トリコと小松の人間界食欲万歳   作:Leni

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笑顔の食卓

『小松シェフ、世界料理人ランキング“第88位”にランクイン』

 

 その報は、世界を駆け巡った。

 

 解毒料理『薬膳餅』の調理工程簡略化で、四獣の猛毒という脅威から人々を救った小松。

 その功績が大きく評価され、小松は料理人としての誉れ、世界料理人ランキングのトップ100入りを果たした。

 

 小松の職場であるホテルグルメのレストランも、この報を機に予約が殺到。彼は料理長として、忙しい毎日を送ることとなった。

 そして、ランキング入りから一週間後。小松に突然、レストラン業務以外の仕事が舞い込んできた。

 

「はあ、CM撮影の協力ですか……」

 

 四年に一度の祭典。そのテレビ中継時に流される、コマーシャルの撮影への協力要請。

 そんな変わった依頼が、IGOから小松に出された。

 

 そして、その内容も、とても珍妙なものであった。

 

「女優さんを笑顔にすること……なんですか? これ……」

 

 小松は、依頼を持ち込んできたIGOの職員に、困惑の表情を向けた。

 すると、職員は恐縮しながら、小松に言う。

 

「件のCMは、IGOの広告なのですが……食卓を家族みんなで囲もう、という啓蒙(けいもう)がコンセプトでして」

 

 この飽食の時代、外食産業の発達により、食の選択肢が増えた。

 その結果、一家全員で家の食卓を囲む機会も減ってきているとの調査結果が出たという。

 

 国際グルメ機構IGOは、外食産業だけを振興しているわけではない。

 家庭料理や郷土料理の文化を保全し、後世へと伝えていくことも活動の一つである。

 

 そこで、四年に一度の祭典を機会に、家族で食卓を囲む啓蒙のテレビCMを流そうと、IGO広報局は企画していた。

 

 だが、そのCM撮影で、ある問題が発生したらしい。

 撮影本番で、監督がOKを出そうとしないのだ。

 その原因は、娘役の女優の演技にあった。監督は、彼女の笑顔の演技がお気に召さないのだそうで……。

 

「監督曰く、食事を楽しむ笑顔が作り物めいている、だそうで……」

 

「作り物めいて……演技なら仕方ないのでは?」

 

「撮影に使った料理は、家庭料理の大家(たいか)の方に作っていただきました。これを食べて、なぜその表情になるんだ、と監督が激怒しまして」

 

「はあ……」

 

「監督は、『お前は心から食事を楽しんでいない。センチュリースープを飲んで、本当の笑顔を体験してこい』と……」

 

「なるほど、そこでボクが話に出てくるわけですね」

 

 センチュリースープ。小松が以前、美食屋トリコと共に繰り広げた冒険の末に開発した料理だ。ここレストラングルメで提供している、人気メニューである。

 そのスープは、一口飲むだけであまりもの美味しさから、口角が上がり自然と笑顔になってしまうという逸品である。

 

「小松シェフ、お任せできますか?」

 

 IGO職員が、おそるおそるといった様子でそう訪ねてくる。もちろん、IGO傘下のホテルグルメレストラン料理長の小松には否やはない。

 予定を調整して、小松は件の女優へとセンチュリースープを振る舞うこととなった。

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

 最新鋭の若手女優ぺるぺる。その名は、小松も聞いたことがあった。

 飛ぶ鳥を落とす勢いでドラマや映画に出演し、ことごとくをヒットさせてきた。

 

 だが、小松が思い返してみると、彼女が食事を取るシーンを見た記憶はなかった。この時代の実力派女優には珍しく、グルメ女優という冠も掲げていない。

 芸能関係の業界では、彼女の食事に関する演技の難は、広く知られたものであるらしい。小松はセンチュリースープを用意しながら、そんなことを考えていた。

 

 ワゴンにスープ皿を二つ乗せ、クローシュと呼ばれるフタをそれぞれに被せる。

 

 そして、料理長である小松自ら、キッチンからレストランの席にワゴンを押していった。

 

