オッス、俺ゴールド 〜ヤンデレ娘クリスとポケモンの世界で旅をする〜 作:友親 太一
【三十四番道路】
オッス、俺ゴールド。
俺達は散々迷いながらもやっとウバメの森をやっとの思いで抜けた。
あの森は広いは、暗いは、で本当に抜けるのに苦労したぞ。
ちなみにトレーナーやら野生のポケモンとも勝負して俺達のポケモンの強化も出来たのは助かったがな。
お陰でバタフリーが『ちょうおんぱ』を覚えそうになった。
が、悩んだ末に覚えさせない事にした。
混乱させるなら確率は低いけど『ねんりき』があるし、バタフリーなら麻痺、毒、眠りと状態異常技が豊富だからいらないと判断したんだ。
……尚クリスと抱き合った件は二人だけの秘密にするってクリスと約束した。
理由は俺が恥ずかしいからだ。
正直抱き合ってる所を他のトレーナーに見られてないか心配で仕方ない。
「うふふ♪」
……まぁクリスが非常にご機嫌だから良いけどな。
ついでのついでに言うなら俺達は今は手を繋いで歩いてる。
これも恥ずかしいんだがクリスにおねだりされて、ね?
……あぁ分かってるよ、こうやってクリスを甘やかすからアカンのだろ、って言いたいんだろ?
だが素直に「お願い、ゴールド」って言われると弱いんだよ、俺は。
……大概な親馬鹿だなと自分で思うわ。
「スリ〜スリ〜♪」
そんな事を考えながら歩いたら野生のスリープが襲ってきた……のだが何か様子がおかしいぞ?
一向に攻撃してくる気配は無いし、俺では無くクリスの方を見てニヤニヤ笑ってる。
かと思ったら俺の方も見て笑ってるし。
……気色悪いから逃げようかな?
「スリスリ〜プ♪」
「えっ、本当? ありがとうスリープ♪」
「スリスリーップ、スリ〜♪ スリープ?」
「いや~ん、そんなにホメないでよ♪ スリープったらお世辞がうまいんだから♪ アタシの名前はクリス、こっちはゴールドよ」
「スリスリ♪ スリ、スリープ?」
何やらクリスとスリープが意気投合してるんだが。
嫌な予感がするから、そろそろ逃げたい……
「うん、いいよ♪」
そう言いながらモンスターボールを取り出すクリス……って、まさか!?
「えい!」
案の定クリスはモンスターボールをスリープに投げてスリープを捕獲した。
「やったー! スリープをゲットよ♪」
「おいクリス、説明してくれ」
思わず俺はクリスに聞いた。
「いいよ♪ うんとね、スリープが「お嬢ちゃん可愛いね」って言ってくれて、それでね、アタシがお礼いうと「本当に可愛いよグフフ♪ 食べちゃいたいくらいにね♪ 君の名前は」って。
で、その後スリープが「お世辞じゃないよ、ねぇ、もし良かったら僕を仲間してよ?」って言ってくれたからゲットしたのよ♪」
…………今の会話が色々危険な気がする。
話だけ聞くとスリープがクリスを気に入って自分から捕獲されたって事だが……
「クリス、一回スリープをボールから出してくれるか?」
「いいよ? 出てきてスリープ!」
「スリ〜♪」
モンスターボールから出てくるスリープ。
やはりニヤニヤと気色悪く笑ってるな。
「クリス、スリープの言葉を通訳してくれ」
「わかった」
非常に嫌だが俺はスリープに質問する……本当に嫌な予感しかしないぞ。
「まずスリープ、お前はクリスを気に入って捕獲されたんだよな?」
「スリ、スリープ。スリ〜プスリスリ♪」
「「うん、そうだよ。クリスちゃんマジ美少女ハスハス♪」……だって。
いや~ん、美少女だなんて♪」
……この時点で既にアウトな気がする。
そして更にクリスは上機嫌になる。
俺は嫌な気持ちを抑えながら質問を続ける。
「……スリープ、人間の女とポケモンの女、どっちが好きだ?」
「スリプ♪」
「「人間の女♪」……だって」
「……………なら大人と子供なら?」
「スリプ♪」
「「子供♪」……って言ってるよ」
「………………なら男の子と女の子なら?」
「スリープスリ♪」
「「両方いけるぜ♪」……だって」
アウトーッ! アウトアウトアウトッ!! スリーアウトッ、チェーンジッ!!!
