男子vs女子の勢力合戦で第三少数勢力にされた件 作:とってもみかん
《レジスタンス》メンバー
2年
フジモト 1組
俺 3組
タナカ 3組
水樹 澪 4組
3年
暁 美玲 1組
冬月 アリス 1組
《男子》チーム
3年
LEADER 東玄 春馬 2組
真っ白に染まった視界にだんだん色が戻って来る
そこには先ほどまで自己紹介をし合った《レジスタンス》の面子ではなく、まるでバオバブあたりの巨大な樹木を輪切りにしたようなデザインの円卓があった。
転移されたのは、学校の教室ぐらいありそうな広い部屋。
置いてあるのは六つの木の幹を大胆に使った椅子、そしてその円卓ぐらいだ。
ただっ広い部屋の割には天井が低く、2mほどだろうか?ジャンプすれば頭をぶつけそうだ。
壁には明るい木目の檜の板が隙間なくはめ込まれ、部屋の四隅には外皮がついたままの樹木を大胆に柱に使用している。
天井はなにやらゴツイ木の根のようなものが張り巡らされており、土色をした・・というか土が天井を構成している。
まるでアリ〇ッティの家みたいだな・・。
そう思っていると、自分の真後ろにあったらしい木製の扉がバターン!と開いた。
突然響いた物音に反射的に体をそちらへ向ける。
「はぁはぁ・・」と両手を膝について息を整えてるタナカがいた。
どうしたんだ? と声をかけるよりも早く
「やっと来たか!みんな待ってるぜ。」
タナカにひとしきり分かってる範囲の拠点内部を連れ回され・・もとい案内された後、俺は「みんなそこにいるぜ」とタナカが言う部屋へと連行された。
「おそいぞー!なぁーにやってんのさ」とアリスの声
その部屋はなんというか・・バーの店にあるような洒落た家具やインテリアを全て木製に変えてみたような部屋だった。
俺が入った扉の真向かいには黒っぽい木でできたバーカウンターと、やたら背の高い椅子が6つ。
奥には3人ほど座れそうなと丸テーブルがある。
絶妙に低い天井や暗めの木材と対照的に純白の光で部屋を照らす天井の円形ライト。
また、頭上でカラカラと回るシーリングファン。
どことなくアジトって感じがするなぁ・・と思いばがら、この部屋に集まっているメンバーに目を向ける。
まず目の前、学校の制服姿をしたアリスと澪がカウンター席に座り、カウンター奥のキッチンで美玲が何かしている。
・・・?
澪・・って服着てたっけ・・。
と思ってただけならよかったものの、茫然となった俺の脳は無意識のうちに施行と発声機構をリンクさせていたようで。
「ねぇ、聞こえてるんですけど!ワ・タ・シが!服着てたら悪いかなああああああああ!?」
「ひいぃぃぇあああ!すみませせせせえええ」
間
「なるほどね、それで澪がタオル一丁から脱却してると・・」
その後、どこからか戻ってきた様子のフジモトが、仁王立ちになった澪の前で土下座して謝っている俺に、ゲラゲラ笑うアリスとタナカを無視して懇切丁寧にこれまでのことを説明してくれた。
最初に転移された部屋の円卓が《マップ》に変わったこと。
個々に配布されるポイントと個人のレベル
ポイントを消費して得られる様々な便利グッズ
そして《敵》の倒し方
それらすべてが謎の放送主に説明されてるとき、ずっと俺はいなかったらしい。
時間差なのか、それとも《転移》の魔法的な何かが俺に効きにくいのだろうかは定かではないらしい。
とりあえず分かったことは、俺がいない30分強の間にみんなは《拠点》の調査や機能の確認を済ましたらしいこと。
それと先ほど《拠点》の外を確認に行っていたらしいフジモトが
「この辺はゲームとやらを行うエリアのほぼ北西末端に位置する山・というか林の中にある。地上からは、小さな木造のログハウスに見えるが、この場所はそのログハウスの床下に隠された地下に当たる部分のようだね。」
と軽く《外》の様子を偵察していたらしい。
いろいろな説明を一度にされて、ふんふんと相槌を打つだけだった俺だったが、まあ大体今の状況は分かった。