「お待たせしました。センチュリースープでございます」

 

 小松は、窓際の席に座る二人の女性の前でワゴンを止め、そう言い放った。

 席に座るのは、女優ぺるぺると、彼女の担当マネージャーだ。

 

 センチュリースープを飲ませる依頼は、ぺるぺるに対してのみであった。

 だが、その彼女はマネージャーと一緒の食事以外は拒否しているらしく、小松は二人分のスープを用意することになった。

 マネージャーは一杯だけで相当な値段がするセンチュリースープを飲める役得を喜び、ぺるぺるに付き添っている。

 

 一方、小松は、女優ぺるぺるがマネージャーを伴う理由はなぜだろうか、と考えながら、テーブル席にスープ皿を並べた。

 

「うはー、これが噂のセンチュリースープ!」

 

 二十代後半の女性マネージャーが、クローシュを外されたセンチュリースープを前に喜びをあらわにした。

 すると、十代後半の美しい若手女優ぺるぺるも、長いまつげが生えたまぶたをパチパチとしながら、スープ皿を眺めた。その表情には、驚きが含まれている。

 

 センチュリースープ。なんと、その皿からは、美しいオーロラが立ちのぼっているのだ。

 美味しいだけでなく、見た目も美しい。それが、このスープであった。

 

「では、いただきます!」

 

 先にスープ用のスプーンを手に取ったのは、ぺるぺるではなくマネージャーであった。

 マネージャーは、おそるおそるといった様子でスープをすくい、口へと運ぶ。

 その様子をぺるぺるは興味深そうに見守っている。

 

 そして。

 

「はあああああ、なにこれぇ!?」

 

 あまりもの美味しさに、スープを飲みこんだマネージャーは驚き声を上げた。

 さらに、美味しさから口角が上がっていき、だらしのない笑顔を浮かべてしまった。

 

「ふふっ、マネージャーさん、何、その顔」

 

 マネージャーの表情の変化を見て、ぺるぺるがクスクスと笑って言う。

 

「ええー、そんなにひどい? もう、ぺるぺるちゃんも、飲みなさいよ!」

 

「はいはい」

 

 そうして、女優ぺるぺるもスプーンを手に取り、オーロラの立ち上るスープをすくう。

 そして、ゆっくりとスプーンを口へと運んだ。

 

「!?」

 

 すると、ぺるぺるもどんどん表情が崩れていき、口角の上がりすぎただらしのない笑顔へと変わっていく。

 

「うはははは、ぺるぺるちゃん、ひどい顔になってる!」

 

「え、ええーっ、そんなに?」

 

「もー、テレビで見せられない顔!」

 

 そんな二人の楽しげな食事風景を小松は横で黙って見守った。

 やがて、二人は騒がしくしながらもスープを完飲し、恍惚の表情を浮かべながら感想を述べ始める。

 

「ぺるぺるちゃん、すごい笑顔だったねー」

 

「そう?」

 

「これなら、監督さんも納得してくれるんじゃない?」

 

「そうかなぁ?」

 

「あの、少しいいですか?」

 

 と、そこで小松が横から会話に割って入った。

 

「あ、はい。なんでしょう?」

 

 マネージャーが、世界的有名シェフが傍に居ることをようやく思い出したのか、背筋をピッと伸ばして応える。

 

「センチュリースープの笑顔って、テレビCM向けの笑顔じゃないと思うんですよね」

 

「うっ、そうですね……」

 

「なので、CM用の笑顔を浮かべる、という目的には、沿わないのではないかと」

 

「確かに! ぺるぺるちゃん、笑顔の演技できそう?」

 

「やれますが?」

 

 マネージャーに言われ、ぺるぺるは美しい笑顔を浮かべてみせる。

 しかし、小松は首を横に振る。

 

「そもそも、監督の人は、演技で作った笑顔を求めているのですか? 自然な笑顔を求めていたと、IGO側から聞きましたけど……」

 

