オッス、俺ゴールド 〜ヤンデレ娘クリスとポケモンの世界で旅をする〜   作:友親 太一

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第四十三話 クリスとアカネ

 オッス、俺ゴールド。

 俺はひたすら自然公園でポケモン達の特訓に励んでる。

 クリスとは……その…………少し距離を置いてる。

 俺は……多分……クリスに…………いや違う!

 違うったら違うんだ!!

 ハァ…………ハァ……ハァ。

 

 クソッ、こんな感じで俺は平常ではない。

 ちゃんと俺の中で結論を出さない俺は……クリスと……向き合えそうにない。

 

 俺はクリスと……どうなりたいんだ?

 

 ★☆★☆

 

 ハァイ、アタシはクリス。

 今ね、夜のサイクリングを楽しんでるのよ。

 ミラクルサイクリングの店長さんに頼まれて自転車の宣伝の為にコガネシティを思いっきり走ってるのよ。

 この街は夜でも人が一杯でとっても賑やかなのよ。

 

 ……本当はゴールドと一緒に二人乗りしてサイクリングしたい。

 でもゴールドは昼の特訓で疲れて、もう寝ちゃったの。

 なんか最近ゴールドと一緒にいる時間が減って寂しいな。

 

「まぐまぐ?《どうしたのクリスちゃん?》」

 

 でもゴールドが護衛としてマグマラシを貸してくれたの。

 マグマラシは自転車の荷台に器用に乗ってるわ。

 ……もぉゴールドったら、本当に心配性なんだから。

 

「何でもないよマグマラシ」

 

 この街にいて危険なことなんてあるはず無いのに。

 第一もし何かあってもアタシにもベイリーフ達がいるのに。

 でもそれだけアタシを大切にしてくれるのは嬉しいかな♡

 

 ふぅ、夜風が気持ちいい。

 たまには夜更かしするのも悪く無いわ。

 でも普段はゴールドが絶対許してくれないのよね、「子供が夜更かしするもんじゃない!」って本当にきびしいのよ。

 本当ゴールドって過保護なんだもん。

 

 ……そういえば此処どこだろう?

 こんな道コガネシティにあったかな?

 …………あれ、アタシ考え事しながら走ってて迷子になった?

 

「……ねぇマグマラシ、此処がどこかわかる?」

 

「まぐまぐ、まぐまらし《わかんないよ、だって僕は普段はモンスターボールの中にいるもん」

 

 ですよね~。

 ……まずいなぁ、センターに帰れないって事はないと思うけど、あんまり帰りが遅くなるとゴールドやジョーイさん達が心配するかも。

 

「……まぐまぐまぐあらし?《……ひょっとして迷子になったの?》」

 

「あはは…………はい……迷子になりました。ゴメンねマグマラシ」

 

 アタシは素直にマグマラシに謝る。

 ……本当ゴメンね、アタシの迷子に巻き込んじゃって。

 

「まぐまぐまぐま!《だったらトゲチック君に頼んで空から道を確認してもらえばいいよ!》」

 

「それよっ! ありがとうマグマラシ!」

 

 空が飛べるトゲチックに誘導してもらえばすぐにセンターに帰れるわ!

 アタシは急いでモンスターボールを取り出し空に向かって投げる。

 

「出てきて、トゲチック!」

 

「トゲチク〜?《呼んだママ〜?》」

 

「お願いトゲチック、空からセンターに帰る道を教えて!」

 

「トゲトゲ♪《任せてよママ♪》」

 

 トゲチックは大きく飛び上がり数回周りを見渡すと戻ってきた。

 

「トゲチックトゲ、トゲ♪《道がわかったよ、ママついてきて♪》」

 

 よかった〜、これで迷子脱出よ!