「言っとくケド、さっきのセクハラ紛いの発言、私忘れないからね!次ヘンなこと言ったら・・これでえい!だからね。」
聞いてみたところ、彼女はポイントを服に変えられることを放送で知ってから、即座にポイントを消費し、別の部屋で着替えたらしい。学校指定の制服か体操服しかないと文句を言っていたらしい。
ちなみに、これで・・と言ったタイミングで腰からシュルルと回転させながら取り出した純白のゴム製のナイフを俺に向けていた。
やけに手慣れたナイフ捌きだなぁ・・とさっきの「えい!」とかいう発言を思い浮かべて冷や汗を浮かべながら聞いてみた。
「それにしてもそのナイフってホントにそんな不思議な効果あんの? ただのおもちゃにしか見えないけどなぁ。」
全員が所得することができる二つの武器の話は聞いた。
圧搾ガスを使い巨大な網を撃ちだす小型グレネード砲もどうかと思うが、驚いたのはぶち当てた相手を気絶させるという摩訶不思議なナイフだ。
ちょうど30cm物差しぐらいの長さに純白の刀身には刃がついておらず、どうにもオモチャっぽい、てかオモチャだこれと最初見たときは思った。
しかしフジモトが
「澪さんが着替えるって言って違う部屋に行っちゃうから、心配になって見に行ったら出会い頭にそれでブン殴られて10分ぐらい気絶してたよハハハ」
と言っていたので信じざるを得ない。
「二人とも、野暮な喧嘩はその辺して下さい。・・はい、できましたよ」
トン トン トン・・・と白磁の皿に乗せられて出されるのは、見事な白と茶色のツートーン・・つまりカレーだ。
そのカレーを作った主、俺にとって三年生の先輩にあたり女子剣道部の首相 暁 美玲 は6人分のカレーの皿と、最後に木製の大きなボールに盛られたレタスに縁どられたポテトサラダをバーカウンターにどんっ!と乗っけると
「さぁ、召し上がってください。」
俺にイガイガいっていた澪と、それを見てにやにや笑っていたアリスは座っていた椅子をそろって回転させ、体の向きを180度変えた後
「「いただきます!」」
とカウンターに置かれた竹の匙入れからスプーンを抜き出すと、バクバクと食べ始めた。
「うんま~! やっぱみれぇーの作るカレーは最高だよ!」とアリス
「本当においしいです先輩、私が家で作るようなのとは全然違いますよ!」
美玲先輩は微笑を浮かべると制服の上に来ていたエプロンを脱ぎ、自身もカウンターに座ってスプーンをとる。
「ありがとうございます。ローリエやハーブもポイントで手に入るので意外と本格的にできましたね。」
耳打ちしてきたタナカによると、あのキッチンの脇にある棚の紙のメニュー表をみながらそこに書いてある食材の名を言うと、相応のポイントが引かれた後どこからともなく段ボール箱が現れ、中には食材が入ってあるそうだ。。
そのときカレーの匂いに当てられてか、俺は大きな腹鳴りを鳴らした
そういえば、このヘンな《ゲーム》に飛ばされるのは、飯食いに帰る前だったからな・・。
みるとフジモトもタナカも飢えた眼でカレーを見つめている。
「ちゃんと皆さんの分もありますし、お代わりもありますよ。たくさん食べて下さい。」
どことなく嬉しそうにに美玲先輩が言う。
ああ・・嗚呼、美玲先輩・・あなたが神か・・。
心が完全に同期した男3人衆は、席に座るとただただスプーンを動かし続けた。
最近の女子高生は、「男子と食べるなんて絶対イヤ!」とか言いそうなイメージだったのだが、この三人に至ってはそんなことはないそうだ。
俺たちは学校にいたころの下らない話をしながらカレーを食べ終えると、何故か俺とフジモトは半強制的に皿洗いをさせられた。
途中、「こ、これが美玲先輩が食べたスプーン」と横で皿を洗っているフジモトから聞こえた気がしたが多分気のせいだろう。
二人で黙々と皿を洗っていると、ふと、アリスが言った。
「さて、じゃちょっと《外》に探検でもしてきますか。」
最後まで読んでいただきありがとうございます
やはり小説を投稿し続けるっていうのは難しいですね。
ずっと連載を続けている人はホント尊敬します!