 小松のその指摘に、ぺるぺるは笑顔をやめて、押し黙る。

 一方、マネージャーは困ったような表情を浮かべて、小松に向けて言った。

 

「ぺるぺるちゃんは、食事中に笑顔を浮かべられない子なんです。家庭の事情が複雑で……」

 

 ああ、と小松は思った。

 小松は今回の依頼を受けるにあたって、女優ぺるぺるの経歴を調べていた。

 

 彼女は、家族から虐待を受けて育ったらしい。

 彼女の思い出に楽しい家族の食卓という原風景はなく、だからこそ彼女はグルメ女優にはなれなかったと。

 

「わたしたち事務所側も、ぺるぺるちゃんがグルメ女優になれるようにと、いろいろ手を尽くしたのですが……」

 

 マネージャーのその言葉に、小松は考える。

 女優ぺるぺるが食事シーンで心からの笑顔を出せない理由は、食を楽しむという行為を幼い頃に経験できなかったため。

 家族に虐待されて育った彼女にとっての食事とは、あくまで生きるために必要なこと。

 家族で食卓を囲んで、美味しい食事を他者と分かち合って楽しむという、CMの根本的なコンセプトにそぐわない女優が、ぺるぺるなのだ。

 

 そうして、小松は一つの決断をする。

 

「ボクは料理人です。やること、できることは一つだけです」

 

 そう言って小松は、マネージャーから視線を外し、ぺるぺるへと目を向けた。

 

「ボクができる唯一のことは、美味しい料理を作ること」

 

 横を向いたぺるぺると小松の視線が、交差する。

 

「ぺるぺる様には、美味しい料理を食べていただいて、笑顔になってもらいます」

 

 そこから、小松は二人にコース料理を用意した。

 IGOからの依頼達成に必要なことなので、二人に食事代は請求されない。その突然の役得に、マネージャーは目を白黒させながら食事を楽しみ、ぺるぺるも美食に舌鼓を打つ様子を見せた。

 小松は、一品ずつ手ずから運び、二人の食事風景をその様子をつぶさに観察した。

 

 やがて……。

 

「つかめました」

 

 最後のメニューを食べ終えた二人に向けて、小松は言う。

 

「三日後、また来てください。本当の笑顔というやつを引き出してみせます」

 

 そう一方的に会話を締めて、小松はバックヤードに下がる。

 そして、小松はホテルの電話機から、ある番号に掛けた。

 

「ああ、よかった! 繋がりましたね!」

 

 三日後に向けて、小松は動く。

 IGOからの依頼を成功させるため。それ以上に、一人の女優に笑顔をもたらすため。

 

「トリコさんに、食材の捕獲をいくつか依頼したいのですが……」

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

 三日後。

 ホテルグルメにやってきた女優ぺるぺるとマネージャーを迎えた小松は、早速とばかりに料理を提供した。

 それは、一人分の御膳。マネージャーの分の料理はなく、ぺるぺるだけの食事だ。

 しかも、その御膳は、先日のコース料理のような豪華なものではなかった。

 

 それは、変哲もない家庭料理。

 それこそ、今回のIGOのテレビCMで使うような、ありふれた料理であった。

 

 だが、その料理を口にしたぺるぺるは……これまでマネージャーが見たこともないような、心からの笑みを浮かべていた。

 

「ど、どういうことですか、小松シェフ!」

 

 笑顔で食事を続けるぺるぺるを横目に、マネージャーは小松へと尋ねた。

 すると、小松は自分の導き出した答えが間違っていなかったことにホッとしつつ、マネージャーへ説明を始めた。

 

「食卓には、愛や人情も必要でしょう。でも、家族や恋人の愛に満たされている人じゃないと、食卓で笑顔になれないなんて時代ではありません」

 

「……確かに? わたしも一人暮らしですが、食事が楽しくないなんて思ったことはないですし……」

 

「ええ。食を楽しむ一番簡単な方法は、美味しい物を食べること」

 

「先日のセンチュリースープも、コースメニューも、全部美味しかったですよ?」

 

