ラブライブ!~女神達を奮い立たせる旗手~ 作:実況夢見る少年幽魔
本編行くと言ったな。あれは嘘だ☆ミ(ゞω・)
初夏の香りがする6月初旬、松元一希は悩みに悩んでいた。
「何がイイんだろうな……。」
彼が考えているのは来たる6月9日、μ'sの名付け親にしてメンバーの東條希の誕生日である。一希はその誕生日プレゼントについて悩んでいた。
「んー、何か希の好きな物は………」
希が好きな物……それは高校生では食べ放題でしか手が届かないものだ。
「しゃーね、金飛ぶけど行くか。」
一希は受話器を取り、ある場所へ連絡した。
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それにしても希が焼肉が好きだなんてな。マジで金飛ぶ量半端ねぇぞこれ?
そんな事を思っていると
「ごめ〜ん!待った〜?」
今では大学1年生の希が到着した。巫女服と制服を見慣れている俺からしたら希の私服は新鮮な気分になる。
「いや、俺も今来たところだ。」
「そっか、ほな行こ?どこに連れてってくれるんやろうね?」
「いや、目的地目の前だから。」
「…………え?」
希はよーくお店の看板を確認、と言っても車道挟んだ向こう側だから見えないと思うけど…………
「焼肉屋さんやね!」
見えてる………だとっ!?ここからだと見えにくい物をこうもあっさりと!あ、デッカイ方の看板に堂々と書いてあったわ何言ってんだ俺。
「とりあえず、入ろうぜ。」
「うん!」
こうして俺たちは横断歩道を渡り店の中に入る。中では仕事終わりのサラリーマンが酒を飲みながらワイワイと焼肉を楽しんでいた。そんなおじ様達を横目に俺たちは事前に取っておいた個室に入る。
「よし、それじゃ注文しようか。希は何が良いの?」
「とりあえず、ホルモンとタンとカルビかな?一希君は?」
「あ、俺も一緒のにするわ。」
えー……希さん最初から飛ばすねぇ……最初から大分油物だぜ?
「一希君飲み物は?」
「ジンジャエールで。」
「OK。あ、すみませ〜ん。」
希が店員に注文する。こうして俺たちの焼肉パーティーが始まった。
追加でロースとハラミを注文した後の事だった。
「一希君はどうだった?μ'sの手伝いをしてみて。」
希は唐突にそんな事を聞いてきた。
「なんだよいきなりそんな事を。」
「なんとなく聞きたくなっただけよ。」
「そうか、まあ良かったかな。滅多に経験できないことが出来たと思うとそれだけで充実してたし、何より皆で一つのものを目指すって良い事だなって。お前らに教わったんだよ。」
俺はトングを掴んで肉を焼きながらそう言った。事実なのだそれは。あの一件以来あまり人を信じられなかったがコイツらといた事で変われたと。
「フフッ、ウチらもね一希君が手伝ってくれてホントに良かったと思うよ?準備を誰より先に行い、小さな事から大きな事まで力になってもらった。ありがとうね。一希君。」
「改まってこんな事言うのはクサイかもな。」
「そうやね。」
その後もトークは続く。μ'sの思い出を語ったり俺たちしか知らないメンバーの素顔を話したり。そして、話は……
「一希君は将来何になりたいとかあるん?」
将来の夢の話に。
「将来かぁ……。考えた事が無かったな。これと言ってやりたいことが無いんだよな。」
「やっぱりアイドル……というかアーティスト?続けるの?」
「それでも良いんだけどね〜。なんかそれで飯食っていける自信は無くてな。」
将来のことなんて何にも考えていなかった。なんとなく大学に入学して社会人になるものだと思ってたからね。
「でもやっぱり一希君は誰かを支えるためにやれる事をやりそうやね。」
「強く否定できない………。」
「そんな一希君に向いてる仕事は……やっぱりアーティストとして歌を皆に届ける事か、あるいは教師になる、かな?」
「教師かぁ……。」
教師は小さい頃にはよく憧れていたものだ。俺は小学生の頃友達が居なかった分、話し相手はいつも先生と穂乃果たちだった。その先生との日々はいつも楽しいものだった。自分もいつかこんな風に生徒の事を思いやれる先生になりたい。そう思っていた時期が私にもありました。
「一希君、勉強も出来るし何より人に教えるのは穂乃果ちゃん達に実践済みでしょ?」
「まぁ、アイツらが赤点とか幼なじみとして見てらんねぇからな。」
そう、3年に上がってから俺は穂乃果やことり、海未に分からないところを教えてあげている。その甲斐あってか海未とことりは前よりほんの少しテストの点数が上がり、穂乃果に関して言えば赤点か赤点ギリギリだったのが今じゃ平均点のちょい下、ていうぐらいになってる。俺?俺は学年一位だよ文句無いでしょ?