 

「まぐまっぐ♪《よかったねクリスちゃん♪》」

 

「うん、ありがとうトゲチック、マグマラシ♪」

 

 

 

 

 

 

 

 ★☆★☆

 

 あれからトゲチックの道案内ですぐに大きな通りに出たわ。

 アタシったら知らないうちに裏道に入って町外れまで走ってたのね。

 

 ……そして今、アタシの目の前にはコガネジムがある。

 …………ゴールドはアカネ……さん……に感謝してるからアタシが恨むのは筋違い、それは分かってる。

 それでも……アタシの……心は…………

 

「トゲチク、トゲチックトゲ?《ねぇねぇママぁ、ジムに明かりが点いてるよ?》」

 

「まぐまぐ、まぐまぐまぐ?《本当だ、こんな夜遅くまで何やってるんだろう?》」

 

 ……確かに変だわ、とっくにジムの営業時間は終わってるはず。

 アタシ達は好奇心に負けてジムの窓から中を覗く。

 すると中には……

 

「ミルちゃん、『ころがる』でフィールドを十往復するんや!」

 

「ミルッ!《ほいなっ!》」

 

 アカネ……さん……とミルタンクがこんな遅くまでトレーニングしてる。

 二人とも汗だくでとても真剣そうだわ。

 

「トゲトゲ、トゲチク〜《ねぇねぇ、僕にも見せてよ〜!》」

 

「まぐま、まぐまぐ!《トゲチック君、押したら危ないよ!》」

 

「二人とも、あんまり大きな声出さないで!」

 

 あまり大きな音を出すと気づかれ……

 

「ん!  誰やコソコソ覗いてんのはっ!?」

 

 ……ちゃった、どうしよう…… 

 

 

 

 

 

 

 ★☆★☆

 

「すまんなぁ大声出したりして。ウチはてっきりスケベな男が覗いとるんかと思ったわ」

 

 アタシは今アカネ……さんに招かれてジムの中にいる。

 マグマラシとトゲチックは少し離れた位置でミルちゃんと話してるわ。

 

「ほら、うちのジムって女のトレーナーしか居らへんやろ?

 それやから偶にスケベな男が覗くんや、全く腹立つわ!」

 

 ……でもこの人すっごいおしゃべりね。

 さっきからずっと喋り続けてるわ。

 

「ほんで……えーっと……クリス……やったか?」

 

「……アタシの名前覚えてるの?」

 

 アタシは一度ゴールドの付き添いで来ただけなのによく覚えてるわね。

 

「そらな、あんなけ目の前でイチャイチャされたら覚えるわ。

 ほんでクリスは何で覗いてたん?」

 

「あ、あの……こんな夜遅くまで何やってるんだろうって思って……」

 

「あー、それな」

 

 そう言うとアカネ……さんは納得した様子でウンウンうなずいてる。

 

「……あんま言いふらさんといてぇな。

 ウチな、実はジムリーダーになってまだ日が浅いねん、他のジムリーダー達に比べたらまだまだ未熟なんよ。

 せやからジムリーダーの仕事終わってからジムに残って毎日自主トレしとったんや。

 それぐらいせえへんとチャレンジャー達に申し訳ないやんか。

 ウチは新米でもジムリーダー、チャレンジャー達の壁にならんとイカンからな!」

 

 ……カッコいい。

 …………この人は実はすごい努力家なんだ、それにすごく真面目。

 ゴールドが前に言った様にこの人にも色んな面があって……本当は素敵な人。

 それなのにアタシはこの人を……アカネさんを勝手な思い込みで……嫌ってた。

 ……アタシってカッコ悪いな。

 

「……アカネさん、ごめんなさい」

 

「ええねん、ええねん。ウチが遅くまで居るのがアカンねん。クリスは何も悪いことあらへんよ!」

 

 いや覗いた事じゃなくて……それも悪いと思ってるけど……それより勝手に貴方を嫌って、恨んで、潰そうとか思ってすいません!

 アタシは臆病だから理由を口にする勇気は無い。

 だから心の中で何度も謝ります。

 アカネさん、本当にごめんなさい。

 

「それよりクリスの彼氏に伝えといてんか? この前のバトルはスマンかったって」

 

「ゴールドにですか?」

 

 何でだろう、アカネさんはこの前のバトルは正々堂々と戦った。

 それなのに何で謝るの?

 

「せや。ウチこの前のバトルにミルちゃんを出したやろ?

 ミルちゃんはな、ウチがジムリーダーになる前からのパートナーなんよ。

 せやからレベルも結構高くてな……本当はバッチを七個持ってるチャレンジャーにしか使ってはダメなんよ」

 

 ほえ?