「ぺるぺる様にとって、本当にそうだったのでしょうか」

 

「えっ……!?」

 

 まさかの小松の言葉に、信じられないとばかりに驚くマネージャー。

 

「人が心から美味しいと思える料理というものは、その人にとっての“好きな料理”です」

 

「えっと……?」

 

 小松の言いたいことが理解しきれず、困惑の表情から変わらないマネージャー。その彼女に向けて、小松はさらに説明を続ける。

 

「美食屋の方々などは、“人生のフルコース”を見つけることに心血を注ぎます。でも、そんな仰々しい言い方をしなくても、誰にだって“好物”はあるはずなんです」

 

「この料理が、ぺるぺるちゃんにとっての好物ってことですか?」

 

「はい。先日のフルコースを食べる様子を観察して、お二人の好みを把握させてもらいました」

 

「はあー、そんなことをやっていたんですね。さすが、世界料理人ランキング88位です」

 

 小松は、料理に関しては天才的だ。

 それこそ、世界的な料理人として、ランキングで正式に認められているくらいには。

 

「ぺるぺる様もその立場上、これまで美味しい料理をいろいろ食べてきたと思うんです。でも、今の時代、食事の選択肢があまりにも多すぎて、自分の本当の好物を把握しきれていない人は、それなりの数がいます」

 

 小松はそう言いながら、うっすら笑みを浮かながらも食事を続けるぺるぺるの方を向く。

 

「ぺるぺる様、食事中失礼します。一つ尋ねたいのですが……」

 

「はい、なんでしょうか?」

 

 食事の手を止めずに、ぺるぺるが小松に応える。

 そのぺるぺるに、小松は一つの問いを投げかけた。

 

「先日のセンチュリースープを食べたときの笑顔、演技だったんですよね?」

 

「……はい」

 

「えっ!?」

 

 あのゆるみきっただらしのない笑顔。それが演技だったと聞いて、マネージャーが心底びっくりしたという表情になる。

 ぺるぺるは御膳を食べるのを中断し、マネージャーの方を向いて淡々と言った。

 

「マネージャーさんの表情を真似しただけです」

 

「えっ、ええー!? あの笑顔が、演技だったの!?」

 

「はい」

 

 ぺるぺるのまさかの答えに、マネージャーは困惑するばかり。

 そんな彼女へ、小松が横から言う。

 

「ぺるぺる様は、センチュリースープを美味しいとは思わなかったんでしょうね」

 

「あの絶品スープを!?」

 

「センチュリースープは、ぺるぺる様の好みに合わなかったんでしょう」

 

「そ、そんなことがありえるんだ……」

 

 センチュリースープを飲んでこの世の極楽を味わったマネージャーは、本当に信じられないといった様子でぺるぺるを見つめる。

 そして、マネージャーはぺるぺるに尋ねた。

 

「じゃ、じゃあ、その料理は、ぺるぺるちゃんの好みにあったってこと?」

 

「はい……こんなに美味しい料理、初めて食べました」

 

「なんの変哲もない、家庭料理にしか見えないんだけど」

 

「……マネージャーさん、食べてみる?」

 

「え、いいの?」

 

「ふふっ、どうぞ」

 

 ぺるぺるは、小鉢のおひたしを箸で取り、マネージャーの口へと運んだ。

 すると……。

 

「あんぎゃーッ!? からッ、からいいいいッッッ!」

 

「ふふっ……」

 

 舌を出して絶叫するマネージャーと、それを見てクスクスと笑うぺるぺる。

 そんな二人の様子に苦笑しながら、小松は言った。

 

「ぺるぺる様の食の好みは、“超激辛”です」

 

「ひー……、ひー……。強烈……。ぺるぺるちゃんは、こういうのが好きなんだ……」

 

 マネージャーは、荒い息を吐きながら、顔に汗を浮かべ始めた。

 一方、ぺるぺるは笑顔で御膳を食べている。汗を流す様子は、まったく見られない。

 そんな彼女をさりげなく観察しながら、小松は思う。

 

