オッス、俺ゴールド 〜ヤンデレ娘クリスとポケモンの世界で旅をする〜 作:友親 太一
ハァイ、アタシはクリス。
アタシね、明日から愛しのゴールドと旅に出るの。
で、今はその準備をしてるの。
ウツギ博士がね、アタシ達にはポケモントレーナーの才能があるから各地のジムリーダーと戦う為に旅をしてみたらどうだ? って勧めてくれたの。
ゴールドは少し悩んでたけどいくことに決めたわ。
モチロン、アタシはゴールドについていくつもりだった。
そしたらゴールドの方から
「クリスも俺と一緒に旅しないか?」
って誘ってくれた。
もう嬉しくて嬉しくて自然に鼻歌が出ちゃうわ。
「〜♪〜♪」
あのシルバーとか言うゴミとゴールドがポケモンバトルした後、ウツギ研究所に戻ってきたら警察の人がウツギ博士と助手さんとお話してた。
アタシは思わず尻込みしたわ。
だってアタシが前にやったアレとかアレとかアレとかが警察にバレたのかと思ったんだもん。
アタシは警察が嫌い、だってジャマな虫けらを潰しただけで怒るんだもん。
でもアタシの事じゃなかった。
詳しく話を聞くと、シルバーとかいうゴミが研究所に残ってたポケモンを盗んで逃げたんだって。
全く下手くそね、ゴミめ。
アタシなら証拠も残さず誰にも見られずに完璧に盗める自信があるわ。
現にこの家にはゴールドから(勝手に)貰ったものがいっぱい、いっぱいあるのよ。
特にお気に入りなのが、ゴールドの下着(使用済み、洗濯前)コレクション。
ちゃんと一枚一枚真空パックして、ゴールドの香りを逃さないようにしてるよ。
……本当はコレクションを全部持っていきたいけど、全部持っていくには車でも無いと無理。
仕方ないから特にお気に入りのだけで我慢しましょう。
そ・れ・に・一緒に旅をしてたら下着ぐらいはいくらでも貰えるチャンスがあるわ。
ううん、男女一緒に旅をするんだもん、絶対に一線越えて見せるわ!
キャー、アタシって大胆♪
……ふとアタシは自分の部屋を見渡す。
……アタシしか居なかった部屋、アタシしか住んでなかった家。
……この家にはいい思い出はあまり無い。
でもいざ離れるとなるとやっぱり寂しいかな。
「チコチコ?」
「……大丈夫だよ、チコリータ」
だって明日から大好きなゴールドと、それにチコリータとずっと一緒にいられるんだもん。
……もうアタシはひとりじゃない。
「……ゴールド、あなたに出会えて本当によかった。これかもずっと大好きです……」
アタシは壁の向こうの、ゴールドの家の方に向かってそっと呟いた。
ゴールドには聞こえてないのは分かってるんだけどね。
「チコリータ、今日は一緒に寝ようね」
「チコ、チコ♪」
おやすみチコリータ。
おやすみゴールド……
★☆★☆
【ゴールドの家】
えーっと歯ブラシ入れた、ハンカチも入れた、下着は……多めに持っていこう。
……間違いなくクリスに盗まれるからな。
たく、俺の下着なんぞ盗むなよな。
と、言いたい所だがアイツは俺の物を手に入れたら一週間は機嫌が良くなって周りに迷惑かけないからから見逃してる。
……それがクリスを更に増長させてるのは分かってるが不機嫌なアイツは手に負えん。
不機嫌なアイツの相手するぐらいなら下着ぐらいやるわ!
尚クリスを置いて一人で旅に出るのは論外。
俺の目の届かない所にアイツを放置するのは、核ミサイルを安全装置無しで放置するようなものだからな。
それなら俺の貞操が危険に晒されてもクリスを連れてくわ!
それにしてもウツギ博士の所に警察が居たのにはビビったなぁ。
ついにクリスが捕まるのかと思わず早とちりしてしまった。
よくよく聞くとシルバー君が研究所のポケモンを盗んだと。
あの年の男の子は悪ぶりたくなる気持ちは分かるけどね、前世の俺にも昔はそんな時期があったしな。
盗んだ単車で暴走するのが青春ってもんだし 十代の子が非行に走るのはある程度は仕方ないさ。
でもシルバー君の場合は盗んだポケモンと走り出すが正解か?
まぁ泥棒は犯罪だから次に会ったらお仕置きするか……クリスみたいに盗みが癖になったら彼の将来が危ぶまれるし。
コンコン
ん? 俺の部屋の扉をノックされた。
「ゴールド、入って良い?」
「いいよオフクロ」
俺が答えるとオフクロがゆっくり部屋に入ってきた。
……正直オフクロには悪いと思ってる。
ウチのオヤジは単身赴任で、今は海外に居るから俺が旅に出るとオフクロを独りにしてしまう。
でも俺は旅に出たいと思ってしまった。
前世の子供の頃に憧れたポケモンの世界を自分の目で見て旅をしたいと思ってしまった。
俺の……遥か昔に無くしたと思ってた好奇心に火がついたんだ。
本当は寂しいだろうにオフクロは笑って旅に出る許可をくれた。
「……オフクロ、本当にすまない」
俺は部屋に入ってきたオフクロに謝る。
「いいのよゴールド。貴方はあの人の子、お父さんも一箇所に留まるのが苦手な人だもん。息子であるゴールドが似ちゃったのは仕方ないわ」
「……ありがとうオフクロ」
オフクロには感謝しかない。
少しでも親孝行する為にポケモンバトルで稼いだ金は一部オフクロに送ることにしよう。
それだけで恩を返せるとは思わんがせめてもの気持ちだ。
「でもたまには家に顔を出してね。お母さん心配だから」
「……分かってるよ」
実年齢は俺より年下のオフクロだけどこの世界ではたった一人の俺の母親だ。
……普段は天然だけどやっぱりこの人は母親なんだな。 俺のことをちゃんと心配してくれる。
俺はオフクロの子供で本当に良かったよ。
「あとクリスちゃんの事をお願いね。あの子あんな感じだけど本当は良い子だから……」
「それも分かってるよ」
アイツは本当は臆病で寂しがり屋で……優しい子だ。
昔、あんな事が有ったからアイツは狂ってしまった。
だから俺がアイツを守ってやらないと。
俺がクリスの保護者だからな。
「そう、それを聞いて安心したわ。そうそうお小遣いをあげないとね♪」
「 旅費なら夕食ときにオフクロがくれたじゃないか?」
「違うわよ、これは旅費じゃないの」
「はぁ? 旅費じゃないならなんなんだよ?」
意味がわからんぞ。
「ほら、ゴールドもクリスちゃんもまだ若いじゃない?
もし旅の途中で間違いがあったら大変だからこのお金でコンドームを買いなさい。大丈夫よ、いっぱい買えるように沢山あげるからね♪」
この人は……
「…………この」
せっかく見直したのに……
「どうしたの?」
「このドアホーーー!!! 十歳のガキに何言っとるんだタワケーーー!!!」
こうして俺の出発の前日は俺の怒声で終わった。
……この人を一人で置いてくの心配だわ。