ゼェ、ゼェ……しかも全部即答かよ!
このスリープ、マジもんの変態じゃねぇか!
「スッ、スリープスリ、スリスリ♪」
「「あっ、ゴールド君も好みだよ、ハァ、ハァ♪」……だって。
ダメよスリープ、ゴールドはアタシの旦那さんなんだから、ゴールドはアタシだけのものよ♪」
……今、俺の背中に悪寒が走った。
このスリープはロリコンでショタコンかよ!
何気にクリスも気になる事を言ったがそれは今は無視だ!
「……クリス、スリープのモンスターボールを寄越せ」
「えっ、なんで?」
「コイツは危険過ぎる、だからボールを破壊してスリープを逃がすんだよ!」
俺達の貞操を守る為にな。
つかポケモンの癖に変態とかありえんだろ!
「いやーっ! スリープはアタシのポケモン、アタシの家族なの! 逃がすなんて絶対にダメーッ!」
そう叫んでクリスはスリープに抱き着く。
だが俺は諦めんぞ!
「その変態ポケモンから離れろクリス! スリープ、てめぇクリスに抱きつかれてニヤニヤするな!」
「スリスリ、スリススリープ!」
俺が力尽くで引き離そうとするとスリープは自分からクリスの腕をすり抜けて必死に何か言い出した。
「クリス、何て言ってるんだ?」
「うんと、「大丈夫大丈夫大丈夫、僕は紳士だから絶対に手は出さないよ!」……って」
「信用できるか!」
「ス、スリープ! スリープスリープ、スリープスリープスリスリープ!」
「「ほ、本当だよ! ロリとショタは愛でるもの、手を出すは僕の主義に反するよ!」……って」
「……なら俺に誓うか? 絶対にクリスには手を出さないとこの俺に誓え!」
「スリープスリープ! スリプスリープ! スリリープ!」
「「誓います誓います! YESロリータ、NOタッチ!」……だって。
ねぇゴールド、いいでしょ?」
クリスが上目遣いで俺に言う。
……俺ってクリスの上目遣いに弱いんだよね。
「……ハァ、仕方ない………良いよ」
「ありがとうゴールド♡」
俺に礼を言いながらクリスは今度は俺に抱き着きスリスリと頬ずりする。
……本当、俺ってクリスに甘いな。
「スマンがクリス、先に行ってくれないか? 俺はスリープと少し話がある」
「いいけど、スリープをイジメない?」
「虐めないよ、少し男同士の話をするだけだから心配するな」
「わかった、でも絶対にスリープをイジメちゃダメだよ!」
そう俺に念を押してクリスは先に進む。
…………さて、これだけ離れたらクリスには声は届かないだろう。
「……オイ、スリープ」
「ス、スリ!?」
……俺は思いっ切りドスを効かせた低い声でスリープに話し掛ける。
「……てめぇ……もし誓い破って俺の
……俺は例えポケモンでもクリスに危害を加える奴は手加減しない。
……スリープは本気で怯えてる。
「ス、リープッ! スリプスリプスリプッッ!!!」
……スリープは冷や汗ダラダラ流しながら何度も土下座する。
「……わかりゃいいんだよ。ま、仲良ぅしようや、スリープ」
……俺は土下座を続けるスリープの肩をゆっくりと叩く、とびっきりの悪い笑顔でな。
「スリッ!!」
スリープは涙を流しながら必死に頷く。
……これだけ脅せば大丈夫だろ。
「んじゃクリスの所に行くぞ。後、さっき言った事はクリスには絶対に言うなよ?」
「スリッ!」
スリープは俺に敬礼しながら答える。
これだけ恐怖を植え付けりゃクリスには手を出さんだろ。
俺達はクリスに追いつく為に少し急いで歩きだした。
……これはクリスの知らない俺の一面。
……こんな『俺』はクリスの教育に良くない、だから絶対にクリスの前では見せない『俺』。
さてクリスに追いつくまでに何時もの『俺』に戻らんとな。
……何時もの、クリスが好きな『俺』じゃないとクリスが心配するからな。
……たく、俺も筋金入りの親馬鹿だな、我ながら呆れるよ。