オッス、俺ゴールド 〜ヤンデレ娘クリスとポケモンの世界で旅をする〜   作:友親 太一

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第四十六話 コガネジム ゴールド対アカネ その三

 俺の最後のポケモンはマグマラシ、アカネちゃんはミルタンクのミルちゃん……狙った訳じゃないが前回と近い状況になった。

 だが勝負の結果までは前回と同じにはしない。

 

「……マグマラシ、絶対リベンジするぞ!」

 

「まぐっ!」

 

 俺はクリスみたいにマクマラシと話す事は出来ない。

 ……だが話せなくても心は通じ合ってる、そうだろマグマラシ。

 俺は……俺達は絶対に勝つんだ!

 

「マグマラシ、『でんこうせっか』で先手を取るんだ!」

 

「まぐまっ!」

 

 マクマラシは素早くミルタンクの懐に入りその顎に向かって体当たりした。

 『でんこうせっか』は特訓中に新たに覚えた技、今回の勝負ではガッツリ使うことになるだろう。

 

「ミルちゃん!? くそ〜先手取られてもうたか。だが迂闊にミルちゃんに近づいたんわアカンで!

 ミルちゃん、『のしかかり』や!」

 

「ミッルー!」

 

「まぐ!?」

 

 マグマラシはミルタンクの巨体に潰された。

 『のしかかり』だと……馬鹿な、前回戦った時にはそんな技は覚えてなかった筈だ。

 

「ま、まぐ……ま」

 

 マグマラシの動きがおかしい、今のミルタンクの攻撃で麻痺したのか!?

 

「いつ……『のしかかり』を習得したんだ?」

 

「一昨日やで! なんやゴールド、特訓しとんのは自分達だけやと思っとったんか、 甘いで!

 ウチ等かて毎日鍛錬を積んどんや、アンタ等が強なってもウチ等はその先をいくんやで!」

 

「ミルミル!」

 

 ……くそ、俺は慢心してた訳でない、アカネちゃんを舐めてた訳でもない、だが……アカネちゃん達は俺達の更に上にいくと言うのかよ。

 

「ま、まぐ!」

 

 ……マグマラシ!

 ……そうだな……アカネちゃん達が強い事なんか初めから分かってた。

 強いからこそ俺達はアカネちゃんとミルタンクに挑むって決めたんだ。

 こんな事で怖気づく訳にはいかねぇよな!

 

「……ありがとう、マグマラシ。いくぞ、『でんこうせっか』だ!」

 

「まっぐーっ!」

 

「ブチかますんや! ミルちゃん、『ころがる』!」

 

 ……きた!

 

「『でんこうせっか』中断、『えんまく』だ!」

 

「まぐまぐーっ!」

 

「なんやて!?」

 

 これが今回用意した『ころがる』対策だ。

 そもそも『ころがる』は己の体そのものを回転させて攻撃するから狙いがつけにくい。

 なら『えんまく』で視界を遮れば更に命中させるのは困難になる。

 この前クリスと一緒にダブルバトルした時に咄嗟に使ったのを思い出して徹底的に練習したんだよ。

 

 俺達の思惑通りにミルタンクは攻撃を外した。

 これならイケる!

 

「マグマラシ、追い込むぞ! 『かえんぐるま』だ!」

 

「まっぐぅまーっ!」

 

 『でんこうせっか』に続く今回用意した新技その二、今のマグマラシ最強の技だ。

 マグマラシは火炎を纏ってミルタンクに向かって突っ込む!

 

「ミッルー!?」

 

「ミルちゃん!?」

 

 ミルタンクに命中、更にミルタンクの体毛に炎が燃え移った……火傷状態だ。

 

「くっそぅ、ミルちゃん一度立て直すで。『メロメロ』や!」

 

「ミル、ミルミル♡」

 

「まぐ~♡」

 

 でたな『メロメロ』、これでマグマラシがメロメロ状態になった。

 ……これの対策も死ぬ気でしたんだ、その成果を見せてやる。

 ……本当はゴローンで『メロメロ』食らう前に『じばく』が一番確実だったんだがな、クソっ。

 

 だがマグマラシでも対処は出来る。

 この俺のマグマラシならではの方法でな。

 俺は大きく息を吸い込む。

 

「スゥ……木の実っ!」

 

「〜♡〜♡ ……まぐっ!」

 

「な、なんや?」

 

「ミ、ミル?」

 

「そうか、その手があったのね!」

 

 アカネちゃんとミルタンクは困惑してるな、当たり前か。

 そして俺の行動の理由を一発で見抜けたクリスは流石だ。

 だが俺はまだまだ続けるぞ。

 

「にがい木の実、ハッカの実、焼けた木の実に凍った木の実、そして奇跡の実だ!」

 

 さぁ正気に戻れ、マグマラシ!