「でも俺、子供と接するの苦手だしなぁ……。やっぱり向かねぇよ。教師は。やっぱり歌手って事でイイんじゃね?」
「フフッ、やっぱりそう言うと思った。」
何?俺そんなに心読まれやすい?てか希のその台詞、どっかの超次元サッカーの名も無き小市民とか言って普通に名前あるという矛盾があるムキムキプレイヤーのじゃね!?
「そう言う希は何になりたいとかあるのかよ?」
「私は……よく考えたら何も無かった。何になりたいんだろうウチ……。」
「おい……人に聞いといてそれは…。」
希がなりそうなもの………普通の社会人というのはとても考えづらいな。やっぱり希と言えば……
「巫女さん続けるとか?」
「まぁ、それが1番やね。それぐらいしか考えてないわ。」
「まぁ、スピリチュアルパワーがある希そのものが神社だったりしてw」
「ちょっ!?///そんな事あるわけないやん!ていうかそういう時だけおちょくるのやめてーなぁ。」
「ハハッ。悪い悪い。こういう時しかお前いじる時が無いからな。」
「もう!一希君ったら!」
この後、肉を死ぬほど食った。どれ位かって?多分二人合わせて10人前位かな?これは俺のお財布エクスプロージョンするんじゃね?
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焼肉屋を後にした俺たちは希の提案で神田明神に来ていた。焼肉のお陰で腹が膨れて胃もたれが………。
「折角だから、絵馬書いていかない?」
そんな俺をお構い無しに希が提案してくる。しかも笑顔で!そんな笑顔で言われたら断れるわけないじゃないですかヤダー!
「あぁ、良いぜ。書こう!」
そういう事で俺たちは絵馬を書き始める。時刻は午後8時。綺麗な星空の下で願いを込めた絵馬を書いている。
「一希君は何をお願いしたの?」
希は書き終わった様で俺の絵馬を覗いてくる。
「俺か?俺は『これからも皆と素晴らしい関係にありますように』ってね。」
「一希君らしいね!」
「希のも見せてよ!」
そう言って俺は希の絵馬を奪うようにして、いやもう半ば奪ってるな。ごめんな希。
そうして手に入れた希の絵馬にはこう書いてあった。
『μ'sの10人がいつまでも幸せで繋がっていますように。』
そう、μ'sの10人が、と書いてあった。ただ、μ'sは9人の女神だ。俺は入ってはいけないはず。
「今、何で10人?って思ったやろ?」
「希………」
「確かにウチらは9人だったからμ'sって名前を付けた。でも、後々になって一希君、君という最高のマネージャーが現れたんや。それはウチらにとって最後のピースだったんよ。一希君は実際μ'sには入っていない。でも一緒に戦ってきた。だから10人なんよ。」
「俺は大した事してないって前から言っているが?」
「一希君がそう思ってなくても私たちがそう思ってるの!素直に受け取るべきや!」
「…すんません。」
怒られた。μ'sのお母さん担当に怒られた。
「でも、皆がそんな風に言ってくれるってことは俺がやってきたことは間違ってなかったって事だ。」
「勿論やろ?一希君は何一つ間違った事をしていない。μ'sの為にも、男子スクールアイドルの為にも常に一生懸命歩んできた。その背中がウチらには大きく見えたんよ。」
「………そっか。」
そう言い、俺はカバンを漁る。これは今の内に渡しておきたい品物だった。
「はい!誕生日プレゼント!渡すの遅れて悪いな。」
「えっ!?でも焼肉もお金払ってもらったし……。」
「相変わらずだな希は。今日はお前の誕生日だ。それぐらいは俺から金はいくらでも出すよ。」
「!!ありがとう!本当にありがとう!」
こうして俺たちは別れた。
俺には皆に打ち明けなければならない事がある。だがそれはまだ公には言えない。だけど希なら………信頼してその事を教える事が出来る。絵里姉と同じぐらい信用できるあいつなら。
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一希君と別れて家に帰った私はプレゼントを机の上に乗せてじっと見つめていた。そして一呼吸開けてから開ける。
「これは………」
紫色のブレスレットだった。それは嬉しいプレゼントだった、が、その箱にはもう一つ、何かが書かれた紙が入っていた。それを見て驚愕してしまう。
「そ、そんな………一希君……!?」
それは私どころか、μ'sの皆にとってとても残酷な現実だった。
最後の方のやつは前に引き続きネタバレというか、この後どうなるか予測させるためのものというか…
まぁこの話は本編では大分先になるので気長にお待ち下さい。