤字報告もいただきました。ありがとうございます。勢いで書くので結構間違えてしまうんですよね…見直す回数多くした方がいいのでしょうか…
次回もよろしくお願いします。