 

「まっまっぐーーーーっっ!」

 

「なんやて! なんでマグマラシに『メロメロ』が効かへんねん!」

 

「どうだ驚いたか! うちのマグマラシは色気より食い気優先な食欲魔獣。例えメロメロ状態でも大好物の木の実の名を聞けば一発で正気になるんだよ!」

 

 ま、こんな方法はマグマラシ以外には使えないけどな。

 

「んなアホな! そんなマヌケな方法で『メロメロ』を破られたん初めてやわ!」

 

 だろうね、俺も最初気付いた時はビックリしたよ。

 先日マグマラシが対戦中に眠り状態になった時、アイツはいきなり起きて遠くの木に走っていったんだからな。

 どうやらその木に実が実ってて偶々風で匂いが流されたのを嗅いで起きたらしい。

 

 その後バタフリーに協力してもらって確かめたらコイツは木の実って言うだけでも反応し、しかも眠り、混乱なら俺が木の実の名前を叫ぶだけで回復出来る事が分かったよ。

 『メロメロ』は確かめようが無かったから今回ぶっつけ本番だったが無事成功して良かった。

 

「マグマラシ、『でんこうせっか』だ!」

 

「まっぐーっ!」

 

 だがこの方法には欠点がある。

 それはこの方法で状態異常が回復するのは一時的なもので食欲が薄れるとまた状態異常がぶり返すんだ。

 つまり『メロメロ』の効果を無効化出来るのは短時間だけなんだよ。

 だからぶり返す前に速攻で攻める!

 

「ちっ、今ので大分ダメージ受けてまったな。ミルちゃん、『ミルクのみ』で回復するんや!」

 

「ミルッ!」

 

 それも対策は出来てる!

 

「『でんこうせっか』でそのミルクを奪え!」

 

「まっぐぅ!」

 

 マグマラシはミルタンクがどこからか出したミルクの瓶を奪い、そして自分で飲む。

 

「ゴクゴク……ぅまっぐぅ♪」

 

「……ウソやろ」

 

 アカネちゃんは驚くのを通り越して呆れてるな。

 まぁこの方法もマグマラシならではのやり方だけど。

 コイツ、飯が足りないと他のポケモンの分まで食べようとするんだよ。

 そこから発想を得て考えた対『ミルクのみ』用の疑似『どろぼう』だ。

 効果は見ての通り、これでミルタンクは回復出来ないぞ。

 

「どうだ、俺のマグマラシの食い意地は半端ないだろ!」

 

「そんなん自慢になってへんで!」

 

 良いんだよ、今回はマグマラシの食欲が大活躍してるんだからな。

 だがこのタイミングで『えんまく』の煙が晴れてしまった。

 

「しめた! ミルちゃん、こうなったら守りは捨てるで。『ころがる』や!」

 

「ミルミル、ミッルミルミル!」

 

「まぐ~っ!?」

 

 ミルタンクの『ころがる』がマグマラシに急所に当たった。

 マズイ、『えんまく』をもう一度やる時間はない、モタモタしてるとまたメロメロ状態に戻ってしまう。

 それに麻痺状態だから下手したら行動出来きなくなる可能性も。

 

「……こっちも守りを捨てるぞ! 最大火力の『かえんぐるま』で突っ込め!」

 

「まっぐっ!」

 

 ならこの攻撃で仕留める!

 

 マグマラシとミルタンクは正面からぶつかり、そのまま押し合いになった。

 

「ミッルー!」

 

「まぐ!?」

 

 ミルタンクの方が押してる!?

 マグマラシは少しづつ後退してるぞ。

 ……『ころがる』が二回目だから威力が上がってるのか。

 このままだと……負ける。

 

「がんばれゴールド!!」

 

 その時クリスが俺の後ろから声を上げた。

 クリス……そうだな……クリスの前で二度も負ける訳にはいない。

 俺は……俺はクリスの保護者なんだ!!!

 

「マグマラシ、『ひのこ』だ!」

 

「『かえんぐるま』しながら『ひのこ』やて!?」

 

「まっぐぅぅぅ!!」

 

 超至近距離で放った『ひのこ』をミルタンクが避けれる筈も無くミルタンクの顔面に直撃した。

 

「ミルッ!?」

 

 そのショックでミルタンクは『ころがる』を解除した。

 

「よし、トドメだ! 『かえんぐるま』!」

 

「まぐまぐまーっ!!」

 

 渾身の『かえんぐるま』はミルタンクを吹っ飛ばしミルタンクは炎に包まれながら地面に叩きつけられた。

 

「ミルちゃん!!」

 

 ミルタンクは気を失い戦闘不能になった。

 

「やっ、やったぞマグマラシ!」

 

「まぐ、まぐまぐ♪」

 

 俺とマグマラシは抱き合って勝利を喜ぶ。

 

「……ありがとうマグマラシ、お前のおかげだ。お前が居なけりゃ勝てなかったよ」

 

「まぐまぐ♪」

 

 今マグマラシが言ったことは俺でも分かるぞ、「どういたしまして」だな。

 

「うう…………うわ〜ん!! ひどいよ、ひどいよ〜!!」

 

 アカネちゃんがいきなり泣き出した!?

 な、なんで……つかどうしよう……

 俺とマグマラシはただ呆然と泣き喚くアカネちゃんを見つめる事しか出来なかった、本当どうしたらいいのよ!?

 

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