 

「……二人があんまりにも仲良うしとるからウチちょっとイジワルしてやろうと思ってミルちゃん出したんや。

 ホンマごめんな、カンニンしてぇな!」

 

 アカネさんが両手を合わせて思いっきり頭を下げてる。

 ……それを見たアタシは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……プッ……アハハハ!」

 

 アタシは我慢できずに吹き出した。

 

「わ、笑わんといてぇな! 自分でも子供っぽいことしたなって思っとるんやで!」

 

 アカネさんは顔を真っ赤にしてアタシに抗議する。

 その様子が本当に可笑しくて可笑しくて。

 

「しゃあないやん、ウチ生まれてからずっと彼氏なんか出来た事ないんや! せやからイチャイチャしとるクリス達がメッチャ羨ましかったんや!」

 

 本当に人には色んな面があるのね。

 さっきはとってもカッコ良よく見えたアカネさんが今はとっても可愛く見える。

 アタシ、アカネさんの事を好きになれそうだわ。

 

「……うふふ、大丈夫ですよ。アカネさんは素敵な女性ですから必ず素敵な彼氏が出来ますよ♪」

 

「……それ、嫌味にしか聞こえへんで。

 ま、せやから次に挑んできた時にはちゃんとバッチ二つのチャレンジャー用のポケモン使うからって彼氏に伝えてぇな」

 

 あーあ、アカネさん今度はいじけちゃった。

 この人本当に可愛いなぁ♪

 

「はい、伝えておきます。

 でも次にバトルする時も出来たらミルちゃんを出してあげて下さい」

 

「なんでや?」

 

「それはゴールドが今必死にミルちゃん対策の猛特訓してるからです。

 ゴールド、絶対にミルちゃんを倒すんだって張り切ってますからミルちゃんと再戦させてあげたいんです」

 

 ゴールドは負けず嫌いだもん、だからゴールドの性格だとミルちゃんを倒さずにバッチを貰っても嬉しくないと思う。

 ゴールドって意地っ張りだしね。

 

「……そうかぁ、そんなら次もミルちゃん出したるな。

 それよりクリスはちゃんと彼氏の事を理解しとるのは愛の力やからか?」

 

 アカネさんは今度はイヤらしい顔で聞いてくる。

 

「はい、アタシはゴールドの婚約者ですから!」

 

 でもアタシはハッキリとアカネさんに返事する。

 

「かー、婚約まで済ましとんか。

 こらぁ敵わんわ。

 なぁなぁ、いつ婚約したんや?」

 

 その後アタシはアカネさんと遅くまでおしゃべりしちゃった。

 ……帰ったらゴールドに怒られそうだけどアカネさんとのおしゃべり楽しかったんだもん。

 

 

 ★☆★☆

 

「なぁクリス、ウチと電話番号を交換せぇへん?」

 

 ジムを出るときアカネさんにそう言われた。

 

「……いいんですか?」

 

「ええも何もウチが聞いてるんやで?

 ウチな、クリスの事を気に入ったんや。せやから電話番号を交換して友達になりたいんや」

 

 ……友達に? アタシが?

 アタシみたいなのがアカネさんの友達になっていいの?

 

 アタシは……

 

「アタシも……アカネさんとお友達になりたいです」

 

「よっしゃ決まりやな。今日からウチ等は友達や!」

 

 ……友達……アタシの友達がアカネさん。

 

「後な、友達になったんやからクリスはウチのこと呼び捨てにしてな。ウチ、さん付けで呼ばれるの苦手やねん。それと敬語も禁止な!」

 

 い、いきなり言われても………

 

「え……えっと……ア、アカネ?」

 

「ほいな! そんな感じでええで!」

 

 その後アタシ達は番号を交換してアカネ……は自分の家に、アタシはセンターに帰った。

 

 ……ねぇゴールド、ゴールドの言う通りだったよ。

 ゴールド言う通り、人と話して人の色んな面を見たら素敵な事が起こりました。

 アタシに素敵な友達が出来たのよ。

 ありがとうゴールド、ありがとうアカネ。

 

 アタシはちょっとは変われたかな?

 アタシはちょっとは大人になれたかな?

 アタシはちょっとはゴールドに追いつけたかな?

 

 ……ねぇゴールド……ねぇアカネ……これからもよろしくね♡

 

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