オッス、俺ゴールド 〜ヤンデレ娘クリスとポケモンの世界で旅をする〜   作:友親 太一

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第九話 クリス対長老 その一

 ……アタシはクリス。

 ……アタシは人間が嫌い。

 特にゴールドに寄ってくる女とアタシと同世代の男が大嫌い。

 ウツギ博士みたいな優しい大人ならまだ平気だけどね。

 

 アタシが好きな人間はゴールドとおば様だけ。

 そんなアタシが一番嫌いな人間はクリス……つまり自分自身。

 アタシは……クリスが憎い、殺したいほどに。

 

 でもアタシがクリスを殺すとゴールドと一緒にいられなくなる、それは死ぬより嫌……アタシは死んでもゴールドと同じ天国にはいけないから。

 ……アタシは確実に地獄に落ちるだろうから。

 ゴールドは……ゴールドだけは手放したくない。

 ゴールドだけいればあとは何もいらない

 ……だからアタシはクリスを殺すのを我慢してる。

 

 ……前に手首をカッターで切ったこともあった。

 けどそれはゴールドに止められて、それ以降はしてない。

 その時のゴールドがとても辛そうな顔をしたから。

 ……あんなゴールドは二度と見たくないから。

 

 ……アタシは人間が嫌いだけどポケモンは好き。

 ポケモンは人間みたいに汚れてなくてキレイだから。

 ゴールドに近づくメスのポケモンは少し嫉妬しちゃうけど……嫌いにはなれない。

 ポケモンには悪意が無いから……

 

 なのにあのシルバーとか言うゴミは、ポケモンをまるで道具みたいに扱う……ムカつくわ。

 アイツの顔を思い出すだけでイライラする。

 アイツがゴールドを突き飛ばした瞬間を思い出すと腸が煮えくり返る。

 なにより一番アイツが嫌いな所は……アタシが一番嫌いなアタシ(クリス)に似てることよ。

 

 ……アイツとアタシは似てる、だから分かる……アイツは始末しないとゴールドにとって良くないことが起こる。

 ……シルバー……お前の顔と名前は覚えたわ……絶対にゴールドには手を出させないからね……絶対にアタシの手で始末してやるから……

 

 ★☆★☆

 

「ふむ、こちらの準備は終わったぞ」

 

 長老さんのポケモン達の回復が終わったわ。

 今からアタシの初めてのトレーナーバトルが始まる。

 ゴールドに無理言って代わって貰ったバトル、絶対に負けないんだからね。

 

 ……このバトルでシルバーとアタシの力の差を測ってやるわ。

 アイツが簡単に倒した長老さんにアタシが苦戦するならアタシがシルバーを始末するのは難しいと言う事になる……それを確かめる為にもこのバトル、本気でいく。

 

 ゴールドの提案で今回のポケモンバトルは少し変則なルールでやる事になった。

 長老さんの手持ちポケモンは三人、対してアタシの手持ちはチコリータだけ。

 これではアタシがあまりにも不利だからゴールドのポケモンを一人だけアタシの手持ちとして使わしてもらえることになった。

 ありがとう、ゴールド。

 

「では、そなたとポケモンの絆、確かめさせて貰うぞ」

 

「はい、お願いします!」

 

 お互いにモンスターボールを構える。

 

「出番よ、チコリータ!」

 

「チコッ!」

 

「構えよ、マダツボミ!」

 

「マーダーツボミ!」

 

 長老さんの出したポケモンはマダツボミね。

 予想はしてたから驚きはないわ。

 

「マダツボミよ、『つるのムチ』じゃ!」

 

「マダッ!」

 

「チコリータ、『リフレクター』で耐えて!」

 

「チコッ!」

 

 チコリータに打ち付けられたマダツボミのツタ、でもリフレクターで半減されたから大したダメージじゃないわ。

 

「反撃よ、『はっぱカッター』!」

 

「防げ、『つるのムチ』!」

 

 チコリータから放たれた無数の葉をマダツボミはツタではたき落としてく。

 ……でもすべての葉を落としきれず残った葉がマダツボミを襲う。

 

「……やりおる。マダツボミよ、『せいちょう』じゃ!」

 

 あの技は確かポケモン塾で習ったわ……えっと確か……攻撃力を上げる技!

 あの技で『リフレクター』の効果で半減した攻撃力を補うつもりね。

 

「チコリータ、追い打ちをかけなさい。『はっぱカッター』!」

 

 『せいちょう』が終わる前に仕留めてみせる。

 

「……こちらの狙いを読んだか」

 

 そう言うなら少しは悔しそうな顔をしなさいよ。

 無表情で言われても馬鹿にされてるようにしか聞こえないわ。

 て、そんなことより今は追撃よ。

 

「チコリータ、『たいあたり』!」

 

「……マダツボミ、『つるのムチ』!」

 

 『せいちょう』が終わったの!?

 なら……

 

「チコリータ、『つるのムチ』を避けながら『たいあたり』を続行!」

 

「何?」

 

 だから無表情で驚かないで!

 そんなアタシの気持ちは関係なく、チコリータは指示通りツタの間を走り抜けてマダツボミに『たいあたり』を当てた。

 マダツボミはそのまま気を失ったわ……つまりアタシの勝ちよ!

 

 「……『せいちょう』で生じた僅かな行動の遅れをついてきたか、見事なり」

 

 だから無表情で……て、もういいわよ!

 

 「戻れマダツボミ……御苦労であったな」

 

 「ありがとうチコリータ、少し休んでね」

 

 お互いにポケモンをモンスターボールに戻して仕切り直しね。

 ……とにかく一勝、このまま押し切ってみせるわ!

 

 見ててね……ゴールド。

 

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