 もしかしたら、女優ぺるぺるは味覚障害を患っているのかもしれない

 だが、小松はそれを指摘しない。なぜなら、そんな彼女も激辛料理を食べて笑顔になれるからだ。

 

 ぺるぺるは、心の底から小松の超激辛料理を楽しんでいた

 これでどんな料理も美味しく感じられないのなら、小松はグルメ専門医の診察を薦めていただろう。だが、彼女の好物は、ちゃんと見つかった。

 ならば、それでいいではないか。小松は、そう判断した。

 

 この時代の食は、多様性だ。

 好きなものを好きなように食べる。それの在り方が、広く受け入れられている。

 

 偏った食の好みがあっても、それを否定せず、食の好みを貫くことが許された時代。

 この飽食の時代の名を人は、こう呼んでいる。

 グルメ時代、と。

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

「トリコさん、食材の調達、ありがとうございました。おかげで依頼を無事にこなせました」

 

ホテルグルメ別館、プライベートテラス。そこでトリコは、小松からもてなしを受けていた。

 

「おう。報酬は、存分に楽しませてもらっているぜ」

 

 小松は今回の依頼に際して、“香りの弱い激辛食材”をトリコへ依頼していた。

 三日前のコース料理を食べる様子を見て、ぺるぺるの好物は超激辛料理だと見抜いた小松。

 だが、激辛料理というのは香辛料なりの香りがともなうものだ

 

 しかし、CMの撮影の際、食卓の上にそんな香りのする激辛料理を載せてしまうと、他の演者への影響が出てしまうかもしれない。

 それを懸念した小松は、香りを極力抑えた超激辛料理、それも撮影本番に使えるような見た目の家庭料理を用意した。

 結果は大成功で、小松は無事にIGOからの依頼をこなしたこととなる。

 さらに、テレビCMに使うぺるぺる用の料理を用意する仕事も、小松はついでにもぎ取っていた。

 

「お前には珍しく、仕事に貪欲だな」

 

 小松の料理を次々と平らげながら、トリコが言う。

 すると、小松は笑顔を浮かべて、答えた。

 

「超激辛料理なんて、作る機会は滅多にないですからね。少しでも練習したいんです」

 

「へえ……このタイミングで料理の練習となると、もちろん目的はあれだな?」

 

「はい! 激辛料理が題材として出されるかもしれませんからね!」

 

 小松は、素早い動きでトリコのための料理を作りながら、思いを馳せる。

 数週間後に迫った世界最大の祭典。

 その出場資格を小松は持っていた。

 

 開催月の世界料理人ランキングにトップ100入りすること。それだけが、祭典に出場できる唯一の条件なのだ。

 薬膳餅の料理工程改良で、ランキングの第88位に就いた小松。当然、小松は祭典へ出場するつもりでいた。

 料理人にとって、この上ない名誉。

 それが――

 

「楽しみだな、クッキングフェス」

 

「今から緊張で震えてきました!」

 

 ――四年に一度の食の祭典、クッキングフェスティバル。

 一人の料理人として、小松がそれに挑む。

 

 その先にあるのは、栄光か、それとも挫折か。試練の時が、近づいている。

 




女優ぺるぺる
若手女優の中で、最も注目を浴びている演技派。メソッド演技法と呼ばれる演技手法を用いるが、これまで心から美味しいと思える料理を食べたことがなかったため、メソッド演技法を用いたグルメ女優としての演技がこなせないでいた。
幼少期のトラウマで、刺激の少ない料理に美味しさを見出せないでいる。ただし、本人の舌はしっかり味を判別しており、味覚障害というわけではない。料理の味に対する感動が薄いだけである。そんな彼女を感動させる味が、超激辛であった。
今回の小松の活躍で、心を動かす美味しい料理という未知の分野に興味を持ち、女優業だけでなく激辛料理専門のグルメリポーターも目指そうと決意する。ただし、この先に待っている厳しい時代が、それを許さないのだが……。
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